はいぱ〜不定期徒然草


我々は宇宙人だ!!〜その2:ケロン人のすべて〜

(三畳紀の両生類:マストドンサウルスを「ご先祖さま」と呼ぶケロロ軍曹)

「ケロロ軍曹」(角川コミック、TVアニメがテレビ東京土曜日10:00〜よりブレイク中)って面白いですよね。


(ペコポン(地球)滞在中のケロン人たち:右よりケロロ軍曹、タママ二等兵、ギロロ伍長、クルル曹長、ドロロ兵長)

でも、ケロロ軍曹他ケロン人って何から進化したのでしょうか?よく夏美に「ボケガエル」と言われていますが、カエルに似た生物から進化したのでしょうか?(泳ぎも得意ですしね。)

今回は宇宙人特集の2回目は、ちょっと愛すべきケロン人について考察して見ました。

1.ケロン星について

まずケロロ軍曹のふるさとケロン星ってどんなとこだか考えてみましょう。

まず考えられるのは、非常に地球に似た惑星であると言うことでしょう。何せ、軍曹は宇宙服や変身なしで日向家に居候していますから。大気条件(酸素・窒素などの比率)、重力はあまり変わらないと考えていいでしょう。ちょっと無粋な突っ込みをすれば、胴体に比べて華奢な足で体を支えているので重力は地球よりも少し軽いのかもしれません。

ただ、作品から確実に言えるケロン星と地球の違いとして湿度はケロン星のほうが高いようです。ケロロ軍曹は梅雨に「あの頃」の自分に戻ってパワーアップすること、ケロン人は実は裸で地球に来ていることを考えると、ケロン星は地球よりも高温多湿な惑星であるのは間違いないでしょう。ただし、夏は夏美とクーラーを満喫していましたので、快適な温度は地球人と同じ20℃〜25℃で、高温多湿といってもケロン人にとっても30℃以上は不快なのだと推測できます。そういった点からケロン星は、温暖だけど四季の変化があまりない気候ではないでしょうか。また桃華の招待で西沢グループ所有の島に海水浴に行ったときは、ケロロ軍曹とタママ二等兵は直射日光を長時間浴びていたため、干からびて行動不能になってしまいました。これからケロン星はあまり日差しの強いところではないようだと推測できます。また、同じエピソードでケロロ軍曹は海に入って「しょっぺーっ!!」といったうえに、海のことを知らなかったので、もしかしたら陸の淡水系が充実している一方でケロン星には海がないことも考えられます。これは推測ですが、ケロン星は海がない、もしくは地球に比べ小さい分、水は大気中に湿気として存在しているのではないでしょうか?

(タママ二等兵は海について知っていたので、単にケロロ軍曹が内陸部の出身だけなのかもしれません。)

(ケロン星についての結論)
ズバリ、ケロン星はこんなところじゃないでしょうか。


@酸素濃度など大気条件はほぼ地球と同じ。

A裸で暮らしているので気候は惑星全体的に温暖、惑星の平均気温は20〜25℃ぐらいと推測される。

B
直射日光はあまり入らず、湿度は高い。宇宙からみた雲量は地球よりも多いかも?

C重力は地球より若干軽いかもしれない?

D海の塩分濃度は極端に薄い?もしくは陸の淡水系が地球よりも充実していて海がなく、その分の水が大気中に存在している?

2.ケロン人の生理について

ケロロ軍曹は冬に地球の両生類のように冬眠をしないので、カエルのような外気温で体温が変わる変温動物ではなさそうです。また人間のような知能活動行うためには常に脳をアイドリングさせておく必要があるため、体温が常に一定な恒温動物である必要があるといわれています。ということは知的生物であるケロロ軍曹他ケロン人も恒温動物と考えるのが妥当なようです。一応、地球の生物でいうとタコやワニといった変温動物でも知能活動や社会活動はできます。ただ彼らは外気温が極端に変わると活動不能に陥ります。ワニ、海亀などの爬虫類の一部、そしてカミナリ竜などの変温動物だった可能性の高い恐竜は体を巨大化することで外気温の影響を受けにくいよう進化しています。これを慣性恒温といいます。

 
(右:オサガメ。体長1.8m現在最大の爬虫類の一種。水温の低い北大西洋・アラスカでも活動できる)
(左:マチカネワニ。氷河期の日本に生息。体長6mの巨体は低温でも活動できるための適応か?)

