テオティワカン遺跡


☆ 6/22 

  《バスターミナル編》   《テオティワカン遺跡入場編》   《テオティワカン説明編》

  《ケツァールコアトルのピラミッド&地下の寺編》   《博物館&太陽のピラミッド編》   《月のピラミッド編》

  《人気者&感謝編》



 快適な14時間半のバスの旅を終え、朝5時45分にD.F(メキシコ・シティ)の北方面バスターミナル (Terminal Central Autobuses del Norte)へ到着。
D.Fには、北方面、東方面、南方面、西方面とバスターミナルが分かれており、行き先でターミナルが決まっている。
ラッキーなことに、私が目指すテオティワカンもパパントラも北方面バスターミナルからの発着。 D.Fをうろつくこともない・・・。

 D.Fももちろん見所、食べ所たくさんあるけど、メキシコ通の人も、メキシコ人も私に言った。 「D.Fは危ないから行くな!」と・・・。
まぁ、複数で行く分はいいのかもしれないけど、 女の子ひとりじゃ危ないってこと?盗難や誘拐も非常に多いとは聞いているし、 特に現地の人の言うことは素直に聞く私。今回はD.F散策は断念。

 まだ、朝早いんで、ツーリストインフォメーションは開いてない。
でも、ズラズラと並んだバス会社のカウンターには、スタッフが座っていた。 それぞれのバス会社の掲示板を見て、テオティワカン行きとパパントラ行きを探すが、なかなか見つからない。 んで、あるバス会社のカウンターで聞くと、「あっちだ」と言われただけ。
あっちのほうへ行ってみる。

 と、変なオヤジが「どこ行くんだ?」と声をかけてきた。 「テオティワカンとパパントラ」とゆーと、「私が連れて行ってやる」・・・タクシーのオヤジ?
しかーし、テオティワカン遺跡までって、ここから車で1時間かかると書いてあった。 じょーだんでしょ?だれがそこまでタクシーで行くと思う?もちろん断る。 ふっかけられるの目に見えてるし。

 んで、テオティワカン行きってどこだろう?と思いながら歩いていたら、カウンターの中から男の人が 「テオティワカン?」と私に向かって叫んだ。
見ると結構小さなスペースのカウンター。 MEXICO SAN JUAN TEOTIHUACAN・・・ (メヒコ・サン・ファン・テオティワカン・・・)と書いてた。
朝一番のバスが7時に出るらしい。テオティワカンは8時から入場できるから、ちょうどいい。 片道N$26(約325円)
しかし、私の中では、テオティワカン行きのルートの延長線上にパパントラがあった・・・。 「テオティワカンから、パパントラへ行ける?」カウンターの人に聞くけど、テオティワカン行きだけしか言わない。 仕方ないんで、とりあえずテオティワカンまで行くことにした。

 出発まで時間があったんで、軽く朝食でも・・・と、開いているスタンドへ行った。
ナチョスがあったんで、ナチョスを頼むが、ディップがまだ出来てないらしい。 んー、ディップなしでもいいからと、ナチョスN$11(約137円)とホットコーヒーN$10(約125円)をもらう。 思ったより高い?バスターミナル内は若干高いとは聞いていたけど・・・。
テーブルにつき、しばし休憩。

 それから、トイレへ向かう。トイレの前にはおばちゃんが座っていて、 N$1かN$2か忘れたけど払う。
そして、 トイレットペーパーを二巻ぐらいちぎって配られる(どっかの国がそうだった・・・)と思いきや、 トイレの入口で、自分で好きなだけトイレットペーパーをちぎってよかった。
バックパックを抱えたまま、トイレへ入る。一瞬たりとも肌身放さず・・・は、盗難にあわない基本行為。
結構スペースがあったんで窮屈な思いをしなくてすんだ。
それから、洗面所で、歯磨きして顔を洗う。 もちろん、口を濯ぐときはミネラルウォーター。だってトイレ洗面所の水って汚そうじゃん。
んー、化粧・・・面倒くさい。本日は遺跡めぐりだけして移動だし、ノーメークでいいかな? ・・・って、ちゃんと化粧するべきだったと、あとでちと後悔したけど・・・。

