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≪3年目 春の月 1日 (火) 晴れ≫

 ついに3年目に突入した。ここへきた当初はこんなに長く暮らすつもりはなかったし、結婚するなど夢にも思わなかった。しかし今の生活には満足している。いや、幸せすぎて怖いくらいだ。
 今日の朝食はまつたけごはん。春が来たというお祝いだろうか。それとも膨大な仕事をこなさなければならない、私への激励だろうか。
 カレンは本当に素晴らしい妻だ。私にはもったいない女性だ。
 ・・・これで料理の腕まで望むのは、贅沢というものだろう。

 大量に届いていた年賀状を読み終えると、早速、畑仕事に取り掛かる。去年の日記にも書いたのだが、雪のせいか畑の土が固まってしまうのだ。それゆえ土を掘り返して、軟らかくしなければならない。これが年初めの最大の仕事なのだ。

 今年の畑はどんな形にしようか。去年と同じにするのなら、植えている牧草が無駄にならないのだが。そういえば、去年の秋には動物たちが野犬の被害にあったから、家畜用の放牧地を作ることも考えなければならない。すると畑を狭めなければならないな。
 ・・・まてよ。去年までは自分が働くことを前提にした畑の構成にしていた。しかしコロボックル達が農作業の中心になっている今、その必要はあるのか? コロボックル達に合わせた畑の構成で構わないのではないのか? 彼らに合わせれば畑と畑の間の通路は不要になり、その分だけ畑を広げられるはずだ。

 結局、見ばえも意識したため多少の無駄はあるのだが、それでも畑は64面。去年より10面も増やすことができた。しかも放牧地と通路を利用することで、牧草地の面積も十分。今年もいい年になりそうだ。


≪3年目 春の月 2日 (水) 晴れ≫

 食堂で定食を食べていると、ヨーデル牧場ムギさんメイちゃんがやってきた。遠くの町で暮らしている、ジョアンナさんに電話するためらしい。

 メイ「お母さん? わたし、メイよ。うん・・・うん・・・ おじいちゃんの言うこと、ちゃんと守ってるよ。うん・・・ 町に牧場のお兄ちゃんが来たんだよ? うん・・・とってもかっこいいんだから! お母さんも一度帰ってきてよ。・・・・・・・・・・・・そうなんだ・・・ 帰ってこれないんだ・・・ うん、こっちは心配しなくてもいいから・・・」

 しっかりした子供だ。本当は母親に甘えて暮らしたいだろうに・・・。ジョアンナさんにも事情があるのだろうが、今のままではメイちゃんがかわいそうだ。
 しかし、電話で私の話が出るとは思わなかった。メイちゃんにとって、私は本当のお兄ちゃんなのだろうか。それとも心の底では、父親を求めているのだろうか。

 私はずっと、この町を1つの家族のように感じていた。足りない物の多いこの町がこんなにも生き生きとしているのは、全ての人が支えあっているからなのだろうと。
 私はメイちゃんの兄ではない。父親でもない。その代わりになることもできない。しかし近所のお兄ちゃんとして、ミネラルタウン家の一員として、心の支えになることはできるはずだ。
 これは自己犠牲ではない。メイちゃんは私にとって、妹のような、そして娘のような存在なのだから。メイちゃんにはいつも笑顔でいてほしい。あの笑顔を見ることが、私にとって大きな幸せなのだから。

 他人であっても家族のように愛せる心。そんな心を宿せる環境。私はミネラルタウンを誇りに思う。そしてここで暮らせることを幸せに思う。メイちゃんにもそう感じてほしいから、私はこの町の心を受け継いでいく。子供たちにしっかりと手渡せるように。


≪3年目 春の月 3日 (木) 晴れ≫

 モーモー牛乳Xサイズを出した。エックスシリーズはこれが2つ目だ。牛乳羊毛を合わせて考えると、PがXになる確率は2%以下、おそらくはもっと下だろう。乏しいデータを元にしているので当てにならない数字だが、非常に珍しい物であるのは間違いない。

 しかし牛乳Xサイズとは、一体なんなのだろう。赤い容器にバツ印では、「飲むな、危険!」という意味にしか思えないのだが。ちなみにバツの卵は生み損ね、あるいはサルモネラ菌汚染だと思っている。牛乳バツサイズは、エサが原因となる有毒牛乳だろうか。変なものを食べさせた覚えはないのだが。するとまだ見ぬ羊毛バツサイズは・・・枝毛100%か?


≪3年目 春の月 4日 (金) 晴れ≫

 今日は午後から、コロボックル達とお茶会を楽しむことにしている。そのため彼らはみんな休みであり、仕事は私が1人ですることになる。
 しかし、しかーし。私には、祝福のじょうろという強い味方がある。祝福のクワがとてつもない威力だったから、きっとこれも凄いはずだ。
 で、結論なのだが、予想通りに凄かった。64面(576マス)もの畑を、わずか10回ほどの水やりで終わらせることができたのだ。祝福シリーズ、凄すぎるぞ。しかしさらに高品質の道具があるというのだから、世の中とは広いものだ。恐らくトーマス町長の必殺技、奥義・最大ため攻撃は、その最高の道具を使って繰り出すのだろう。私もまだまだ修行が足りないな。

 そして楽しみにしていたお茶会へ行く。しかし今年も、招待されているのは私だけのようだ。彼らと仲がいいのは私だけなのだろうか。私がミネラルタウンに来た時から彼らの名簿があったことを考えると、おじいさんとは親しかったのだと思うのだが。
 おじいさんも、こうやって招待されていたのだろうか。そしてやっぱりおじいさんも、コロボックル達を安い給料でこき使っていたのだろうか!?

 ・・・ゴホン。
 ともかく、私と彼らの友情も、おじいさんの遺産ということになる。今更ながら、おじいさんの偉大さを感じてしまう。そのおじいさんの遺産を、私はどれだけ受け継げただろうか。今の私の牧場は、おじいさんが喜んでくれる姿だろうか。
 町のみんなは、私の牧場を誉めてくれる。コロボックル達も楽しそうに仕事にきてくれる。私はこの牧場が大好きだ。今の牧場をおじいさんに見てほしい。でもその願いは、決してかなわない。
 ・・・いや、そうでもないのかもしれない。コロボックル達を見ていると、おじいさんの孫のように思えてならないから。彼らが喜んでくれるなら、きっとおじいさんも喜んでくれている。そんな風に思えてならないのだ。

 しかしお茶会は、毎年ここで行われるのだろうか。いつかは私の家でお茶会を開いて、彼らを招待したいのだが。
 ・・・やっぱりやめておこう。カレンの料理をお客さんに出すわけにはいかない。


≪3年目 春の月 5日 (土) 晴れ≫

 料理教室の最終回が行われた。教えてもらったのはアイスクリーム
 ・・・は? これ、誰かに教えてもらったことがあるぞ。しかも私は、前回の料理祭アイスクリームで優勝した男だぞ。これは挑戦状なのか? それとも私が優勝したのは、カレンの援護があったからと言いたいのか?
 そういえば、アンナさんは料理祭に出場していなかったんだよな。するとやはり挑戦状か。この勝負、逃げるわけにはいかない。挑戦者を実力で破って、料理祭2連覇を果たしてやるぞ!


≪3年目 春の月 6日 (日) 雨≫

 明け方にが生まれた。これでを合わせて16頭になり、最大飼育可能数に到達した。自家生産せず普通に購入していれば、1年目の冬には到達していたと思うのだが、まあ、誕生の喜びが何度も味わえたのだから不満はない。
 最後のの名前はメメだ。メメちゃんと呼んでくださいな。


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