ケロロ軍曹は人間に比べ小さいので慣性恒温とは考えられません。冬でも人間と同じように活動できるので恒温動物と考えるのが無難ではないでしょうか?多分、ケロン星でも哺乳類や小型恐竜=鳥類が恒温動物にならなかったような変動(一時的な極端な気温の変化、氷河期の到来や極端な乾燥化)があったと思われます。

一方、湿気はケロン人に必要不可欠なもののようです。先ほども述べたように、ビーチで日焼けをしようとして乾燥して行動不能になったり、乾燥機と思しきリミッターをつけると腑抜けになったりしていましたので、ケロン人はある程度皮膚に湿気がないと生きていけないのかもしれません。そこは地球の両生類に近いといえます。地球の両生類でも結構乾燥したところにいるものもいますが、やはり湿気なしでは生きていけないのです。

また、ケロン人の生殖と成長ですが、これも軍曹の口から父親との関係について「強いて言えば、波平とカツオの関係」と言う言葉がありますので、このことからケロン人にはかなり明確な親子関係(少なくとも父親に関しては)があることが伺えます。また、今のところ軍曹の兄弟のエピソードはないので、ケロン人はあまり多産ではないようです。これは推測ですが、ケロン人は胎生、もしくは卵胎生ではないのでしょうか?おそらく、ケロン人は進化の過程で確実に子孫を残すため、体内受精もしくは、体内放精をする方法を進化させたのかもしれません。また、ケロン人は軍曹の子供時代の回想、タママ二等兵が幼年学校出身でまだ子供らしいということから、おたまじゃくしから成体への変態をしないようです。それは、赤ん坊としてこの世に生まれるということです。ただし、子供時代のケロン人には尻尾が付いており、ここからケロン人は幼生から成体へ変態する生き物から直接進化したことが伺われます。

(ケロン人の生理について結論)
ズバリ、ケロン人はこんなやつらです。

@ケロン人は恒温動物(常に体温が一定)

Aケロン人は地球の両生類と同じく皮膚にある程度の湿気が必要

Bケロン人は胎生もしくは卵胎生

Cケロン人は赤ん坊で生まれるが、幼生から成体へ変態する生き物から直接進化したため少年期には尻尾がある。

3.ケロン人って一体何者〜その1:起源と進化〜

ケロン人とは何者か?地球(彼らの言うペコポン)で地球人と同じように暮らし、地球人と同じお菓子を食べ、挙句の果てガンプラにはまっている彼らは一体何者なのか?

確実にいえることは彼らが、我々、地球型生物とほぼというより完璧に同じものであるということです。彼らは、地球人と同じく炭素と水素からなる生命体で、H2O=水を必要とし、内骨格をもった脊椎動物で、肺で酸素を呼吸する生物で、消化器系も地球人とあまり変わらず、手先が器用=ものをつかむ手を持っています。

ウニやタコよりもホモ・サピエンスに近い異星の生き物?謎です?

で、ここで大胆な仮説を立てて見ましょう。

それは地球型惑星で炭素と水素からなる生命体が発生した場合、環境条件が同じであれば進化の方向性は同じであるという仮定です。

太陽のようなG型恒星と地球型惑星は宇宙でありふれた存在で、地球型惑星もそう珍しいものではないと考えられています。おそらく、ケロン星もG型の恒星を主星とした恒星系のなかで姓名を生み出すのに丁度よい位置にあり、ほぼ地球と同じ用に生命が誕生し、進化をたどってきたと考えられます。おそらく、地球の地質年代でいう石炭紀〜ペルム期に当たる時代までは・・・・・・・・・・・・

