アイルランド
どこかヨーロッパの田舎でのんびり過ごしたい…それだけの要望で同行の友人がセレクトしてくれたのが、今回の行き先のアイルランド。小泉八雲さんに縁があり、藤原新也さんの小説『ディングルの入江』の舞台である…ケルトの末裔の住む最果ての地。サッカーでは、いつも勇猛果敢でフェアなプレーを見せてくれる国。予備知識などはそんな程度で行ってみた。
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アイルランドは遠かった…いや、乗り継ぎ便の設定と、最初の目的地の位置のせいでもあるのだけど。
経由地アブダビまで11時間、ダブリンまで7時間。それでやっとアイルランドだけど、そのままダブリンと反対の西の果て、ゴールウェイまで特急で2時間40分。
車窓の風景は、98%くらいは左のような牧草地だった。しかも平坦。ずーっと、同じ。
左上は、アイルランドの西側の主要都市ゴールウェイの中心。この日は雨だったので、路面がぬれている。もっとも、アイルランドの天気はめまぐるしくかわるので傘は手放せない。あるいは、最初から濡れるつもりでいるべき。
この通りでは、ところどころでストリート・ミュージシャンが演奏していた。
右上は…この旅の“最初”の生カキ。一般的にはそんなイメージは無いように思うけれど、アイルランドは実はカキが名産なのだとか。海外で生はちょっと…というちゅうちょは一瞬だけ(笑)。実にうまかった。ちなみに同行の友人はリスク回避に努めていたので、これ全部を私が食べた。(さらに焼いたカキも少し食べた)
右下は朝食。フル・アイリッシュと呼ばれる典型的なもの。卵がやや小さいものの、すごいボリューム。もちろんパンやチーズ、飲み物類は別途あります。
語れるものを並べてみた(笑)。ハイクロスの写真の右側に写ってる建物が数少ないお昼ご飯が食べられる店で、左上が中の様子。真ん中はアイルランドの代名詞たるギネス。このお店、物価が思ったよりけっこう高かったアイルランドの中では、かなりリーズナブルでしかも美味しかった。右上、ギネスの泡には、ハープと並んでこれもアイルランドのシンボルである「シャムロック」が描かれていた。瀟洒というわけではないけれど、島の人に愛されてる感じのある、てきぱきとした客捌きも快い、気の利いた良いお店だった。島滞在の3日間、ずっとお世話になった。ちなみに、左上の写真の右に座ってる女性と2日間一緒で、少しお話したりした。こういう時間が良いんだな。なお、シャムロックとは三つ葉の草の総称で、この国にキリスト教を伝えたパトリックさんが父(神)・子(キリスト)・精霊の三位一体を説明するのに使ったのだそう。
右は、いわゆる「フィッシュアンドチップス」。揚げものを好んで食べることが少ない私なので、話のタネに…と思って頼んだら美味かった。(他の店で頼もうとは思わなかったけどね)
島は、思っていたよりは大きかったのと、天気がイマイチだったのとで、初日は観光タクシー(と言えば良いのか??)で案内してもらった。ちなみに2時間くらいで20ユーロ。他のものに比べてずいぶん安く感じた(笑)。しかも、我々が選んだ運転手さんは楽しい方で「当たり」だった。
アイルランド自体がそうだけれど、この島もほとんどが牧場。「牧歌的」と言えばたしかにそうで、晴れていると特にそんな感じではあるけれど、他の国に比べるとやはり荒涼とした印象がある。
最果てにあるからか、冷涼な気候だからか、歴史的な背景のせいか…
島で最大の見どころのダン・エンガスの断崖。ここはタクシーを降り、片道20-30分の緩い坂を登って行く。途中はやはり牧場。最高部に到達すると、その先はいきなりの断崖になっている。
砦跡だか住居跡だか祭祀場跡だか…はっきりはしない遺跡だけれど、神秘的で素晴らしいところだった。ここから先は大西洋で、アメリカ大陸まで何も無い。
小さな島でしかも牧場ばかりであれば、野生の生き物は種・数とも豊富とは言い難いのは当たり前だけれど、鳥はけっこうあちらこちらで見られた。右下はロビンこと“コマドリ”。きれいでかわいかった。ちなみにこれを書きながら調べてわかったのですが、日本のコマドリとは分類的にはかなり違うらしいです。「誰が殺した・・・」と歌われるのはこの写真の方ですね。このフレーズで具体的に何を思い出すかは人それぞれかと(笑)。
島の中にはたくさんの宗教施設(修道院かな?)の廃墟があって、これらが独特の雰囲気を醸し出している。お墓だけは今も普通に使われているのがちょっと不思議な感じ。墓碑もハイクロスのデザインが多い。
説明の都合で写真の撮影日が違うものがごっちゃになりますが…
ゴールウェイで1泊したあと、今回の旅のメインのイニシュモア島へ。「アラン諸島」として知られるうちのメインの島。左は、港そばにある宿。真ん中が宿から眺めた港の様子、右は渡航で乗ったフェリー。ゴールウェイの中心から港までバスで40分くらい、そこから島までまた40分くらいでしょうか。観光化された島なんだろうなと思っていたし、実際フェリーは席に座れない人もたくさんいるくらいに混んでいたけれど、いざ島に上陸するとなんだか閑散としていて、土産物屋も食事どころも数軒。ギリシャのサントリーニやインドネシアのギリほどではないにせよ、そんな感じを想像していたら良い意味で裏切られた。
アイルランドはカトリックの国。しかし、「ハイクロス」と呼ばれるこの十字架はこの国ならではで、ケルトのもともとの神話や思想とキリスト教が融合されてきたことが示されている。丸い輪は太陽崇拝や輪廻転生的な思想が反映されているようなことなのだとか。意味合い的にもデザイン的にも、他の国のキリスト教的なるものよりもずっと親しみを感じるのは、単なる好みの問題か、あるいはやはり私が日本人だからか。
アイルランドは、イングランド・プロテスタントとの関係抜きには歴史も現代も語れないけれど、語れるほどの知識は無いので…ご興味ある方はご自分で調べてみてください。
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*ギリシャのサントリーニ
*インドネシアのギリ
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