 7時前に再びカウンター(MEXICO SAN JUAN TEOTIHUACAN・・・)へ行き、チケットを渡すと、 カウンターの男の人がバスのところまで連れて行ってくれた。
結構ボロっちいバスに乗り、運転手に「Los Piramides(ロス・ピラミデス)へ行く?」と聞く。 某ガイドブックにこれを聞かないと、遺跡から2km離れた町で降ろされると書いていたから。 頷いたんで、ひとまず安心して座る。しかし、ボロっちいバスだな〜。
チケット半券には、"1等"と書いてるんだけど、別に席の指定もないし、 バス停に停まるたび、地元の人が次から次へとお金を払って乗ってくる。これって2等バス?
とにかく、テオティワカン遺跡までの1時間、バスからの景色を楽しむ。


 
テオティワカン遺跡TOP




 バスに揺られ、ボーっと外を眺めていたら、運転手が車を止め、一番前に座ってた私に"降りれ"と合図。 結構お客がいたのに、そこで降りたのは私一人。
バスが去り、ふっと見ると「おぉ!」。テオティワカン遺跡のピラミッドが真正面に見える。

鉄格子の門へと向かうが、まだ開いてないみたい。 警備員が中にいて、私に向かって「9時からだ」と言ってる・・・。
えー?8時から入場できると日本の某ガイドブックに書いてあったぞ (
)? ちょっと納得いかない。
「8時からじゃない?」と時計を指すけど、"入るな!"ってな感じで、 鉄格子の向うに仁王立ちに立ってる。この警備員、ちょー冷たくてやな感じ。
んで、車が来ると、鉄格子を開けて入れてる・・・。なんで私は入れないんじゃ! 9時までこの前に立ってろってか?ちゃんと説明してよね!

 ちょっとムスッとして鉄格子の前に立ってたら、 「向う側の門は、開いているから、この道沿いに行きなさい。」・・・それならそうと、早く言ってよぉ。
んで、道路沿いに歩いていく。左手は、草地の向うに塀が延々と続き、右手はホテルらしき建物が ちらほらあるだけで、ほとんど車も人も通らない。
おまけにピラミッドが遠ざかっていってる。大丈夫かな?

 そして、歩くこと1km強。ロータリーっぽくなって左へ行くと、門があり警備小屋があった。
そこで、入場料N$35(440円弱)を払いチケットをもらう。 日曜日は入場料タダだけど、そのかわりたくさんの人で混みあうらしい。
で、荷物を預けるところがあるか聞いたら、「ない」と・・・。うそぉ〜。 このままバックパック抱えて遺跡めぐり・・・って考えただけでもゾッとする。
しかし、ここの警備員、「そこでいいなら置いていいよ」と、警備小屋の中の隅を指した。 うっ、有難い。別に盗られて困るよーなものはバックパックには入ってないからいいか・・・と置かしてもらう。

 しばらく歩くと、チケットチェックのゲートがあり、中へ入ると、小キレイなお土産屋さん街があった。
そして、一旦建物の中へと入る。そこで、インフォメーションを見つける。
奥の机にはおじさんが1人座っていた。 とりあえず、おじさんに英語は話せるか聞いたけど、「話せない」ときっぱり。
うぅ〜。外国からの観光客も多いはずなのに・・・。でもよく考えると、ほとんどツアーで来てるしね・・・ 仕方ない。
おじさんにパパントラへ行きたいけど、ここからどうやって行けばいいか聞いた。 おじさんが紙に書いてくれたのは、一度D.Fの北方面バスターミナルに戻って、そこから パパントラ、ベラクルース行きに乗れば、5時間で着くと・・・。
結局、帰らないとだめみたい。期待はずれ・・・。

 んで、おじさんが「どこから来たの?」「なんて名前?」と聞きだした。
「日本から」と言うと、「今サッカーあってるだろ?日本はどこだ?」と。 試合があるサッカー競技場の地区名はわかるらしい。一応「オオイタの近く」とは言ったけど。
で、いろいろ話しているときに、スタッフの女の子がやってきた。 おじさんは「彼女は少し英語が話せる。Miriamだ。私はRicardo。」と紙に名前を書きだした。 そして、Miriamに「彼女を案内してやれ。」

