オンライン用ローカルルール集 ◇

ノーマルソード廃止
同時にシールドを扱えるのにダメージが 1d8 というノーマルソードが, そもそもバランス崩しの原因と考え, このキャンペーンではノーマルソードをリストから削除します。
下手にルールをごちゃごちゃいじくるよりかは, 最初からキャンペーンワールドにノーマルソードを持ち込まない方がスマートだな, と感じたためです。
従ってファイターの基本的な武器は, バスタードソードやバトルアックス, スピア, 2H ソードになるでしょう。

また, ルールブックの記述で Sword, normal ノーマルソード とある箇所はすべて, Sword, bastard バスタードソード と読み替えます。
例えば, 宝物表で ノーマルソード +2 を振った場合, それはバスタードソード +2 と読み替えます。
(相対的に "魔法の長剣" が出やすくなっています)
インテリジェンスソードもバスタードソードを基本とします。

ケイオティックPCの禁止
RPG とは本来, 人と人とが顔をつき合わせて, 時には議論, 時には作戦会議…と, 非常にコミュニケーション能力を問うゲームです。
IRC 上という, テキスト主体の特殊な空間においては, 相手の顔が見えない分, 特にこの能力が問われます。普通にロールするだけで誤解を生んでしまうケイオティックアライメントの表現が, そこで果たして上手く機能するでしょうか。
おそらく, そうでないことのほうが圧倒的でしょう。

ケイオティックアライメントの表現はプレイヤーに, 非常に高度なロール技術を要求するため, PC へのこのアライメントの選択を原則的に禁止とします。

ただ, プレイヤー本人がこの開催方式に慣れてきた場合には, 許可されることがあるかもしれません。
あるいは, 悪のキャンペーンが開催される場合とか。

パラディンとホーリーアベンジャー
ノーマルソード廃止のこのキャンペーンにおいて, ノーマルソードは特殊な形でしか出てきません。
その最初の例が, ADDからの輸入でパラディン専用兵器, ホーリーアベンジャーです。

ADDからの輸入とはいえ, そのままその機能を異なるゲームであるDDには適応させることができませんから, 若干DD用に焼きなおす必要があります。

特に, "アベンジャー" の名称が, パラディンの対になる存在であるアベンジャーとかぶるので, 混乱を避けるために名称も変えます;

ホーリーソード, ノーマルソード +5, vs ケイオティッククリーチャー +8
Holysword, Normal Sword +5, vs Chaotic Creature +8

パラディンがこの聖剣を握っていると, それだけで 50% のアンチマジック(半径 5ft )やらディスペルマジック(半径 5ft , パラディンのキャスティングレベルで判定)やらが発動し, なおかつケイオティッククリーチャーに対しては +8 のダメージボーナス(THAC0 には +5 のままですが)を引き起こします。

一種のアーティファクトなので, ケイオティックアライメントのイモータルにも命中することができますが, その場合は vs Chaotic Creature +8 のみが機能します。
それ以外のダメージ源は無視されます。
(定命でケイオティックなクリーチャーに対しては 1d8 + 8 + STR ボーナス, ケイオティックなイモータルに対しては単に +8 )

パラディン以外のキャラクターは装備できません。
(剣がそのファイターを選ばないのです)

パラディンは, これを装備するために『パラディンの品格』スキルを獲得しなければなりません(が, このスキルを獲得したファイターのことをこの世界では パラディン と呼びます)。
『パラディンの品格』スキルによりそのパラディンは, ホーリーソードのウェポンマスタリィを獲得するチャンスが得られるようになります(ホーリーソードのウェポンマスタリィテーブルは, ノーマルソードのウェポンマスタリィに従います)。『パラディンの品格』スキルを獲得するのと同時に, そのパラディンはホーリーソードの武器技術度がベーシックになります。

ホーリーソードはシステム上の扱いではノーマルソードになりますが, そのほかの特殊なノーマルソード(後述のエルフの長剣など)とは重複しません。
例えば, ホーリーソードの武器技術度は, あくまでもホーリーソードのみにしか機能しないので, 似たような特殊なノーマルソードであるレイピアやエルフの長剣などを, 『パラディンの品格』スキル で扱うことはできません。
ノーマルソードに似てはいますが, これらの特殊な剣たちはまったく異なる別の武器です。

