印西・谷津田だよりの9ページ

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2004 .9. 1	昨日は、台風１６号の影響で強風でしたが、被害はありませんでしたか。あちこちで、自転車が倒れたり、飛ばされた傘が落ちていました。私も、三番瀬の観察会を急遽谷津干潟に変更したり結構疲れた１日でした。いつもの便りです。読んでください。　◎『チョウか？鳥か？はてまた？』何か、昔のスーパーマンの映画の一場面のようなタイトルになってしまいました。この時期、夕方6時半前後の薄暗くなる時間帯に、街路樹や学校や、公園近くを通った折に、ちょっと上を見上げてください。もしかしたら、ひらひらとした羽ばたきが、蝶のようで蝶でもない、鳥のような鳥でもないもの（生き物）を見られるかも知れません。　このような飛び方をした生き物は、『コウモリ』です。	え！こんな街中にコウモリがいるの？洞窟の中じゃないんですか？このように思うのが普通ですが、実はいるのです。 ◆アブラコウモリ…ヒナコウモリ科の４～５．３センチ位。都市部でも、夕方になるとひらひらと飛んでいる。（日没３０分前位の時間が見やすい）　アブラコウモリは、イエコウモリともいわれており、名前のとおりに家の雨戸の隙間や屋根の隙間、壊れた小屋などに棲みついています。スズメと同じようなところを住まいにしているのです。 ※私の周りで見られる場所…小倉台図書館の周り・浦幡公園の緑道・木刈中の周り他の場所でも、結構普通に見られると思います。もし、見られたら、情報を下さい。
2004 9. 8	◎『どっちが、どっち？』　タモリ、イモリ、ヤモリどれも愛らしい。こんなことを書くと、タモリ（タレント）に怒られますね。タレントのタモリは、別として残りの二つの見分け、つきますよね。もっとも、ヤモリは、ちょっと愛らしいと思いますが、イモリは、愛らしいというより不気味に近いですかね。　先日、船橋まで自転車で出かけ、繁華街を走っているとふと、Ｆ公民館の植え込みの脇に立っている照明灯（高さ６０㌢位）のガラスの中に何か見えたので自転車を止め、覗いてみたら照明灯の内側のガラスにヤモリが張り付いていました。外から写真をとっても一向に気がつかなかったようでした。　夕食時に、「どうして自転車で走っている時に、照明灯の中にいるヤモリに気がつくの？」と聞かれ、そういえば、道を歩いている人の中でこんなことに気がつく人いるのかなと自分ながらあきれていました。 ◆『ヤモリは、どうやってガラスや壁にくっつくの？』アマガエルは、吸盤で窓ガラスなどにくっつきます。	しかし、ヤモリは吸盤がありません。実は、ヤモリの足の裏には、うろこ状の指下板といわれるものがあり、その指下板には、細かな鉤状の毛が生えており、その毛でガラスや壁を引っ掛けて登っているのです。だから、完全に磨き上げたガラスには、くっつけないようです。 ◆イモリ・・・サンショウウオ目イモリ科　日本の固有種。アカハライモリとかアカハラとも言われ、サンショウウオと同じく両生類です。印西にもまだ生息していると思います。県のレッドデーターブックによる最重要保護生物に指定されている。皮膚腺からフグと同じ毒（テトロドトキシン）を分泌する。 ◆ニホンヤモリ・・・トカゲ亜目ヤモリ科の爬虫類です。　民家や寺院などでよく見かける。都市のマンションにもいたりする。昼間は姿を隠しており、夜間、灯火の周辺に出現して昆虫やクモを捕って食べる。益虫（益動物？）です。これも、県レッドデーターブックによる一般保護生物に指定されています。
