思うこと 第121話 2006年8月10日 記
オシムジャパン第1戦:監督が変わってサッカーが変わった
私は思うこと第113話でジーコジャパンをとりあげ、第114話と第115話でW杯の新監督候オシム氏について述べた。 昨夜のトリニダード・トバゴとのオシムジャパン第1戦を観て、監督が変わればこんなにもサッカーが変わり、面白くなるのだ、と、感激した。
昨夜のメンバー中、先のジーコジャパン(古い井戸)のメンバーはわずか4人。 すべて、オシム監督の「頭を使いながら走るサッカーが出来る選手」という明確な基準で選ばれていた。 確かに、スタートから、皆、考えながら走った。 ジーコW杯ではいい働きが出来なかった「古い井戸」の三都主が「考えながら、ひたすら走る」ことだけを考えた結果、鮮やかな2ゴールを決め、結局、2−0で勝った。 前半の30分ごろまでは、皆、本当によく走り、常に皆それぞれが的確な判断で前に走りこんでいった。 しかし、その様な動きは、そこまでだった。 私は、オシム監督は、きっとこのことに苦言を呈するであろうと予想し、今朝、早朝、近くのコンビニでスポーツ紙を買った。
案の定、スポーツ紙の見出しは『オシム 不満』の大文字になっていた。 監督曰く、『選手が十分走る力を持っている間は良い試合が出来た。 3日間で、これほど出来るとは思わなかったレベルまで出来た。 しかし、気がかりなのはサッカーは90分の試合ということだ。 出場した選手で90分間走れない選手もいた。 日本人は外国人に比べて筋骨隆々ではないので、一対一の戦いでは不利になる。 相手よりどれだけ走れるかで勝負しないといけないが、Jリーグではそうした習慣がない。 今日学んだ一番の収穫はこのこと』。
オシム監督は、これから先、我々に多くのこと、特に、リーダーのあるべき姿を教え続けてくれると思うと、楽しみでならない。