A Night At The Opera



Death On Two Legs
Lazing On A Sunday Afternoon
I'm In Love With My Car
You're My Best Friend
'39
Sweet Lady
Seaside Randezvous

The Prophet's Song
Love Of My Life
Good Company
Bohemian Rhapsody
God Save The Queen

個人的レビュー


デス・オン・トゥー・レッグス

おまえは蛭のように俺の血を吸い上げ
法なんぞ、どこ吹く風で
いやというほど、俺の脳みそを締め上げる
俺の金をすべて奪い取ったくせに、まだ足りないと言う

がちがちのルールに縛られた
トチ狂った頑固者
心の狭い連中に祭り上げられているが
どいつもこいつも、飛び切りの馬鹿ときた

二本足の死神よ
おまえは俺を、ずたずたにする
現し身の死神よ
おまえに心なんて、これっぽっちもありはしない

興ざめな奴、悪党め
たいそうな口を利く、雑魚め
おまえなんか、哀れな行商人のくせに
俺に代わる新しいおもちゃは、見つかったのかい
俺に顔向けできるか?

でも今は、俺のケツにお別れのキスをしても良いぜ

良い気持ちかい? 満足か?
自殺したくならないか? (そうすべきだと思うな)
良心は痛まないのかい?
昨夜の気分は、最悪じゃなかったか?
気持ちは良いか? 良いだろう!
ビジネスじゃ、ひとかどの大立者のような口を利くが
おまえなんて、ただの熱気球にすぎないさ
だから、誰もハナも引っ掛けやしない
おまえなんて、トウの立った小学生にすぎないくせに
ぶちのめしても、かまわないだろ?

病気にかかった、惨めったらしい犬め
おまえは「低俗な奴ら」の王だな
おまえは何でも知っている風な口を利くから
その口の中へ、金を突っ込んどけ
おい、その背中にくっついてるのは、ヒレじゃないか? (鮫だ!)

現し身の死神め
おまえは俺をぼろぼろにする
現し身の死神
おまえには、これっぽっちも心なんてありゃりない
(そう、生まれた時から、そんなもの持ち合わせちゃいないさ)

狂気のさただ、おまえなんか刑務所にぶち込まれりゃ良いのに
おまえはプライドの汚水溜めの中で、腐り果てていくドブネズミだ
さっさとお払い箱になっちまえ
用なしになっちまえ
そうしたら、俺は良い気分だろうさ
ああ、良い気分だとも


 最初のマネージメント・オフィスであるトライデント、そしてマネージャー、ジャック・ネルソンとの確執の 鬱憤をぶつけた曲として、有名ですが・・しかし、ここまで罵倒しなくとも、と思ってしまふ。
 でもまあ、恨みもたしかに深かったのでしょうが、これは結局、彼ら一流のユーモアかもしれません。




うつろな日曜日

月曜の朝、僕は働きに出かける
火曜日はハネムーンに出発だ
日が暮れるまでには帰ってくるさ
日曜の午後には、ぶらぶらしているだろう
いつも水曜の夕方には、サイクリングに出かける
木曜日には、のんびりと動物園
僕はロンドンっ子、ごく普通の奴さ
金曜日には、ルーブルに絵を描きに行く
土曜日の夜には、プロポーズするつもり
(さあ、また繰り返しだ)
日曜の午後は、ぶらぶらしてる
日曜の午後は、のんびりしてる
日曜の午後は、ひまなのさ



「月曜日は市場へ出かけ・・」というあれを思い出しますね。「一週間」のQUEEN版。 本家と同様、やっていることは「日常っぽいけど、なんか非日常」です。ロンドンから一日で、 ルーブルに絵を描きにいけるかな? まあ、無理じゃないでしょうけれど。




アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー

夢のようなマシンだ、こんなにピカピカのマシン
唸りを上げるピストン、きらきら光るホイールキャップ
ハンドルを握ると、
おまえのギアの音が聞こえる
グリースガンの上に頭をもたせかけると
ああ、まるでむずがる息子のようさ