著名な所有者;
このキャンペーンワールドで知られているホーリーソードは, フレイアード建国王のファレイが持っているもののみです。
(ファレイが所持している剣がホーリーソードであるということが知られているわけではありません)
あとは伝説上で語られるか, あるいは…
アベンジャーとドゥームブリンガー
要するに, パラディンだけに最終兵器があるのはパワーバランスが悪いので, パラディンと対になる存在であるアベンジャーにも, パラディンでいうホーリーソードを与えよう, というだけです。

ドゥームブリンガー, ノーマルソード +5 vs ローフルクリーチャー +8
Doombringer, Normal Sword +5, vs Lawful Creature +8

基本となる性能はホーリーソードと変わりません。
ホーリーソードと異なる点は, ローフルクリーチャーに対するダメージボーナスが+8になる点だけです。
装備条件なども, パラディンに対するホーリーソードの制限が適用されます。すなわち, この聖剣を手にするためにアヴェンジャーたちは, 『アヴェンジャーの品格』スキルを修得していなければなりません(が, パラディンたちと同じように, このスキルを修得したファイターのことをこの世界ではアヴェンジャーと呼びます)。
ただし, 『パラディンの品格』スキルでドゥームブリンガーを装備したり, 『アヴェンジャーの品格』スキルでホーリーソードを扱ったりすることはできません。

著名な所有者;
秘密。
レイクとレイピア
レイピアはレイクによって装備されます。
レイピアのシステム上の扱いは, ノーマルソードになります(詳細は, GAZ11 The Republic of Darokinを参照して下さい)。
キャラクターメイキング時にレイクに与えられる3つの武器熟練度スロットの内訳は, 『レイピア+スロット二つ』です。
レイピアを選ばなくても別にかまいませんが, その場合は単純にスロットが3になるのではなくて, スロット数 2 になるだけです。

レイピアは, フレイアードの南, ワィングスタンでよく見られる剣です。
フレイアードでは, それを扱う者があまりいないので, フレイアード国内ではなかなか購入することができません。

レイクだけが, レイピアのウェポンマスタリを最初からベーシックで持っています。
他のノーマルソードを扱えるキャラクターは, 仲間のレイクからレイピアの扱いを教われば, レイピアを扱うことができるようになります。
レイク以外のキャラクターがレイピアを扱えるようにするためには, ジェネラルスキルのスキルスロットを一つ払い, 『レイピア』スキルを獲得しなければなりません。
『レイピア』スキルを獲得した時点で, レイピアの武器技術度がベーシックになり, レイピアのさまざまな特典を得られます(レイクだけはこのスキルスロットの支払いは必要ありません。レイクははじめからレイピアを使えるからです)。

また『レイピア』スキルは, 他のジェネラルスキルと異なり, それ自体のレベルにはなんの意味も持たないし, レベルアップを図る事もできません。

レイピア ウェポンマスタリテーブル:
熟練度 ダメージ 射程 防御 特記事項
アンスキルド (1d8-1)/2 なし なし なし
ベーシック 1d8-1 なし なし レイピア修正(命中+2,-2AC)
スキルド 1d12-1 なし H:-2AC/1 デフレクト1 + ディザーム
レイピア修正(命中+2,-2AC)
エキスパート 2d8-2 -/5/10 H:-2AC/2 デフレクト2 + ディザームST:-1
レイピア修正(命中+2,-2AC)
マスター P:2d8+2
S:2d6+2
-/5/10 H:-3AC/3 デフレクト2 + ディザームST:-2
レイピア修正(命中+2,-2AC)
グランドマスター P:2d6+6
S:2d4+6
5/10/15 H:-4AC/3 デフレクト3 + ディザームST:-4
レイピア修正(命中+2,-2AC)
P:= H / Cost 10gp / Enc 60cn

著名な所有者;
レイククラスキャラクター(どの経験レベルでも)
エルフとエルブンロングソード
エルブンロングソードの出典は, GAZ5 アルフハイムエルフです。
システム上の扱いはノーマルソードになります。
しかしながらこのキャンペーンではノーマルソードは廃止されているので, そのままの形でこれを導入することはしません。
エルフの長剣についての詳細は, GAZ5を参照してください(ちなみに, エルフの長剣は魔法の武器扱いです)。
また, エルフの長剣のほかにも, エルフの弓やエルフの矢なども, 問題なくキャンペーンに導入されています。

