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 2007
 7. 7

◎今日7月7日は、ご存知の七夕。五節句の一つです。天の川の両岸にある牽牛と織姫が年に一度相会するといいますが、どうやら今日は雲が厚く天の川が見られそうにもありません。
 ところで、七夕の日は、悲しい出来事のあった日でもあります。それは、「七夕空襲」と呼ばれている今から62年前の1945年の7月7日の未明にあった千葉市の市街地の空襲でした。私は、子供の時に父(故人)からこの日の生の様子を何度も聞いたことを覚えています。短冊に恒久平和の意志を表したいと思っています。
※PCの故障で1週間遅れましたが、いつもの便りです。

 『コジュリン(小寿林)の囀りを堪能』
 昨日は、野鳥の会の探鳥会に行きました。房総風土記の丘公園の中をめぐり探鳥しました。私達幹事5名を入れて32名でしたのでちょうど良い人数でした。
 お目当てのサシバ(タカ科の猛禽)は、何度か梢に止まったり、上空を優雅に飛翔したりとサービス満点でした。この日は、野鳥だけでなく、ウチワヤンマやチョウトンボ等の昆虫やハンゲショウやトンボソウ、ウツボグサ等の野草も楽しめました。
・終了後、散策仲間のIさんに誘われて、コジュリンとコヨシキリを見に行きました。どちらもとっても可愛い小鳥でした。
・コジュリンは、葦のてっ辺にちょこんと止まり黒鍋を被ったような滑稽な姿で、ピーツクチョピーと囀っていました。声はホオジロに似ていましたが、細くやや短い感じでした。
・この種の名前の由来は、少し大きめのオオジュリン(大寿林)が、冬にチュリーンと鳴くことからと、ポケット図鑑(真木公造著)に載っていた。が、保育社の野鳥図鑑(中村登流著)には、ジュリンとは、鍋被のことと出ていた。
この方が、今日見た姿が名に一致するのですが、詳細は不明です。


・とても広い葦原にこれらの可愛い小鳥を見ていると、なんだか日ごろの慌しい日々が癒される気がしました。
 そういえば、自分自身の楽しみのための探鳥は、本当に久しぶりでした。ほんの短い時間でしたが至福の時でした。
皆さんも、お住まいのお近くにでも散策にお出かけになりませんか。

    コジュリン・・・頭が黒く愛らしく、声が素敵
   

コジュリン…ホオジロ科の小鳥。夏はオスの頭部と喉が黒色になる。本州中部と、九州の一部で繁殖するが、局地的である。数は、とても少ない希少種である。
 千葉県レッドデーターブックAランク。環境省カテゴリーVU絶滅危惧種である。
 なお、絶滅危惧種であるため、撮影場所等は一切控えさせていただきました。悪しからず。


 ※ 別件ですが、”ふれあい毎日”の取材がありまして、ウエットランドガイドのことが、7月4日号に少しですが掲載されました。次のアドレスからWebページが見られます。
  「HPふれあい毎日」のURLは、
 http://bunya.ne.jp/fureai/bn/0707/main.html

 2007
 7. 13

◎非常に大きい台風4号が近づいています。大きな被害が出ないことを願うばかりです。
 また、TVを見ていたら、介護サービス事業のコムスンの受け皿についての特番をやっていました。私も今日ケアマネージャーと母の介護の件について話し合いをしたばかりです。
 ここにも現政権の弱者に対する切捨て施策が横行していることを具体的に知りがっかりしました。 いつもの便りです。

