ぼくがこの家にごはんをもらいに来たのは、生まれて2カ月ぐらいしてから。
「オカーチ」に連れられて、一緒に生まれた「チンちゃん」と
こわごわ初めてごはんを食べたんだ。
そのとき「ここに入りたい」と思ったんだ。
でもね、大きなネコさんたちがたくさんいて、オカーチとぼくらが来るのを
見張っていたんだ。
そんなとき、頼りになったのは「アカ父さん」さ!
アカ父さんが盾になって、ぼくとチンちゃんが食べ終わるまで守ってくれたんだ。
それから半年ぐらいしたら、オカーチがこわい顔をして
「自分でごはんを探しなさい!」ってぼくたちを追い出したんだ。
アカ父さんにも「もう大人なんだから自立しろ」って言われたんだ。
チンちゃんは女の子だからよその男の子にはいじめられなかったけど、
ぼくはいろんな子に追いかけられて、いつも傷だらけさ。
「ギャー! ギャー!」鳴くたびに、よっちゃんが出てきてぼくを探してくれるんだけど、
ぼくはほかの子に見つからないように隠れてるから、
よっちゃんにはわからないんだ。
そしてぼくが足に深い傷を負って1カ月もその傷が治らなかったとき、
よっちゃんとヤスヤンが病院に連れて行ってくれたんだ。
けど、ぼく病院なんて初めてで、とってもこわくて、診察台に上がったとたん
大暴れしちゃって、棚を壊したりお薬のビンを割ったりしちゃたんだ。
でもそこの動物病院の先生はとても優しくて、ぼくが落ち着くまで待ってくれたんだよ。
「アリス動物病院」っていうんだよ。やっと治療も終わってお家に帰ってきてからは、
「もうずーとここに居ていいよって!」ヤスヤンに言われたんだよ。
でもぼくお家の中の生活慣れていないから、緊張してぬいぐるみみたいに、
夜もヤスヤンに抱かれて、じーっとして動かなっかたんだよ。
朝ヤスヤンたちが起きてから「お行儀がいいねっ!」ってほめられたけど、
どうしていいのかわからなくて、動けなっかただけさ。
傷も治って家の中からおそとを見ていたら、
見覚えのある子がおそとに置いてあるごはんを食べていたんだよ。
それがぼくとチンちゃんの妹の「チコちゃん」だったんだ。
チコちゃんってとっても可愛いんだよ。こんどチコちゃんを紹介するよ