エルフの長剣はシナリオ中では滅多に出会えないものの, エルフキャラクターだけはウェポンマスタリとして, エルブンロングソードをベーシックで獲得しています。
これはエルフキャラクターだけの特権となります。
しかしながらエルフの長剣は, ツリーオブライフを所有するエルフ氏族にとっては, 軍需として常備するらしいほどの頻度なので, ホーリーソードのような特殊性はありません。
従って機会さえあれば, ファイター, シーフ, ドワーフ, ミスティックでも, エルフの長剣を扱うことができます。

エルフ以外のキャラクターでノーマルソードを装備できるクラスは, スキルスロットを一つ消費して『エルブンロングソード』スキルを獲得することで, エルフの長剣を使うことができるようになります。
同時にエルフの長剣の武器技術度がベーシックになります。
エルフキャラクターはこの手順はいりません。最初から持っています(『エルブンロングソード』スキルで具体的な判定は行いません。単にスロットを代償として取られるだけです)。
これによってエルフを, 他の戦士クラスと差別化することでき, また同時に, エルフの独特の魔法センスも活きてくるかもしれません。
パーティ内にPCエルフがいる状況でなら, ファイターでもシーフでもドワーフですら訓練の機会を得られるかもしれませんが, 普通のエルフは氏族の秘術をそうやすやすとは教えないものです。

エルブンロングソードウェポンマスタリテーブル:
熟練度 ダメージ 射程 防御 特殊効果
アンスキルド (1d6+1)/2 なし なし +1 Weapon
ベーシック 1d6+1 なし なし +1 Weapon, D.danger
スキルド 1d6+3 なし H:-2AC/1 デフレクト1 + ディザーム
+1 Weapon, D.danger
エキスパート 1d6+5 -/5/10 H:-2AC/2 デフレクト2 + ディザームST-1
+1 Weapon, D.danger
マスター P=1d8+8
S=1d6+7
-/5/10 H:-3AC/3 デフレクト2 + ディザームST-2
+1 Weapon, D.danger
グランドマスター P=1d8+10
S=1d6+8
5/10/15 H:-4AC/3 デフレクト3 + ディザームST-4
+1 Weapon, D.danger
P:= H / Cost 8,000gp〜(普通は買えない) / Enc 30cn
※GAZ5 にあるとおり, もちろんカスタマイズ可能です

著名な所有者;
レベルがある程度高いエルフ
エルフの種類
このキャンペーンワールドでは, エルフにいくつかのバリエーションがあります。

よく知られた森エルフ,
水中適応した海エルフ,
そして最も神秘的かつ謎めいた洞窟エルフ,
の3種類です。
出典はそれぞれ,
森エルフ: 通常の D&D ルールブック及びGAZ5 Alfheim,
海エルフ: PC3 Sea People,
洞窟エルフ: GAZ13 Shadow Elves,
です。

スペック的にはどのエルフ種を選んでも大差ありませんが, 微妙なところで若干の違いが生じています(例えば生活習慣や種としての性質の違いをロールプレイングで表現します)。

また, 洞窟エルフはshadow elfをモデルにしてますが, 特別に邪悪な存在であるということはありません。
単純に洞窟対応しただけのエルフです。

ヘイストの扱い
自動イニシアティブなし
二重スピード化なし
いろいろ物議をかもし出しているヘイストの凶悪さですが, このキャンペーンでは, スピードポーションとの組み合わせは不可能 ということにしています。

プレイヤ側が二重スピード化して敵に圧勝する分には, まあ, スリリングさがなくなるだけでかまわないのですが, 敵 NPC がこれをやってきてパーティをあっさり全滅させたりすると, DM がうらまれちゃいますからね。


サポートされているヒューマノイド
Player Creatures
コボルド*ライカンスロープ*
ゴブリン*ハーピィ*
オーク*ノーム
ホブゴブリン*ラカスタ
ノール*ピクシー
バグベア*スペルキャスター
オグル*
トロール*

このキャンペーンワールドでは, 左表のヒューマノイドをプレイヤーキャラクターとして選ぶことができます。
しかし, リスト中に * の付された種族は基本的にはモンスターであるため, これらの種族での PC を作成しても, それがそのままキャンペーンに導入されるかどうかはわかりません。
そのためには, なぜそのキャラクターが冒険に出かけ, また他の種族(特に一番の強敵である人間と!)と旅にでるのかという部分を, 非常によく説明してくれる充実した背景設定がなければなりません。
あるいは, ヒューマノイドだけによる破壊と殺戮をテーマとしたキャンペーンでもない限り。


