朝起きると、外はまだしとしとと雨が降っている。
9時に、観光案内所へ向かう。 扉が閉まっていて、入っていいのかなぁ〜って覗いていたら、中にいた男の人が扉を開けてくれた。
で、女の人がいて、「エル・タヒンに行きたいのだけど・・・」と聞くと、 「パパントラへ行きなさい。ここからバスで4時間ぐらい。そこからエル・タヒンへ行きなさい。」と言った。
うっ、やっぱりぃ!だから言ったじゃん。
あのおじさんたちはなんなんだー!
とゆーことは、泊りがけでパパントラへ行かないことには、エル・タヒン遺跡をゆっくり見れないよね・・・。
で、「エル・タヒンへのツアー はないの?」と聞くと、あるけど10時間ツアー になるため、本日はもうムリだそう。がっくし。
とにかく、どうするかホテルへ帰って考えることにした。

 今日パパントラへ行って、エル・タヒン遺跡へ行って、パパントラに泊まって、明日再びベラクルスへ来て そのままオアハカへ・・・と考えたけど、そうなると、オアハカへ明日中に着くことができない。
だって、パパントラから ベラクルスまでバスで4時間ベラクルスからオアハカまで バスで8時間半。 うまくバスが繋がれば、夜にはオアハカに着くかもしれないけど・・・。
それより、エル・タヒン遺跡はあきらめて、今日ベラクルスを発ってオアハカへ行く手もある。

 で、ホテルロビーでガイドブック見ながら、どうしようか考えていたところへ、ホテルカウンターの女性が 私の名前を呼んでいる・・・なぜか覚えられてる。
「今日は泊まるのどうするの?」今決めてって言う感じ。
「んー、ちょっと待って」
再び、観光案内所へ行って、女の人に オアハカ行きのバスの時刻を教えてもらう。
1日3便、10:30、15:30、22:30だったと思う・・・。 で、22:30発だったら、翌朝7時ごろにオアハカへ着く。とゆーことは、1泊ホテル代が浮く。決めた! アルマス広場のカテドラル

 ホテルへ帰り、カウンターに今日チェックアウトすると告げ、荷物をまとめる。
ベラクルス市内観光でもして、5時くらいにバスターミナルへ行ってバス予約して荷物を預け、 それからベラクルス水族館へ行って戻ってバスに乗る・・・いいプランだ。
チェックアウトして、荷物は4時くらいに取りに来るからと預ける。
小雨の中、パーカーを着て、まず、アルマス広場の横に建つカテドラルへ行く。 カテドラルの中はいたってシンプルだったような記憶が・・・。(右写真)
それから、歩いてすぐの民芸品市場へと向かう。


 ベラクルスTOP




 民芸品市場(Mercado de Artesanias)は、 アルマス広場から港に向かって100mも行かないところに、 Tシャツなどの衣類品、キャンデーやチョコなどのお菓子、置物などの工芸品の小さな店が ずらずらと100mほど軒を連ねている。
通路にはテントが張ってあり、雨でもゆっくり見てまわれる。

 素朴だけどおいしそうな棒状のキャンデー(ヌガーに近いかな?)が目に付く。 まぁ、私自身、あまり甘いのは食べれないけど、お土産によさそう。何本か買う。
で、ひととおり端まで見て回ると、前方に海が見える。 雨も上がり、日差しも出てきて暑くなってきた。
港では、若者たちが上半身裸で次から次へと海に飛び込んでいた。

 楽しそうな様子を見ながら、ベンチでパーカーを脱いでバックに直していたら、なんか視線感じる・・・。 目の片隅に、サングラスをかけた男性がこちらをじっと見ているのが映った。 と、案の定、その男性が近づいてきて声をかけてきた。
だけどすぐさま「私、スペイン語話せない」とスペイン語で答える・・・で、いちおう 「英語話せるの?」と聞くと、彼は「話せない」・・・ とゆーことで、彼はどんどんスペイン語で話かけてくる。
なんて言っているか聞き取れなくて「わからない」と言っているのに、しつこく話し掛けてくる。
しばらく、港周辺を散策しようかと思ってたけど、とりあえず、彼から逃れようと市場方面へUターン。 しかし、彼も話しかけながらついて来る。どーしたもんか・・・。