俺は、この車に惚れこんでいるんだ
愛車の気持ちが、わかる気がするんだ
競争用のロールバーをぐっと握って、
おまえのラディアル(タイヤ)のきしむ音を聞くと、ゾクゾクするんだ

あの娘に言ったんだ、君のことを忘れてた
それより、新しいキャブレターを買うのに夢中になってさ
そう言ったら、あの娘はさっさと行ってしまったよ
「もう、これでおしまいね!」なんて、言い捨ててさ
車は、口答えなんてしやしない
四つのタイヤのある、僕の大切な友達さ

ハンドルを握ると、
おまえのギアの音が聞こえる
オーヴァードライヴ(ギア)で、ご機嫌に走っている時には
くだらないお喋りを、聞かなくてすむしね

俺は、愛車に惚れこんでるんだ
車の気持ちが、わかる気がするんだよ
俺の車に、すっかり惚れこんでいるんだ
俺の愛しい愛車よ、おまえと走っていると、ゾクゾクするよ


Rogerはカーマニアだそうです。その趣味が、ストレートに反映したとも言える曲でしょう。 故Cozy Powellもカーマニアで、レース好きで有名でしたが、ロックミュージシャンと レースというのは、わりとマッチする組み合わせなのでしょうか。(スピードとか、刹那的な 感覚が好きという感じなのでしょうか)
この曲は、かつてQUEENのクルーであり、Rogerのレーシング仲間でもあった、Johnathan Harris に捧げられた曲でもあります。彼は、たしか76年のML増刊号にRogerと彼自身の、車への情熱を 語っていました。そしてその後、事故で瀕死の重傷を負ったと記憶しています。
危険と隣り合わせのスリル。でも、時にはその危険が現実になってしまうことも。

ちなみに、最後のラインは感覚的な意訳です。(すみません!)
リマスター盤の対訳では、「愛しい車の中で、手袋を引っ張っている」とあったので、 それでもよかったのですが、「string back」は、「pull back」ではないわけですし、 glovesですから、両方引っ張るのも――まあ、交互にというのはありえるのですが。
「手袋を通して、車の振動(もしくはフィーリング、バイヴ)が感じられる」という ニュアンスをではないかと、感じています。

この曲は「Bohemian Rhapsody」のB面としてリリースされ、結果的にBo−Rapの記録的な ヒットによって、B面に採用されたRogerのこの曲に対しても、印税が大々的に入ったということが、 Brianの不満になり、後々、一時的にバンドが不和になった遠因とも言われています。 (80年代の後半、たしか「Rockin’ On」のインタビューで、Brianがそう言っていた記憶が あるので)




マイ・ベスト・フレンド

君さえいれば、生きていかれる
この世界で手に入る、すべてのものよりも
君だよ、君だけしか目に入らない
ああ、君がいれば、生きていかれるよ
君さえいればいい

君は僕の最良の友さ
今まで出会った中で、最高の人さ
ずいぶん長いこと、僕たちは一緒にいるね
君は僕の太陽だよ
君に知ってほしい
僕の気持ちに、これっぽっちも嘘はないことを
本当に、君を愛しているんだ
君は僕の最良の友だよ

ああ、君さえいれば、僕は生きていられる

僕はずっと、さまよってきたけれど
いつも君のもとへと、帰っていける
晴れた日も雨の日も、
君はいつも僕の力になってくれる
幸せだよ、家にいられて、幸せだ
君は僕の最良の友だよ

ああ、君が僕の人生のすべてだ
世の中が僕にどんなひどい仕打ちをしようとも
君がいるから、すべて許せるんだ
君は僕にとって、たった一人の人だよ
君がやることなら、どんなことだって愛しい
君は僕の最良の友だよ

