秋山温泉へ出向く
2009年08月12日


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 中央道の上野原インターから秋山村【補記】へ向かえば「ほんとうに温泉があるの」と妻は不安を隠さない。タクシーが走っているし、ときおり看板が出ているから先に進む。
 ゴルフ場を過ぎるとすれ違い困難なトンネルが出てきた。
「昔と変わらないな」とつぶやけば、「いつごろの話なの」と妻は半信半疑だ。

 30数年前に藤野町から都留市へ抜けたことがある。当時愛用していた津久井町三ケ木から山中湖へ抜ける道志道(国道413号)を外したドライブだった。あのころの中央道河口湖線は対面通行で週末はいつも慢性渋滞だった。
 藤野町の日蓮(ひづれ)大橋から、行き交うクルマもない狭い山道を相棒とともに心細さを隠して秋山村に着いた時には日も暮れていた。未舗装の山道とすれ違い困難なトンネルに懲りて都留までの県道35号はそれ以来走行したことがない。
 
 二差路を右折し、舗装がされ広くなった秋山トンネルを抜けると幅広い道に変わった。真っすぐ行けば都留だけど左折して秋山温泉に向かう。仰々しい温泉案内が目立つのも意外だ。山の中腹に「新湯治場」や「あきやまネスパ」という得体のしれない文句が目立つのもおどろおどろしい。上野原インターから15分しかない場所だけどやけに長く感じたのも昔の先入観がじゃまをしたのだろう。

 秋山温泉は古風な入浴施設と温水プールを備えた温浴施設だ。泉質は天然の炭酸ガスを含むph9.8の高アルカリ泉、源泉温度は37℃と人肌に近くいつまでも入っていられるという説明は嘘でない。「まるで水みたい」と妻がつぶやくのもおかしい。数年前に出向いた増富ラジウム鉱泉の水風呂より温かい。ゆっくりつかって温まる心地よさも無視できないだろう。いつになくゆっくり風呂につかっていると長湯の妻が先に待っているのに驚いた。水着着用の温泉スパにひかれたが妻がお気に召さないのであきらめた。内湯にのんびりつかって時を過ごすのも悪くない。

 次の目的地は藤野町の「東尾垂の湯」である。案内書にある県道76号は藤野町から道志道へ向かうものの見当たらないのも不安だ。秋山村と藤野町をつなぐカーブの多い県道517号に温泉病院の表示があり、東尾垂の湯はそこの付属施設に違いないだろう。とはいえ妻は乗り気でないのでパスした。「きれいに舗装されてしまった」とつぶやけば、「あんたと山に出向くたびに冷や冷やさせられるのはお断りよ」と妻が笑う。
 76号とのつきあたりを右折すれば「藤野やまなみ温泉」だけど県道517号で相模湖ピクニックランドへ抜ける道幅の狭い曲がり道を思い出して日蓮大橋に向かった。途中には昨年まで「薬師の湯」があって数度出向いたけれど今は消えてしまったのも寂しい。
 陣馬高原へ向かおうと言えば「歩くのはこりごり」と妻は拒む。途中にある「陣馬の湯」の檜風呂を持ち出しても乗り気でない。「それじゃ奥飛騨温泉にでも出向くか」と口にしたら半信半疑のくせに乗り気を示す。「どうせ子どもはわたしたちが帰ってくるとは思っていないもの。着替えはたっぷり用意してきたわ」と動じない。

【補記】町村合併で秋山村は上野原市になり、藤野町や津久井町も相模原市になりました。市域が広くなって新しい行政区画を持ち出すと分かりにくいので旧名称を使いました。神奈川県と山梨県の境がますますわかりにくくなったような気がします、
 
【データ】
 8・12 水 晴れ 220km 11:30ー21:10 道志山系 @上野原市:秋山温泉、(通り過ごし)相模原市藤野町:●やまなみ温泉、●東尾垂れの湯 八王子で給油、ルートイン諏訪湖インター泊、中央道ETC割り引き

【おわび】
 上の写真は当日の写真です。下の写真は8月18日に通過した時取り直したものです

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