皆さん、ここで話は大きく横にそれますが、恐竜人類というのをご存知でしょうか?恐竜人類=ディノサウロノイドはドラえもん映画「のび太と竜の騎士」に登場した地底人ですが、恐竜の一部:マニラプトラ類のトロエドンが白亜紀に絶滅せずに生き延びたらという科学シミュレーションの結果生まれたものです。


(恐竜人類の模型)

これは地球の歴史で恐竜の絶滅という自体が発生しなかったらと言うことで生まれたのですが、ここで注目してほしいのは必ずしも哺乳類→人類という進化の道筋が必然ではないということです。しかし、ここからあくまでも脊椎動物が知的生物に進化するという方向性は維持されるということがわかります。ここで想像してみましょう。脊椎動物が知的生物に進化するという方向性は同じで、哺乳類や鳥類=恐竜が誕生するもっと前の段階で地球と違う進化の道をたどった惑星があったとしたら・・・・・・・

ズバリ、それがケロン星です。

ケロン星は地球の地質年代でいう石炭紀〜ペルム期に当たる時代までは、かなり地球と同じ進化の道筋をたどりました。(まだこの頃には、ケロン星にまだ海があったかもしれません。もしくは、淡水系でも生命の発生、進化は可能なのかもしれません。)しかし、この星では地球とは異なりある生命体が進化しなかった、というより進化する必要がなかったのです。それは、有羊膜類=爬虫類・鳥類・哺乳類です。ケロン星は前述したように淡水系が充実した湿潤な惑星です。多分、乾燥地域というものはないでしょう。そういった、環境では乾燥に適応した爬虫類生まれ、適応放散の中で哺乳類、恐竜、鳥類を生み出すことはなかったでしょう。代わって両生類が大規模な適応放散を起こしたはずです。


(地球の石炭紀の両生類の化石)
 
(地球のペルム紀の両生類:右・ディプロカウロス/左・エリオプス)

地球の歴史と比較すると、地球では石炭紀〜ペルム期に乾燥地域があり、そこへと進出し、進化した爬虫類がよりさまざまな環境に適応し、両生類を両生類にとって都合のいい場所(水辺やジャングル)に追いやっていって繁栄しました。しかし、ケロン星ではそれが起こらずさまざまな環境で両生類が進出し、象のような両生類、鳥のような両生類、クジラのような両生類を生み出していったと考えられます。湿気が多く、両生類に有害な紫外線を防ぐ雲の量が多いケロン星の気候も彼らの進化を促したのでしょう。

そんな環境の中でケロン人への進化を考えて見ましょう。


(図1〜図3:ケロン人の祖先動物)

まず、ケロン人大本の祖先、図1:ケロノドントサウルス・タママリスを見てください。その姿は非常に地球の原始両生類:エリオプスに似ています。ケロノドントサウルスが生きていたケロン星は温暖湿潤な気候のなか惑星レベルで大森林が繁茂していました。この大森林という資源を有効に使うためケロン星の両生類は進化していったと思われます。あるものはカミナリ竜のように大型化したのかもしれません。

しかし、そんななか直接木に上ったものたちがいました。それが、図2:ケロンピテクスです。我々の世界で言うサルに当たる動物です。彼らは森で暮らすために、目が正面に付く立体眼視力とものをつかむ手を獲得しました。さらに森という立体的で複雑な環境をアクティブに生きるため恒温性を獲得し知能を徐々に発達させていったと考えられます。また、樹上に暮らすかれらは両生類でありながら、水辺で卵を産む必要がないようにメスまたはオスの体内に卵を産み、体内放精を行い、幼生期を体内で育てる繁殖方法を進化させていきました。このことで彼らは一生樹上で生活することが可能となりました。(地球でも樹上性のカエルがいますが、彼らも幼生=おたまじゃくしを育てるために、何らかの形で水に依存しなければなりません。)

