富士山に吊り天井を見に行く
2004年07月19日

トップページ  目次ページ 地区別索引  旅行データ  風呂めぐり

前頁へ   次頁へ


 花火大会に出向かず家にくすぶっていると息子が「何で静か
にしているの」と言い出す。
「うたた寝していて出遅れた」と応えても納得しない。
「それじゃ今から風呂に出向くからみんな準備しろ」と言えば、
妻と娘がちゃっかり用意を始める。そして、いつものとおり息子は留守番だと言い張る。


  22時20分に家を発って、0時30分に河口湖の日帰り温泉「湯
〜園」に着いた。花火帰りの渋滞でバイパスは渋滞していたが、東名高速や東富士道路を順調に走ったので給油を含めて2時間で済んだ。「富士眺望の元湯」で「業界初、年中無休24時間営業」をうたう湯〜園は夜更かしの若者が集まってにぎやかである。河口湖インターから、片側二車線の国道139号でラブホテルを眺め、約10分で樹林の中にある山小屋風の温泉に着く。妻はラブホのまぶしさうっとりしてるが娘は入浴後にビールが飲みたいと話がずれている。露天風呂に入り、星を眺めるが富士山は暗くて見えない。そのかわりに登山道に点在する山小屋の灯が吊り天井のように映る。長風呂の妻と娘をテラスで待つと外気は17度でひんやりする。
    
 
      
この温泉はすでに閉店してあとかげもありません

  富士スバルラインには2時過ぎて入った。料金所の小父さんが「おはようございます」と言うと、「こんばんわじゃないの」と娘が異をたてる。日が変わったからだけだろうに、細かいことにこだわる奴だ。その割には、上り坂でイタチとおぼしき目の光る生き物に二度出会っても気づかない(帰りの下り坂で子鹿を見かけたときは気づいたようだ)。

  五合目駐車場にあと1kmの場所でガードマンに止められ、渋々クルマを道路脇に駐車した。手が届きそうなほど星の数が多い。下を覗けば河口湖町の灯が見える。真っ暗な夜道を妻娘と売店まで歩いたが風も吹いて寒い。長袖のヤッケを用意して正解だった。夏でも富士山五合目の夜は二、三度になる。期待した売店は自動販売機だけで、汁粉が飲めないのが悔しい。

  3時30分過ぎにクルマのある駐車場に戻ったが天気は崩れつつある。風音が強くなって雲も増えた。まわりがうっすら青くなり、雲間から陽光が差し込むと眠気が襲ってきた。


  七、八年前のオートキャンプの帰りに東富士道路で吊り天井の明るさに感激し、毎年のように夏のスバルラインを走る。裾野市や御殿場市でも似たような夜景は眺められるが、河口湖まで出向くのは我が家のこだわりである。片道150kmで、風呂にも入れる手軽さだろう。スバルラインは来月6日からマイカー規制が始まる。

              

                  五合目からの河口湖町  6:30

     
     
         
                 料金所から山頂を眺める 7:00