2-7 甲州街道と蔦木宿

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 中央道が勝沼インターで途切れていたころ、今では寂れてがらんとしている国道20号バイパスを使って長野県に向かった。渋滞を避けるために河口湖から御坂トンネルを抜けたり、精進湖トンネルを抜けて迂回した。でも、竜王から韮崎は脇道も狭くて甲州街道(国道20号)の渋滞に耐えるしかなかった。今では勝沼から諏訪南まで高速道路なら1時間もかからないが夏場は5〜6時間かかったこともある。

 前回(2ー6)は山梨県ばかり取り上げたが、我が家が向かうのは北アルプスのふもとの長野県のほうが多い。諏訪湖の宿を起点に美ヶ原や杖突峠に向かうのは1ー3でふれたので、富士見峠付近に絞ろう。中央道でいえば小淵沢インターと諏訪南インターの間の南側の地域だ。

 この地域は、静岡県・山梨県・長野県を分ける赤石山脈(南アルプス)の北部である。国道も高い山の底を走るから決して快適な走行ではない。でも、昔ながらの街道を今も残し、ひなびた郷愁がただよう。今はその面影も薄れたが25年前には夜中もトラックがひっきりなしに走った経済の要路であった。

 手軽に車で上れる1955mの入笠山(にゅうがさやま)【1】もあるが、温泉にしてもつつましやかで入口さえわからないのは地元を優先しているからだろう。そこが山梨県と長野県の微妙なちがいである。それはともかく富士見町町役場のホームページには八ヶ岳側に「八峰園鹿の湯」、甲州街道ぞいに「フォッサマグナの湯」、「ふれあいセンターふじみ」、「ゆ〜とろん水神の湯」があるがいずれも看板を見過ごして通り過ぎた。いずれもつつましやかな設備で地元密着型であるので出向く前に確かめておきたい【2】。

 わたしが愛用しているのは富士見町の「道の駅信州蔦木宿」に併設されている「天然温泉つたの湯」である。ここだけは見落さないし、駐車場も入浴施設も申し分がない。べたつかずさらっとしたお湯につかるのも心が安らぐ。2ー6で紹介した「スパティオ小淵沢 延命の湯」にも近いから状況に応じて使い分けている。

 隣の茅野市には、「アクアランドちの」、「川原温泉川原の湯」、「金沢温泉金鶏の湯」、「尖石温泉縄文の湯」、「玉宮温泉望岳の湯」、「米沢温泉塩壷の湯」の6つの公共温泉がある。茅野市役所のホームページで施設利用状況を公表し、設備内容から料金まで詳しく紹介しているのが嬉しい。「金沢温泉金鶏の湯」は道路から奥まっていて見落しやすいのが難点である。地味な作りであるが温泉マニアでは評価の高いのに驚いた。

 蛇足になるが、その先の諏訪市には諏訪市観光協会のホームページに公共温泉が紹介されている。「すわっこランド」、「諏訪湖間欠泉センター」、「湖畔公園足湯」、「上諏訪駅足湯」、「神宮寺足湯」、「片倉館」、「ハイウエイ温泉諏訪湖」、「まるみつ温泉なごみの湯」が紹介されている。残念なのは諏訪湖間欠泉センターの営業時間が17時や18時で終了することだ。それで何度も行きそびれている。

 今では高速道路で通り過ぎているから甲州街道はめったに走らなくなった。でも、はなにかとお世話になった思い出の多い道である。わたしには山歩きやスキーのほかに八ヶ岳と北アルプスを結んで家族を連れ回り、深夜や早朝に関わった地域である。


【1】入笠山にはマイカー規制があります。平成18年から開始されたそうです。
  2007年は6月16(土).17(日).23(土),24(日).30(土)、7月1日(日)と公表されています。
  問合せ先は富士見町産業課となっています。


【2】富士見町町役場のホームページに掲載されている「富士見町案内マップ」がわかりやすい。


【追記】

 前回と同様ガイドブック風の記事になった。記載した温泉の全てにわたしは立ち寄っていないし、風呂嫌いだから道がわからなければ通り過ごしてきた。でも、せっかく出向いてもわからないままで帰るのも何度かシャクだった。低料金で落ち着いて利用できる施設は大切にしたいものだ。ガイドブックはもうけにならないものには雑な紹介記事が多いのも腹立たしい。それで細かい記事になったことをお詫びします。この点については、4−1で「入れなかった風呂」として記載するつもりです。わたしが出向いた風呂は3章目次及び4章目次に一覧表示しています。

 なお、正確な情報を発信している記事として富士見町役場、茅野市役所、諏訪市観光協会ならびに道の駅蔦木宿、スパティオ小淵沢の各ホームページにリンクさせていただきました。