しかし、繁栄するケロン星両生類に試練が襲います。ケロン恒星の活動の活発化により、ケロン星が徐々に乾燥化し始めてきたのです。おそらく、それまでのケロン星の植物は乾燥に弱いシダ植物のようなものだったと思われます。森は減少して行き、また繁殖を水に頼っていた多くの両性類が絶滅しました。さらに、恒星活動の活発化による紫外線量の増加も水に卵を産む両生類に打撃を与えたと思われます。現に地球でもオゾン層の破壊による、紫外線量の増加でカエルの卵の細胞破壊が進み、カエルの減少が報告されています。

つまり地球でも何度か発生した大量絶滅がケロン星でも発生したのです。

しかし、ケロンピテクスの仲間は繁殖に関して水を頼りにしなかったためこの大絶滅をのり切りました。そして、逆に地上におりて多くの種を生み出しました。恐竜絶滅後、哺乳類が急速に適応放散したように・・・・。

ケロンピテクスの子孫たちにはある共通の特徴がありました。樹上生活を経た彼らは胴体から足がまっすぐ伸びる、直立歩行を獲得していました。丁度、地球で言うと恐竜が樹上生活の祖先から直立歩行を獲得したのに似ています。ケロン星はケロンピテクスを起源とするアクティブな四足歩行の直立両生類の時代に急速に移行していました。

そんな中、直立歩行を獲得しながらも、平原の水辺でケロンピテクスの面影を残しながら生きている雑食性の生き物がいました。それが図3:エオケロンサピエンスです。彼らは他の両生類たちが4足で走ることに適応する中、水辺で発達した前足と指で木や草をむしっ食べ、水中で魚をつかみ取りで捕まえるという、前足:言い換えると手に依存した生活をしていました。そのうえ彼らは地球の類人猿のように短時間、もしくは水中であれば直立二足歩行が可能だったと考えられています。そして、手を使う生活は知能を徐々に発達させていったと考えられます。ここまでくれば、そのときまであと少しです。

ケロン星でエオケロンピテクスからケロン人へのブレイクスルーがなぜおきたのかは謎とされています。これは地球でも同様で、サルがヒトになった理由は恐竜が絶滅した理由を探すように困難な事なのです。ただ、エオケロンピテクスがケロン人となる要素を持ちえていたのは事実です。ケロン星古生物学会ではこのブレイクスルーについてより高次な文明による介入説が強く支持されています。通称“モノリス”説と呼ばれるこの説は、エオケロンピテクスの有力な群れが生息されている地域から、“モノリス”と呼ばれる幾何学的に均整が取れた石版が発掘されることから、“モノリス”がブレイクスルーになんらかの関係を持っていると考えられているのです。ケロン星古生物学会では地球(ペコポン)で同様の“モノリス”が発掘できるのではと期待しているのです。


(ケロン星に残るモノリス遺跡)

モノリスが発掘された直後の地層から、最初のケロン人、図5:ホモケロサピエンスの化石が発掘されます。彼らは完全な直立二足歩行が可能で、化石や残された記録から現在のケロン人よりもマッチョで、手先が器用なことがわかっています。ホモケロサピエンスはケロン文明の宇宙進出時代まで存続しました。彼らが残した古文書から、宇宙進出の時代以降、文明の発達に伴いホモケロサピエンスの肉体ならびに精神の幼児化(テネオニー化)が指摘されており、現在のケロン人の姿と性格は数万年に及ぶケロン文明の中で形成されていったと考えられています。


(現在のケロン人の直系の祖先:ホモケロサピエンス)

(ケロン人の起源と進化についての結論)
ケロン人はこうやって生まれました。

@ケロン星は乾燥地帯のない温暖湿潤な惑星のため地球の爬虫類に該当する生物が進化せず、両生類が大規模な適応放散が起こった。

Aケロン人の起源は、地球の原始両生類に似たケロノドントサウルス・タママリスである。

B惑星レベルで森林が繁茂した時代、ケロノドントサウルスの一部が樹上生活に適応しケロンピテクスが生まれた。彼らは森で暮らすため、立体眼視力、ものをつかめる手、

直立歩行、恒温性、卵胎生という地球の両生類にはない、哺乳類、鳥類=恐竜的な形質を獲得した。

Cケロン恒星の活動活発化により、森林の減少と淡水系の縮小などの乾燥化、紫外線量の増加による卵の細胞破壊などに起因する大量絶滅が発生した。その特殊な形質で大量絶滅を生き延びたケロンピテクスの子孫たちは、樹上生活で獲得した直立歩行の利点を生かし、四足獣型両生類に進化したが、平原の水辺で手を使う生活にこだわったエオケロンサピエンスはケロン人への進化に向けて知能を発達させていった。

