モンテレイ


☆ 6/26 

  《最凶だけど最感謝(?)編T》   《最凶だけど最感謝(?)編U》

☆ 6/27 

  《サン・アントニオ税関他編》



 オアハカを出発して1時間、DF(メキシコ・シティ)のベニート・フアレス国際空港(Benito Fuarez Internacional Airport) へと到着。
それから、モンテレイ行きの搭乗口へと向かう。 同じ航空会社のメヒカーナ航空(MEXICANA DE AVIACION)だったので、 荷物は受け取らず(たぶんだったよーな・・・)、直接、待合室入り口でチケットチェック。
メヒカーナ航空は国内線のため、機内サービスはあまりなかった・・・かな? ただ、待合室にドリンクバーがあって、乗客が好き好きにコーヒー入れたり、ジュース入れたり、スナックを食べたり、 タダで自由に飲み食いできてたよーな? 時間が経ってしまって、曖昧な記憶しか残ってないけど・・・。
キャンディ(ビー玉)サイズのオアハカチーズをやめられない止まらないで、パクパク食べてたのは覚えてる。

 5時55分発の飛行機に乗り、約1時間半後の7時20分に、モンテレイ(Monterrey)の空港へ到着。
荷物を受け取り、デルタ航空のカウンターへ行くけど、スタッフもお客もいない。 8時50分発なんで、いてもよさそうなんだけど・・・。
と、傍のアエロメヒコ航空(AEROMEXICO)にスタッフがいたんで、チケットを見せて聞いてみると、 ここでチェックインしていいと言われた。共同運航みたいだった。
チェックインして荷物を預け、搭乗口へと向かう・・・が、搭乗券にゲートナンバーが書いてない。 はて?と、CONTROLと書いてあるところに数字が書いてあった。 もしかして、このナンバーのところへ行けばいいのかな?

 ・・・ここからが、吉凶・・・いや、最凶だけど最感謝(?)の始まり・・・

 手荷物検査のところをなんなく通り、エスカレーターを上り、そのナンバーの搭乗口前のイスに腰掛ける。 待合室の電気は付いてないし、 搭乗口には、普通、[何時どこ行き]と表示がでるはずだけど、どこにも掲示板がない。
どこでもいいから近辺にスタッフがいればいいのだけど、見回してもそれらしき人はいない。 人はちらほら座ってるんだけど・・・。

 とりあえず、座っていたら、女の人がお願いがあると話しかけてきた。
旅立つ友達にお土産を免税店で買ってあげたいらしいけど、パスポートとチケットがないから購入できない・・・と。 で、私にいっしょに免税店へ行って、パスポートとチケットを提示してくれないか?と言っている。
パスポートとチケットがなくて、彼女がなんでここにいるのかわからないけど、とりあえず、 傍の免税店へいっしょに行く。

 彼女はチョコレートの箱を手に取り、そして、私に何か欲しいものはないか聞いてきた。 パスポート、チケット提示のお礼に私にも、何か買ってくれるらしい。
別に欲しいものはなかったんで、「いらない」と言ったけど、「チョコレートは?キャンディは?」と聞いてくる。 「ほんとに何もいらないから」と言うと、「いいの?ほんとにいいの?」と言ったあと、「ありがとう!ありがとう!」と 何度も何度もお礼を言われた。
そのあとも、彼女の友達を連れてきて、紹介がてらありがとうと再びお礼を言われる。

 ちょっと、いいことした気分でいい気分だったんだけど、その時すでに、8時半。 本来なら、搭乗口にはスタッフがいて、搭乗させる準備をしているはず・・・。
しかし、まだいない。おかしいな?と思いつつも、メキシコだから(?)、多少時間遅れているのかも?
んー、早とちりの思い込みというやっかいな私の性格を自覚していながらも、 このとき、すでに早とちりの思い込み状態になっていた私・・・。

 やっと、スタッフも来て、乗客も並びだした。で、とりあえず、アメリカ人らしき乗客の一人に聞いてみた。
「これはサン・アントニオ行きでしょ?」「ダラス行きだよ」「・・・へ?」
慌ててスタッフももとへ行き、チケットを見せると、「これはあっちの方よ」と指さされた先は、手荷物検査を受けたところを 通り越した向こう・・・。 うっそぉ〜!

