A Day At The Races




Tie Your Mother Down
You Take My Breath Away
Long Away
The Millionare Waltz
You And I

Somebody To Love
White Man
Good Old Fashioned Lover Boy
Drowse
Teo Toriatte (Let Us Cling Together)

個人的レビュー


タイ・ユア・マザー・ダウン

パーティードレスを着て
お下げ髪を下ろして
胸がドキドキするのを、感じてみろよ
俺のタイミングを決めてくれ
ばっちり決めたいんだ
今夜だぜ、俺のかわいい女学生ちゃん

君のママは言う、「そんなことしちゃ、いけません」
パパは言う、「そんなことは、許さん」
俺は内側から爆発しそうだ
いいや、今夜だけは絶対、失敗したくないね

君のママなんか、縛りつけてしまえ
ママなんて、縛ってしまえばいいんだ
親父は外に締め出しちまえ
奴に周りで、がみがみ言われたくないからな
君のママなんか、縛りつけてしまえ
おふくろさんなんて、縛っちまえばいいんだ
今夜、おまえのすべて(の愛)を俺にくれ

おまえなぞ、薄汚いシラミ野郎だ
さっさと、この家から出て行け
君の家族の絆とやらから俺が受け取ったのは
その台詞だけだ
実際あの連中が俺に向かって
一言だって、まともな口を利いてくれたことなんか
ありはしないんだぜ
でも、わかっているだろ
こんなことで、くじける俺じゃない
うまくやってのけるさ、見てろよ
かわいい恋人の手を取って
奴らがつまらないごたくを言うのを、やめさせてやる

君のママなんて、縛りつけてしまえ
ママなんか、縛ってしまえばいいんだ
君のチビ助の弟には、
レンガを持って、泳いでもらおうか
(それがいい)
君のママなんて、縛りつけてしまえ
ママなんて、縛ってしまえばいいのさ
できないなら、もう君とは付き合えないよ

君のママもパパも、死ぬほど俺をこき下ろす
なんで、わかってくれないのかな?
俺って、ホントは平和を愛する奴なんだぜ

君のママなんて、縛りつけてしまえ
ママなんて、縛ってしまえばいいんだ‥‥


 「まったくひどい歌詞だ」と、かの「ザ・タイムズ」に書かれたと、歌詞カードにわざわざ書いて ありましたが、まあ、たしかに、お上品とは言いかねる――QUEENにしては、という、ただし書きが つきますが。(のちのパンクムーヴメントやデスメタルからすれば、かわいいものって感じですね)
 Brianにしてはアグレッシヴな感じですが、意図的に「ロックっぽく、挑発的な歌詞にした」と言う 感じを受けます。ライヴ栄えする曲ですね。




テイク・マイ・ブレス・アウェイ

私の目を覗いてみて、そうすればわかるはず
私が(あなたにとって)、ただ一人の人だと
あなたは、私のすべての愛を奪い
私の心を盗んで
私の人生を変えた

あなたが動くたびに
私の心は、めちゃめちゃにかき乱される
あなたがそんなふうに(私に)触れるたび
私は我を忘れ、体の奥深くから、震えてしまう
あなたのすべてに、私は息を飲む

ただ、あなたのそのため息一つで
私は、すぐに涙ぐんでしまう
あなたのすべての呼吸が
あなたの立てるすべての音が
私の耳にささやく声になる
たった一つのキス、それだけで
私は人生を投げ出してもいい
もしあなたの愛を失うことになったら
私はきっと、死んでしまうでしょう
あなたは驚くべき人

だから、お願い、行かないで
私をここに、一人ぼっちで残して行かないで
いつもいつも、たまらなく寂しくなってしまう
どこに行こうと、必ずあなたを見つけ出してみせる
わたしはいつも、あなたの真後ろにい続ける
そう、地球が終わりを迎える、その日まで
私は眠れない
あなたを見つけ出して、こう言うまで
あなたは驚くべき人よ
ただ、それだけ

どこに行こうと、必ずあなたを見つけ出してみせる
わたしはいつも、あなたの真後ろに佇んでいる
そう、地球が終わりを迎える、その日まで
私は眠れない
あなたを見つけ出して、こう言うまで
愛していると――


Freddieの得意な、メロディの美しい、とてもセンチメンタルで情感たっぷりな ラヴソングです。
 主人公は男性なのか女性なのか、少々悩んだのですが、男性に してしまうと、少々女々しいかな・・という気がどうしてもしてしまうので、 女性的に、ただ、あまりにも女性っぽくはしないように、と、努めてみました。
まあ、Freddieのばあい、こういうのも、ありかな、と。