D高次文明の“モノリス”の介入により、エオケロンサピエンスより最初のケロン人:ホモケロンサピエンスが誕生した。彼らはケロン文明の最初の担い手であり、現在のケロン人よりもマッチョで、手先が器用だった。

E数万年に及ぶケロン文明の中でホモケロサピエンスはテネオニー化して行き現在のケロン人が生まれた。

4.ケロン人って何者〜その2:ケロン文明についての考察〜

マンガに突っ込むのもなんですが、ケロン人は、かなり高度な文明種族であることは間違いありません。少なくとも彼らは別の恒星系から来ていますので、地球人にとっては理論上のものである恒星間飛行をやっています。そして、何よりも彼らは恒星間で侵略をしてきたわけですから。(まぁ、建前上は・・・・・)さらに、元素を転換して物を作るケロボール、タママが日向家来るのに日常的に使う超空間、虫歯治療のためのミクロ化技術、クルル曹長のきな臭い発明などなど、彼らの技術水準はドラえもんがやってきた22世紀の地球と同等かそれ以上と考えていいでしょう

しかし、彼らがへっぽこなのはなぜでしょう?

それは、彼らの文明の発達に関係あると思われます。現在のケロン人は数万年に及ぶ文明生活からホモケロサピエンスがテネオニー化して生まれたと推測されます。テネオニー化それは幼形成熟を意味し、子供のうちに大人になってしまう現象です。おそらく、ケロン人、特にケロロ軍曹は精神的にも幼児化が進んでいるため、文明技術と行動にギャップがうまれ、へっぽこ宇宙人に見えるのでしょう。

それはケロン人だけの現象でしょうか?「ケロロ軍曹」の世界では多くの種族が恒星間文明まで進歩し、地球に来ています。しかし、なぜ地球は侵略されない、いやできないのでしょうか?

それは、宇宙人同士で侵略を止める平和的なルール決めがあるからでしょうか?でも、敵性種族などの言葉から恒星間文明同士の対立は存在し、結構、彼らの間では“一触即発?”っていうような関係が伺えます。多分、地球に来ている恒星間文明の知的レベルはほぼ同等で、互いに牽制しあっているのが実情でしょう。

では、なぜ地球が恒星間文明の修羅場にならないのか?それは、多分、恒星間文明人は逆説的に、「へたれ・へっぽこ」だからと推測できます。つまり、地球に来ている宇宙人はケロロ軍曹と似たり寄ったりのへっぽこな奴らなのです。
文明が進歩する過程で、文明の利器に頼るが故に知的生物が「へたれ・へっぽこ」になる、これは恒星間文明に共通した特徴なのかもしれません。その兆候は、すでに地球でも先進国を中心におきているともいえます。

信じがたいことですが、文明は「へたれ・へっぽこ」になることで成熟期を迎える。これが恒星文明間の常識なのではないでしょうか。あるエピソードがあります。ケロロ小隊の秘密基地には「地球(ペコポン)人一掃ミサイル」という地球を3回焼き尽くすことができる、超ど級の破壊兵器がありますが、彼らはそれを使おうとはしません。それは「破壊はダサイ」という宇宙のコンセンサスがあるからだそうです。で、対照的に、地球人のダークサイド裏桃華はそれを使おうとするのですが・・・・・