2004 9.17	今日は風土記の丘の観察会に行ってきました。真夏の暑さとは、湿度が違うのでしょうか、炎天下での暑さはまだまだ厳しいですが、木立の中に入ると爽やかでした。いつもの便りです。 ◎『ドングリを枝ごと落とした犯人は、だーれ？』　今日も、見かけましたが、今ごろの時期にドングリが小さな枝ごと（約4から5センチ）地面に落ちているのを見たことがありませんか。特別強い風が吹い後でもないのにドングリを一つつけた枝が落ちているのです。誰だ？犯人は。	★実は、ハイイイロチョッキリ（昆虫）の仕業でした。このハイイロチョッキリのメスは、ドングリの枝を20分もかけて切り込みを入れる。その後、ドングリのハカマのところに長い口で穴をあける。この作業も20分ほどかかる。その後、産卵管を伸ばし、穴に卵を産みつける。最後に、先に切り込みを入れた枝の切り口に戻り、切り口を噛み切って枝ごとドングリを地上に落下させる。 ※ハイイロチョッキリ・・・オトシブミ科の昆虫　　（写真はこちら）
2004 9.25	◎最近、植物の名前や動物の名前が面白いなあと思う。先日初めて見た種ですが、これも面白い名をつけたものだと関心しました。	◆ジイソブ・・・漢字で書くと老爺雀斑と書きます。意味は、お爺さんのソバカスだそうです。クリーム色で野草のホタルブクロに似た半鐘形の花の内側の斑がソバカスを連想させたものでしょう。正しい和名は、キキョウ科のツルニンジンです。なお、これと近似種にバアソブというのもあるという。
2004 9.29	◎今、野草が面白いです。　谷津には、印西でも珍しいフシグロセンノウが咲き、斜面林の裾には、ひっそりとホトトギスが咲いていました。ちょっと、谷津田に散歩に行きませんか。　『南蛮煙管・・・？』　南蛮煙管は、つまりマドロスパイプのことです。ハマウツボ科の葉緑素を持たない一年生の寄生植物のナンバンギセルは、草の姿から名付けられたのです。　オランダ人が使うタバコのパイプ（キセル）に見立てたのでしょう。　また、万葉集に、　「みちのへの　をはながもとの　おもいくさ　いまさらに　なにものかおもはむ」　‥という歌があり、その思い草は、本種であるとされているそうです。ススキの根に寄生し養分を取っているのです。　ですからススキの根元辺りを注意深く探すといい。　といっても、そうそう簡単に見つかるほどはありません。そこで、今なら見られる場所をお教えします。	ハマウツボ科ナンバンギセル見られるところ：　県立花の丘公園（印西市）内　展示室の脇の小さな池（メダカのいる池）北側（裏側）のほとりの　ススキの根元　あたりを探してみてください。
2004 10.11	台風の被害はありませんでしたか。今日、斜面林を通ると小枝が随分と折れて落ちていました。それに、水路の水もまだ多いです。いつもの便りです。読んでください。　谷津田手前の斜面林の裾部では、赤トンボがいっぱいでした。多いのは、ノシメトンボ。他にはアキアカネとナツアカネです。たまに他の種もいました。　　　　　　　　　　　　　【ショウジョウトンボ】	◎『旅する蝶を見つけた』　前に、旅するトンボ（ウスバキトンボ）のことをお伝えしましたが、今日は蝶です。　トンボを撮影していると目の前をゆったりと大型で羽の模様が美しい蝶が飛んでいました。　印西では、あまり見かけない蝶でした。羽の斑紋が半透明で本当にきれいな旅する蝶・アサギマダラでした。　今日は、カメラを持っていなかったので撮影は出来ませんでした。残念。これからどこまで行くのでしょう。 ◆アサギマダラ　・・・タテハチョウ科マダラチョウ亜科　のチョウ　　斑紋は浅葱（青緑）というよりも水浅葱色。ゆったりと、ほとんど羽ばたかずに上昇気流に乗り、舞い上がる。　夏になると北または高地へ、秋になると南または低地に移動します。　種子島から福島県まで、直線距離で1000ｋｍ以上の長距離飛行が確認されているそうです。 ※この蝶は、リン粉が退化しているので、羽にマジックインキで字が書ける。調査する人は、羽に直接採取場所と日時を記入するという。