XP の扱い
このキャンペーンでは, 通常のゲームと異なり, XP を受け取るのはキャラクターではなくプレイヤーです。
これは, ゲームに参加することに意義があり, また, ゲームを楽しむのはプレイヤだからだ, という観点からの処置です。加えて, 開催が不定期になる場合を考慮してのことです。

各プレイヤーは, その日のゲームから, 報酬や卓越したロールプレイ, クエスト達成, モンスター撃退などによる XP を受け取ります(いつ XP が発生するかについては *こちら* )。
そして, その XP を自分の手持ちのどの PC に配分するかを決めます。

もし, XP の配分を受ける PC にXP 修正があるなら, この時点で適用されます。
例:
STR 14 のファイター(+5% XP)と DEX 12 のシーフ(XP 修正なし)の 2 PC をもつプレイヤーが, シーフキャラクターを使った冒険で 1,000 xp を獲得したとします。
このときこのプレイヤーは, 500 xp づつ二人の PC に分配することを決めました。
シーフは, 分配された 500 xp をそのまま受け取ります。
一方ファイターは, 分配された 500 xp に +5% の修正を加えた 525 xp を受け取ります。
しかしながら, やはりその XP を受け取ることができたのはそのキャラクターの活躍あってのことなので, 実際に投入させた PC には, 獲得 XP の 1/3 は与えなければなりません。
残りの 2/3 は, 自由に配分してかまいません(端数は適当に分配させてください)。
また, PC のレベルは, 実際に冒険に投入させなければ上げることはできません。
もちろん, 手持ちの PC が一人しかいないのであれば, この処理はあってもなくても同じです。

ロールボーナス
"ロールボーナス" とは, Rules Cyclopedia Chapter 10 にある『卓越した行動からの経験』と『ロールプレイングからの経験』のことで, ある役割を見事に全うした場合に その PC が受け取ることができる特別な報酬のことです。
このオンラインキャンペーンでは, この特別報酬の扱いを拡大解釈して使用しています。
(何をもって『卓越した行動』とするかという部分は, 完全に DM の判断です)

Rules Cyclopedia によれば, ロールボーナスは一回のゲームでは各評価基準につき一回しか得られず, かつ, その場で経験点が発生します。
オンラインキャンペーンにおいては, 1つのシナリオが終了するまでに数回のゲーム開催が必要になります。
そのため, 1つのシナリオから一度しかボーナスが得られないとする従来の処理は採用せず, 毎回のゲームにて, しかも比較的多くのロールボーナスを配布することにしています。
ロールボーナス配布頻度の上昇は, 毎回のゲームで素晴らしいプレイングを誘いだすためのほかに, PC に渡す経験点の量を調節するためという役割もあります。
従って, ルールブック通りの渡し方よりも頻度が高く, その使用もフレキシブルなものとなっています。

要は, 素晴らしいゲームプレイングは酬いられて当然だということです。


※ このローカルルールは, 経験点という重要なファクターを扱っているため, 詳細は 別ページ になります。

ドルイドクラスの選択
ドルイドの地位につくには, 通常ですと, 緑本にあるように, 9レベルから29レベルの間のニュートラリティのアライメントをもつクレリックが, 森のなかで精神修養1d4ヶ月行う必要があります。
私, Wisdom は, もう少し早い段階からこのドルイドの地位を持ったPCを見てみたいと思うので, ドルイドの選択は1レベルキャラクターから認められることにします。すなわち, この世界では, エナジードレインを受けることなく, 8レベル以下のドルイドが存在することになります。

しかし, 通常はネームレベルクレリックからのクラスの変更となるため, 1レベルからドルイドを選択する場合には, 一般技能として "ドルイドの哲学[Wis] Philosophy of druids" を選択しなければならないものとします。
1レベルのクレリックキャラクターを作った段階で獲得する4つのスキルスロットのうち1つをこのジェネラルスキルの修得に充てることで, ドルイドへの変更に必要な1d4ヶ月の修行を行ったものとみなし, そのクレリックはドルイドの地位につくことができます。

