思うこと 第113話 2006年7月4日 記
馳 星周氏の特別寄稿に感動
私は『思うこと 第25話』でW杯日本代表ジーコ監督のリーダーとしての資質に疑問を持ち、、憤慨したことについて書いた。 その後、今回のドイツまでの道のりにおける報道でも、ドイツでの報道でも、私の考えとマスコミの報道にはあまりに差がありすぎた。一瞬、自分の考えは孤立しているかなと心配した。
その私を興奮させる感激的文章に出会った。 それは『こてる日記』の6月12日付けの日記文で、タイトルは『ヒデよ、私を嘲笑ってくれ』となっていた。 こてる先生のその日の日記、全文を紹介する、『今夜は何と言ってもW杯初戦、日本対オーストラリアだ。しかしあまり書く気はしないな、この試合。残り10分弱の崩壊ぶりは目も当てられなかった。日本がまだまだ他の強豪国と互していくには若すぎるということを露呈した場面だった。
私は事前にW杯関連の書籍は1冊しか買わなかった。ミーハー的な内容の本は最初から無視した。その中に今回の敗戦をしっかり予知している文に出会った。この書き手の名はハードボイルド作家として知っていたがこれほど素晴らしい文を書くとは知らなかった。作家馳星周氏が書いた特別寄稿「ヒデよ、わたしを嘲笑ってくれ」からの一文を抜粋しよう。いきなり批判的な出だしで始まっている。「ドイツへは行かない。 いや、正確に書くと、日本代表がドイツにいる時、わたしは日本でワールドカップを楽しむつもりである。・・でたらめなサッカー、でたらめな代表選考ーグループリーグを突破する可能性は著しく低い。・・・今の日本は、4年前の結果に慢心し、世界を観察することを怠り、のんべんだらりと準備を進めてきたとしか思えない。・・・わたしが怒りを募らせているのはサッカー協会とメディアだ。彼らの無責任ぶりはゆるしがたい。・・・」
無責任ぶりとは具体的には、ジーコの監督としての能力分析を放棄したまま4年間を無駄にした協会、自国と他国の代表の戦力分析を放棄してただ大衆を煽ることに専心してきたメディアを指す。そこまで書いた上で馳氏は「一サポーターとしては、心のどこかで奇蹟を願っている」と書く。そして逆境にあっても勝利を目指してピッチを駆けまわる中田のプレーぶりにすがる思いを吐露している。
悲観的な予想をするこの自分を「嘲笑(わら)ってくれ」と書いているのだ。
私は今この日記を予選リーグ第2戦の始まる10分ほど前に書いている。
生中継するTV朝日の「大衆の煽りぶり」は度を超しているが、他メディアも同類だ。
第1戦を見る限り馳氏の予想は見事に当たっている。ジーコとヒディングとの差が如実に現れたゲームだった。
私も負けても仕方ないと思っている。でも日本人として勝利を願わずにはいられない。
私も、ヒデにあざ笑われたい・・。
さあ、たった今第2戦が始まった。 』
以上が、『こてる日記』の6月12日付けの日記の全文である。何故全文の紹介かというと、それほど嬉しかったということである。 私は早速、私の感動を“こてる先生”こと“松原先生”にメールで伝え、その本を買いたいので『本の題名』を教えてほしいとお願いした。 そして、その本は、一昨日、医学部ボウリング同好会例会(通称『納杯』)の後の“反省会(飲み会)”の場で、松原先生から直接手渡しでプレゼントしていただけたのであった。読んで、そしてまた、感動を新たにしたのでそれらの一部を上の3つの写真で紹介した。
ちなみに、この日の例会では、一年ぶりに私は総合優勝(3ゲーム526点)させてもらい、勝利の美酒に酔わせていただいたのであった(『こてる日記』の7月2日参照)。