思うこと 第115話           2006年7月13日 記

協会との交渉ーさすが『オシム流』

 私は思うこと第113話でジーコジャパンをとりあげ、第114話でW杯の次期監督候補のオシム氏について述べた。 

 今日は、一昨日(7月11日)千葉県内のホテルで行われた日本サッカー協会の田嶋幸三技術委員長との交渉におけるオシム氏の姿勢に、さすが!と感嘆したことについて述べる。

1) 協会側が年俸に関してジーコ監督の約半額の金額を提示したのに対し、オシム氏は金銭面には一切、興味を示さず、『私にとって金銭面は大事な問題ではい。細部は長男アマルとつめてくれ。』と、簡単にOKし、しかし、今後の組織作りは全て自分の考えでやることを断言し、3時間余りの会談の大半をそちらの討議に使っている。
2) 欧州組を特別扱いしないと断言。 「日本独自のサッカーが大事。ドイツのマネをした時はドイツを抜けない」というオシム監督の持論、面目躍如といえよう。 私のHPの『思うこと 第25話』を読まれた方には、私がどれほど、このことを喜んでいるかお分かりいただけることと思う。 8月9日のトリニダード・トバゴ戦、16日イエメン戦に欧州組を招集しないことも伝えたという。 オシム氏は海外組でも控えでは代表に呼ばないという態度を示したとのことであるが、ジーコ監督が柳沢らクラブでは控えでも重用したのとは全く逆である。 「走る」サッカーを前面に押し出すオシム・サッカーでは、試合をこなしていない選手を呼んで短い準備期間で試合に使うことは難しいという事だと思われ、うれしい限りである。 昨年、欧州の1部でレギュラーとして活躍したのはMF中村、松井、FW平山。ジーコ政権では代表に定着してきたFW高原、MF中田浩、稲本もクラブでポジションを奪えなければ、代表入りが厳しくなりそうである。 もっとも、レギュラーでも、日本勢を超える力を示さない限り、使ってもらえないことは言うまでもない。
3) 過去の実績にとらわれない実力重視の選考でチームを発足させる考えを示したことは、欧州組みに限らず、若手の大胆起用で千葉を強くしたように、日本勢(Jリーグ組み)の中でも真の競争・選抜が行われることになり、すばらしいことである。
4) オシムジャパンのコーチ陣は今年いっぱいは日本人で固めるが、しかし、年明け以降は、改めてオシムの考えで布陣を敷くと述べたという。 すなわち、コーチもオシム氏のめがねにかなわないと即、クビということで、ますますいいチーム作りが保障されたといえる。

以上、久々の嬉しいニュースを、一緒に喜んでいただいた。