裏高尾から小仏峠往復
2009年11月8日


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小仏峠のタヌキ像 出向くたびに渋滞に巻き込まれる中央道の小仏トンネルの下はどうなっているのか、3年前に中央道と結びついた圏央道の工事はどれくらい進んでいるか。そんなことを中央道を走るたびに感じてきた。でも高尾山から小仏峠までは徒歩で5時間かかるのも面倒だ。
 雑誌を眺めていたら裏高尾から小仏峠に最短で向かえる記事が出ている。登山口までクルマで行けて徒歩30分という。おまけに日帰り温泉が4つも紹介されているから紅葉見物をして入浴もできる。渋る妻に「風呂に入りたきゃ山を歩け」と言いくるめてさっそく出向いた。
小仏峠にある明治天皇行幸碑
 八王子市裏高尾町は、陣馬街道と高尾山にはさまれ、JR中央本線に沿って東西にのびる西浅川町、元八王子町、上恩方町、高尾町それに相模湖町千木良に接する区域である。旧甲州街道に沿って小仏関所跡もある閑静な集落だ。地番は1885まであってやけに広い。浅川国際マス釣り場や高尾梅郷のほかに蛇滝(蛇滝コース)と日影(いろはの森コース)から高尾山へ至る登山コースもあり、豆腐のおからから作るドーナッツや焙煎から行う喫茶店もある。裏というからひっそりとしたイメージがあったが、民家や公共施設も多い落ち着いた町だ。JR八王子駅と小仏を結び、道幅の狭い舗装路を京王バスが運行する。国道20号(甲州街道)は「西浅川」交差点で接する。中央本線をくぐった先は猿が道に出てくるのも山あいだからだろう。目を引くのは中央道と圏央道を結ぶ巨大なコンクリートジャングルだろう。町の上空を大きくカーブを描いたループ橋が覆う。

 今回歩いた小仏峠への直行コースは、雑誌『散歩の達人』の「ディスカバー東京ウオーキングロード」の旧甲州街道小仏峠越え総延長約10km、歩行時間約3時間の一部だ。小仏バス停の先までクルマを乗り入れられるのが軟弱者にはうれしい。湧き水ポイント
小仏バス停を過ぎ、宝珠寺を過ぎていくと、いよいよ上り坂にかかる。湧き水ポイントを過ぎると登山道といってもいいくらいの勾配になるが、20分ほど無駄口をたたいていると、『あれもう峠に着いたの?』というくらいあっという間に峠に到着。峠には地蔵がひっそりと佇んでいた。」(『散歩の達人』2009年11月号より)
 今回のルートの記事はこれだけだ。「登山道といってもいいくらいの勾配」、「無駄口をたたいていると」、「あっという間に峠に到着」という軽妙な記事にひかれた。

 取り付きの駐車場までは道幅が狭いものの整備が行き届いている。問題は作業用小仏峠の八王子側。紅葉はないの林道や脇道が多いので分岐点が多くて戸惑うことだ。駐車場からすぐ右岸に階段道があるけれどこれは登山道ではない(宗教団体の道場)。湧き水ポイントの前の左岸に景信山に至る林道があるし、先々に作業用の脇道もある。ここが登山案内と違ってウオーキング記事のあてにならないところだ(温泉案内が施設内容や泉質に細かい割にそこへ至る道路案内がまったくあてにならないのに似ている)。小仏峠へのルート解説は写真付きの体験記がインターネットに掲載されているので事前に確かめた方がいいだろう。
 無口な妻が黙り込むから小休止を重ね、「登山道といってもいいくらいの勾配」をなだめすかせて先に進む。いつものことだが林の中の坂道は見通しがきかないからうんざりする。すぐに着きそうでなかなかたどり着けないいらだちも増し、はたしてこの道でいいのかとためらうが口にはできない。途中には滑り止めの簡易舗装がしてあるがかえって滑りやすいのも皮肉だ。汗かきの妻が真っ赤にゆで上がる。昔の人はよくこんな陰気な坂を歩いたものだと感心して気をまぎらわした。ようやく人の声も聞こえて一安心した。
 小仏峠は山道の鞍部だから見通しはきかない。また山小屋の営業もない。あるのは明治天皇が行幸したときの記念碑と朽ちた山小屋だけだ。見通しは八王子方面に限られる。そして期待した紅葉もなかった。
「何もないわ」と妻がつぶやくのももっともである。日影付近の中央道
 無駄口をたたかなければ耐えられないのがこの峠へ至るお約束なのだろう。
 耳をそばだてても中央道を行き交うクルマの騒音は聞こえなかった。

 駐車場から下ると目前に中央本線が通り過ぎた。クルマを止めて上空を仰げば中央道が左右を貫く。コンクリート壁に覆われているからバスやトラックしか見えない。ひっきりなしに電車が通過するのも意外だった。狭い窪地だから高速道路、鉄道、山道が三層に重なるしかないのだろう。そんなセンチメンタルな感傷にとらわれていると下山してきた登山者が足早に下っていく。民家の上に巨大なジャンクションのループ橋
 もっと下ると上空に中央道と圏央道のジャンクション工事が目に入った。圏央道の2つの巨大トンネルと中央道を結ぶ大きくカーブした側道を大型車が走るのが見える。まさにコンクリートジャングルだ。神奈川県と結ぶにはこれから山をくりぬいていくのだろう。クルマ利用者としては便利になるのは好ましいが、そのために何かを犠牲にしていくしかないのだろうか。

【データ】
 10:30出発・給油⇒12:30京王線高尾山口⇒12:45裏高尾駐車場⇒13:15〜13:30小仏峠⇒13:50駐車場・・・・撮影・喫茶店ふじだな・・・・15:00〜16:30昼食⇒17:05〜18:00天下茶屋で入浴⇒21:30帰宅  180km  


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