 慌ててエスカレーターを下り、手荷物検査場所を逆行。そこのスタッフにチケットを見せて「間違えた!」と言って、通してもらう。
で、人気のない通路を走っていると、ちょっとしたカウンターがあり、そこを通り過ぎようとしたら、 カウンターのスタッフが私の名前を呼んだ。
振り返って「そう」と言うと、「どこへ行ってたんだ?」
「飛行機は?」と聞くと、「たった今出た」と・・・。目の前まっくら。
はっとして、「私の荷物は?」と聞く。彼が指差した先を見ると、私のバックパックがポツンと隅に置かれていた。 ほっ・・・。

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 それはそうと、どうしよう。
彼にどうしようと訴えるも、彼は「今のが最終便だから、もう明日しか飛行機は飛ばない」と言われる。
「向こうで友達が待ってるから、連絡しなくちゃ。」「泊まるとこどうしよう。」と落ち込みつつもあたふたと彼に言う。 彼は「ここの電話使って友達に電話しなさい」と言ってくれた。
とりあえず、そろそろ、Tacaが空港へ迎えに出るころだから、 ぎりぎり間に合うかな?と思いつつ電話するけど、オアハカのときと同様、つながらない。 彼もかけてくれたけど、かからない。どーしよー。

 と、再び、ラレドに住むTacaの友達のM氏(ラレド(アメリカ)編) に電話をかけることにした。 有難いことにつながったんで、M氏にこうこうで今日帰れないからTacaに連絡してほしいと伝える。
で、スタッフの彼が「ここのカウンターの電話番号を教えておきなさい」ということで、M氏に電話番号も教え、ひとまず切る。

 そして、スタッフの彼が「空港そばの友達が働いているホテルを紹介してあげるよ。安いし、いいよ。」とホテルに連絡をとってくれ、 空港までバスが迎えにきてくれることに。あ・ありがたや〜!
おまけに、次の日の朝一番の飛行機に乗れるよう手配もしてくれて、キャンセル料も追加料金もなにもなし! いたれりつくせりの彼には、ほんと頭が下がる思いで、泣きそうになりながらも「ありがとう!ありがとう!」とお礼を言う。
彼は「明日は遅れないように9時にはここへ来なさい」と念を押され、搭乗口をあとにした。

 お礼に宣伝!アエロメヒコ航空(AEROMEXICO)は小さいけど、親身になってくれるいい会社・・・ って、モンテレイの彼が親身になってくれるいい人だったのかな?
いや、女性スタッフも、帰るついでだからと、搭乗口カウンターから空港前のバス乗り場まで連れて行ってくれたいい人だった。

 空港前で、迎えのバスを待つ。空港ホテルのひとつ イビス(IBIS MTY Aeropuerto)
空港ホテルってだいたいどこでもそうだけど、高級で宿泊代が高い。送迎付でいいんだけど・・・。 スタッフの彼は「安い」と言っていたけど、税込みでトータル1泊N$747.84(約9,200円)
今まで、メキシコ内で私が泊まったホテルの2倍以上の値段。 これでもモンテレイの空港ホテルでは安い方なんだろうなぁ・・・痛い出費。

