印西・谷津田だよりの８ページ

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004 .7. 7	◎『玄関を開けたら蝶が出てきた』　「岩崎ちひろの世界のようだな」と一瞬思った。　外出から帰り、玄関ドアを開けたら、モンシロチョウが私と入れ替わりに外に出て行ったのだ。メルヘンの世界のようだった。	◆実は、家内が職場でモンシロチョウの羽化の授業をするために、無農薬野菜の配達所に頼んでおいた蝶の卵と幼虫と蛹が昨晩やっと届き、玄関の靴脱ぎ場に紙袋に入ったまま置いてあったのだ。その中から、早くも、羽化したものが居たのだ。いずれにせよ、ほんの一瞬だが、生命の尊さに触れた気がした。　虫、駄目という人にはごめんなさい。　 ※もし、いやでなければHPをクリックしてみてください。
004 .7. 7	http://www.tenteki.org/kitamura/lepido/monsiro/monsirocho.htm
2004 7. 8	◎釣具やで「タフビン」という品を買った。筒型の透明ペットボトルの底を抜いて、口部分が外れるようにしたものだ。これは、川等で雑魚などを捕る罠である。これと、ビンドウを持って出かけた。　◆「ガマとヨシの根元に仕掛けて」　10時位、浦部川に到着し、さっそく「タフビン」とビンドウの中にサンマの切り身を入れ、ガマとヨシの根元に仕掛けてから、網を持って50メートルの間を活動場所として川底を歩いた。2面コンクリートであり、底は泥がたまり、結構深い。ただ、橋付近は底もコンクリートであり、安心して歩ける。　小一時間、生き物採取に没頭する。種は少ないが、それでも何種か採取した。　いよいよ、タフビンの効果を確かめる時だ。静かに上げてみる。全長6センチのタイリクバラタナゴが入っていた。他にもスジエビ2匹ゲットだ。今度は、ビンドウを引き上げた。中に何かがいる。結構でかい。ドキドキしながら中を開ける。いた！いた！しかしそれは大きなハサミを振りかざしたアメリカザリガニだった。他には何もいなかった。 ◆「自分で作ればよかった・・・」　ザリガニは、水に放して他は調べるために持ち帰ることにした。でも、このタフビンとっても簡単な構造だ。これなら私でもペットボトル一つあえばできたのに・・・。　なにも５００何円も出さなくてもよかったかなと思いつつ帰路に着いた。	※スジエビ…十脚目テナガエビ科　筋蝦と書く。淡水で普通に見られる。暗色の縞模様をもち、腹部にある7本の横縞が特徴。　　　　※アメリカザリガニ…千葉では、大きく赤くなったものをまっかちんという。アメリカから、ウシガエルのエサとして移入されたものが、野生化した。　なお在来の種　ザリガニは、秋田・岩手以北にしかいない。
2004 7.14	「うすばかトンボ？？・・・」 ◎失礼！薄馬鹿トンボではなく、ウスバキトンボでした。今、印西の谷津田や畑地の上空を群舞する黄色っぽいトンボがいたら、まず本種であろう。 ◆ウスバキトンボ…トンボ目トンボ科のオレンジ色で羽の大きなトンボ。漢字では、薄翅黄蜻蛉と書く。このトンボは、渡り鳥顔負けの渡りをするトンボである。故郷は沖縄かもっと南の熱帯地方とされている。季節風に乗り一気に長距離移動するものと、世代を繰り返しながら少しずつ移動するものがあるという。	この種は、よく見られる時期から、ボントンボとかセイレイトンボやショウリョウトンボと呼ばれている。「９種ものトンボが見られた」 ◎先日、浦部谷津を歩いたら、９種のトンボが見られた。よく知られている種では、シオカラトンボ・オニヤンマ・ノシメトンボなどがある。他は、ハグロトンボ・コシアキトンボ・ナツアカネ・ウチワヤンマ・アオイトトンボそして、ウスバキトンボだ。このほかにも後数種はいるはずだ。　こんどの、谷津田散策で、トンボの観察もしよう。
