地蔵温泉「十福の湯」
2009年07月18日


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 ギターをいじっていると温泉情報紙を眺める妻が「新しい温泉ができたって」と言い出し、地図を確かめれば埼玉県飯能市である。圏央道か関越自動車道で行くしかない。八王子ICはすでに渋滞しているから関越道回りにした。途中でラジオをつければ圏央道はアウトレットモールに入るクルマで出口渋滞というので長野方面に転進した。持参した信州の日帰り温泉ガイドの「県下最大級の露天風呂」というタイトルにつられて上田市真田町にある地蔵温泉「十福の湯」に決め、三連休最終日の渋滞に巻き込まれるのを嫌って長野市の宿をとった。

 上田菅平ICで降り、国道144号から県道35号を長野市に向かうなだらかな登りの途中に地蔵峠がある。途中で渋滞もなく午後6時前の明るいうちに到着できた。休みを含めて片道5時間だから意外に近い。駐車150台というものの山の斜面に張り付いているから思ったより狭い感じがする。「山小屋を大きくしたような施設ね」と妻が言い出したが入浴に関係ないだろう。中に入れば地域のコミュニティセンターの趣があってパン工房や土産物売場のほかに集会所風の休憩室もある。子ども連れの家族が多いのは連休だからだろう。

 十福という欲張りな名前は、
  女人泰産(良縁と安産)、
  身根具足(健康と健全な体)、
  衆病疾徐(病気を逃れて回復)、
  寿命長遠(健康で長生き)、
  聡明智慧(智恵の発達と学問)、
  財宝盈溢(ザイホウエイイツ=商売繁盛と蓄財)、
  衆人愛敬(人に好かれて仲良くなる)、
  穀米成熟(穀物の豊作)、
  神明加護(神仏の護り)、
  証大菩提(大きく豊かな心を育む)
だという。
 地蔵菩薩にかかわる御利益だろうか。それにしても至りつくせりで大げさである。

 泉質はアルカリ性単純温泉である。内湯と露天風呂とサウナしかないものの浴槽が広々としていてのんびり湯につかれるのが心地よい。内湯の源泉はちょっぴり熱いが肌触りがよい。そして県下最大級をうたう露天風呂は木々に囲まれてのんびり過ごすには十分である。風呂の中の石に腰掛けて瞑想するのもいいだろう。けばけばしさはないけれど自然にとけ込んでしまいそうな気がした。湯から上がってきた妻はご機嫌で入館するときの不満を忘れている。

 この温泉の案内図は真田町と長野市の真ん中になっているけれど、真田町から10km長野市から20kmである。地蔵峠から長野市に向かう道路は今までと変わってカーブの多い急な坂道である。日の落ちた山道を下れば「明るいうちに風呂に入れてよかったわね」と妻がつぶき、「こんなにくねくねした山道を暗い時間に走るのは怖いし、アンタは途中でキレてしまうでしょ」と笑う。県道35号は松代駅付近でお祭りのために迂回させていたから妻が言うとおり知らない場所は明るいうちに到着するに限る。

【参考】横浜と地蔵温泉間は260kmです。長野市内に泊まり松本を経由して戻りましたので全走行距離は570kmでした。県道35号は国道より道幅も広く快適な道路ですが松代駅付近で道幅が狭くなります


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