通常通り, ネームレベルのクレリックからドルイドにクラス変更する場合はこのジェネラルスキルの取得は必要ありません。通常通り1d4ヶ月修行したあと, スキルスロットの残りに関係なく "ドルイドの哲学" スキルを獲得します。
ドルイドの哲学を学んだキャラクターは, ターニングアンデッドの能力を失うかわりに, ドルイド呪文へのアクセスが許可されます。キャラクターはもう, クレリックではなく, ドルイドとして歩み始めます。

ドルイドに相応しいジェネラルスキル;
  - Veterinary Healing [獣医治療]
  - Healing [治療]
  - Survival [サバイバル]
  - Animal Empathy [動物共感]
  - Nature Lore (forest or jungle) [自然の知識(森やジャングル)]

一般技能: ドルイドの哲学
関連能力: ウィズダム
このスキルは, ドルイドの哲学, すなわち, 善と悪のバランスや自然との調和, 森林の神秘性, 隠遁生活をなぜ送るのか, 鉄の非使用の戒律, などについての知識や技能をあらわす。
このスキルを修得できるのは, ドルイドの地位を得ようとするニュートラルのクレリックだけであり, このスキルを修得したニュートラルのクレリックはドルイドと呼ばれるようになる。
1 - 4 ヶ月間, ドルイドの森にこもって精神修養を行うことで修得したものとみなされる。
キャラクターがネームレベル以上の場合, 精神修養のあとこのジェネラルスキルを獲得できるが, ネームレベル未満の場合, 修養のためにスキルスロットを1つ消費しなければならない。
1レベルのドルイドは, 毎朝このスキルの判定を行い, 成功すれば, 1レベルのドルイド呪文のみにアクセスすることができ, それらの中から1日に1つの呪文を選び, 記憶することが出来る。
パラディン, ナイト, アヴェンジャーの選択
ナイト, パラディン, アヴェンジャーの3クラスは, これもドルイドと同様の理由から, 1レベルのファイターたちに認めてみようという試みです。

そうでもしないと, 不用意にNPCパラディンなぞだそうものなら, 「アイツは最低でも9レベルだ!」と, 余計なことまでばれてしまいますからね。

■ ナイトの地位
キャラクター作成時, 大変幸運なことに, その作られたばかりのキャラクターが高貴な生まれだと判定された場合のみ, 1レベルファイターから1レベルナイトにさせることができます(しなくともよい)。そのキャラクターは高貴な生まれなので, 騎士としての素養をきちんと身につけさせられていたのです(その子が若いうちからそうなりたいと望んでいたとしたら)。その結果, 4つのスキルスロットのうち1つを, "騎士道[Chr] Chivalry" に費やすことで, そのファイターはナイトの地位を得ることができます。
しかし, これはネームレベルファイターからのクラスチェンジとは異なり, 制約もまた多くなるものとします。

"本物のナイト"(ネームレベル以上のファイターからクラスチェンジしたナイト)がもつ様々な特典のうち, 『宿の提供』の特殊能力のみをもちます。この駆け出しのナイトは, 地位の高い人物に面会することもできるでしょう(騎士道スキルの判定に成功すれば)し, 宿の提供を申し出ることもできます(スキル判定に成功すれば)。
この駆け出しナイトが無事にネームレベルまで到達したときには, ファイターからのクラスチェンジでは必要だった主君を探すという行動をとるまでもなくナイトの地位を獲得します。いまや本物のナイトになれたので, コンバットオプションを修得し, 宿の提供にスキル判定をはさむ必要もなくなります。また, 高貴な者への謁見も, 特にスキル判定は必要ないでしょう。

ネームレベル以上のファイターから通常通りの手順でナイトにクラスチェンジした場合, スキルスロットの残りに関係なく, ナイトの地位を獲得するのと同時に 騎士道スキル も獲得します。

一般技能: 騎士道
関連能力: カリスマ
このスキルは, 騎士道3本柱(武勇, 名誉, そして貴婦人への愛)に関する知識と儀礼, および騎士としての風格をキャラクターに与えるものである。
このスキルは, ネームレベル以上の放浪のファイター(またはレイク)が修得することが出来るが, 生まれが高貴な場合は, 1レベルのキャラクターでも身につけることができる。
ナイト(レイクの場合はシェヴァリエ)になるための必要な条件(仕えるべき主君を見つけそして忠誠を誓い, 騎士叙勲を受けるということ)をクリアしたときに, そのキャラクターにこのスキルが与えられる。また, このスキルを修得したファイター(またはレイク)をナイト(またはシェヴァリエ)と呼ぶ。
キャラクターがネームレベル未満の場合は, スキルスロットを1つ失うかわりに, ネームレベルに到達したときは自動的にナイト(またはシェヴァリエ)になる。
キャラクターがネームレベル未満の場合, 騎士に3日間の宿を提供する風習は自動的には受けられず, 宿の主に対してこのスキル判定を行わなければならない。成功すれば通常のナイトと同様, 宿の申し入れができるが, 判定が失敗した場合, その主には騎士として認めてもらえず, 宿を提供されることができない。

