おジャ魔女どれみ+α 〜rebirth
第02話『魔女が嫌いな魔女見習い?』
1/3
時が経つのは早いもので、研修旅行の日はすぐにやってきた。どれみたちは、東京駅から新大阪へ向かう新幹線に乗り込んでいた。
どれみ「さつきちゃんは、美空第二小学校から来たんだっけ?」
さつき「うん、そうだよ」
どれみ「美空第二小学校の子って、4組で言うと他に誰が居るの?」
さつき「そうね・・・宇和崎(うわざき)さんとか、野川さんとかとは仲が良かったよねぇ、えっと・・・相川さんは・・・」
しずく「相川さんって・・・しずくって呼んでくれたら良いよ」
さつき「あ、うん、じゃぁしずくちゃんって呼ぶね」
どれみ「ちなみに、私もどれみって呼んでよ」
さつき「うん、分かったよ。あ、それで、しずくちゃんは・・・フランスに行ってたって言ってたけど・・・」
しずく「うん、小学校1年の時に、お父さんの仕事の都合でフランスに・・・」
さつき「そうなんだ、ねぇねぇ、フランスってどんな感じな所なの?」
しずく「ううん・・・どんなって言われても・・・フランスって感じだったよ」
さつき「あはは、説明になって無いよ」
しずく「だって言葉じゃ説明しにくいんだもん」
どれみ「フランス語は喋れるの?」
しずく「うん、もちろん」
どれみ「でも、最初からフランス語喋れたわけじゃないでしょ?最初に向こうに行った時、困らなかった?」
しずく「どうだろう・・・あんまり覚えて・・・」
さつき「・・・どうしたの?」
しずく「・・・こ・・・い・・・」
どれみ「え、今何て言ったの?」
どれみの問いが聞こえていないのか、しずくはあらぬ方を見て、何やら怖いものでも見るような表情を見せた。
どれみ「しずくちゃん、大丈夫?どうしたの?」
しずく「あ・・・ううん、なんでもないよ・・・」
どれみ「なんでもないって・・・本当に大丈夫なの?」
しずく「うん、大丈夫・・・ごめん、ちょっと嫌なこと思い出したような気がして」
さつき「嫌なこと?思い出したような気がするってどういうこと?」
しずく「何があったかまではなんでか知らないけど思い出せなくて・・・あ、でもなんでもないよ、ほんと大丈夫だから、ごめん、そ、それより、ほら、見て!」
しずくはそう言って新幹線の窓の外を指差した。
どれみ「うわぁ、富士山だ!」
さつき「本当だ・・・」
新幹線はちょうと静岡県に突入したところだったらしい。窓の外には、くっきりと綺麗に富士山が見えていた。
しずく「そういえば私、富士山見るの初めてかもしれない」
さつき「私もだよ」
そうやってしばらく窓の外を見ていると、突然窓を雨が打ちつけ始めた。気が付けば、さっきまで晴れ渡っていた空は、いつの間にか曇天に変わっていた。
どれみ「え、雨?」
さつき「本当だ・・・もしかして大阪の方も降ってるのかな」
どれみ「どうだろう・・・せっかくの楽しい日なのに、雨だったら嫌だよね」
しずく「でも、すぐ止むと思うよ、なんかそんな気配が・・・」
さつき「・・・どんな気配なのよ、それって」
しずく「いや、っていうかさ、朝天気予報で・・・あれ、なんだっけ・・・一時的に雨が降るとかいうやつ・・・」
さつき「にわか雨?」
しずく「そう、それ、フランスにいる間に日本語忘れちゃったみたい、あはは」
さつき「で、天気予報でにわか雨が降るって言ってたの?」
しずく「うん、だから、新大阪に着く頃には止むと思うよ」
どれみ「そっか、それなら良かったよ」

京都を過ぎ、新幹線が新大阪に着いた頃には、雨はすっかりと止んで、北の空にはきれいな虹がかかっていた。どれみは新大阪の駅のホームで並ばされ、先生が点呼をとっている途中、ホームの隙間から見えた虹を見て言った。
どれみ「うわぁ、きれいな虹、雨、止んで良かったね」
さつき「うん、そうだね」
しずく「天気予報当たったみたいで良かったよ」
先生「よ〜し、全員居るな、今から歩いて旅館に向かうから、ちゃんと付いて来るんだぞ、良いな」
先生の指示で在来線に乗り、どれみたちは宿泊する旅館の最寄り駅へ向かった。そして、その駅から歩いて宿に着いた頃には、雨雲は1つ残らず消え、快晴となっていた。

***

しずく「ここが1班と2班と3班の女子が泊まる部屋かぁ」
さつき「それより、荷物置いて早く1階のロビーに行こう、先生に怒られるよ」
どれみ「あ、そっか、今から旅館の人に挨拶とかしないといけないんだよね」
どれみたちは、部屋の隅に鞄を置くと、すぐに1階のロビーへ下りていった。

旅館の人への挨拶が終わると、先生の指示で外に出た。
先生「よし、今から夕食が始まる30分前の5時半までの間、自由行動とする。ただし、電車に乗って遠くへ行くことは禁止だ。良いな」
しずく「自由行動だって・・・何処か行く?」
どれみ「せっかくだから、ちょっと散歩でもしに行こうよ」
っと、その時。
??1「あ、新庄さん!」
さつき「え、あ、宇和崎さん、それに野川さん」
さつきに話しかけてきたのは、美空二小出身の宇和崎麗(うわざき れい)と野川ひとみ(のがわ ひとみ)だった。
れい「ねぇ、今から大阪の商店街の方に行こうって話してたんだけど、行かない?」
さつき「え、でも・・・」
どれみ「あ、私たちは良いから、行ってきなよ」
さつき「うん、じゃぁ、そうするよ」
そう言ってさつきは宇和崎麗と野川ひとみに連れられて行った。
どれみ「私たちは川沿いに散歩でもしよっか」
しずく「うん」
2人は旅館を出ると、すぐ近くを流れている淀川のほとりを散歩していた。

次のページへ
リストに戻る