 『鳰(にお)の浮き巣』
◎ニュータウンの調整池に一年中いる水鳥カイツブリは、繁殖期になると独特な巣を作ります。それは、浮き巣です。
 池の水面に枯れた草(葦やマコモ)の茎や葉、時には発砲スチロールの欠片などを器用に使い、変形の球体を作り、水面に出ている部分を凹まして作るのです。浮き巣といっても流れませんので水面下で葦などに茎にくっ付いているのでしょう。
・この数年、浮き巣を作り抱卵している姿を見ますが、子を連れている姿はまだ見たことがありません。今年も最初に巣の上に乗っている姿を見た次の日には、卵はすでになく亀たちが巣を大玉ころがしのようにして遊んでいました。蛇などによるものか増水によるものか、原因は、はっきりしませんが繁殖が難しいのは確かなようです。
・この池にある浮き巣は、橋からもデッキからも100メートル以上離れていますので、親鳥にレンズをむけたり、覗き込むことによるストレスを与えることはほとんどないと思います。
 そういう意味では観察に良いのですが、かなり高倍率の双眼鏡か望遠鏡が必要となります。


・タイトルの「鳰(にお)」とは、カイツブリの古名です。万葉集にも「にお」とか、「にほ」「にほどり」という名で詠まれ、「鳰の浮き巣」の言葉が詠まれています。
 にお(にほ)とは、みほ(水含)という意味で水に囲まれている鳥、つまり水辺にずっと暮らしているこの鳥の習性からきているようです。
 カイツブリと呼ばれるようになったのは、室町時代位からのようで、「水を掻きつ潜りつ」の意かららしいです。
・今回の台風による池の水の増水が、現在抱卵中のこの浮き巣にどう影響を与えるかが心配です。

   
    古名を「鳰」と呼ばれていたカイツブリ

カイツブリ…カイツブリ科中最小で全長約26センチの水鳥。夏羽は顔から首の上部まで赤褐色。”ケレケレケレ”と大きな声で鳴く。 全国の池や湖沼に普通にいる。
 留鳥。水に潜って小魚などを採餌。

 2007
 7. 17

◆ 長岡3秒前、長野20秒前。最新の地震情報システムによる発生を知らせる速報です。20秒前なら何かできそう、でも3秒前で何ができるのだろう。不安が増すばかりのような気がします。昨日の地震(注:中越沖地震)発生時は、いつもの調整池にかかる橋(車道4車線あり)の上にいました。かなり大きな横揺れを感じましたが、ここは大型車が通るといつも揺れるのでさほど気にはなりませんでした。被災しました地域のできるだけ早い復興を祈念いたします。

 『昆虫天国!』
◎里山(大相撲の力士)は、今場所も崖っぷち。昨日で、1勝7敗。ちなみに先場所(初入幕)は、1勝6敗になってから頑張って7勝8敗で幕。今年はどこまで行くのでしょうか気になります。昨日は、本業(?)の方の「里山」に出かけました。
・今回は海の日でお休みの日でしたので、子供達の参加も多く、昆虫の紹介にいつもより力点を入れた散策会でした。
・まず、昆虫担当のスタッフが捕ってきたのは「ナナフシ」でした。焼き鳥の串に楊枝を5,6本くっつけたような姿の昆虫です(写真右参照)。 「擬態」の話をしながら紹介しました。

   
    ◆ナナフシ、一本足が取れてしまった個体。
 この写真は地面ですが、木の枝にいるとその存在は、まさに忍者そのものです。


・その後、ぞくぞくとスタッフが多種の昆虫を捕獲してきます。種類が多いので昼食後に紹介することとしました。

・まず、捕獲した中で一番元気で力強そうなのは、ノコギリカミキリでした。羽の色ならタマムシです。
 トンボはオニヤンマ、ハグロトンボ、ノシメトンボ、ナツアカネ、コシアキトンボ、それとイトトンボのオオアオイトトンボの姿もありました。

 そのほか、コガネムシやシロコブゾウムシなどのゾウムシの仲間、ウスバカゲロウとその幼虫のアリジゴクもセットで紹介できました。

・昆虫の紹介後、リリースしてから後半の散策に出発した直後、今日の昆虫メーンイベントともいえます蝶が見つかりました。柑橘類にやってきました話題のあのナガサキアゲハの雌でした。
 この大型の派手な模様の蝶は皆の視線をものともせず、悠然と舞っていました。観察のためI氏の捕虫網に入ったこの蝶の大きさと羽の美しさと羽ばたきの力強さには、その場の人たちみな感激あるのみでした。