 と、彼が「いくつ?」と聞いてきたんで、いつもの如く「ヒミツ」と答える。 いちおう「あなたはいくつなの?」と聞いてみる。
彼は答えた・・・「Quince(キンセ)」・・・キンセ?えーっ?15?15歳?!うっそぉー!
だって、濃いブルーのシャツにブロンズ色のチノパン、黒の革靴、髪は分けてジェルかなんかでピシッと固めてる。 それにサングラスかけてたんで、せいぜい20代後半かな?と思ってた・・・ちょーびっくり。
ってゆーことは、15歳の子にナンパされてるん? 至上最年少!記録更新!これはこれは、日本の友達のみやげ話にはもってこいってかぁ?
だって、1歩間違えば(?)、彼の母親と同じ年に成りうるんだもの。

 で、ここで気になる私の年齢。彼から見て私っていくつに見えるんだろう?
「いくつに見える?」と聞くと、「20」。むむむ・・・20歳か・・・。 「もっと上」「23?」「もっと」「25?」「もっと」と言った段階で驚かれてる。
「じゃぁ、28?」「もうちょっと」「30??」・・・これ以上驚かれてもね・・・「そう、30歳」と 答える。もう、彼にはこれ以上の年は言えない・・・。
私も彼の年には驚いたけど、彼も同じくらい私の年に驚いているのだろう。 私のはまだまだサバ読んでるんだけどね・・・。

 まぁ、とにかくこれで諦めるだろうと思いきや、まだついて来る。 君は自分の倍の年上の女性でもいいんか? って言いたくなったけど、スペイン語で言えない。
そのうち諦めるだろうと、さっき、市場で気になってたTシャツを見たりしてた。 で、短めの巻きスカート風のパレオが気に入り、購入。N$55(700円弱)。

 そこで、彼はサングラスをとって、私にベラクルスを案内すると言ってきた。
サングラスをとった彼の目は、な・なんときれいな目。ドキッとするぐらいきれいな目をしている。
んー、大人になったらいい男になりそう・・・ などと思いながら、まぁ、ちょっとの間だから、案内してもらおうかな? って、彼の目に折れてしまった私・・・単純?

 ベラクルスTOP




 ベラクルスの見どころと言えば、バスターミナルインフォメーションのお姉さんが聞かずとも書いてくれた 見どころの行き先、行き方。
 サンファン・デ・ウルア要塞(San Juan de Ulua)
海賊からベラクルス港を防衛するために、1582年に島の上に 築かれた。アルマス広場から300mほど行った郵便局前から30番バスに乗って北方面へ約10分。
 ベラクルス水族館(Aquario de Veracruz)
メキシコ湾に生息する約3000種もの生物が見られる大水族館。ショッピングモール、ビーチあり。 アルマス広場から2kmほど南にあり、31番バスで約10分。
 ボカ・デル・リオ(Boca dei Rio)
ベラクルス水族館からさらに南へ10km行った漁村。"ボカ・デル・リオ"とは"河口"の意。 ハンバ川(Rio Jamba)の河口にあり、おいしいシーフードレストランが並んでいることで知られている。 同じく31番バスで約25分。
 バス代はいずれもN$4(約50円)
サンチアゴ砦

 彼にサンファン・デ・ウルア要塞に行きたいんだけど・・・と言ったら、遠いと言われた。
んー、じゃぁ、アルマス広場から歩いていける距離にある サンチアゴ砦(Baluarte de Santiago)に行こう とゆーことで、向かう。歩いて約15分ぐらい。
16世紀に、メキシコ唯一の港町だったベラクルスの街を海賊から守るため、9つの砦と要塞を築いた。
現在そのほとんどは姿を消したが、サンチアゴ砦は当時の面影を残し、さび付いた砲台も健在。 中にはちょっとした博物館もある。(右写真) 波止場モニュメントと少年

 そこから港へ向かって歩く。ここベラクルスには、海軍基地もあり、水兵さんたちも多く見かける。
海に長く突き出した波止場を歩く。 波止場には、港町として栄えた時代の労働者たち風のブロンズのモニュメントがいくつかあり、 たくさんの観光客や地元の人たちで賑わっていた。(左写真;真中の人はナンパしてきた少年)

 んで、恋人同士が抱き合ってキスしている横を通ったとき、彼は私も恋人とあーゆーことを皆の前で するのか聞いてきた。
私はできるけど、日本ではあんまりしない方かな? 今は結構オープンになってきてるけど、こっちほどじゃないよね?
ってな感じに答える。で、「あなたはできるの?」って聞いたら、照れて「まだしたことない・・・」
んーまだ15歳だもんね〜。かわいいねぇ〜。

 結構歩いて、波止場の曲がり角ぐらいで、地べたに座って休憩。 朝の雨はどこ行ったの?ってゆーぐらい、ジリジリ日が照ってきて暑い。焼けそう。 しかし、海風が気持ちいい。
しばらくボケッと海を見ていたら、彼が私の手を握ってきた。 おおっと、マジ?こんなん年上にモーションをかけてくるかぁ〜?
すかさず「この手は私の日本の恋人だけのものだからダーメ!」と振り払う。こうでも言っとかないとね・・・。

 そこへ目の前をドボンと何かが海に飛び込んだ。な・なんだ? と思って見てたら、側で魚釣りしてた年配夫婦が笑いながら「ペリカノ」と言った。
えー!ペリカン?動物園でしか見たことのないペリカン。野生のペリカンて初めて見た。 と、ペリカンがバサバサと上空を飛んでいく。うわぁー、感動!