これは恒星間文明の価値観をよく表したエピソードといえます。多分、ケロン人も地球人と同じく農耕文明→工業文明→惑星系文明→恒星系文明→恒星間文明と言う歴史を歩んできたと思います。その過程で、核兵器やコロニー落しなど自らの文明を危機に陥れる可能性を持った兵器をもった時代もあったと思います。しかし、ケロン人はそれを乗り越えたのです。おそらく他の恒星間文明種族も同様であったと思われます。その危機を乗り越える秘訣は自ら「へたれ・へっぽこ」になり、戦いをやめる、もしくは遊びと同じレベルにしてしまうことだったのでしょう。

このことは、軍人として任務に忠実なはずのギロロ伍長が原始人扱いされることからも伺えます。多分、地球人と同じ工業社会時代のケロン人はあんな感じで血の気が多かったのでしょう。

(ケロン文明に関する結論)
@ケロン文明は恒星間飛行が可能な恒星間文明であり、技術水準は恐ろしく高い。
Aしかし、ケロン人、特にケロロ軍曹は「へたれ・へっぽこ」である。
B他の恒星間文明でも同じことが言える。
Cこれは、恒星間文明が自らの文明の危機を乗り越えるための進歩のステップのひとつであり、逆説的にいうと「へたれ・へっぽこ」な人と高度な技術文明がそろってこそ、安定成熟した恒星間文明といえると考えられる。

5.ケロン人は地球に何をしに来ているのか。
ところでケロン人は地球に何をしに来ているのでしょうか?ガンプラを作りに?とんでもない、一応、地球侵略です。これは他の宇宙人も同様です。では、「破壊がダサい」といわれている恒星間文明がなぜそんなことをするのでしょうか?

考えられる理由は2つあります。

@宇宙開発が恒星間文明同士の取り決めでできなくなった。
これは「惑星は最大の生命体」という考え方が宇宙人同士の間で広まりつつあり、惑星破壊、改造、創造が宇宙警察の取締りの対象になっていることから伺えます。恒星間飛行ができるほどの文明であれば、その辺の惑星を母星と同じ環境に作り変える惑星改造(テラフォーミング)による、植民地作りのほうが、先住種族を征服するよりもよほどスマートな方法と考えられます。

しかし、惑星改造(テラフォーミング)が禁止になったため、ケロン人のような炭素と水素で肉体が構成される種族にとって比較的、母星に環境が似ている地球が侵略のターゲットになったのかもしれません。

ちなみに余談ですが、軍曹におじさまLOVEな女の子:アンゴル・モアが属するアンゴル族は惑星物理学の知識を駆使して、ダイソンスフィア(惑星を解体して、恒星をすっぽりと包む天文学的宇宙構造物。恒星のエネルギーをほぼ100%使えるので、恒星間文明種族以上はこれを建設するのではといわれている。)の構築を請け負う土木民族なのかもしれません。(まさに、宇宙レベルのゼネコンだ・・・・・)

A実はオーバーロードになりたい。
ケロン人や他の恒星間文明種族にとって地球と地球人は未開な存在です。アーサー・C・クラークの「地球幼年期の終わり」には工業化社会レベルの人類をもっと高位な存在に進化させる助産婦役としてオーバーロードという宇宙人が出ます。実は彼らはずっと人類の前に姿を現さなかったのは彼らが悪魔に似ていたからというオチがあって、彼ら自体は進化の袋小路に入ってこれ以上の発展は望めない存在です。ケロン人もこのオーバーロードと同じで、人類を進化させるために地球に来たのかもしれません。侵略という言葉を使っていますのでディビット・ブリンの「知性化シリーズ」に発想は近いかもしれません。ケロン人は先ほど“モノリス”によって進化したと述べました。そんなことから、ケロン人には未開種族を文明化するのは、より高位な文明の使命だというクルセーダーズ的観念があるのかもしれません。

とかわざわざ恒星間で侵略をする理由を考えてみましたが、実際のところケロン軍本部はあまり本気で地球を侵略する気はないようです。まったく、ケロン人が地球で何がしたいのかは謎です。

しかし、ひとつだけいえることはケロロ小隊のヘッポコな日々とケロロ軍曹のガンプラライフが一日でも長く続くことを願うばかりです。

これで、ケロン人についての考察の筆を置きたいと思います



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