・短時間でこれだけの昆虫が見られる印西の自然は、まだまだ捨てたものじゃない。
 こんなことを思うと同時に、ナガサキアゲハなど南国の蝶の実際の姿を見るにつれ環境変化がほんとに足元まで来ていることに複雑な思いを残しながらリリースし、先に進みました。

ナガサキアゲハ・・・アゲハチョウ科の蝶。日本産の黒いアゲハの仲間で、しっぽ(尾状突起)がないのは本種だけ。
 シーボルトが長崎で発見したのでこの名がついた。
 南国の蝶で、この数年、温暖化に伴う北上が問題となっている種。

ナガサキアゲハについては こちら を クリックして見てください


 2007
 7. 19

◎ 「ダンボールそうかその手もあったのか (ミート・ホープレス)」
 この川柳は、ウエットランドガイドスタッフTさんの一句です。先日マスコミを賑わせた例の肉まんを詠んだものですね。
 そういえばTVで、あるタレントはこの肉まんを究極のリサイクル‥と言っていましたが、食に関することなので笑えないギャグでした。里山の話題2点です。

 『里山の二つの話題』
◎その一つめ
 こちらは、大相撲の里山の話題。ついに9敗。幕内最軽量の里山は、真っ向勝負。軽量先輩力士のように横に飛んだり、牛和歌丸のごとく空中先方などをしないと無理なのかな。とにかく一番でも頑張って欲しい。

・その二つめ
 こちらは、谷津田を中心とした印西の里山の話題です。
 今、斜面林脇の水辺や休耕田、山野の湿ったところに高さ70センチ位の茎の先にうすいピンクのふわっとした感じの花をつけている野草を見ることがあります。
・ユキノシタ科のチダケサシです。小さな花がふわふわした穂のようになって、びっしり咲いている姿はとても上品です。
 このほかにも、ヒヨドリバナなど白い花も見られます。今の時期、里山では花をつける種類は少ないですが、この花たちのように地味ですが、きちっと主張をする種が多いようです。里山に出かけませんか。


     

◆チダケサシ…ユキノシタ科チダケサシ属の多年草。山野の湿った草地、水辺、湿地などに生える。花期は6〜8月。茎の先に淡紅色の小さな花が多数つく。乳茸(チチタケ)は食用のキノコ。このキノコをこの種の茎に刺して運んだことからチダケサシ(乳茸刺)の名がついたという。

 2007
 7. 22

◎里山(大相撲の)が崖っぷち、それとも、もう落ちたかな。2勝12敗。小兵(幕内最軽量)力士は、やはり真っ向勝負は、無理なのでしょうね。おそらく来場所は10両陥落と思われますが、根性はあるようなので、這い上がってくるのを待ちたいと思います。今度上がってくるときには、舞の海のように忍者になっているかも知れませんね。
 とにかく今日千秋楽の一番頑張って欲しいです。ちなみに今日の相手は先場所一緒に入幕した龍皇(モンゴル出身・こちらも負け越し4勝10敗)です。

※PCがとうとう御釈迦となり、修理依頼をしました。ということでこの数日送受信が不可能となりましたことをお詫びします。また、「谷津田だより」送信のグループが消えてしまい、メンバーがはっきりしなくなりました。新たに作りましたので一部の方に届かなかったり、逆に初めて届いたりとのことがあるかもしれません。なにかありましたらご連絡下さい。このメールは違うPCから送信。

