13町(区)の町印(まちじるし)とその由来

 飽波神社大祭に参加する13町(区)には、それぞれの町印がある。町印はその町(区)を象徴するものであり、その町ならではの由来がある。そもそも町(マチ)は祭り(マツリ)と同じ意味があり、マツリを行う範囲を町という空間で認識したのである。そしてマチは、祀る神仏を象徴する神紋や寺院紋を共有することで共同体意識を育てたのである。やがて、この町(マチ)が発展すると鍛冶屋とか大工、油屋、頼戸物屋などの職能・職種集団が派生し、同じ職能・職種集団が固まって居住するようになる。千歳区の前身である鍛冶町と吹屋町、また木町・茶町などはこの例である。さらに都市機能を潤滑にする生活水利などで地縁集団化が起こり、マチが細分化すると、それぞれの単位のマチの認識と区別が必要となった。この識別に印をもって象徴化したものが町印なのである。町印は家紋と同じように森羅万象をそのデザインの基本にしているが、案外町の名に起因する例が多い。

栄区木町小坂/上伝馬/益津/岡出山/千歳/長楽寺/白子/下伝馬/左車/市部/五十海

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