スーパーYの閉店

 仕事帰り、夕食の当番だったので、いつものように家の近くにあるスーパーYに買い物に行った。夕食と翌日の朝食の食材をカゴに入れ、レジに持っていき、支払いのときにポイントカードをレジのおばさんに出すと、重要なお知らせが書いてあるので読んでおいてと一枚の紙を渡された。

 ポイントカードを出したときだったので、初めはポイントに関して何か変更事項でもあるのかなと思っていたが、品物をレジ袋に入れながら読んでみると閉店のお知らせだった。五月末で閉店するということと、ポイントや200ポイントを貯めるともらえるギフトカードの今後の取り扱いのことが書かれていた。

 僕がJさんと結婚して、今住んでいる街で暮らし始めた頃、スーパーYは地域一番店で、他に二軒のスーパーがあったが、それらを圧倒していた。そのうちの一軒は潰れてドラッグストアになり、もう一軒もいつの間にか潰れていたが、そこにスーパーAが入ってから事態は一変してしまった。その当たりのことは三年前に‘スーパー戦争’という題で書いたが、それからの三年間、状況は全く変わらなかった。

 客の少ない状態は続いていたし、品物もスカスカのままだった。しかし、ずっと続けばそれが当たり前になってしまい、最近ではそれほど違和感を覚えなくなっていたのだけど、今年に入ってくらいから、さらに品数は少なくなり、従業員も減ってしまった。以前は女子高生のアルバイトや、やや若い年齢層の主婦のパートさんもいたのだけど、最近ではおばさんが2人と男子高校生が2人の計4人だけになっていた。

 しかし、この間、スーパーYも何もしなかったというわけではない。60歳以上の人には消費税を返還、ポイント2倍、3倍キャンペーンの実施、タイムセールの導入、など間断なくいろいろな策を実施していたが、それによって客数が増えるということはなかったようである。

 その理由は肝心の商品が品薄だったことのように思う。スーパーAの出来る前までは、魚など種類も豊富でいろいろと選べたのだが、客足が遠のいていくのと比例して、品数も少なくなり、挽肉がなかったり、唐揚げ用の鶏肉が切れていたり、つい先日などはステーキ用の牛肉がなく、ポークソテーにメニューを変更しなくてはならなかった。

 それでも僕がスーパーYに通っていたのは、パックされている量が夫婦2人にはちょうどよかったからである。塩サケやアジの開きを買うとすると、スーパーAでは、3枚から5枚パックされており、2人で食すには多過ぎるのだが、スーパーYでは2枚または1枚でも売っていたりしてちょうどよかったのだ。特に肉は、パックされている量が多過ぎるため大家族ならいいが、2人とか独り暮らしでは持てあましてしまうのである。

 スーパーYの閉店は残念だ。これからスーパーAで買うとなると、使い切れない肉とか魚とかで冷蔵庫が一杯になりそうである。何処かうちにあったスーパーを探さなくてはならないかもしれない。スーパーYが閉店した後、その空き店舗にはどんな店が入るのだろうか?またスーパーだったら、いいのだけど…。(2012.5.10)




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