 『花?実?それとも…』
◎里山(散策の)は、今端境期です。野鳥の姿も少なく、たとえいても木々の緑にさえぎられて姿はめったに見られません。花の咲いている野草もすくなく里山歩きにとって寂しい時季と思われがちです。
・しかし、けっしてそうではありません。野鳥や野草は端境期でもこの時季ならではの見どころがあります。ツバメやスズメ達の給餌(親がヒナに餌をやること)の姿を見るのは楽しみです。そのほかにもこの時季の見どころはいろいろあります。
・公園内の高さ4、5メートルの樹木に実がいっぱいついていました。エゴノキでした。
 細長い柄にぶら下がる1センチほどの小さな薄黄緑色の実はとても愛らしくかわいいです。

   


 ふと脇に枝先をみると八重の椿の花のようなものが目に入りましたでも花ではないことは近づくと一目瞭然でした。
 実でも花でもないこれはなんでしょう。
見ようによっては、猫の足のようにも見えるこの物体は、実は「エゴノネコアシ」というエゴノキに寄生する昆虫の虫こぶだったのです。

      
   ・エゴノネコアシ(虫こぶ)
   …花のように見えるのが虫こぶ

この虫こぶも、そろそろ有翅虫(エゴノネコノアシアブラムシ)が出てくることでしょう。
・エゴノキのほかにも、クヌギやクズ、ヨモギなど多種多様な植物に虫こぶができます。こんな観察もいかがですか。
 もっと、虫こぶ観察を好む人はまずいませんよね。

エゴノキ…エゴノキ科の落葉高木。花期は5〜6月、
 白い小花が鈴なりに枝から吊り下がる様はとってもきれい。
 実はエゴサポニン(有毒)が含まれている。
 昔は、この実をすりつぶし池や川に撒き魚をとったといわれる。今は、この漁は違法となります。
 エゴという名は、果皮がえごい(えがらっぽい)ことによるとされている。



写真左は、・エゴノキの実

 2007
 7. 29

◆PCですが、メーカーからHDDを交換して戻ってきて、使っているがまだ一寸心配点もあります。いつもの便りです。(今、選挙速報をやっています。やはり年金、事務所不正費、問題発言などの影響があったようですね)

 『キョロロロ・・・は、』
◎大河ドラマ「風林火山」(7/29放映)の中で「キョロロロ・・・」の声、ほんの一瞬だが姿も見えました。全身が真っ赤で腰の部分に瑠璃色の羽毛が美しいカワセミ科の「アカショウビン」でした。
・夏鳥として南からやってくるのですが、山の中の渓流などしか見られない野鳥です。でもそのアカショウビンも春と秋の渡りの時期には、印西を初め千葉ニュータウンで見られることもあります。渡りの途中ですので、ほんの僅かの滞在と思いますので見たことのある人はよほど運の良い人か野鳥探索のプロでしょうね。
・そのアカショウビンが、印西で見られた話を少しします。

 04年9月17日の早朝、印西市の某地区の街区をいつものように散歩していたSさんが、児童公園近くの住宅地の通りに落鳥していた個体を見つけ、すぐに連絡をくれました。
 ※(落鳥とは、ガラスなどにぶつかったりして死んだ鳥をいいます)
 とにかく見たことがない鳥で、嘴が大きく全身が赤っぽいと言う。電話を聞き、すぐに「アカショウビン」のことが浮かんだのですが自信がありませんでした。
・運良くその日、役所で行われた会議にSさんも参加しましたので、手渡しでいただいた個体は、紛れもないアカショウビン(若鳥)でした。
秋の渡りの途中、印西に寄り、おそらく住宅のガラス窓に映る樹木を見誤って激突し、頚椎損傷で即死したものと思われました。
どの種類の鳥でも若鳥は、ガラス激突死が多いようです。これは経験不足によるらしいです。


・貴重な資料として、剥製になっているこの時の落鳥個体は、現在、小学校の総合学習などで人気のある教材となっています。
このアカショウビンもそうですが、野鳥の致死率はかなり高いのが事実です。 厳しい自然の中で生きていくこと、特に渡りをすることのリスクはかなり大きいものと思われます。

   下の写真は、アカショウビンの落鳥個体の剥製、
            腰部の瑠璃色がとても綺

   

