しばらく行くと博物館;Museo de Sitioがあった。
建物に入って、壁一面がガラス張りのところがあり、すぐお隣に建つ太陽のピラミッド(側面)が、
絵のようにぴったりと収まって見える。
博物館を出て太陽のピラミッドの脇を通り、正面に出る。
いざ、ピラミッド頂上に向かい登るぞぉ!Miriamもありがたいことにいっしょに登ってくれた。
高さの割に階段数が少ないと思いきや、階段幅が狭いのに1段1段の階段の高さが30〜40cm。
1段1段、よっこらしょってよじ登って行く感じ。(左写真;斜め下から見上げた)
最後の階段を登って、はぁーっとすると同時に目の前に立つ、口ピアスで今風の若者と目が合う。
そして、彼は英語で「英語は話せますか?」と聞いてきた。
「答えられない」と言って、一応断ったんだけど、気が付いたら、
彼以外に私のまわりには、2人の女子生徒、2人の男子生徒が取り囲んでた。
結構、シンプルに(語学力ないため)おもしろおかしく答えてたら、えらく気に入られたようで、
「写真いっしょに撮っていい?」と言われた・・・が、よーく考えてみれば、
今日はノーメークだった・・・。
彼らと別れ、やっと、頂上からの景色を堪能。
頂上は、神殿が建ってたといわれるだけあって、結構平坦で広い。
いろいろな色をした石が埋め込まれていて、ゴツゴツして歩きにくい。
やっと、地面に足が着き、ホッ。
月のピラミッド(Piramide de la Luna)は、
高さ46m、底辺150m×120m。太陽のピラミッドより低いが、
隆起しているところに建っているため、
頂上の高さは、太陽のピラミッドとほぼ同じらしい。
このピラミッドの重要な部分は、ピラミッド前面に広がる月の広場。
いくつかの「タルー・タブレロ式」の壇でぐるりと囲まれた広場では、重要な政治的宗教儀礼が行われていたと
言われている。(左写真中央手前)
そして、この遺跡のメインストリートと言えば、南北に貫く死者の道
(Calle de los Muertos)。現地ガイドブックでは約4kmあると書かれているが、地図上では
約2kmぐらい。たぶん、本来4kmはあったのだろう。
なんせ、先にも述べたように、発掘されたのは遺跡全体の10分の1
らしいから。(左写真中央)
で、再び、Miriamと月のピラミッドへ登る。太陽のピラミッドと同様の階段。
帰りのことは考えないようにして、ひたすら登った。
ここでもさっき、太陽のピラミッド頂上で出会った学生たちが来ていた。大変だね〜。
そろそろ帰ろうと、再び月の広場へ出て死者の道を歩きだしたとき、どこからともなく私の
名前を呼ぶ声が・・・空耳?
だって、テオティワカン遺跡で知り合いに声かけられるなんてことは、んー奇跡に近い!
(ちょっと大げさ?)
それから、みんなと一緒に英語とスペイン語混ぜこぜで話しながら、死者の道を歩く。
そして別れ際、口ピアスの彼が「別れのキスは?」と言ってきた。
おっと、忘れるとこだった。
それから、Ricardo、Miriamたちのいるインフォメーションへ向かう。
そこでまた、もう一人のスタッフPilarを紹介される。Ricardoってほんとに人のイイおじさんって感じ。
私のバックパックを預かってくれた警備小屋へ行って荷物を受け取る。ここでも警備の人にお礼を言う。
とにもかくにも、テオティワカンでは、みーんなから親切にして頂いて感謝感激でした。
まぁ、最初に出会った警備員は別として・・・。
地下の寺を出て、死者の道を横切り、そのまま砂利道を歩く。
両脇にはいろいろなサボテンが生い茂る。あとで気づいたが、植物園だったらしい・・・。
そこでMiriamに「サボテン食べるの?」
と聞いてみる。だって、宮崎のサボテン公園では、サボテンステーキとかサボテン料理があるんだもの。
ウチワサボテンみたいなサボテンの葉から出た若いコロッとした芽(?)か葉(?)の部分を食べるらしい。
「おいしいよ」と言ってた。食べてみたかったなぁ〜。
この博物館は、今までのテオティワカンでの調査、発掘、復元の集大成。
近年、移転新装オープンしたらしい。
貝殻、骨、いろいろな岩やセラミックなどを原料として、600点以上のさまざまな考古学上展示品がある。
都市の発展、社会組織、経済、化学技術、埋葬習慣、神々の領域、芸術的表現、他の町とのつながり・・・
などの空間が設けられており、教育的なものを与えている。
要はテオティワカンの全体的な展望を訪問者たちに提供する目的
でできた博物館。
専門的用語をスペイン語から日本語に訳するのは難しいし、私のボキャブラリー度(?)を問われそうだけど、
こんな感じの意味あい。
その部屋の床は一面、テオティワカン一帯の縮小模型が
広がる。そして、その上にガラス張りの通路があるんだけど、
高所恐怖症の気がある私にとって、ちょっと足がすくむ感じ。
まぁ、その通路、床から1mぐらいの高さしかないんだけど・・・。
発掘された状態での人骨、ミイラなんかも生々しく展示してあり、
高度な文明が垣間見れるんで、この博物館は是非足を運んでおくべきとこかな?