■ パラディン, アヴェンジャーの地位
パラディンやアヴェンジャーの地位は, ナイトのように生まれが関係することはありません。
従って, あらゆる1レベルファイターに門戸が開かれています。アライメントさえ合致していれば。
その1レベルファイターの作成段階に得られる4つのスキルスロットのうちの1つを "パラディン(アヴェンジャー)の品格[Chr] Dignity of Paladins (Avengers)" に費やすことで, そのファイターをパラディンまたはアヴェンジャーとして振る回させることができます。このスキルにはホーリーソードまたはドゥームブリンガーの使い方も含まれています。
また, アヴェンジャーたちは, 『アヴェンジャーの品格』スキルを使うことで, 緑本にあるように, ある城主を自分がナイトであるとだまして宿を要求したり, ケイオティックモンスターを説得して配下に置いたりすることができます。ネームレベル以降はスキル判定はいりませんが, ネームレベル未満の場合は, スキル判定を行わないとこれらの特殊能力は発揮されません。

次に, 残った3つのスロットのうちの1つを, "クレリック呪文詠唱[Wis] Clerical Spellcasting" スキルに費やすことで, クレリックたちからクレリック呪文とターニングアンデッドを使う方法を学んだことになり, そのパラディンやアヴェンジャーはクレリック呪文やターニングアンデッドを行えるようになります。もし, そのパラディンまたはアヴェンジャーの Wis値 が12以下なら, 13を下回った数だけさらに『クレリック呪文詠唱』スキルを修得すれば, 呪文使用の条件を克服したことになります(通常の方法でスキルレベルを上昇させます。ネームレベル以降にクラスチェンジした Wis値 12以下のパラディンまたはアヴェンジャーたちも同様)。
例えば, Wis値が10のアヴェンジャーは, まず一つ目の『クレリック呪文詠唱』スキルをとることで, 呪文使用の素養とターンの能力を得ます。このアヴェンジャーはあと3回このスキルを修得すれば, 呪文も使えるようになります。経験レベルが足りていれば。

当然ながら, コンバットオプションの獲得はネームレベル以降になります。

一般技能: パラディンの品格 または アヴェンジャーの品格
関連能力: カリスマ
このスキルは, 放浪ファイターたちにパラディンまたはアヴェンジャーとなる資質を与えるものである。このスキルは, パラディンまたはアヴェンジャーになろうとする総てのファイターたちのみが修得することができ, このスキルを獲得したファイターのことをパラディンまたはアヴェンジャーと呼ぶ。
ネームレベル以上の放浪ファイターたちは, このスキルの修得にスキルスロットを消費する必要はないが, ネームレベル未満のファイターたちは, 忠誠を誓ったり同盟を組むための教会を探し, そのときスキルスロットを1つ消費することで, このスキルを修得したとみなされる。
このスキルはパラディンまたはアヴェンジャーたちに, ラウンドあたり1回のディテクトイービルを唱える能力を与え, パラディンならホーリーソードを, アヴェンジャーならドゥームブリンガーを扱える能力も与える。また, パラディンまたはアヴェンジャーの地位によるほかの様々な特典も与える。
ただし, キャラクターがまだネームレベルに達していないときは, それらの能力を発揮させるためにこのスキルの判定を成功させなければならない。ネームレベル以上のパラディンやアヴェンジャーはスキルチェックをはさまない。

また, アヴェンジャーたちは, コンパニオンDMにあるとおり, 自分がナイトであると偽って宿の提供を申し出させることもできるし, ケイオティッククリーチャーを説得して仲間にすることもできるが, ネームレベル未満の場合は上述のとおり, スキル判定に成功させなければならない(クリーチャーの説得にはさらに通常通りの判定が必要となるだろう)。