ああ、君がいるから、僕は生きていかれる

幸せだよ、家にいられて、幸せだ
君は、僕の最良の友
君は、僕の最良の友だ
ああ、君がいれば何もいらない
君こそ、僕の最高の友さ



――ベロニカさん? と思ってしまいました。甘いというか、いかにも家庭的なラブソングだなぁ、 Johnらしいな、と思います。「恋人」ではなく、「友達」だというところが。(夫婦って、初めの頃以外は 友達みたいなもののようにも感じますし)




'39

年は39年、ここに志願者たちが集まった
まだ国もほとんどなかった頃だ
ここから船が旅立っていった
青く澄み渡った空と輝く朝日の中に
見たこともないほど美しい光景だった

何年もの間、夜に日をついで
語り部たちは語り続けた
船に乗り組む二十人の勇敢な人々のことを
乳白の海を渡り、数え切れないほど孤独な夜を過ごした彼ら
振り返ることなく、怖れも涙もなく

聞こえるかい? 君は遠い年月の彼方に行ってしまったけれど
僕が君を呼ぶ声は、聞こえないのかい?
砂の上に、君の手紙を書いておくれ
僕たちの孫なら知っているこの国で
君の手を取る日のために

39年、船が青い世界から戻ってきた
志願者たちはその日、故郷へ帰りついたのだ
彼らの知らせは喜ばしいものだった
生まれたばかりの新しい世界
だが、彼らの心は重く沈んでいた
地球は老いて衰えた
だから新たな故郷に旅立とうとしている
でも恋人よ、君はここにはいられないんだね
あれほど多くの歳月が流れたのに
僕はたった一才年をとったきり
君の瞳の中にうつる君の母親の面影に
僕は涙を押さえられない

聞こえないのかい?
君は遠い歳月の彼方に行ってしまったから
僕が君を呼ぶ声は、聞こえないのかい?
砂の上の手紙は、君の手ほどには僕を癒してくれない

僕の人生は
まだずっと続いていく
それが悲しい


これはSFでしょうか。『ウラシマ効果』が言及されているところを見ると、『船』とは宇宙船で、 主人公は地球に残してきた恋人のもとへ帰るが、もう恋人はとっくに死んでしまって、二人の間に 生まれた娘さえ、かなり年老いていた。(しかもこの娘の存在を、主人公は出発するときには知らな かった)――そんなストーリーにも読み取れます。




スイート・レィディ

君は僕を呼び出しておいて、まるで犬のように扱うんだね
君は僕を呼びつけて、僕の心をずたずたにしてしまう
君は僕を、紐につないでおく気なんだ
君のせいで、僕は落ち込んでしまう
君は、すぐに騒ぎたてるね
僕は一人でいるって、信じてくれないんだ

最愛の女性ひと
かわいいレディ
魅力的なひと ――そのまま、素敵でいておくれ

君は言う
「あなたは私に電話をかけて、それだけで私を喜ばそうとするのね」
「あなたは私を、まるでチーズの一種かなにかのように、
 素敵、なんて言うのよ」
「私は、ずっと待ちぼうけ」
「あなたは、私の悩みの種だわ」
「あなたは、私を押さえつけようとするのよ」
「あなたを落ち着かせるために、私はずっとバカをみているわ」

「それなのに、あなたは言うのよ
『最愛の女性ひと
 かわいいレディ
 魅力的なひと ――そのまま、素敵でいておくれ』なんて」

僕の、かわいいレディよ
僕らはずっと待ちつづけているように見える時でも
魅力的な、優しい女性でいつづけておくれ
信じさえすれば、求めるものは何でも手に入るんだから


sweetは、かわいい、素敵な、優しい、などの意味があるので、いろいろ言い換えて みました。(^_^;) すべてのニュアンスがこめられている感じですので。 leadは、犬の紐という意味もあって、treat me like a dog というフレーズにも 呼応しているように思います。 2コーラス目は、""がついているので、リマスター盤の対訳の通り、女性側の引用でしょう。

