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トラツグミ

 トラツグミは、スズメ目ツグミ科の留鳥または漂鳥で、体長は約30センチである。頭からの上面は黄褐色で、各羽には黒い羽縁がある。トラの皮とそっくりであり、トラツグミとはよく名付けたものである。そのトラの色が保護色となって、枯草と区別がつかず、この鳥をなかなか見つけることが出来なかった。隣のカメラマンに教えられ、やっとこの鳥を発見できた次第である。
 このトラツグミを撮影したのは、平成25年3月8日、北本自然観察園の南入口付近である。僅かに芽吹いたとはいえ、春浅くまだ枯草の積み重なった野原の上を、この鳥は昆虫やミミズを地表に誘き出すために、貧乏ゆすりでもするように、全身を震わせて歩きまわっていた。シラサギが池沼で、巧みに脚を揺すらせて小魚を誘き出すのと同じ仕草なのだろうが、初めは、理解が出来ずに、この鳥は何故貧乏ゆすりをしながら、ウロウロしているのかと非常に奇異に感じた。
 トラツグミといえば、静かになった夜中、森の中で寂しげに細い声で不気味に鳴くことから、平安のその昔、凶鳥・妖怪「鵺」(ぬえ)として恐れられたという。しかして、その正体は、このトラツグミであった。最近では、「鵺の鳴く夜は恐ろしい」で評判になった横溝正史原作の映画「悪霊島」の宣伝文句を思い出す人も多かろう。

 

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