一般技能: クレリック呪文詠唱
関連能力: ウィズダム
このスキルは, パラディンまたはアヴェンジャーに, クレリック呪文の使用方法やターンの方法, クレリカルマジックアイテム(ロッドオブヘルスやクレリカルスペルスクロールなど)の使用方法を理解させるものである。このスキルをクレリックたちから教えてもらうことで, 現在のレベルの1/3(端数切捨)のクレリックとして, ターンや呪文の行使を行える。
このスキルは, パラディンまたはアヴェンジャーたちにのみ修得されうる。パラディンまたはアヴェンジャーがネームレベル未満である場合, このスキルの修得にはスキルスロットが1つ必要であるが, ネームレベル以上のパラディンやアヴェンジャーたちは自動的に(スロットを消費せず)修得できる。
(クレリックたちには元から備わっており, 他のクラスのキャラクターたちでは理解ができない)
Wis値が12以下のパラディンまたはアヴェンジャーは, 呪文詠唱能力は手に入らないが, それ以外のクレリカル能力はこのスキルから手に入れられる。ただし, 彼らが通常の方法でこのスキルを, 13に満たない回数だけとることで, 呪文使用能力についてのみ, Wis値が13であるかのように判定させることができる(マジックアイテム作成の成功率など)。
例えば, Wis値が12のパラディンは, このスキルを2回とれば呪文詠唱の能力も得られる。最初の修得は彼に呪文詠唱の基礎とそのほかの能力を与え, 2回目の修得で彼のWis値があたかも13(14以上にはならない)であるかのように判定には使われることになる。
ネームレベル未満のパラディンまたはアヴェンジャーたちは, クレリカルマジックアイテムを使うとき, このスキルで判定し, 成功させなければそれらを使うことはできない。
アヴェンジャーのコントロールアンデッドの能力は, アヴェンジャーがネームレベル未満である場合は, ターンのかわりにコントロールを選択できるかどうかについてこのスキルの判定を成功させなければならない。その判定が失敗だと, ターンは行えるがコントロールを選ぶことはできない。
イニシアティブ
このオンラインでのキャンペーンでは, ダンジョン探索や戦闘シーンなど, キャラクターと彼らが置かれている場所との位置関係をはっきりさせるため, オンライン用のフロアプラン を用いてこれらのシーンの処理を行っています。そのフロアプランの仕様, および戦闘シーンの円滑な処理の都合から, このキャンペーンではRules Cyclopedia Chapter 8, p.p.102 右段上 Individual Initiative 個別イニシアティブ の選択ルールを使うことにしました。

Rules Cyclopedia によると, 個別イニシアティブ選択ルール上では, 遭遇が発生すると, 参加者全員が1d6を振ります。このスコアの高い者から順に行動を起こします。このとき, Dex に修正があれば, それを1d6 に加えます。例えば, Dex 5 のキャラクターの個別イニシアティブは, 1d6 - 2 で求められます。また, 両手武器を装備していたり, ゾンビなどルールブックに特別に書いてあるモンスターは, ダイスを振らずに自動的にラウンドの最後に回されます。そしてこの選択ルールでは, 同時行動という概念がないため, 同じイニシアティブ値を持つ者たちどうしで決着が付くまでダイスを振り続けます。

さらに, このダイスの振り合いを毎ラウンドの冒頭で行い, 毎ラウンド順序が入れ替わることになります。
(そして『同時』も頻発し, 決着ダイスの振り合いが繰り返されることでしょう)

ルールブックどおりに個別イニシアティブを導入すると, 毎ラウンド全員がダイスを振り合い, しかも6面ダイスのため, その戦闘への参加人数によっては, 『同時』(つまり同じイニシアティブ値を持つ者たち)が頻発し, ゲームの処理速度が低下します。
(オフラインでのゲームなら, 毎ラウンド, 全参加者が一度にダイスを振り合い, 一瞬で結果が判定できるのでこのような処理でも耐えうると思われますが, オンラインでの場合は, サイコロの判定結果は一人一人行われるため一度に見比べることができません)

そこで, 本来の目的である円滑な戦闘シーンの実現, およびオンラインフロアプランの仕様を考え, ルールブックで言及されていない部分や独自に処理する項目を以下のようにつけたし, 修正します。