アカショウビン…カワセミ科の渡り鳥。L27センチ、体の大部分が赤。嘴は太く赤い。夏鳥として全国のよく茂った林に渡来し、湿った斜面や渓流でサワガニやカエルなどを獲る。

 2007
 8. 1

◎連日30度を越す日が続いています。梅雨明けはどうなっているのでしょう。
 うちわ片手にTVを見ていたら、「京うちわ」についてやっていました。竹を細かく裂き和紙を貼った京うちわは、破れたら張替えもできるという。図柄は花鳥風月から京の町なみなどが多かったですね。中に先斗町の図柄もありました。
打ち水をし、糸瓜だなに縁台、そして「うちわ」。これぞ日本の夏ですね。そして、これこそにまさにエコ(エコロジー)ですね。
 いつもの便りです。昨日に続いて連荘となります。

 『雛がかえりました』
◎戸神調整池のカイツブリの雛、孵(かえ)る。
・先日便りに取り上げました調整池のカイツブリですが、台風4号による増水も乗り越え、雛が孵りました。
・一度目は、亀たちが巣をおもちゃにしていましたので、2度目、あるいは3度目のチャレンジと思われます。
・先日の日曜日に出かけて観察したときは、池の中央部辺りで見られました。また、昨日火曜日に行きましたら、少し移動していました。雛の数は、距離が遠くはっきりしませんが、3羽は確実にいました。
 カイツブリは、子どもが親鳥の背中に乗って泳ぐ姿が愛らしくよく知られています。きっとそのような姿も見られるかと思います。調整池の橋の上から見えますので、お近くにお出での際には見て下さい。小さいことと距離がありますので双眼鏡は必携です。


   
巣(この雛達が、生まれた巣ではない)の向こう側に親鳥が泳いでおり、巣の上に3羽ほど雛が見える。
 いずれにしても小さくてすいませ


◆先斗町(ぽんとちょう)…上記あいさつ文の中に出てくる先斗町についての解説です。「京都先斗町に降る雪も・・・」のお座敷小唄でお馴染みの先斗町ですが、ルビがふってないと読めないですよね。1670年、鴨川の護岸工事で、河原の一部が陸地となり、川筋に茶店が立ち並び町になったのが先斗町の起こりという。川を望む先端の場所にあり、「先端」をポルトガル語でポント(英語ではポ
イント)ということからポント町と名づけられたという。

 2007
 8. 6

◎「リトルボーイ」と「ファットマン」、日本語に訳すと「少年」と「太っちょ」となります。この愛称になったものは、62年前の世界最悪の悲劇、広島と長崎に投下された原爆の愛称です。1945年8月6日未明、激戦地サイパン島の隣島テニアン島からB29「エノラゲイ」が、濃縮ウラン型爆弾「リトルボーイ」を積んで飛び立ち、9日未明には、プルトニウム型爆弾「ファットマン」を積んだB29「ボックスカー」がテニアン島から飛び立ったのでした。
 今なお、原爆症で多くの方が亡くなっているのです。某大臣は、「原爆投下はしょうがない」などと言い、やめさせられましたが、被災された方々の立場に立って考えることができないのでしょうね。
 今日8月6日は、広島の原爆忌です。

 『しわしわしわ、或いは、わしわしわし!』
◎朝のTVは、ずっと広島平和記念式典の中継をしていました。原爆投下の8時15分に黙祷をしていたら、「シワシワシワ・・・」の声が聞こえてきました。
・毎年、式典の時に聞こえてくる「クマゼミ」の鳴き声でした。ふと、自宅の窓の外に耳を傾けるとこっちでも「シワシワシワ・・・」の声。
 なんと式典を行っている広島平和公園(TV画面)と窓の外(印西市」の両方から「シワシワシワ」の声が聞こえてきました。
・このクマゼミも、ナガサキアゲハやツマグロヒョウモン等と同じように温暖化により生息地が北上している昆虫なのです。朝8時ごろから、お昼ごろまで鳴き声が響き、その後はほとんど鳴きません。体は、アブラゼミより大きくがっしりして頭が大きい。声は、タイトルにあるように「シワシワ」とか「ワシワシワシ」とか聞こえます。
・声も大きくはっきり聞こえますので間違えることは無いでしょう。


