風呂帰りに観音崎
2009年05月04日


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 連休も3日目になると家にこもるのが苦痛です。昨日は久しぶりに徹夜してホームページを更新したのでパソコンに触れるのもうんざりします。ギターの基礎を息子に教えようと自分のホームページを開いたらPDFにしたファイルが開かず、あわててファイルを作り直してアップロードするまで半日がかりの無駄仕事をしました。手書きで楽譜を入力したり、読書を続けるのも飽きました。
 息子を連れて横浜駅前の楽器店に出向いてエレキギターに触れればやけに重くて、小ぶりのエレキさえアコースティックギターの数倍の重みがあります。肝心の息子はピックやケースを探すだけでギターに触れようとしません。「触れて試して買うのが楽器じゃないか」と言っても通販で買うと決めている息子は馬耳東風です。

 開港150周年が始まったのに横浜駅前はがらんとしています。
「ETC割引につられてみんな外に出かけちゃったのね」とつぶやく女房をなだめて、みなとみらいへ向かえば普段見かけない県外車で渋滞です。家に戻る山下公園前はいつにない渋滞で先に進めません。
「横浜は安上がりで済ませられる遊び場なのね」と女房が不満をもらし、
「あんたが家から出るのは本屋や楽器屋ばかり」と八当たりされるのもETC割引のとばっちりでしょう。

 そこで思いついたのが日帰り入浴です。ガイドブックで行き先を選ばせれば片道2時間の源泉風呂で呆れました。
「24時までやっているって」と言うのも困りものです。20時を過ぎて出かければ明け方の帰宅になるなど気にも留めません。
「行ってきたら・・・。お父さんにわずらわされてお母さんも大変なんだから」とアルバイトから戻った娘が女房を援護するのも八当たりを察知したからでしょうか。いつもつきまとう風呂好き娘は本の整理を始めました。
 あれこれなだめて片道40分で済む瀬谷区の入浴施設に向かえば女房はご機嫌です。その先にある源泉をうたう風呂は喫煙所がいつの間にか営業施設に変更されたので最近は近寄りません。また横浜市内には源泉をうたう高値の入浴施設が登場していますが興味がありません。源泉であっても1,000円以下で入浴できるというのがわたしのこだわりです。

 今日出向いた風呂は露天風呂付きの「スーパー銭湯」でした。2年ぶりに出向いたので女房はすっかり忘れていました。今年も源泉をうたう市内の風呂めぐりを続けていますが女房の頭からスーパー銭湯は消えているようです。
「安いと思ったらスーパー銭湯だったんだった」と帰りに女房がつぶやきます。
「きれいに整備されていて快適だったよ」と応えれば、
「やっぱり源泉と違うわ」と蒸し返します。

 22時半過ぎて家に戻る途中、保土ヶ谷バイパスから横浜横須賀道路(横横道路)へ向かえば女房はきょとんとしています。
 でも、
「夏じゃないのに今日はやけにクルマが多いわね」と変な関心を示し、
「夜の海を眺めて何が面白いのかしら」
と他人事のように言います。
 前々から気になっていたのが横横道路のETC割引です。狩場の料金所にはそれに関する掲示が見当たりません。料金の高さで取り上げられるアクワラインと同様に横横道路は走行距離の割に値段が割高な道路ですからわたしはめったに使いません。ようやく割引がわかったのは横須賀のパーキングのトイレの中に掲示されていた小さなポスターでした。土曜・日曜・祝日50%割引をなぜ周知しないのでしょう。

 山の中をトンネルをくりぬいて走る横横道路の夜景は殺風景です。でも、横須賀に近づくと夜景が華やぎます。急に華やいだイルミネーションが浮き立つのは軍事施設の多い町だからでしょうか。湾岸道路の本牧から根岸にかけての工場群のきらびやかではあるものの人工的な工場の照明と違って統一は欠けるもののごったまぜの人間臭さが漂います。
 3月29日に延伸した佐原から浦賀を経て馬堀海岸へ向かう道路は片側1車線の下り坂です。国道16号が観音崎まで続くのをわたしはすっかり忘れていました。横浜に住んで27年になりますが観音崎まで出向いたのはほんの数回で、三崎市の城ケ島のほうがずっと多いのは道路が狭くて混むからです。女房は出向いたことさえ忘れていました。なだらかにカーブを描く道路から夜景を眺めて寡黙な女房がやけに饒舌になるのも夜景の華やぎのようです。
 横横道路の終点には料金所はありません。こんなところに設置しても従業員が通うのも大変でしょう。佐原と浦賀の本線上に料金所を設置したのも季節の需要差を見込んだからでしょうか。馬堀海岸は浦賀水道を行き来する船を眺めるデートスポットのようで深夜なのに路上駐車が目立ちます。

 道幅が狭くカーブが多い国道16号を進み観音崎へ向かえば、「奥伊豆に来たみたい」と女房が言い出します。まるで人が住んでないみたいな言い草に呆れましたが住宅が昔から多いのを知らないせいでしょう。
 途中には京急のホテルもあって、露天風呂付の入浴施設もあります。23時半過ぎなのにコンビニがあり、人が歩いているのは決して奥伊豆とは違いますが騒がしい横浜の夜と違って静寂です。夜っぴてですから灯台に立ち寄れませんでしたが観音崎も近くになりました。横横道路を使えば40分で行き来できます。
 観音崎灯台といえば今は亡き祖母を連れて35年前に出向いたことを思い出します。明治生まれの祖母は孫の運転に耐えてドライブの相棒をしてくれましたが、70才過ぎというのに石廊崎や観音崎の灯台に上る元気がありました。そんなことをもらしたばかりに、「あんたはまわりの人間に無理強いするのね」と皮肉を並べられるのもやぶ蛇でした。結婚直後にマリンタワーを階段で行き来させた恨みが残っているようです。

【おわび】
 深夜なので写真を撮っていません。
 詳しい内容を知りたい方は神奈川県横須賀市の「観音崎公園」サイトで確かめてください。。

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