News Of The World




We Will Rock You
We Are The Champions
Sheer Heart Attack
All Dead, All Dead
Spread Your Wings
Fight From The Inside

Get Down, Make Love
Speeping On The Sidewalk
Who Needs You
It's Late
My Melancholy Blues

個人的レビュー


ウィー・ウィル・ロック・ユー

友よ、おまえは騒がしい少年
ストリートで遊び、いつかビッグになろうとして
顔に泥をつけて
まったく、たいした恥さらしさ
そこら中、缶カラを蹴飛ばして歩いている
歌おう
おまえをロック(揺り動か)してやる

友よ、おまえは無情な若者
ストリートで叫び、いつか世界を手にしようとして
顔に血をつけて
まったく、たいした恥さらしさ
そこら中、旗を振り歩いている(自分を主張している)
歌おう
おまえをロック(揺り動か)してやる

友よ、おまえは哀れな老人
訴えるような目をし、いつか平和を手にしようとして
顔に泥をつけて
まったく、たいした恥さらしさ
誰かが、おまえの居場所へと連れていってくれるだろう
歌おう
おまえをロック(揺り動か)してやる


「ズンズン・チャ」で有名な曲で、あとの「チャンピオン」とあわせて、スポーツの試合などでは、 おなじみだったりします。Rock Youには、「ぶちのめしてやる」という意味があるのと、あの鼓舞するようなリズムが、 ムードを盛り上げるのに、ぴったりなのでしょう。
 ライヴ・キラーズのロック・ヴァージョンもなかなかいいです。「ズンズン・チャ」ほどの インパクトはないけれど、疾走感があると思います。




伝説のチャンピオン

支払い(償い)はした
何度も何度もくりかえし。
刑期も勤め上げた
犯した罪はないけれど。
ひどい間違いなら
いくつか犯したことはある
苦い屈辱を受けたこともある
でも、乗り越えてきた。

僕らはチャンピオン、そうさ、友よ
僕らは最後まで戦い続ける
僕らはチャンピオン、チャンピオンだ
敗者に甘んじることは、一瞬たりとてないさ
僕らは世界一のチャンピオンなのだから

頭を下げ
カーテンコールに答えてきた
名声や富、そしてそれにまつわるすべてのものを
君たちは、もたらしてくれた
君たちすべてに、感謝したい
でもそれは、決して安楽な生活ではなかった
楽しい旅でもなかった
それは人類すべてを向こうに回した挑戦だと
そんなふうに思える
でも、僕は負けたりはしない

僕らはチャンピオン、そうさ、友よ
僕らは戦い続ける、最後まで
僕らはチャンピオン
チャンピオンなんだ
敗者に甘んじることは、一瞬たりとて許さない
僕らは世界一の、チャンピオンなのだから


 これも、「ボヘミアン」と同じくらい有名な曲ですね。リマスター盤の解説にあった通り、 出た当初は「自分たちのことをチャンピオンだなんて、とんでもない自信過剰だ」と言う一部の 批判もあったことは事実ですが、(当時のロックマンガに、フレディがこの曲を熱唱していたら、 どこかのパンクバンドに『なあに言ってんだよ!』と、缶をぶつけられているシーンがあって、 頭に来たことを覚えています。当時はパンク全盛でしたしね) 詞の内容から、スポーツチームの 応援歌として、世界中で歌われているそうです。応援歌として、すべての人にエールを送る つもりで書かれた曲なのでしょうか。そんな気がします。




シアー・ハート・アタック

君はちょうど17歳、そして君の望みはただ、
消えてなくなりたい、それだけ
僕の言っていること、わかるだろう。君だって、頭があるんだから
君がちょっと触れる、そんなやり方じゃ、なにも感じないよ
ヘイヘイ、それはDNA(本能)さ
ヘイヘイ、それが僕をこんなふうにさせるのさ
わかってるかい、わかるかい、たった今、僕がどう感じてるか
わかってるかい、わかるかい、今、僕がどう感じているか

マジに、心臓発作に襲われた気分だよ
マジに、ハートをやられちまった
本物の、心臓マヒさ

こんなにもドキドキ――言葉が出ないよ

感じるよ、感じるよ、まるでマヒしたみたいな感じさ
ああ、そうさ、なにも、なにも驚くべきことじゃない
テレビをつけて、君の目の中にすべてを流し込んでみな
ヘイヘイ、それはDNA(本能)さ
ヘイヘイ、それが僕をこんなふうにさせるのさ
わかってるかい、わかるかい、たった今、僕がどう感じてるか
わかってるかい、わかるかい、今、僕がどう感じているか

マジに、心臓発作に襲われた気分だよ
マジに、ハートをやられちまった
本物の、心臓マヒさ


サードアルバムと同名のRogerの曲です。この歌詞は繰り返しが多くて、あまり 曲自体の意味はない、というか、魅惑的な若い女の子に対する、男性の自然な反応を、 胸がドキドキ――心臓発作にたとえたものだと思います。曲のテンポの速さが、 どきどきする胸の鼓動をあらわしている、という感じですね。
この曲、シンプルなビート、繰り返しの多い歌詞、勢い重視のところなど、 当時のパンクブームに対する、Rogerのアンチ・テーゼといえるかもしれません。




