中京
二条城
所在地:京都市中京区二条通堀川西入二条城町541(地下鉄東西線二条城駅 徒歩3分)
HP:http://www.city.kyoto.jp/bunshi/nijojo/
入場料:600円 中学生・高校生350円 小学生200円
開館:9:00〜16:00(7月、8月、12月、1月の毎週火曜日)



二条城
  


 等持院を見学した後、今度は京福北野線に乗り、太秦でJR線に乗り換え、二条駅で下車。世界遺産の二条城にやって来た。これで今回世界 文化遺産は清水寺金閣寺銀閣寺に続いて4つ訪ねたことになる。
  



  


 1600(慶長5)年の関ヶ原の合戦に勝利した徳川家康(15431616)は、1602(慶長7)年、上洛時の居城として二条城の建設に着手。翌1603(慶長8)年御殿(現在の二の丸御殿)が、1606(慶長11)年天守が完成する。
 二条城では、初代家康、2代秀忠(15791632)、3代家光(160451)と将軍就任祝賀の儀が取り行われた他、大阪冬の陣 (1614年)・夏の陣(1615年)の際にも家康の大本営となった。幕末の1867(慶応3)年には、15代将軍・徳川慶喜(18371913)によって大政奉還が行われている。
 その後は1884(明治17)年に「二条離宮」となり、1939(昭和14)年に京都市に下賜され、現在に至る。1994(平成6)年に、ユネスコによって世界文化遺産に認定された。
 



番所
 

  
 二条城の正門は国の重要文化財である東大手門。ここをくぐって二条城の敷地に入る。1634(寛永11)年以降、将軍不在時の二条城の管理と警護のために、江戸より二条在番が派遣されることになるが、その当時の番所が東大手門入って右手に人形と共に再現されている (写真上)。
 東大手門の正面には長い築地塀が立っている。この向こう側が二の丸御殿、二条城のメインの建造物である。なぜに本丸でなく二の丸? それは、たびかさなる火災で焼失した本丸と異なり、二の丸が家康による建造当初のものを今に伝えているからである。もちろん、国宝にも指定されている。
    



二条城二の丸御殿
 


 二の丸内部は残念ながら撮影禁止なので、実際の様子はぜひとも直接行って、見てもらうしかない。
 入り口となる御車寄からに始まり、遠侍(とおさむらい)、式台、大広間、蘇鉄の間、黒書院、白書院(寝室)の6棟が連なる。廊下はうぐいす張りになっている。建物総面積は3,300平方メートル。部屋は33あり、計800畳である。狩野探幽(160274)を始めとする狩野派の絵師によって描かれた襖絵で飾られている。
 大政奉還が行われたのは大広間の一の間で、ここには人形によってその時の場面が再現されている。
    



二条城二の丸庭園
 


 二の丸の南西には二の丸庭園がある。ここは特別名勝となっている。小堀遠州(15791647)の作で、別名「八陣の庭」。桃山様式の池泉回遊式庭園で、池には蓬莱島、鶴島、亀島の3つの島が浮かぶ。西北の隅には滝もあり、力強い武家らしい趣がある。
   



二条城本丸御殿
 


 二の丸の奥、西側に位置するのが本丸である。普通、城といえば天守閣を中心に、本丸がメインとなる。だが、家光によって1626(寛永3)年に本丸が増築された二条城の場合、1750(寛延3)年に天守が落雷により焼失。1788(天明8)年には火災によって本丸の殿舎も焼失してしまった。現在の建物は、もともと京都御所にあった旧桂宮御殿を1893〜94(明治26〜27)年にここに移したものである。もっとも、その建物も1847(弘化4)年に建てられたもので、重要文化財に指定されてはいるのだが。
 残念ながら普段は非公開で、今回も外から見るだけであったが、二の丸の武士らしい力強さに比べると、どことなく上品な印象を受ける建物である。
 そもそも二条城は、戦国時代を経ている城とは異なり、太平の世に作られたせいか、おとなしい印象を受ける。その造りも、いわゆる城というよりは、屋敷のような趣がある。あるいは、ここが永らく離宮であったこととも関係しているのであろうか。
  



二条城天守台跡
 


 本丸庭園をはさんで、本丸の西南の隅に、天守閣跡がある。ここには、1626年に前年廃城となった伏見城の天守閣が移された。その天守閣は5層であったとそうだ。先にも述べたように、1750年焼失。以後再建されることはなかった。現在は天守台のみが残っている。
   



二条城撮影所跡
 


 この二条城のすぐ近くにはかつて映画撮影所があった。1910(明治43)年、横田永之助(18721943)によって設立された横田商会(後の日活)によって京都最初の映画撮影所「二条城撮影所」が建設された。現在、二条城の南西にある中学校の敷地内に碑が立っている。
  



 

(2006年5月21日)

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