 しばらくして、あまりの暑さにUターンして港へ戻る。港沿いの道には、露店が並んでいる。
美味しそうな絞りたてジュースなんかもあって、いくらなんだろう?と聞いてみる。 N$10〜12(約125円〜150円)。結構高い。
で、結局ミネラルウォーターを買う。それでもN$7(90円弱)。だいたい安くてN$4(約50円)で買えるからね。
日本円に換算すると安いんだけど、現地へ行ったら現地物価に慣れてしまって、 本来買えるものも、高く感じて買えなくなることしばしば・・・。いいのやら悪いのやら?
彼はとゆーと、N$5(60円強)しか持ってないらしい。ほんとお小遣い程度。んーやっぱ、お子ちゃまだよね? どーりで、サンファン・デ・ウルア要塞へ行くためのバス代がないから、行けないはず・・・。

 歩きながら、マンゴーの話題になる。日本ではメキシカンマンゴーが結構出まわっているけど、 だいたい200円前後でしょ?でも、宮崎や奄美で生産されたマンゴーって、1個千円以上! マンゴー大好きとはいえ、1個千円以上も出して買って食べようって気はしない。 メキシカンマンゴーで十分。
で、現地ではマンゴーっていくらで買えるんだろう? N$2〜3(25円〜40円弱)って言ってたかな?だから、日本ではいくらいくらだよって 話したら、びっくりしてた。彼にメキシコ人でよかったねぇ〜などと冗談言ったりして・・・。 ファロ・カランサ

 民芸品市場に続く港沿いの通りを歩いていたら、真っ白い建物が目に入ってきた。
このファロ・カランサ(Faro Carranza)は灯台。 でも灯台らしくないでしょ?日本の灯台より立派。しかし、現在機能してるかどうかは?(左写真)

 その近くには、コーヒーの味が評判というカフェがある。 グランカフェ・デ・ラ・パロッキア(Gran Cafe de la Parroquia)。是非、コーヒー飲んでみたい。
外のテーブルに座りコーヒーを注文。種類にもよるけど、コーヒー1杯N$14(約175円)。
彼に「何か飲む?」と聞いたけど何もいらないと・・・お礼におごってあげたのに・・・。

 コーヒーを待つ間、彼といろいろ話してたら、まわりのお客さんやスタッフが私に日本語で挨拶してくれる。 結構、日本語って人気あるのかな?
スタッフの人も気軽に話しかけてくる。 で、「コーヒーおいしいよ!」とゆーと、「うちのはおいしいんだ」と自慢げに話していた。

 そろそろホテルに帰らないと・・・と、彼はアルマス広場まで送ってくれた。 そこで「いろいろありがとう」と言って別れる。
彼は、英語を勉強すると言ってた。んー、がんばって、もっとナンパの腕を磨いてくださいな。 こんな年上をナンパしなくても、若い女の子たちがよって来そうな感じがする子だったけど・・・。

 荷物を受け取り、タクシーを呼んでもらって、バスターミナルへ向かう。タクシー代N$25(300円強)。
バスターミナルに16時半に到着。で、オアハカ行きの窓口へ行って、「オアハカ行き1枚」と言ったら、 窓口のおじさんが「今日?」と聞いてきたんで、うなずく。
「今ならまだ間に合う」みたいなことを言ってる。へ?夜10時半発でしょ?
「席はどこがいいか?」「名前をここに書け」とか、慌しいおじさん。 N$256(約3,200円)を払うものの、 なんのことか状況がつかめてなかった。
で、おじさんが「こっちに来い」と案内した先はバスの中。
あれ?あれれぇ?あっと言う間に運ばれてきたって感じ。 バスの座席に座り、落ち着いてこの状況を考えてみる。
もしかして、これって15時半発のバス?しかし、今16時半。ってゆーことは、まだ出発してなかった?
それはそーと、このバス、オアハカに夜中12時に着くってことぉ〜?! ど・どーしよー。なんか、気持ちの整理ができてないまま、バスはすぐに動き出した。


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