感じとしては、ちょっとヤキモチ焼きで焦れている恋人にたいして、 「魅力を失わないで、僕を信じてくれ」と言っているような、構図でしょうか。
余談ですが、78年か9年ごろのオフィシャルファンクラブの会報には、毎回メンバー が書いたメッセージがのっていたのですが、Brianの担当した号の、彼のメッセージの 最後の言葉が、「Stay Sweet」だったのを覚えています。その時、この歌はファンにも 捧げたものなのかな、と思ったものでした。




シーサイド・ランデヴー

海辺で――君と僕がそぞろ歩きするたびに
僕はいつも、君が内心どう感じているのか、それだけが気になって
ただそのことだけを、考え込んでしまうよ
ところで、ねえ、僕のクレメンタインになってくれないかな
そう言うと、君は答える、そうね、できたら、パパに聞いてみなくちゃ――
気が狂いそうなほど、君を愛しているよ――
僕は想像の翼を広げて、君との楽しい思いにふけりたい――
まったく新鮮な視点から見れる――本当に素晴らしい――
シーサイド・ランデヴー

とってもロマンティックな気分さ――もう一度、やってみないかい
いつか、もう一度やってみようよ
素晴らしい――紳士淑女たちに囲まれて
地中海の、バカンスシーズンには――
そう、ちょうどこの時さ。なんてイカすんだ
踊りたい気分だよ――雨の只中で
必要なのは、そうしようという意思だけ
踊ろう――なんて素敵な、最高にイカス考えなんだ
まったくたいした浮かれ騒ぎだ――本当のところね
とっても魅力的だよ、ハニー

月光の下で――
僕ら二人、海の上に船旅をする――
毎晩、その思い出にふけっているよ
ところでね――僕のバレンタインになってくれないかな
そう言ったら、君は答える
できたらそうしたいけど、その勇気がないわ
僕は、君のバレンティノになってみせるよ
乗り合い馬車で遠乗りに出かけて、その後、カジノへ行こう――
新しい表情だね――とてもセンチメンタルさ――
海辺のランデヴー――本当に、惚れ惚れするよ
海辺のランデヴー――
海辺のランデヴー


タイトルどおり、地中海の高級リゾート地の香りが漂ってくるような 感じですね。そこでのロマンス。歌詞中にちりばめられたフランス語が、 よりムードをかもし出しています。
舞台はニースあたりでしょうか? なんとなくFreddieの趣味だなぁ、と 微笑みたくなります。




預言者の歌

おお、地上の人々よ
予見者であるあの男が語る警告に耳を傾けよ
気をつけよ、嵐がここに集い来る
賢者の言葉に耳を傾けよ

私は夢を見た
月光に照らされた階段に一人の男が立ち
居合わせる大衆の上に両手を広げて
ないがしろにされていく愛と
慈悲が消えゆく氷のような心を嘆いていた
私はその老人の眼差しの中に恐れを見た
若者たちの希望は挫かれて葬られる
もう光は見えない、彼が言う
定めある命、すべての人間たちの顔の
なんと生気のないことかと

おお、地上の人々よ
預言者である彼の語る警告を聞け
もうすぐ冷たい夜が来る
おまえたち自身の手で導き寄せた夜が

おお、地上の子供たちよ
私の手をとって、早く新しい命を生きるのだ
飛んでいって、新しい緑の枝を見つけたら
白い鳩のように戻ってくるがいい

敗残者や愛に見放された赤ん坊の命を奪う
死とは骨のように白い霧
不運なものたちよ
逃げるにはあまりに遅すぎる
獣の王たちは残された日を数え
母の愛から、息子は離れていく
大事な財産だけが、その結婚相手だ
大地は揺るぎ、真っ二つに割れ
あらゆる死のみが、おまえの持参金となる

おお、地上の人々よ
予見者である彼の警告に耳を傾けよ
私の言葉を聞き、心にとめるものよ
良い計画がある、聞いてくれ

おお、そして二人ずつ我が人間動物園に
彼らは走ってやってくるだろう
雨の中を走ってくるだろう

命をかけて逃げ去るがいい
私の言葉を意に介さぬものたちよ
おまえの財産だけを当てにするが良い
おまえの命のために恐れよ
だまされるな、行きつく先は地獄の炎だ
死がおまえを待ち構えている