ロング・アウェイ

君は天国を信じているのかもね
僕はあえて言おうとは思わないよ
天のあらゆる星に誓って
今ここに、悲しみに沈む魂がいるから
晴れ晴れと朝起き出して、
一日中、月を眺めている
一人ぼっちで、星の囁きを追いかけて
結局、誰が気にするだろう
天に捧げるあらゆる祈りに誓って
こういう人生も重要だって思う

今までの自分を、置き去りにしてしまったんだろうか
これほど遥か、遠く遠く後ろに
いつ、どこでなんて、誰が気にするだろう
僕らに陽が当たる場所は、どこだろう
その日を探して

覚えておいて、友よ、愛してる
たとえ君が一人ぼっちだと思えても
数え切れないほど多くの光が
君の頭上から微笑みかけている
君の悩みなんて、急いでスーツケースにしまいこむんだ
新しく生まれた子供のように遊ぼう
一人ぼっちで、星の囁きを追いかけて
僕はここから行かなくちゃ、遠い彼方へ
天のすべての星に誓って
僕はこんな人生を生きたくなかった
こんな風には、生きていられなかった

今までの自分を、置き去りにしてしまったのだろうか
これほど遥か、遠く遠く後ろに
何処か望みのない小道に向かってるのかもしれない
こんなに遥か彼方に
こんなに遥か彼方に
こんなにも遥か彼方に
僕は捜し求めている
それでも、その日を捜し求めているんだ


 ブライアンの作詞です。ちょっと抽象的な歌詞ですが、前作「オペラ座の夜」で世界的な成功を収めたことに対しての、 喜びと不安が入り混じった心境を歌ったものだと、アルバム解説にありました。
 華やかだけれど、もう戻れない道に踏み出してしまった、それは自ら望んだことだけれど、同時に、何か大切なものを 忘れてきてしまったのではないかという不安もある、そんな感じでしょうか。




ミリオネア・ワルツ

愛の群れ、その楽しい興奮を、いっぱいに花開かせよう
空気は再び、春の陽気に満ち溢れている
パレードの歌の響きに合わせて、飲み交わそう
音楽と愛は、いたるところに溢れている
少しだけ、僕に愛をおくれ
僕の愛を、ちょっぴり持っていっておくれ
君と愛を分けあいたいんだ
億万長者のような気分がするよ

昔、僕らはきちがいじみていて、僕らは幸せだった
日がな一日ずっと、手をつなぎあって、一緒にいたね
覚えているかい、愛しい人よ
僕らがどんな風に踊り、遊んだか
雨の中に横たわったか
あそこにずっといられたら、そう、永遠にずっと・・

今、僕は悲しいんだ
君は遠いところに行ってしまった
僕はここにじっと座って、毎日毎日、ただ過ぎて行く時間だけを数えている
戻ってきておくれ、どんなに君の愛に焦がれていることか
戻ってきておくれ――昔のように、幸せになろうよ
戻ってきておくれ、ああ、愛しい人よ
僕はこれほど、君の愛を待ち望んでいるのに――
お願いだから、帰ってきてくれ、僕の元に、ああ

素敵な友よ――君の元に、一緒に連れていっておくれ、そして僕を愛して、永遠に――
僕の素敵な友よ――永遠に――ずっと

戻って、戻ってきておくれ、僕の元に
もう一度、僕を億万長者のような気分にさせておくれ

愛に満たされている時には、精神的には億万長者の気分、ということですね。 逆にお金があっても、愛がなければ、気分的には貧しい、という感じでしょうか。
「億万長者のワルツ」といっても、上流階級の洗練された優雅さについて語った曲 ではないわけですが、曲調は非常にそんなムードです。
内容的には、失恋の嘆きなんですが、あまり悲壮感ないですね。(^^) そこがQUEENぽいと言えるのかも。




ユー・アンド・アイ

暗闇に、音楽の調べが流れる
幻灯器の光が揺れながら過ぎる
影が揺らめき
僕の心はざわめく
君と僕の二人きり

今夜はだめだよ
明日にしよう
暖かく明るい時にね
だめだめ、
明日にしよう
だって、月が出るのを待っていたいから

月明かりの下で散歩するんだ
月明かりの下で、歩こう

暗闇に笑い声がさざめき、響く
みんな、過ぎていく日のために酒を酌み交わす
君が僕のそばにいてくれる時
時間は存在しなくなる
お願い、しばらくここにいて

僕は決して未来を見ることは、できないけれど
この先の人生がどうなっているかなんて、わからないけれど
でも僕らは永遠に、ずっと一緒さ
この愛がどうなるかを、僕が知らないと思っているのかい?