オール・デッド

思い出よ――僕の記憶よ
なんと長い間、とどまり続けるのか
日々、僕にとりつき続けるのか

彼女は、何も持たずにやってきた
名前すらない、小さな娘だった
何も実りのない、から騒ぎ
それが、彼女の言いたかったすべて

どれほど浮かれ騒いだだろう、愛しい人よ
どれだけ多くのゲームを、一緒に遊んだだろう
あまりに早く流れ去って行く夏の日々を
あの、かけがえのない毎日を

すべては、終わってしまった
僕らが描いた夢は、すべて死に絶えてしまった
そして僕は、なぜ今も生きているのか、不思議な気がする
すべては、終わってしまった
僕だけが許されてここに残り
その代わり、僕の愛しい半身が、なくなってしまった
そして、行ってしまった
すべて、死に絶えてしまった・・

すべては、死に絶えてしまった
あの虹の果てに
そして今も、彼女の愛しい歌声が聞こえてくる
すべては、死に絶えてしまった
もう一度、取り戻せたら
でも、わかっている、僕の小さな友は逝ってしまった
遠くに行ってしまった
すべては死に絶え、終わってしまった

彼女の思い出は、いつも僕とともにある
僕はその間、ずっとさまよい続けている
でも、どうか僕を許しておくれ
僕は年を経ても、まだ子供なんだ

すべては、死に絶えてしまった
でも嘆くのは、もうよそう
いつかは、誰にでも、その時が訪れる
すべては、死に絶えてしまった
でも、僕にはまだ、すがりつきたい希望がある
そうさ、僕は信じちゃいない
君が死んで、行ってしまったなんて
逝ってしまって、終わってしまったなんて


この曲の"dead"が、文字どおり「死」を意味するのか、それとも、単なる「終わり」を意味するのか、 長年決めかねていました。つまり、この曲が死んでしまった恋人に対するレクイエムなのか、 単なる失恋なのか。文字どおり受け取るには、"dead"という言葉があまりにナマな気がして、 「終わってしまった」と言う感じの、絶望的な表現の方がしっくり来ると思っていたのです。
 しかし、あらためて見てみると、本当に「死んで」しまったという感じも、十分受け取れる歌詞ですね。 特に、Freddie亡き後は、余計にそう感じてしまうのかもしれませんが。



 海外のサイトを読んでいて、「この曲はBrianが愛猫の死を悼んで作ったものだ」という一文を見、「あー、そうか。猫ちゃんなら納得する!」と思いました。多少Deadが生なのも含めて、そう取ると歌詞がすごくしっくりくるので。要はこれって、ペットロスなんですね。




永遠の翼

サミーは落ちこんだ気分で
何度も何度もくりかえし
ただ、そのショーを見つめ続けた
この死んだような人生を捨てて
旅立つの時は今だと
心を決めるのは、今しかないと思いながら。
上役ボスは言った
「いいか、そんなきちがいじみた考えは、
きれいさっぱり忘れるんだ
サミー、おまえはいったい、自分が何様だと思ってる?
さっさとエメラルド・バーの掃除をしな」

翼を広げて、飛んでいくんだ
飛んでいくんだ、遥か遠くまで
小さな翼を広げて、飛んでいくんだ
飛んでいくんだ、遥か彼方へと
元気を出すんだ
どうすればいいかは、君が一番良く知っている
だって君は、自由な人間なのだから。

彼はホテルの部屋で、孤独な夕べを過ごす
今すぐにここを出て行きたいと、思いつめながら
何マイルもの彼方に行ってしまいたい
今の人生に、自分を引き止めておけるものなんて、
何もありはしないのだからと

小さな子供の頃から
運に恵まれなかった
たやすく出来たことなんて、何もなかった
今こそ決心する時だ
心を決める時だ
『これが最後のチャンスかもしれない』
でも、支配人は言う。
「いいか、聞くんだ。
おまえは、いつも夢ばかり見ている
だがおまえに真の野心など、ありはしない
たいしたことなど、できっこないさ
サミー、なあ、おまえは自分の分を知っているのか?
なぜエメラルドバーで働くのが、いやなんだ?」

だから
翼を広げて、飛んでいくんだ
飛んでいくんだ、遥か遠くへ
小さな翼を広げ、飛んでいくんだ
飛び立つんだ、遥か彼方へと
元気を出すんだ
どうすればいいか、君が一番良く知っているはずだ
だって、君は自由な人間なのだから


 ジョン作の佳曲です。さえない現実を前に変わりたいと思っている人に、「誰がなんと言おうと 、勇気を出して、新しい人生に踏み出せ」とエールを送っている。普遍的なテーマですが、 冴えない現実に悩む人には、(そして現状に満足している人は、そう多くないはず)心に響くもの があるのでしょう。そう、みんな自由な意志を持った、人間なのだから。自分の人生は、 自分が決めるものなのだから、と。