 ホテルはとてもきれいでいい感じ。しかし、目いっぱい滅入っていたため、気分的に味わえなかったかなぁ?
部屋に入ってすぐ、ホテルの電話番号を教えるためにM氏に連絡をとる。
M氏はサン・アントニオの友達の家に電話したけど、誰も出なくて、とりあえず留守電に伝言しといたから・・・と私に 言うため、アエロメヒコ航空の彼のところに電話したらしい。その時、 彼からホテルへ移動したというのと、ホテルの電話番号を教えてもらったと言ってた。ほんといい人。
M氏には遅れた理由を説明したけど、なんで??ってな感じで笑われ、「まぁ、無事でなによりだよ!」と逆に慰められた。
うぅ・・・ご迷惑おかけしました。ありがとうごさいました。

 それにしても電話、間に合わなかったなぁ・・・空港で待ってるだろうな・・・心配するだろうな・・・はぁ〜。
私の相変わらずの早とちりの思い込みで飛行機に乗り遅れたことに情けなくは思ったけど、 それだけだったら、そんなに滅入ることはない私。 それよりも何よりもM氏や、友達に迷惑かけたことに、目いっぱい滅入ってた。
本来なら10時には、サン・アントニオに到着してるはずなのに・・・と、ベッドにしばらく突っ伏してると、電話が鳴った。

 「アロー・・・」「ちぃーっす!」「うぉーTa・Tacaだぁー!」
それからと言うもの「ゴメン」のオン・パレード状態でひたすら謝る。彼らも「無事ならいいよ」とやさしいお言葉・・・有難い。
M氏が最初に電話かけたときは、Tacaはすでに空港へ向かっており、てっちゃんは友達たかしくんと外出中だった。
Tacaは到着ロビーに誰もいなくなるまで待ってたうえに、何か家に連絡が入ってないか電話したらしいけど、 てっちゃんはまだ帰宅してなく、とりあえず、家へ帰ったらしい。しかも、帰りは集中豪雨で大変だったらしい。
てっちゃんとたかしくんは、11時すぎに家に帰ってきてから、そろそろ帰ってくるはずの私を待ってたらしい。 んで、帰りが遅いから食事でもして帰ってくるんだろうと思ってたら、Tacaが一人で帰ってきたんでビックリしたそう。
それから、留守電を聞いて、M氏と連絡をとり、ホテルにかけてきたらしい。

 とにかく、彼らと連絡がついてよかった。とりあえず、翌日の午前11時にサン・アントニオへ到着する便に乗るからと言う。 ちょうど昼前に授業があるため、迎えが12時過ぎになるからと言われ、私はお詫びじゃないけど「何時間でも待ちます!」 と答える。マジで本日お世話になった皆様には頭が上がりません。
しかし、最凶の日だったけど、いい人たちに出会うこともできたし(いやな人たちも出会ったけど)、感謝感謝の日でもあった。 よく言えばラッキーだったのかも?って、楽天的なラテン気質を持ってる私でもあるのです・・・。

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 朝7時に起きる。昨日は滅入ってて食事どころではなかったんで、お腹ペコペコ。
ホテルのレストランで、軽く朝食でも・・・と思ったら、高い! コーヒーと何か軽いもの頼んで、チップ含めてN$50(600円強)。最後のお札が消えてしまった・・・もう、帰るだけなんでいいけど。
前日、カウンターで8時半に送迎バスを予約してたんで、8時半前にチェックアウト。 電話代N$40(500円弱)を請求されるも、現金がないんで、カードで支払う。500円も持ってないって情けないけど・・・。

 空港へ行き、バスから降りると少年が来て、私の荷物を運んであげるという。
別に自分で持てるけど、チップ稼ぎのため、大人に混じって重い荷物を担いでがんばってる少年を思うと、むげに断れなかった。 が、よーく考えてみると、お金持ってなかった・・・ポケットに入っているありったけの小銭を集めて、 「ごめん、これで全部。」とお金を渡す。
いくらあったかはわかんなかったけど、少年はニコッと笑って、 次の荷物運びを求めて去っていった。