2004 10.28	KO様、色々とご苦労様でした。ＭＬの中の言葉「塞翁が馬」懐かしい言葉ですね。久しぶりに聞きました。皆さんご存知の通り、「塞翁という老人の馬が逃げた。でも後で立派な馬を連れて戻ってきた。ところが老人の息子がその馬から落ち、足が不自由になった。しかし、そのため兵隊にとられないですんだ。」という中国の故事からできた諺ですね。私は、なんとなくこの諺の響が好きです。　水害のニュースが流れていたと思うと、今度は地震、そしてイラクでの人質と連日悲惨な報道がされています。まさにこの諺にあるように少しでもよいほうに転じて欲しいと願うばかりです。	◎ワルナスビかな？と思ったら葉っぱが違う。・・・久しぶりに戸神の谷津田に出かけた。道端にちょっと目立つ雑草があった。花がワルナスビに似ているが図鑑で調べるとイヌホウズキでした。特別、珍しい種ではなくどこにでも普通に見られる種でした。名前がわかると単なる雑草も楽しめます。 ◆ナス科ナス属　イヌホウズキ　・・・世界の熱帯から温帯に広く分布する草で、ホオズキをずっと小さくしたような実は熟すと黒くなり光沢が出るそうです。有毒植物の一つ。 ※ちなみに昔、縁日の露店でよく売っていたウミホウズキとは、アカニシ（貝類）の卵です。
2004 11. 9	暦の上ではもう冬ですが、そろそろ暖房が必要となってきましたね。肌寒くなるにつれ、新潟中越地方の被災者の方々のご苦労を心配している次第です。せめて、わずかですが義援金送ろうかなと考えています。いつもの便りです。　『うーん！甘くない？』今日、船橋からの自転車での帰り道、歩道脇の林にヤマブドウの実がなっているのが目に入った。早速、自転車を止め、２つ、３つを口に放り込んだ。うーん！甘くない。へんだなあ。‥と、よく葉をみると　どうもヤマブドウではないようでした。家に帰って、図鑑で調べるとごく普通に見られるブドウ科のツタでした。そういえば、実も房になっていないようでした。	◎今の時期は、まだ食べられる木の実があります。 ◆ガマズミ…野生ですが、公園にも植えられています。実は赤く熟しすっぱい。生食・果実酒 ◆ノイバラ…ノバラのことです。実は甘いが、利尿や下剤の効果が強いそうで生では食べないほうがいい。果実酒 ◎少し変わったところで ◆サルナシ…果物のキウィフルーツのミニ版のような実です。　生食・ジュース・砂糖漬け
2004 11.20	大相撲は、魁皇が人気です。そういえば、中入りになる際に力士の揃い踏みがありますね。その際、各力士が、土俵に上がる際、右手の親指を立て、他の4本の指を伸ばし審査員の前を通っています。皆さんご存知でしたか。これは、相撲の所作の一つだそうです。これも、見ていると力士によってきっちとやっている人と、いいかげんにやっているのがあるようです。今度、テレビをみた時にでも暇つぶしに見てみたらいかがですか。いつもの便りです。 ◎蔓は、左巻き？右巻き？アサガオやフジ、ヤマノイモなど蔓性の植物はいっぱいあります。アサガオは、左巻きといわれます。よく観察するとつるが進む方向にみると時計回りにまいている。	しかし、真上から見下ろすように見ると反時計回りに巻いている。さて、これって右巻き？それとも左巻き？ ◆この、蔓の巻き方は、厄介なことに図鑑によってまだ、定義がばらばらなことがあるという。今までは、上からみた巻き方で左巻きとするのが植物界では、多かったようです。でも、最近は、ねじが進むような巻き方を指すようになっていると本に書いてあった。そうすると、アサガオの蔓は、右巻きになってしまう。なんだか、頭がパニックになってしまいます。ちなみに、フジは、ノダフジとヤマフジでは逆に巻いています。
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