神は大いなる恵みを持って
この地を清め払い給う
汝の未来はすべて安らかであろう

おお、地上の子供たちよ
それでも愛がその答えなのだ
私の手を取れ
幻は消えていく
声が聞こえる
『狂人の言葉に耳を傾けよ!』と

だが、それでも恐れは消えない
私にはあの狂人を笑う勇気はない


これは聖書の黙示録と、ノアの箱舟の話にヒントを得たと言う話を、以前聞いたことがあります。
人類はゆっくりと自殺に向かっているようだと、ブライアンは思ったとか。
それはある意味、あたりかもしれないとも思ってしまったり。




ラヴ・オヴ・マイ・ライフ

運命の恋人よ――君は僕を傷つける
君は行ってしまって、僕の心は破れてしまった
運命の人よ、わからないかい
戻ってきておくれ、どうか帰ってきておくれ
僕のもとから、行ってしまわないで
君はわかってないんだ
僕にとって、どんなにひどい仕打ちかということを

運命の人よ、行かないで
僕の愛のすべてをさらい取って、君は僕を捨ててしまう
運命の恋人よ、わからないかい?
戻ってきておくれ、帰ってきておくれ
行ってしまわないで
君は、わかってないんだ
僕がどうなってしまうのか

この騒ぎが収まった時
君は覚えてはいないだろう
すべてのものが中途半端に終わる
僕が年老いた時
それでも僕は君のそばにいて、
君に知らせつづけるだろう
どれほど君を、まだ愛しているかと
まだ君を愛しているんだ

戻ってきて、早く戻ってきておくれ
僕を安住させておくれ
君はわからないんだ
僕がどうなってしまうのか
運命の恋人よ
運命の恋人よ


 ライヴで大合唱になることで有名な曲ですが、「ちょっと未練がましい男のラヴソング」とも 取れますね。でも、ライヴではこれ、ファンたちのQUEENへの思いを代弁しているのかもしれません。 「行かないでぇ〜!」という思いでしょうか。
そう言えば、'81年の武道館のコンサートで、この曲の大合唱になった時、Freddieが客席に、 「I still love you」と呼びかけ、観客がうわっ、と歓喜に沸いたことを思い出しました。




グッド・カンパニー

持っているものは大事にしろよ
父さんはそう言った
パイプをふかし
ひざの上に赤ん坊のBを乗せて、あやしながら
馬鹿な奴らは相手にするな
良い仲間と付き合うんだ
自分のものは、大事にして
良い仲間と付き合うんだ

僕は大きくなり、幸せにもなった
僕と僕の大親友たちは
一日中サリー・Jと遊んだ
彼女は四番目の女の子
すぐに僕は彼女に頼んだんだ
僕といい友達になってくださいと
僕と結婚しようよ
いつまでも良い友達でいるために

結婚は成立し
妻と僕は、お互いを必要とした
ほかには、何もいらなかった
友たちは年々
一人、また一人と去って行った
でも僕たちは家の中で、十分満足していた

つましい商売は繁盛し
僕の評判も上がっていった
仕事に、僕の時間のほとんどが取られていった
でも人生の最後に残ったものは
すべての労力を注ぎ込んだ
僕自身の会社だけだった

サリーが僕と別れるなんて
なかなか信じられなかった

年月が過ぎ、人生の終わりに近づいて
僕は、たった独りぼっちになった

今僕は年老いて、パイプをくゆらせている
でもそばには、誰一人いない
僕の狂気の人生を支配した
あの教訓は何だったのだろう
自分のものを大事にして
良い仲間と付き合うということは


