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≪3年目 春の月 9日 (水) 晴れ≫

 牧場横の川で釣りをしていた時、溺れていたイトウさんを救助した。イトウさんの性別と年齢は不明、身長は150cm。心当たりのある方は、キャンディ牧場までご連絡ください。他の特徴としては、体全体に鱗があり・・・は? もしかして、イトウさんって魚!?
 どうやらイトウさんではなく、イトウという名前の魚だったようだ。そうか、これが下流のぬしなのか。確かにでかい。イカ温泉ナマズとは違って風格もある。よし、今度こそぬしを料理してやるぜ!

 ・・・まてよ。イトウって、幻の魚と言われるほど珍しい魚じゃなかったか? そんな希少な種が、こんなところに住んでいたなんて・・・。それだけミネラルタウンの環境が素晴らしいということだろう。よし、この川をイトウの楽園にするために、こいつは逃がしてやろう。このことは秘密にしておいてやるから、コクレンハクレンに負けずに数を増やすんだぞ。
 ・・・でも、記念に魚拓はとらせてね。


≪3年目 春の月 11日 (金) 雨≫

 なにぃ、明日も雨だってぇ!? 昨日もそうだったから、3日連続か。これではポチとフリスビーができないじゃないか。

 きゅうりができたので、湖でかっぱ釣りをしていた。しかし釣れたのはコイ。あまり食欲の湧かない魚だ(注)・・・が、こいつはなんとぬしらしい。
 ・・・なんだ、湖のぬしかっぱじゃなかったのか。
 しかし80cmしかないのか。大きいことは大きいし、コイとしては特大サイズだが、もっと大きな魚はこの湖にいくらでも住んでいるぞ。私が釣った中にも20匹くらいいたはずだ。こんなのでぬしなのか・・・。
 と思った私だが、イカのことを思い出した。このコイも、将来のぬしなのか? こいつがあと950年ほど生きると竜になるのか?
 や、やばい。竜の子供を食べたりしたら、間違いなくバチが当たる。かっぱが天罰と書かれたハチマキを巻いて、夜な夜なきゅうりを盗みに来るかもしれない。
 そこで結局、今回も魚拓だけとって逃がすことにした。

 しかしイトウコイも、冬には釣れないぬしだ。つまり11日で2匹も釣れたことになる。冬の月のように釣りばかりしていたわけでもないのに、この調子の良さ。いい加減に、夜の海のぬしも釣れてほしいものだ。奴のせいで私は毎日夜更かしを強いられ、カレンと過ごす時間が削られているのだ。
 にっくき奴の名はアンコウ。恨みも込めて、次こそはぬしを料理してやるぜ!

注:魚には、地方によって食材としての評価が異なる種類も多い。私の出身地ではコイといえば観賞用のニシキゴイであり、そのためかマゴイをみても食べたいとは思わない。もちろん料理されていれば別だろうが。


≪3年目 春の月 12日 (土) 雨≫

 なんと明日も雨。4日連続というのは、私がここへ来てから初めてのことだ。今年は梅雨が早いのだろうか。

 ポストを除くと、私宛の手紙が何通も入っていた。そういえば、今日は私の誕生日なんだよな。
 どれどれ、これがポプリからで、次がランから、そしてエリィマリーに・・・は!? 女友達からばかりじゃないか! やばい、これをカレンに見られたら誤解されかねない。いまだ夫婦喧嘩をしたことはない(?)が、カレンはもともと短気で強気な性格だ。これは家庭崩壊の危機だ。ああ、カレン一筋の私なのに、他の女性はただの友達でしかないのに、まさかこんなことになるなんて・・・。

 おっと、悩んでいる場合じゃない。急いでこの手紙を隠さなければ。しかし、どこに隠す? 風呂を除くと1部屋しかない我が家で、物を隠せるような場所はあるのか?
 そ、そうだ。木の葉を隠すなら森の中。手紙を隠すならポストの中だ! 私はポストに手紙を押し込む。
 ・・・ん? まだ何か入っているぞ?
 ・・・こ、これは、カイドクターからの手紙じゃないか!
 ああ、助かった。これなら誤解されずにすむ。「男2人、女4人」だから嫉妬されるかもしれないが、最後には笑って許してくれるだろう。持つべきものは、同性の友達だなぁ。

 夕方に帰宅すると、カレンがパーティの準備をしていた。手紙の名前は見ていると思うが、まったく気にしていないようだ。それだけ私を信じてくれているということだろう。彼女からの信頼を疑ってしまった私は、夫として恥かしい。彼女を信じていたつもりだったのに、実際にはそうではなかったのだから。
 カレン、ごめん。私はきみの思いに応えられていなかった。でもこれからはそうじゃない。いつだってきみを信じる。きみの全てを信じて生きていく。

 ・・・ところで、今日の料理もカレンが作ったの? お、おいしそうだね。も、もちろん君の料理は大好きさ。食べる前から不安になっているわけがないじゃないか。あっはっは・・・。