 再びカウンターで昨日のスタッフの彼に会う。「昨日はどうもありがとう」と再びお礼を言う。
と、彼は「9時50分発の飛行機が30分ほど遅れるけど、友達に連絡しなくていい?」と言ってきた。 どっちにしても、友達は学校で遅くなるし、「大丈夫。ありがとう」と言う。ほんといい人だぁ。
待合室でボケッと待っていたら、再びアナウンス。まだ遅れるらしい。 結局、1時間ちょい遅れの11時に出発。50人ぐらい乗りの小さな飛行機には、ビジネスマン風の人たちばかりが乗っていた。

 12時10分にやっとサン・アントニオに到着。なんか、サン・アントニオまで遠い道のりに感じた・・・が、 ここから到着ロビーまでも、また遠かった。
入国審査を終え、荷物を受け取り、他の乗客ともども出口に向かう。皆、なんなく税関を通っていってるのに、 なぜか税関のおばちゃんが私を呼びとめ、荷物を見せなさいと言われる。
ドキッ。オアハカチーズ見つかるかな・・・? それにしても、乗客の中で私だけがバックパックだったから、怪しいと思われたのかしらん? それとも、その税関のおばちゃんは日本語が少し話せる人だったんで、日本語話してみたかったのかしらん??

 バックパックの中身をぜーんぶ出され、チェック。
ビー玉サイズのオアハカチーズを見て「これは何?」と聞かれ、なにげに「キャンディ・・・かな?」と答える ・・・我ながら、ごまかし方に笑える。 しかし、石けんサイズのチーズはごまかせなかった・・・なぜなら、ラベルに「Queso(ケソ)」の文字が入っていたから・・・。
「"ケソ"ってチーズじゃない。」「・・・」苦笑いの私。しかし彼女は 「普通、ヨーロッパのチーズとかはダメだけど、オアハカチーズO.Kだから。」
えー?そうなの?オアハカチーズは大丈夫なんだ・・・ホッ。それなら、もっとたくさん買ってくればよかった・・・ォィォィ。

 さんざん荒され、何も怪しいものはなかったんで、再びバックに詰め込む。
んで、税関のおばちゃんは、ずいぶん引き止めたのをわびてなのか?「そうそう・・・」 と、引き出しの中から黄色い蛍光色の消しゴム(これも黄色)付の鉛筆を取り出し、「あげるわ」と渡される。
その鉛筆には、黒字で「USDA−APHIS−PPQ SanAntonio,Texas 210-821-5543」 ・・・これってプレミアが付く?だって、ここでしかもらえない鉛筆。 アメリカ農務省の植物がアメリカに持ち込まれるのを防止する機関?のサン・アントニオの事務所の電話番号が書かれている。
「ありがとう」といって、おばちゃんと別れる。英語と日本語と取り混ぜながらの会話も結構長かったのか? やっと、到着ロビーに出たときは、すでに1時をまわってた・・・。

 周りにはもう誰もいなかった・・・と、一人椅子に腰掛けて待っていたのは、Taca。
「うぉー!ごめんねー!また、待たせてしまった・・・。」「また、乗り遅れたかと思ったよ」と言われる。 またまた、ご心配かけてしまって、スミマセン・・・。
「だって、飛行機遅れたうえに、荷物全部出されて調べられてたんだもの。でも、税関のおばちゃんに鉛筆もらったよ!」と言うと、 「しかし、よく調べられるね」・・・そう、以前、関空で同様のことがあった。 (ブラジル紀行の
帰路≪日本上陸編≫に記載)
あと、「きれいさっぱりお金を使い切って帰ってこれるのはスゴイ」とも言われた・・・確かに無一文状態で帰ってきた。

 とにかく、なんだかんだあったけど、ようやっと、サン・アントニオへたどり着けてよかったよかった。
1週間だったのに、なんか長く感じた旅行だった。 でも、いろんなことがギュっと凝縮されたような日々が送れて、結果的にはおもしろい旅ができたかな?
機会あらば、また行きたいです・・・迷惑かけない程度に。

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