Individual Initiative 個人イニシアティブ
その戦闘の第1ラウンド目の冒頭で, 参加者全員が1d6 + Dex修正 をロールする
手順の簡略化のため, イニシアティブロールは戦闘の第1ラウンド開始直前に一回だけしか行われません。続く戦闘ラウンドで再びイニシアティブ値を決定するためにラウンド冒頭でイニシアティブロールが行われることはありません。
ここで決定した順序は, その戦闘が終了するまで変更はありません。

同じイニシアティブ値を持つ者同士で決着をつける
決着をつけるのはあくまでも, 同イニシアティブ値をもつ者たちだけです。同イニシアティブ値内での順番の優劣をつけます。
すなわちこれも, 処理の簡略化のために『同時』が発生しない, と仮定されています。

両手武器所持者は自動的喪失の代わりに -5 のペナルティ
2Hソードやロングボウなどをもって戦う場合は, イニシアティブ値決定ダイスに -5 されます。バスタードソードの両手持ちは, Chapter 4 にあるとおり, イニシアティブを修正しないため, このペナルティはありません。
もし, 武装を変更して両手武器ではなくなった場合, 先に求めたイニシアティブ値への -5 がなくなるため, 順番が一気に早くなることになります(再ロールはしません)。
従って, キャラクターの武装が, 戦闘ラウンド内での順番 という戦略性を帯びることになります。
例:
あるバトルアックスをもったドワーフが, コボルド2匹と戦闘を開始しました。ドワーフのプレイヤが戦闘ラウンド最初に1d6を振ったところ, 5が出ましたが, 彼のドワーフはバトルアックスを持っているため, この出目は 5 + (-5) = 0 に修正されます。
一方, コボルド2体のためにDMが振った1d6の目はそれぞれ4と6でした。従って, 続く戦闘ラウンドにおいては, コボルド, コボルド, ドワーフ の順で処理が続けられます。
このドワーフが, 次のラウンドの自分の手番において, 自慢のバトルアックス+2 を放り投げ, かわりに腰のベルトに差してあったシルバーダガーを引き抜いたとすると, 翌ラウンドにおいてはこのドワーフのイニシアティブ値の -5 が無くなるため, 彼のイニシアティブ値は5 に引き上げられます。従って, コボルド, ドワーフ(シルバーダガー), コボルド の順で処理が行われていくことになりました。
両手武器の -5 修正を解除したところ, それによって他の誰かと同じイニシアティブ値になったとしたら, 彼らだけでイニシアティブ値の決着をつけます。どのような順序になったとしても, 両手武器の装備と解除によってイニシアティブ値が上下しても, もはや同じ敵とは順序の決着がついたままとします。再び決着のためにダイスを振り合うことはしません(出目を保存しておいてください)。

自分の手順が回ってきたときに 1ラウンド(10秒)経過した とみなす
持続時間がラウンド単位で与えられる呪文や一時的なスタン状態など, 経過ラウンド数が重要となる効果の持続時間を計る基準は, 全体の戦闘ラウンドではなく, 自分の順番が何回まわってきたかでカウントします。
例:
あるドワーフ(イニシアティブ値4)が敵のノール(イニシアティブ値6)のトライデントからスキューアの効果を受けたとします。スキューアは毎ラウンド自動的に犠牲者のヒットポイントを1d6ポイント奪います。このドワーフは, 突き刺された戦闘ラウンド内での自分の順番が回ってきたときにその忌々しいトライデントを引き抜ければ, 以後, 自分の手番のときにヒットポイントは奪われません。しかし, 突き刺さったまま行動する場合は, 以後, 自分の手順が回ってくるたびに, 行動を起こすより前に, スキューアによる1d6ポイントダメージを適用しなければなりません。それによって彼のヒットポイントがゼロを下回れば, ドワーフはそのラウンドは何もしないまま, 死亡します。
もしこのドワーフに, イニシアティブ値5の味方がいて, 彼が彼の手番のときにドワーフからトライデントを引っこ抜けば, ドワーフはそのラウンド内ではスキューアによる自動的ダメージをこうむらなくても済むでしょう。

※1 順番が決定したら, マッパーがフロアプランのコメント欄に順番を記録してください。
※2 自分の順番が回ってきたら "### ○○の行動" , "### △△の順番" などと発言し, 行動が終わったら ### を発言して行動を完了させてください。他のプレイヤーは, ### で閉じられるまで, フロアプラン内で Refresh 以外の操作を行わないでください。

<<< モドル


K340へ 目次へ