この太陽のピラミッド(Piramide del Sol)(右写真正面から)は、
世界で3番目の大きさ。
この古代都市では、もっとも古くて大きい建物と言われている。
高さ65m、底辺の一辺が225m、階段は全部で248段。
「タルー(傾斜壁)式」のものが5段積み重なって形成されている。
ピラミッド上部には神殿があったといわれ、神殿の高さもいれたら、74mあったらしい。
2回ほど途中休憩して登った。なんせ標高2,000m以上はあるはず。
だって、D.F(メキシコ・シティ)でさえ
標高2,240m。
それ以上の標高であることは間違いなし。
高山病にかかるほどの高さじゃないけど、多少息切れしやすい環境であることは確か。
「ちょっとだけ」と答えると、自分たちの質問に答えてくださいと言う。
専門学校の生徒で、英語の勉強をしているらしく、観光客の多いテオティワカンで野外実践実習(?)。
で、「名前は?」「どこから来ましたか?」の質問。そして次にくる質問といえば「いくつですか?」。
うむむ・・・「It's secret!(ヒミツ)」と言ったら、ウケた。それからというもの、5人からあれこれ質問攻めに・・・。
「好きな歌は?」「よく読む雑誌は?」などなどの質問のあと、「恋人はいますか?」
「うーむ・・・」と言ったあと、指折り「1、2、3、4・・・」と冗談で答えたら、やたらウケまくってた。
「ノーメークだから・・・」と言いつつ、それぞれのカメラに納まってしまった。
うー、こーゆーことなら、ちゃんと化粧すべきだった・・・。(右写真;現地学生たち)
いつもだったら、サンサンと太陽が輝き、暑さにうなだれながら登るそうだけど、
今日はめずらしく曇り空で、時折、パラパラと雨が落ちる天気だったんで、暑さにうなだれることは
なかった。空気がすがすがしい。
まぁ、写真撮るうえで、青空がちと欲しいけど・・・。
頂上からは、広大なパノラマが望める。遺跡全景はもちろん、
南東方面には、テオティワカンの町が見下ろせる。Miriamが住んでいる
緑に囲まれた町。
北方面には、今から再び登頂を挑む、月のピラミッド(左写真中央)が望める。
テオティワカン遺跡TOP
行きはよいよい、帰りはこわい・・・って歌があったけど、まさにその状況に陥ってた。
登りは、這ってでも上を見ながら行くからいいけど、帰りは、当たり前だけど下を見ながら降りないといけない。
結構、急だったのね・・・って今ごろ気づいても遅い。
幅は狭いのに1段1段の高さがあるんで、足踏み外したらゴロゴロ転がりそうとゆーより、
落ちていきそう。
とりあえず、横向きになって1段1段降りていく。高所恐怖症だなんて言ってられない。
降りないことには、帰れない・・・。
それから、太陽のピラミッドを下から見上げて写真を一枚。
そして、正面からピラミッド全景を撮りたく、死者の道に出る。が、それでも
デカすぎて全景が入りきれなかった。(前記に写真掲載)
そこから同じく、死者の道の北方面突き当たりに建つ、月のピラミッドを撮る。
(左写真;霧がかかってはっきりわからないが、Miriam曰く、
後ろにそびえる山の形にあわせて月のピラミッドを造ったらしい)
「タルー(傾斜壁)式」のものが4段積み重なって形成され、ピラミッド前壁には
傾斜壁と垂直壁を交互に組み合わせた「タルー・タブレロ式」の壇が備え付けてある。(右写真)
で、この死者の道は、夏至の日、太陽の軌道と直角に交わり、太陽のピラミッド正面中央から
まっすぐ前方に太陽が沈むように設計されているらしい。
いろいろ学説はあるけど、それだけ天文学に結びつくぐらい、すべての建築物が計算され、
無駄なく造られているってことでしょう。スゴイ!