2004 7.15	『虫送りってなあに？』 ◎東北地方に、虫送りという行事があるそうだ。半夏生（半夏生・はんげしょうとは、雑節の一つで、夏至から数えて１１日目を指す。今年は７月１日）の日に、子供達が虫送りと紙に書き、笹に結んで川に流すという。半夏生という稲作の節目に、害虫退治を願った行事だ。　『ハンゲショウ・・・は、半夏生・・・それとも、半化粧・・・？』　この半夏生の頃に花をつけることから名がついた植物が、「ハンゲショウ」だ。 ◆ハンゲショウ…ドクダミ科の多年草　半夏生時に咲くことから以外に、茎の上部の数枚の葉が、下半分が白色となって目立つことから、半化粧・ハンゲショウの一説もある。	私は、この半化粧説に妙に納得した。他にはカタシログサ（片白草）ともいう。『漢方の半夏（ハンゲ）って？』 ◎漢方薬でいう半夏は、サトイモ科の多年草カラスビシャクの球根を乾燥させたもの。ハンゲショウとは、別物。　いずれにせよ、ハンゲショウもカラスビシャクもなかなか見られなくなってしまった。今日、房総風土記の丘で一年ぶりにハンゲショウを見ることができ嬉しかった。
2004 7.15	ハンゲショウのいいHPを見つけました。よければどうぞ。 http://www.geocities.jp/kamosuzu/hangesyo.html
2004 7.17	『①グンバイヤンマ　　②ウチワヤンマ　　③センスヤンマ　　　・・・実際にいるのは、どれでしょう？』答えは、便りの最後尾にある。『全部でなんと12種のトンボが・・・。』 ◎谷津田散策会は、やはりトンボの観察が中心だった。谷津田に降りる前に、既に下記のトンボを皆で確認した。 ◆コシアキトンボ、シオカラトンボ（雄と雌）、ノシメトンボ ◎谷津田では、シオカラトンボに似ているオオシオカラトンボ、ナツアカネ、眉を立てたような模様のあるマユタテアカネ、とても綺麗なイトトンボのアオイトトンボ、そして今日の一番の目玉である。　　渡り性のウスバキトンボが見られた。	午後、目玉までも真っ赤な体のショウジョウトンボ、そして枯れ草のてっぺんにとまっているウチワヤンマ、上空を飛ぶオニヤンマを観察し、光堂に入る斜面林の中で幽玄な中を飛ぶハグロトンボの姿を確認した。 ◆「トンボの豊富な島（蜻蛉州あきつしま）」と万葉集で詠まれるほど、かつて日本にはトンボがたくさんすんでいた。環境の変化で数が減っているが、世界に5000種、日本には200種以上が知られている。 ※暑い中、参加された皆さん、ありがとうございました。なお、applesのCHUさんのトンボ取りの技には脱帽しました。答・・・②のウチワヤンマ　　腹部の先に団扇状の突起をもつ、極めて特異な体形のトンボ
2004 7.17	ウチワヤンマの映像は http://kamemasa.dip.jp/animal/musi/photo/utiwayanma.htm
2004 7.24	『シャー、シャー、シャー』、何の音だと思います？・・・ ◎じつは、セミです。セミって、ミーンミーンとかカナカナカナとかツクツクホーシですよね。「シャーシャーシャー」という変わった声の持ち主は、クマゼミです。聞いたことがないという人が多いですよね。　それもそのはず、クマゼミは、南方系のセミであり、「西日本には普通にいるのですが、関東から北にはいない。」のです。と、図鑑に出ていました。　しかし、この数年の間に県内の各地でクマゼミの声が聞かれるようです。　千葉ＮＴでも、このところよく聞くようになりました。ある人は、ＮＴの造成に伴い植栽用樹木の土と一緒に入ってきたのだという。また、ある人は、地球温暖化の影響という、どちらにしても、ちょっと心配です。その、クマゼミの声を今日の観察会でいっぱい聞くことが出来たのは、良かったのですが・・・！　皆さんの近くでも、もしかしたら「シャーシャーシャー」が聞こえるかも知れません。聞こえたら、教えて下さい。	◆クマゼミ…セミ科　4～4、8㌢のセミとしては、中型。羽は、ヒグラシのように透き通る。鳴き声は、文中のとおり。