今夜はダメだよ
明日がいい
すべてが良くなるから
様子を見るんだ
もし明日なら
今夜と同じくらい幸せかもしれない

暗闇に、音楽が聞こえる
その調べは僕らをいざなうように、優しく漂う
もうあれこれ考えるのは、やめだ
今夜は、楽しく過ごそう
君と僕、二人だけで
君と僕、二人だけで



 ジョンの曲です。歌詞はストレートですね。真ん中のフレーズ、「今夜はダメ」と言うのは、 女性側の台詞かな、ともちょっと考えたのですが、確証がなかったので、ベタに訳しました。まあ、 今日も明日も会いたい、と。
 ところで、このアルバムが出た頃、一度自分で訳したことがあるのですが、その頃は英語初心者 だったため、ランタンを「ちょうちん」と訳してしまい、音楽にちょうちん、夜、と来れば、 盆踊りかな、なんて勝手な解釈をしてしまった記憶があります。
(なぜイギリスに盆踊りなんぢゃ、って!)




愛にすべてを

誰か、愛する人を見つけて欲しい・・

毎日、起きるたびに少しずつ、(心が)死んでいくような気分がする
自分の足で立つことも、難しい
鏡をのぞきこんで、叫び声を上げる
おお、神よ、なんということをしてくれたのですか!
僕は生まれてからずっと、あなたを信じてきたのに
何の救いも慰めも与えられないなんて、神よ!
誰か、誰か・・
誰か、愛する人が見つかればいいのに

僕の人生、毎日働きどおしに働いてきた
身体の節々が痛むまで、働いて
最後に、苦労して手に入れた報酬を持って、家に帰る
僕は跪き
祈り始める
眼から涙がこぼれ落ちるまで
神よ──誰か──誰か
僕に恋人を見つけてください

(彼は勤勉に働いている)
毎日──何度も何度も、そうしようとしてきた
でも、みんなが僕を非難する
僕がイカれていると言い
僕の頭の中は水だらけだと
僕には常識なんて何もないと言う
もう信じられるものなんて、なにも残ってはいない

おお、神よ
誰か、誰か──
誰か僕に、愛する人を見つけてください

何も感じない、
リズムも失われた
鼓動も調子が狂っていく
だけど大丈夫、僕は平気だよ
負けを認めるつもりなんてないさ
僕はただ、この監獄から出ていきたいんだ
いつか、自由になるんだ、神よ!

僕に、愛する人が見つかりますように
誰か、僕に愛する人を見つけてくれないか?


 フレディの作です。愛がなければ、人生は空虚だ、という感じですが、それだけではなく、 ちょっと精神的に危ういバランスを感じさせる詞です。
 余談になりますが、この曲、アルバムに先駆けてシングル発売になり、アルバムを待ちきれなかった 私は、このシングルも買ってしまったのでした。当時は塩化ビニールのEP盤で、中心にレーベル模様 が入っています。当時のエレクトラ−ワーナー・パイオニア盤LPは、レーベルにアゲハ蝶が描かれて いました。で、まさかと思ったのですが、シングルのレーベルは、イモ虫でした。それが、凄く リアルで、気持ち悪かった覚えがあります。(わかるけれどね、イモ虫が蝶になるって・・)




ホワイト・マン

我は素朴な名を持つ、
取るに足らぬ人間だ
この地にやってきてからずっと
この地を守りつづけてきた

そして我らは自らの靴を作り
静かに台地を踏みしめて歩いた
しかし、移民たちは道路を築いていった
我らの流した血と、砂の上に

白人よ、白人よ
おまえたち自身が暗く染め上げたその空の彼方に
まだ光が見えるというのか?
白人よ、白人よ、
おまえたちは、我の眼から光を奪った
白人よ、白人よ
おまえたち自身が作り出したこの地獄から出て
どこへ隠れるつもりなのだ