 なんだかんだと言いながらも、私は今日も幸せだった。


≪3年目 春の月 14日 (月) 晴れ≫

 久しぶりに晴れている。しかし明日はまた雨だったりする。牧草は育っているのに、これでは動物たちを放牧できない。いっそのことGの畜産物を入手するために、このまま家畜小屋で飼育しようか。でもせっかく奇麗な放牧地ができたんだから、ここに入れてあげたいんだよなぁ。

 今日は春の感謝祭。義理チョコをくれた人に義理クッキーのお返しをするという、なんだかよく分からない日だ。しかし冬の感謝祭が既婚男性を無視して行われていたことを考えると、現在のミネラルタウンでは意味が変わってきているようだ。これは特に問題のある変化とも思えないので、新しい伝統として受け入れるべきだと思う。ならば私も、無理に義理クッキーを配る必要はないだろう。本命クッキーは渡すけどね。えっへっへ(のろけ〜)。


≪3年目 春の月 15日 (火) 雨≫

 カレンがちょっと辛そうだ。昨日あげたクッキーに当たったとも思えないので、出産が近いのだろう。男には分からない苦労をしてきたカレン。私には何もできないけれど、もうしばらく頑張ってほしい。
 そういえば、もうすぐ私はパパになるんだ。子供は男の子らしいのだが、名前はどうしよう。母がカレン(可憐)だから、息子はダンディ・・・いやいや(笑)。

 畑に出て驚いた。今は4種類の作物を育てているのだが、その全てが一度に実っているのだ。64面の畑のうち、ほぼ60面が収穫可能(他は花と水のやり忘れ)。安い作物が多いために出荷額はそれほどでもないだろうが、出荷数では間違いなく記録更新だろう。家計簿に出荷数の最多記録が残らないのが残念だ。

 春の作物は、冷蔵庫にほとんど入っていない。去年の春にたくさん入れておいたつもりだったのだが、料理して食べてしまったからだ。そこで今年一年分の材料を確保するため、コロボックル達と収穫競走を行うことにした。
 しかし今の彼らは仕事の達人だ。道具の性能に頼れる水やりでは負けていないが、手作業となる収穫では分が悪い。「もうボクは収穫の達人なの! 収穫の仕事は任せてなの!」と言っているのが2人もいるのだから、油断すると全て出荷されてしまう。せめて今日が晴れならば、ルドルフの足の速さに頼れたのだが・・・。
 しかしコロボックル達は、本当に仕事がうまくなった。私のひざまでもない小柄な彼らだが、私の駆け足に匹敵する速度で畑の中を駆け回る。そのちょこまかした動きはまるでゴキブ・・・ゲホッ、ゴホッ。ともかく、彼らは頼りになるのだ。融通が利かないのが欠点だけど、それはご愛敬。

 コロボックル達が牧場に到着する前から収穫を始めていたこともあり、予想以上に作物を確保することができた。目標にはまだ届かないが、収穫日は今日だけではないのだから、これだけでも十分だろう。どうせ普段の食事は、カレンが買ってきた食材で作っているんだし。
 ・・・でもその中には、キャンディ牧場から出荷したものも多いんだろうなぁ。


≪3年目 春の月 16日 (水) 晴れ≫

 雑貨屋へ買い物に行くと、なんとカレンが働いていた。だ、大丈夫なのか? 出産の時期が近づいているというのに・・・。
 無理はしないと言っているが、やっぱり不安だ。でも考えてみると、自宅にいるよりも雑貨屋にいる方が安全かもしれない。ここは彼女の実家だし、病院もすぐ近くにあるのだから。

 今日の夜も海で釣りをする。呪いの釣竿を手に入れたのが先月の6日。それ以来、毎日のように釣りに来ていたのだから、夜の海のぬしを釣るために費やした時間は、恐らく150時間を超えているだろう(もちろんゲーム内時間)。そしてついに、その努力が報われるときが来たのだ。

 ゴミとは明らかに違う手ごたえ。この引きの強さは1m級のものだ。でやぁっ、と引き上げると・・・うぎゃー!!!
 な、なんだこいつは!? ぬしアンコウじゃなかったのか? こいつはどう見ても、チョウチンアンコウじゃないか!
 アンコウの恐ろしげな顔は覚悟していた。しかしまた違った恐ろしさを持つチョウチンアンコウは頭の中になかった。
 ・・・い、いかん。腰が抜けた・・・。夜じゃなかったらもっとはっきり見えていただろうから、このまま倒れていたかもしれない。ぬし、恐るべし・・・。

 しかしチョウチンアンコウって食べられるのか? アンコウが見た目とは裏腹においしい魚だとは聞いた事があるけれど、こいつはどう見ても・・・。
 今回も魚拓をとるだけにして、ぬしを食べるという誓いは、最後の6匹目で果たすことにしよう。
 ともかく、これで夜更かしをする必要がなくなった。明日からは、自宅で夜を過ごすことができそうだ。


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