おジャ魔女どれみ+α
第01話『魔女が嫌いな魔女見習い』
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???「お〜い、どれみちゃんやろ?」
どれみ「あ、あいちゃん!」
しずく「・・・誰?」
あいこ「やっぱりどれみちゃんや。何でこんなところにいるん?」
どれみ「研修旅行。」
あいこ「研修旅行?なんやそれ?まぁええわ。で、そっちは誰?」
どれみ「あ、そっか。あいちゃんは知らないんだね。」
しずく「はじめまして。相川しずくです。」
あいこ「はじめまして。妹尾あいこ。よろしく。」
どれみ「しずくちゃんは小学校一年の時まで美空第一小学校にいたの。そのあと父親の仕事の都合でフランスにいってたんだって。この間まで。」
あいこ「へぇ。どおりで知らんわけや。しずくちゃん、私は小学校三年の時に美空第一小学校に転校してきたんや。けど、卒業式の後、またこっちに戻ってきたんや。」
しずく「何でまた?」
あいこ「いや・・・。うちの両親、1回離婚したんや。それで美空市に引っ越してきたんや。」
しずく「え・・。」
あいこ「けどな、六年になってから再婚してん。だからこっちに戻ってきたんや。」
しずく「ごめんなさい。でも、良かったですね。再婚できて。」
あいこ「まぁな。今何してるの?」
どれみ「今は自由時間。夕食までに戻れば問題ないと思うよ。えっと・・・。家、この辺なんだ。この辺が天下茶屋?」
あいこ「いや、前住んでた場所と今住んでるところ違うねん。なんか、再婚して心新たに生活をスタートさせるためとか何とか。それでこの辺に越してきてん。」
どれみ「へぇぇ。」

 あいこと再会したどれみたちは、あいこと会話しながら歩き回っていた。しかし、途中で奇妙な建物を見つけた。

どれみ「・・・あれ?あいちゃん、あれってもしかして・・・。」
あいこ「え?何?・・・あ!。」
しずく「どうしたの?」
あいこ「い、いや。何でもないねん。こっちのはなしや。」
 その奇妙な建物には『家具屋魔法堂』と書かれた看板が下がっていた。
どれみ「いって見る?誰か知ってる人かもしれない。」
あいこ「ちょっと、どれみちゃん。」
しずく「どれみちゃん、家具買うの?」
 どれみは『家具屋魔法堂』に入って行った。あいことしずくもそれに続いて入って行った。

 中にはやはり魔女らしき人がいた。そう、魔法(MAHO)堂とは、魔女が経営している店なのだ。どれみはその魔女を見ていった。
どれみ「おばさん。こんにちは。」
おばさん「おや、いらっしゃ・・・どれみちゃん!」
どれみ「え?知ってるんですか?」
おばさん「当然。あんたが4年前に魔女検定9級試験落ちたって話を知らん魔女はおわんわ。」
どれみ「お、おばさん!!」
しずく「あの・・・。おばさん・・・魔女・・・?」
 すると、驚いた事に、おばさんは音と煙を上げて魔女ガエルに変身した。

どれみ「え、どうなってるの?」
あいこ「魔女ガエルの呪いは・・・。」
 しずくは何か思い出したような顔をして、悲鳴を上げて店から飛び出していった。
どれみ「あ!しずくちゃん、えっとおばさん・・・。」
おばさん「私の名前はマジョラッタっていうんだ。」
どれみ「マジョラッタさん、すぐにしずくを連れてくるんで。」
あいこ「どれみちゃん、早く、しずくちゃん、川の方に行ったで。」

 どれみたちは急いでしずくの後を追った。しずくは淀川の土手にいた。
どれみ「しずくちゃん、あのね。」
しずく「知ってる。全部思い出した。」
 しずくは今にも泣きそうな声で言った。どれみたちはこの言葉に驚いた。
しずく「私、フランスで魔女にあった。正体を見破った。魔女見習いになった。」
あいこ「それで・・・?」
しずく「その魔女、マジョライドっていうんだけど、マジョライドは私が小学校3年の時に死んだ。」
あいこ「え?」
しずく「殺されたの・・・。私、見たの。黒い服を来た魔女がマジョライドを殺してた。何で殺したかは覚えてないけど。そこで突然目の前が真っ白になったのを覚えてるわ。」
あいこ「もしかして・・・記憶を消されたんか?」
しずく「うん。多分ね。それから私は理由なく魔女が嫌いになった。正確に言うと理由はあるけど記憶を消されて思い出せなかった。私はいや。もう、嫌なの。魔女見習いにはならない。」
どれみ「その黒い魔女ってだれなんだろう。それに記憶を消すのって・・・。」
あいこ「あぁ。禁断の魔法のはずや。しかもおんぷちゃんが使ったときは、百年の眠りについたのに・・・。おかしいな。それに、わたしらが魔女見習いやった時、そんな話聞いた事はなかったけどなぁ。」
しずく「マジョライド、病気で死んだ事になってる。」
あいこ「え・・・?」
どれみ「でもさ、しずくちゃん、しずくちゃんが魔女見習いになって上げないと、マジョラッタさんはずっと魔女ガエルのままだよ?」
しずく「知らない。そんなこと知らない。もう嫌。嫌なの!!!」

 その黒い魔女の行動を間近で見ていたしずくには、もうその魔女には会いたくなかった。ましてや記憶を取り戻してしまった以上、その黒い魔女がいつしずくのもとに現れるか分からなかった。だから魔女見習いになりたくはなかった。

どれみ「しずくちゃん!私たちもいっしょに魔女見習いになってあげる!」
しずく「え?」
どれみ「しずくちゃん、一人だったんでしょ?一人で魔女見習いになったんでしょ?」
しずく「・・・・。」
どれみ「その黒い魔女がやってきたら、私たちが守ってあげるから。しずくちゃん、寂しくないよ。怖くないよ。勇気出して!」
しずく「どれみちゃん・・・・。」
あいこ「どっちにしてもその恐怖から逃れるためにも、魔女見習いになって、その黒い魔女を懲らしめてやったほうが、いいんとちゃう?」
しずく「・・・・。」

 北の空の虹はもうすっかりと消えていた。この後、3人の新しい魔女見習いが誕生したことは言うまでもない。


次回予告
 こうして魔女見習いになった私たち。でも良く考えたらここ、大阪じゃん!毎日、大阪に来なきゃいけないの?
次回、『新任の魔女』おたのしみにね!!

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この話の改訂版+α〜rebirth
第01話『どれみ、中学生になる!
第02話『魔女が嫌いな魔女見習い?