インディアンたちは戦いを知っている
自らの手とナイフで、戦ってきたのだ
だが、おまえたちは聖書に誓いを立て
偽りの戦いをしてきた

我の身体を恥辱の中に置き去りにし
我の魂を汚濁の中に残し
だが、すべての神の名において
おまえたちは、自らの人種のためだけに祈る

白人よ、白人よ
我らの国は緑にあふれ、川は豊かに流れていた
白人よ、白人よ
おまえたちは銃を携えて現われ、我らの子らは、たちまち死に絶えた
白人よ、白人よ
おまえたちが流した血を、省みたことがあるのか

おまえの夢が残したものは、いったい何なのだ
ただ石に刻まれた言葉だけ
教えることを覚えたものは
学ぶことを忘れてしまうと‥‥


 ブライアンの作品です。サウンド同様ヘヴィな詞ですが、アメリカインディアンの話でしょうか。 いわゆる「加害者」側のイギリス人から、こういう詞が出るのは意外かもしれませんが、あえて勇気の いるこういう歌詞を書いたのは、白人側からでも相手の痛みを知ることができる人間がいる、という ことなのかもしれません。
 広義に解釈すれば、文明社会に侵された地球の叫びにも聞こえてしまうけれど、これは少々 深読みし過ぎですね。




懐かしのラヴァーボーイ


明かりを落として
悲しみがたっぷりつまった歌を
君に歌ってあげる
僕たち二人だけで
タンゴを踊ろう
セレナーデを奏でよう
君の心の琴線に触れるように、優しく
君だけのために
僕は君のバレンティノになろう

ああ、愛しい人――愛する伊達男さん
ねえ、君は今夜、どうするつもり?
僕のアラームをセットして、僕の誘いにのっておくれ
だって、僕も昔かたぎの洒落男だからね

ああ、君の胸の鼓動を感じさせておくれ(ほら、どんどん速くなっていく)
ああ、君の愛の熱気を、僕に感じさせておくれ
こっちに来て、この熱いラヴシートに、一緒に座っておくれ
そして、どんな気分か、教えてくれないか
結局ね、僕は君と二人で、ロマンスを楽しみたいんだ
なにか言ってくれないか――君の言えば、そのとおりにするよ

ああ、愛しい人――愛する洒落男(ラヴァーボーイ)さん
ねえ、君は今夜、どうするつもり?
僕に手紙を書いてよ
ねえ、ずっと気分がよくなるよ
電話して、君に極上のおしゃべりを聞かせてあげるから

君がそばにいないと
いつも、君のことばかり考えている
君が恋しいよ――
(あの長く暑い、夏の夜が恋しいんだ)
僕がそばにいない時は
いつも、僕のことを考えていておくれ
愛しているんだ――愛しているよ

ねえ君、どこから来たの?
ねえ君、どこへ行こうとしていたの?
僕はこの情熱を、伊達男たち(ラヴァーボーイ)から学んだんだ
あの古き良き時代の学校でね

リッツで食事をしよう
9時ちょうどに、待ち合わせしよう
僕が勘定を払うから
君は、ワインを楽しむといい
そして堂々と、僕の車で帰ろうよ
僕のサルーンは、とても快適だから
君のうちに、一緒に帰ろう
きっと素敵さ
(さあ、おいで。そうしようよ)

ああ、愛しい人。ああ、愛しい洒落男さん
ねえ、君は今夜、なにをするつもり?
すべて、うまく行くさ
ただ、しっかりがんばっていればいい
だって僕は、昔かたぎの伊達男だからね


 うーん、これはどうみてもFreddieの趣味、丸出しの歌ですねぇ。いいのか?(^^;)
 特に解説はいらないと思いますが、一つ二つ。セレナーデ(小夜曲)は、恋人のために奏でる 音楽という含みが、もともとあります。そしてサルーンは、たぶんサルーン・カー、つまりセダン じゃないかなと、解釈しました。

 しかし、「古き良き時代のラヴァーボーイたちの学校で、情熱を学んだ」というフレーズ、 インドの寄宿舎学校でその道に染まったというFreddieの私小説的な感じですね。




さまよい

昨日、覚えているのは、悲しい眼でさよならした瞬間
思い出せるのは、がらんとした通りで、気のすすまない別れをしたこと、
霧が深く深く立ち込めて
日々が霞んでいく
太陽は明るく輝き
気持ちのいい光を浴びせてくれる
若くて、人生にたいした苦労もない頃には
笑うのにも、泣くのにも、もっとあらゆる理由があったっけ

日曜日の午後の、素敵なまどろみ
君の怒りの涙には、飽きてしまった
素晴らしい時を無駄に過ごしてしまったなんて
そんなことを果てしなく嘆くのは
中年になってからでいいのに
君の言うことは、一貫している
日々のヒーローは、みんな無に返ってしまうってね
若くて、人生にたいした悩みもなかった頃には
生きることにも死ぬことにも、もっといろんな理由があったっけ。