 とゆーことで、ラッキーなことに、テオティワカンはMiriamがすべて案内してくれることとなった。

ちなみに、インフォメーションでもらったパンフコピー(スペイン語)には、 入場時間は7時〜19時(18時以降は入場不可)と書いてあった。


 
テオティワカン遺跡TOP




 アメリカ大陸最大の古代都市遺跡といわれる テオティワカン(Teotihuacan;神々の集うところ)は、 紀元前2世紀ごろにテオティワカン人と呼ばれる人々によって建造されたといわれている。
が、テオティワカン人と言っても、どこから来て、どういう民族だったかは未だなぞ。
最盛期には人口20万人いたといわれ、平和的な神制政治が行なわれていたという。 数学、天文学の知識は高度だったらしい。

 テオティワカンの建築様式は、傾斜壁(タルー)、垂直壁(タブレロ)を交互に組み合わせたもので、 「タルー・タブレロ式」と呼ばれている。 動物をモチーフとした浮き彫りや壁画が多くみられ、 鮮やかな色彩で彩られていた。現在もほんの一部で彩色された壁面が見られる。
8世紀半ばから、この文明は衰退し、なぜか忽然と姿を消した。

 その後、放置されたテオティワカンを訪れたアステカ人たちは、これこそ神々が建てた都市と信じ、 彼らの宇宙観ともいわれる「太陽と月の神話」の舞台となる。
このアステカ人の
「太陽と月の神話」は、結構おもしろい。興味あれば読んでみてくださいませ。
この神話により、 "太陽のピラミッド(Piramide del Sol)"、"月のピラミッド(Piramide de la Luna)"と 呼ばれるようになった。

テオティワカン遺跡  テオティワカン遺跡をほぼ南北に貫く 死者の道(La Calle de los Muertos)(約2km)に沿って 遺跡が並ぶ。南端の手前東側に ケツァールコアトルのピラミッド(Templo de Quezalcoatl)
そこから北へと約1kmぐらい行くと東側に太陽のピラミッド(Piramide del Sol)
そして、道の北端(突き当たり)に、月のピラミッド(Piramide de la Luna)がある。

 右写真は、北端"月のピラミッド"頂上から南方面(ほぼ遺跡全景)を撮ったもの。
手前広場が、"月の広場"。それに続く中央の道が"死者の道"。左側にあるのが"太陽のピラミッド"。 (拡大してみると、人がちっこく見える。遺跡の巨大さがわかるよ!)
まだ、発掘されたのは遺跡全体の10分の1と言われていて、全貌が明らかとなるのはこれからだそう。


 テオティワカン遺跡TOP




要塞中央の神殿  Miriamに連れられ建物の外へ出ると、死者の道を挟んだ向う正面には ケツァールコアトルのピラミッド(Templo de Quezalcoatl) を囲む要塞(La Ciudadela)があった。
400m四方の壇(高さ約10mぐらい?)に囲まれ、壇の上には計15個の台座が置かれている。
そして死者の道からは、壇の階段を下りて、神殿のあるだだっ広い広場へ行く。

 中央には傾斜壁と垂直壁を交互に組み合わせた「タルー・タブレロ式」の神殿があり(右写真)、 この神殿のすぐ裏にケツァールコアトルのピラミッドがある。
今はほとんど跡形もないが、この神殿の垂直壁(タブレロ)の部分には、 鮮やかに彩られた彫刻が施されてたらしい。
そしてMiriamは、この神殿から20〜30m離れたところの階段中央付近に私を立たせ、神殿に向かって手を叩いてと 言う。んで、パンッと手を叩くと、 なんと鳥の鳴き声みたいな音が神殿から跳ね返ってきた。オウム?か何かの鳥の声に似せてるらしいが、 そこまで計算されて造られてるのはスゴイ!
ケツァールコアトルのピラミッド