2004 7.28	『蛍の光、窓の雪・・・』卒業式の定番の曲です。照明が煌々とつく現代の感覚では、分からない僅かばかりの明かりで勉学に励んだという歌詞なのでしょうか。市川大町のホタル観察会は、まさにこの曲の世界を満喫できました。自然の湧水を活かし、谷津をそのまま公園にした自然観察路には、天然のホタル（ヘイケボタル）が何百匹も見られました。参加された方は、どなたも満足してくれたようでした。
2004 8. 4	『干潟は、海の巨大な浄化槽！』 ◎三番瀬（東京湾に残る干潟）で観察会を行ないました。土日は人がいっぱいで砂浜のカニたちもほとんど巣穴にもぐってしまうのですが、人影がまばらでしたので、カニたちの姿がたくさん見られました。 ◆コメツキガニ…スナガニ科の甲長9㍉まで。潮が引くと巣穴から出てきて、砂の上に残された有機物を砂とより分けて食べ、食べかすの砂を団子にして巣穴の回りに積む性質があります。人の近づかない砂地では、この砂団子だらけになってしまいます。巣穴の脇でじっと待っていると、そろそろとまわりをうかがいながら出てくる姿に子供達は大喜びでした。 ◆アサリ…マルスダレガイ科の潮干狩りの主役です。今年は、三番瀬は、アサリの大当たりです。連日、物凄い人がアサリ採りにきています。	もっとも、本来は漁業権がないと駄目なんでしょうが。個人で食べるくらいならいいんでしょうね。このアサリは、海水中の有機物（汚濁）を餌としているので、海の浄化の重要メンバーなのです。一つのアサリが一時間に1リットルの水をろ過するともいわれています。 ◎干潟には、砂の中にゴカイの仲間や貝の仲間が数えきれないほどいます。又、海水の中にも小さな小さなプランクトンがいっぱいいます。これらが、みんな海水の浄化に役立っているんですね。 ◆その他の生き物たち　大きなアカエイやサメの姿は見られませんでしたが、潮溜まりには、10㌢位のハゼが泳ぎ、コアジサシ（渡り鳥）が、魚を求めて、目の前でダイビングを繰り返していました。コアジサシが、数度目のダイビングで魚をゲットした時には、拍手が起こりました。 ◎暑いんですけど、三番瀬に出かけてみませんか。
2004 8.23	『リィ・リィ・リー・リーと頭の上から聞こえてくるのは？』 ◎前回は、街路樹に集まる鳥の話をしましたが、今回も場面は、やはり「街路樹」です。日暮れ頃から公園や商店街の街路樹、住宅街の樹上から聴こえる「リィ・リー」という甲高い鳴き声に「虫？」、でも「頭のはるか上から聞こえるんだから、虫じゃないよねー」って思ったりした経験のある方はありませんか。コオロギやキリギリスの仲間は、草むらと思い込んでいませんか。（実は、私もそう思っていたんです。）	◆今頃から、樹上から聴こえる声の主は、「アオマツムシ」というコオロギの仲間の声です。ただ、唱歌で有名なチンチロリンのマツムシとは、種が違います。お勤め帰りや、お出かけ帰りに街路樹の脇を通ったらちょっと耳を澄ましてみませんか。「リー・リー」が聴こえてくるかもしれませんよ。 ☆アオマツムシ…バッタ目コオロギ科の昆虫　体長約2.4センチ。美しい緑色。樹上を好む。帰化昆虫で原産地は、中国大陸。柿や梨の果実を食害することもあるといいます。 ※映像を見たいという方は、yahoo.jAPANで「アオマツムシ」で検索してください。いろいろ出ます。
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