「人生訓」としては間違っていないはずなのに、どこかで人生の歯車がかみ合わなくなり、 最後に残ったのは、一人ぼっちのさびしい晩年――実際に起こったら、いやだなぁと思いますね。 一生懸命に生きたはずなのに、どうしてこんなことになったのだろうと。現実には、よくある話 なのかもしれませんが。




ボヘミアン・ラプソディー

これは現実の人生なんだろうか
それともただのファンタシーだろうか
地滑りに巻き込まれたように
現実から逃れるすべはない
目を開けて
空を見上げてごらん、見えるだろう
僕はただの哀れな少年
でも、同情はいらない
だって僕は流れ行く根無し草のようなもの
ちょっと高くなったり、低くなったりして
風向きがどうなろうと
僕はちっとも気にしない
僕にとっては

ママ──たった今、人を殺しちゃった
あいつの頭に銃を当てて
引き金を引いたんだ
あいつは死んでしまった
ママ、人生はまだ始まったばかりなのに
僕はすべてをだめにしちゃった
ママ、ああ
泣かないで、そんなつもりじゃなかったんだ
もし僕が明日のこの時に戻ってこなくても
今まで通り暮らしていて
なにもなかったみたいに

もう遅いよ、最後の時が来ちゃった
背中がぞくぞく寒い
身体はいつも痛い
さよなら、みんな。僕は行くよ
君たちみんなをあとに残して
真実に直面しなくちゃ
ママ、ああ
死にたくないよ
時々思うんだ
いっそ生まれてこなきゃ良かったって

男のシルエットが見える
スカラムーシュよ
ファンダンゴを踊っておくれ
稲妻と雷鳴──なんて恐ろしい
ガリレオ、ガリレオ
ガリレオ、フィガロ──偉大な男よ
僕はただの哀れな奴だ
誰も僕を愛しちゃくれない
彼はただの哀れな少年
誰も彼を愛してはいない
この怪物のような運命から
彼を救い出してやれ
根無し草の人生
僕を行かせてくれ
アラーの神にかけて、ダメだ
おまえは行ってはならない
いやだ、行かせてくれ
アラーの神にかけて
おまえを行かせるわけにはいかない
そいつを自由にしてやれ
アラーの神にかけて
自由にさせるわけにはいかない
僕を放してくれ
ダメだ、ダメだ、ダメだ
いやだ、いやだ、いやだ
ママ、ああ、ママ──僕を自由にして
ベルセバブが僕を悪魔付きにしたんだ
僕を、僕を──

僕に石を投げつけて、顔につばを吐きかけようとするんだね、君は
僕を愛して、それでも僕を死ぬままにさせてもいいって言うんだね
ああ、ベイビー、
そんな仕打ちをするはずないよね
逃げ出せさえしたら
ただ、ここから逃げ出せさえしたら──

なにも本当はかまいはしない
誰でもわかることさ
なにもたいしたことじゃないんだ
なんてことはないんだ
僕にとって

風がどっちから吹こうと──


非常に有名な曲ですが、歌詞は幻想がかなり入り込んでいるようで、また意図的にそういう状態を 描き出しているようです。
 主人公は、本当に人を殺したのでしょうか? それとも、それも幻想なのでしょうか。




ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン(英国国歌)

インストルメンタル





個人的レビュー

 最高傑作との呼び名も高い『オペラ座の夜』です。前作で試みた音楽的バラエティの広さに、ファースト、セカンドのブリティッシュ・ロック的様式美を加え、クイーン独特の オペラティックコーラスを本格的に導入し、完全に昇華し得た作品です。
 ハードロックに加え、フォーク、ラグタイム、ヴォードヴィル、オペラとますます曲想の幅は広がり、それでもロックのダイナミズムは失っていない。傑作です。
 個人的には、『ボヘミアン』のオペラにも驚いたけれど、それ以上に驚いたのが、『預言者の歌』の中間部でした。まるでお経みたい。でも、この曲がわたし的には一番のお気に入りです。

個人的ベスト3

  1. THE PROPHET'S SONG  
  2. '39
  3. LOVE OF MY LIFE




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