 このセミにつきましては、以前にも一度話題として取り上げたことがありましたが、きっと皆様の回りでのこの独特の鳴き声が聞こえるのではないでしょうか。お近くで声が聞こえたり、姿が見えましたらご連絡下さい。
※私は、なぜかこのセミの鳴き声を聞くと広島、長崎の原爆忌を連想してしまいます。下の写真は、死んで落ちていた個体の写真です。
 被爆で亡くなられた方々の冥福をお祈りします。合掌。

   

クマゼミ…セミ科の大形の昆虫。メスでは、頭から羽の端まで68ミリもある。分布は、図鑑(保育社)には、東京以西と載っていた。でもこのところこの印西はもちろん、もっと北の地区まで当たり前になってしまった種です。まさに温暖化が進んだ証拠です。鳴き声は、「シャア、シャア・・・やワシワシ・・・」などと聞こえる。あなたは、なんと聞こえますでしょうか。センダンやアオギリ、ポプラなどの木に多い。きっと広島平和公園内にある「被爆アオギリの木」に鈴なりなのでしょうね。

 2007
 8. 9

◎国連の機関であるWMO(国際気象機関)もついに、今年の各地での猛暑及び、豪雨について温暖化による異常気象であると発表しました。
 先日印西市文化ホールで実施しました映画「不都合な真実」の無料上映会に450人もの方が集まりました。中には小学生も結構いましたが、上映中一人の私語もなく皆さんが熱心に画面をじっと見入っている姿に人々の温暖化に関する関心の強さを改めて実感いたしました。
原爆忌の今日は、ちょっと重い話題をひとつ紹介します。

  『地図から消えた島』
◎今日8月9日は、長崎の原爆忌です。1945年8月9日午前11時2分炸裂。45年末までの死者7万人という。
・実は、最初の投下目標は小倉であったそうです。当日視界不良のため、第2目標であった長崎に投下したのでした。
・当時、小倉には、旧陸軍の毒ガス兵器工場があったのです。そのために目標になったとも言われています。
・1929年瀬戸内海にある小さな島・大久野島(広島県竹原市)に毒ガス工場が秘密裏に作られ、そこで製造したガスを小倉(北九州市)の工場でガス弾にし、習志野市にあった陸軍習志野学校で演習、そしてハルピン等で実戦に使用したといわれています。
・1938年に陸軍が作成した地図から消されてしまったこの大久野島に3年前に機会があって行ってきました。島内には国民休暇村があり、さほど多くは無いが観光客もやってくるそうです。ただ、観光ルートをちょっと外れるとそこは、当時の施設が破壊されたまま残っていたり、巨大な防空壕内にドラム缶がぶち込まれたままだったり、ガスを無毒化するために火炎放射器で焼いたすすがそのまま残っていたりしました。


 いずれにせよ、戦争は、被害者側も加害者側にとっても悲惨なものです。ノーモア広島、ノーモア長崎!合掌。
 下の写真は、この島で拾ったガラス瓶のかけらの写真です。

   《大久野島毒ガス工場医務室跡地にて
   

 なお、観光ルートから外れた場所にある瓦礫(コンクリート、ガラス、瀬戸物等)は、未だ危険なので触らないようにボランティアガイドに言われました。

◆大久野島毒ガス資料館…広島県竹原市 忠海港から船15分。開館9:00から16;00 休館日毎週水曜 入館料100円 工場の歩みやガスの種類など、写真や当時のマスク、ガス容器の実物などを元に展示してある。島内には国民休暇村「大久野島」がある。



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