ここから通りに飛び出して
集まって、会ったものだった
そして当てもなくいつまでも、歩道を休みなく歩き回った
その合間に、僕らは心の地平を広げていった
学校のホールよりも、仲間たちのたまり場で。
ダウンタウンでチューンガムを噛んでいるような奴らと一緒に
ナイトライフや、街の灯りや、いろんな面白いことを眺めていた

どこにでもいるような少年には、決してなりたくなかった
いつも、何かもっと凄いものになりたかった
でも小さな町の少年には、たやすいことじゃなかったさ
そう、まったく楽なことじゃなかったよ
考えることは正しくても、やることは間違ってて
安楽椅子の中にいたほうが、まだ楽だろうな
決めなくちゃならないことが
眠気を払っていく
ああ、朝の玉子は、ポーチド・エッグが良いな‥‥


 ロジャーの作です。Drowseは、「さまよい」というより、「ウトウト」なんですけれどね。 日の光を浴び、椅子に座ってウトウトまどろみながら、いろいろなことをぼんやり思っているという イメージが、浮かんできます。
 これも、「Long Away」同様、前作で成功をつかんだことが背景になっているようですが、 あまり深刻さや不安は感じられません。ロジャーの楽天性が感じられて、興味深かったりします。




手をとりあって

僕が行ってしまった後でも、
君たちのことを思っている
そのことを、疑わないでほしい
(君たちと僕らを)照らす月は同じ
吹く風も同じ
お互いにとって、時は真昼の月のようなもの
行かないでほしい

僕がいなくなっても
僕が花を手に取る時、いつも君たちに触れている
そう思ってほしい
新たな命が育っていく
咲き誇る花は知っている
僕の心をこれほどまでに暖めてくれるのは
君たちのほかに、いないことを
だから、行かないでほしい

時は過ぎ行くとも、僕らはずっと一緒にいよう
ああ、愛する人よ、愛しい人たちよ
静かな夜に、ろうそくの明かりを灯しつづけて
学んだ教訓を、ずっと失わないようにしよう

手をとりあって、このまま行こう
愛する人よ
静かな宵に光を灯し
愛しき教えを抱き

僕の歌を聞くとき
初めて君が僕のことを考えてくれたように
ずっと思っていてほしい
夜は長くなっていく
でも、夢は生き続ける
そのかわいい目を閉じれば、僕はずっとそばにいる
夢を捨てないでほしい

僕が去った時
僕らはみんな愚か者だと、人は言った
僕らには、そのわけがわからない
ああ、心を強く持ってほしい
どうか、心を変えてしまわないで
君たちは、みな
僕たちも、みな
すべてのために
いつも、絶えることなく・・

手をとりあって、このまま行こう
愛する人よ
静かな宵に光を灯し
愛しき教えを抱き


 これは、日本のファンたちのために作られた賛歌と言われています。「手をとりあって」からの フレーズは、まんま日本語ですし、コンサートでは、お約束のように会場中大合唱になります。 ご当地ソングですね。主体は I(私)ですが、この場合はQUEENでしょうし、Youは私たち 日本人ファン、ということになるのでしょう。
 当時はもう、彼らが私たちのために歌まで作ってくれた、大感激!と思い、たぶんみんな 同じように感じたために、この曲は日本のファンたちのアンセムとなったのでしょう。

 「Let us cling〜」からのフレーズを日本語に翻訳したのが、「手をとりあって〜」で、 訳したのは当時の通訳、鯨岡ちかさんだそうです。いやぁ、名訳ですね。
(でも、「手をとりあって〜」と、二回続けるのも芸がないと思ったので(それに人の訳だし)、 とりあえず英詩のほうは、より直訳にしてみました。)





個人的レビュー

 前作での試みを、さらに的を絞り、進化させた作品だと思います。ロックとポップとクラシックの融合、ドラマティックな展開、オペラティック・コーラス。まさに、「これぞクイーン!』というスタイルが、完全に確立された一枚です。
 音像はゴージャスでありながら非常にタイトで、洗練された雰囲気を感じます。
 タイトルは前作同様、マルクスブラザースの映画のタイトルからとったものです。

 

個人的ベスト3

  1. SOMEBODY TO LOVE  
  2. YOU AND I
  3. WHITE MAN




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