頂上は、太陽のピラミッド同様、いろいろな色をした石が埋め込まれていて、ゴツゴツして歩きにくい。
景色は、上記左写真のごとくバツグン!
そうそう、左側に見える太陽のピラミッドの後ろにそびえる山、Cerro Patlachique(セロ パトラチケ)の
形にあわせて太陽のピラミッドを造ったらしい。これもMiriamが言ってた。
そう言われれば、ピラミッド前面から頂上にかけては、山と平行になってる・・・。
で、なんとかピラミッドを降りて、Miriamは仕事に、
私はもう少しあちこち散策しながら帰るということに。「またあとでね」と別れる。
片道2km近くの道のり+太陽と月のピラミッド登頂と付き合ってくれて、ほんとありがとう!
「太陽」「月」「山」「空」・・・道中、いくつか日本語を教えたけど、まだ覚えてるかなぁ?
テオティワカン遺跡TOP
月のピラミッドを降りて右手に
ケツァールパパロトル(Quetzalpapalotl)、
羽のあるホラ貝(?)の寺(Templo de los Caracoles Emplumados)、
ジャガーのパティオ(Patio de los Jaguares)があり、それぞれに
保存状態のいい鮮やかな壁画が見られる。
その裏手には、お土産屋さんが連なっていた。ちなみにトイレは無料だったような・・・?
とりあえず、声のする方を見ると、
太陽のピラミッドで声かけられた学生たちが、私の名前を呼びながら
前方で手を振ってる。
あら、また彼らと会ったのね・・・そして私も手を振ってたら、おいでおいでしてるんで、彼らのもとへ行く。
と、私の写真を撮りたいといっている。それも私一人だけで?
うぅ、ノーメークだって言ってるのにぃ!
しかし、乗せられやすい私。
月のピラミッドバックにポーズをとり、次から次へとみんなのカメラに収まる。なんか人気者になった気分。
彼ら男性陣3人からは、「いくつなの?」「彼はいるの?」としつこく聞かれる。
これって、ナンパされてるん?
「これからどこ行くの?」「いつ帰るの?」と質問攻めにあいながら、1kmぐらい一緒に歩いたろうか?
彼らは、植物園のあるあたりで、自分たちはこちらへ行くからとそこで別れる。
ここで、わかってるだろうけど、とりあえず説明。
日本では、挨拶しながらお辞儀するけど、中南米では、
挨拶しながらお互いの頬っぺたにキスし合う。
知り合いに会ったとき、初めての人でも紹介されたとき、別れるとき、そして、
ありがとう!って感謝の気持ちを表すときにもしてる。
ただし、女性同士か女性男性のとき。ちなみに男性同士は握手か抱擁ぐらいで、キスはし合わない。
まぁ、男性同士は確かにキモイ。
で、彼に別れのキス。と、他の2人も「俺も!」「俺も!」ってな感じ。
テオティワカンに来て、こんなにモテるとは思ってもみなかったけど、もちろん悪い気はしない。
しかし、なんでこうなるの??
彼らには、たっくさんたっくさんお礼を言った。ほんとお世話になりました。
何か日本のお土産をあげたかったけど、預けてたバックパックの中に入れてたんで手元にはなく、
残念なことにあげれなかった。
おまけにいっしょに写真撮るのも忘れてた・・・外へ出てから思い出す始末。
肝心なことはいつもどこか抜けてる・・・?
そして、D.F(メキシコ・シティ)へ帰るバスはどこから乗ればいいか聞く。
門を出て左手にあると言ったんで、そちらへ向かうが、バス停らしきものが見当たらない。
と、近くにニコニコ顔のおじさんがいる小屋があったんで、そこでも「D.F行きのバス停はどこ?」と聞くと、
「そこ」と指さしたところへ、ちょうどバスが来て止まった。
ニコニコ顔のおじさんが「それに乗りなさい」と言ってくれた。ラッキー!待たずにすんだ。
ニコニコ顔のおじさんにもお礼を言って、バスに乗り込む。
またひとつ、いい思い出ができたぞぉー!