 それから神殿の裏にまわると、見事な彫刻が施されたピラミッドがあった。
ケツァールコアトルとは、"羽毛の蛇"のことで「水と農耕の神」らしい。 それとトラロックと呼ばれる「雨の女神」(ワニの頭を表現した?)が 巻貝二枚貝に取り囲まれている。 そして、4段あるそれぞれの垂直壁(タブレロ)の間には、端から端まで1匹の蛇が這っている。
建造されたときはこれらの彫刻はすべて、赤や緑や黄色で彩られてたそう。 今は、貝のところどころに赤い色素が残っているぐらい。 (左写真拡大してみると上記説明の彫刻が見れるよ) ケツァールコアトル

 それにしても、ケツァールコアトルは蛇っぽい顔をしてない。
よく見るととぐろを巻いた角みたいな耳みたいなのがついている。 牙も奥まで生えているし、鼻も高々とあるし、目が前向きについてる・・・ "水牛"と言われたほうがまだ納得いきそうな感じでしょ?
んー、昔の蛇ってこんなんだったのかも?! ちなみに、これ以上の崩れを避けるため、アゴは棒で支えられてた。(右写真)

 あと、蛇の首(?)まわりには羽毛には見えないけど、羽毛がついている。
Miriamは、花から頭を出してる・・・みたいなことを言っていた(すべてスペイン語で説明されたため、 確実性がないんだけど・・・)。羽毛より花びらのほうが納得いく 形だけど、"羽毛の蛇"と言われているからには・・・。で、「花?」と再び聞き返したら、 確かに「花」とゆー言葉が返ってきた。

 ぐるりと見終わって、再び階段を上り死者の道へでると、あのインフォメーションのおじさんRicardoが 来て待ってた。「どうだった?」と聞いてきたんで「スゴイ!」と言ったら、 ニコニコしながらうんうん頷いていた。
そしたら、今度はRicardoも一緒に私を案内してくれるらしい。どうやら案内したい場所があるらしい。
インフォメーションスタッフが2人も、私に専属で案内とは・・・なぁんと、有難い! しかーし、インフォメーションは?他にスタッフが来ているのかな?とふっと思ったとき、RicardoとMiriamが 何か話している。んで、Ricardoの手にはカギがジャラジャラと・・・。
も・もしかして、インフォメーション閉めてきた?おぉい!それでいいんか?あーたら!

 しばらく死者の道を3人で歩いていたら、後ろから女の人の呼ぶ声が聞こえてきた。 振り向くと、何か話しながら私たちに向かって近づいてきた。Ricardoも彼女に何か話しながら、 カギを渡した。どうやらインフォメーションスタッフみたい。よかった。 これで、インフォメーションも再び開くことだろう。インフォメーションが閉まっていると 私みたいな人が来たら困るだろうからね・・・。

 死者の道から外れて左側(西側)へと歩いて行くと、足元に部屋を囲むような石積みの壁が見えてきた。 そこから地下へと降りていく。 地下の寺と言われているところらしい。
まだ発掘中なのか?細い板が通してあるところしか歩けないし、触らないようにロープも張ってる。
Ricardoはいろいろ説明してくれるが、なにせスペイン語の上、遺跡の説明って専門的な言葉が 多いでしょ?なんとなくはわかるけど、はっきりとはわからない・・・。

 石で造られた空洞内を歩いて行くと、50cm四方ぐらいの鉄板が、歩道横に置いてあった。
ロープの向うなんだけど、Ricardoはその鉄板を持ち上げ、中を見れという。 今は水がないけど、井戸だったらしい。そんなに深くなかった。
と、Miriamも興味津津で覗き込む。「私、初めて見る〜!」・・・ って、ここに井戸があったことも知らなかったみたい・・・。
おぉっ、そんな貴重(?)なもの見せてもいいの?・・・有難い。
んで、この地下には、まだ赤と緑の色彩がはっきり残った石の彫刻が残っていた。 ほとんどは崩れてしまっているけど、これ以上、風化させないためにも、 この遺跡の上には屋根が囲っていた。

 地下の寺から、再び地上へ上がってきたら、Ricardoは「仕事でインフォメーションに帰らないといけないから・・・ あとは彼女が案内してくれるから」と言って戻っていった。
インフォメーションを閉めてまで私を案内しようとしてくれた彼にはホント感謝です!有難うRicardo!


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