秘めたる炎

ねえ君、自分が何をしているか、考えたことがあるのか?
物事をきちんとしようと、思っているのだろう
でも君はただ、ティーンエイジャーの部屋の壁に貼られたポスターにすぎない
君はただ、今にも堕落しそうなカモにすぎないのさ

心の底から、戦ってみろよ
背後から襲いかかれ
本心から、戦ってみろ
両手を縛られちゃ、勝てはしないさ
心の底から、戦ってみろ
本気の本気で、戦ってみろ
完全に、君の内面深くから

ねえ君、自分が何をしているか、考えてみなよ
外に出たら、ストリートじゃすべて自由だ、
そんな風に考えているのだろう
君はただ、金儲けの道具に過ぎないのに
君はただの──愚か者さ

心の底から、戦ってみろよ
背後から、襲いかかれ
本心から、戦ってみろ
両手を縛られちゃ、勝てはしないさ
心の底から、戦ってみろ
本気の本気で、戦ってみろ
完全に、君の内面から


 ロジャーの作です。当時大流行していたパンク・ロックのアーティストたちに向けて書いたと、 言われています。
「口先や、うわべのアティテュードだけなら、なんとでもなるさ。世の中を変えたいって言うの なら、本気を見せてみろよ」という感じでしょうか。としたら、かなり強烈な挑戦ですね。 「生涯ロックンローラーでいたい」と言うロジャーの気概がこもった曲と言えます。




ゲット・ダウン・メイク・ラヴ

盛り上がって、愛し合おう
燃えて、愛し合おうぜ
思いっきり、愛し合おう
本気になって、愛し合おうぜ

俺の肉体を貪るがいい
おまえを熱くしてやる
おまえは飢えてると言う
なら、肉をやろうじゃないか
おまえの心を吸い取ってやる
おまえは俺の頭をふっとばす
愛し合おう
おまえのベッドの中で
さあみんな、本気で愛し合おうぜ

俺がホットになるといつも、
おまえは冷めたがる
俺がハイになるといつも
おまえは我にかえっちまったと言う
もう充分、おまえはそう言う
本当いえば、行き過ぎだと
いつも俺は――本気で――燃えて――愛し合うんだ
盛り上がって、愛し合おうぜ

強く抱きしめてやる、俺を揺さぶっていいぜ
感じるぜ――おまえが俺を突き放すと
ものすごくヘヴィーな気分だ――おまえがしがみついてくると
愛し合おうぜ
愛し合おう、みんな、本気で愛し合おうぜ

俺がハイになるたび
おまえは冷めちまったと言う
俺がホットになるたび
おまえはクールになりたいと言う
もう充分、と、おまえは言う
本当を言えば、行き過ぎだと
さあ、本気を出して、盛り上がって
思いっきり、愛し合おうぜ


キターーーーーーーーーーーーッ!! (思わず2ちゃん風)

ということで、QUEEN全曲訳を考えた時、最大の障壁となって立ちはだかったのが、 この曲と、「Body Language」なのでした。(大汗)
バンド時代、「Get Down Make Loveを日本語でやる」と言うのが、下ネタジョークと なったくらいですから・・しかし、しかし、全曲制覇のためには避けて通れない壁、 いずれやらなくてはならないのなら、他の曲といっしょにやってしまおう、もう乙女ではなし(^^;) 、このくらいでビビっていては、小説のラヴシーンは書けんぞ! (なんのこっちゃ!?)

まあねぇ、間接的には示唆されている曲というのは、他にもいくつかあるんで、 ロックンロールの普遍的な命題の一つである以上、仕方ないとは言えますが、 ここまでストレートだと、やっぱり訳すのは、少々気が引けますね。




うつろな人生

僕は街に住んでいる、普通の少年だった
トランペットが、たった一つの玩具だった
生まれた時から
ラッパを吹き鳴らしていた
でも誰もそんなこと、知りたいとは思わないだろう

歩道の上で眠り
転落していった
空腹にはなったんだろうけれど
でも、家に帰りたいとは思わなかった

コーナーを曲がって、リムジンがやってきた
今まで見たこともないほど、満面に笑みを湛えた(男が)
おいで、坊や、
この点線のところにサインしてくれないか
なんだって、からかってるのかい?
本気じゃないんだろう?

歩道の上で眠り
堕落していた僕
空腹にはなったかもしれない
でも、家に帰りたいとは思わなかった

(それからどうしたか、教えよう)

連中はテーブルもない部屋に連れていって
そして言った。
「ここで、トランペットを吹いてごらん」
僕はありったけ上手に吹いてみせた
そしてすぐに、その年一番のヒットとなったんだ

僕は国中の伝説になった
百万人のファンを前に吹いた
まずいことなんて、一つもなかった
誰もがみんな聞きたがり
僕は幸せな男になったと、そう思うだろう

僕はまるで姫君のように眠った
道路を歩くことさえ、まったくなく
空腹を感じることもなかった
当然、家に帰りたいとも思わなかったさ
(何か、もっと面白いことはないかな・・)

今じゃ、僕は流行遅れだと言う
そして一年で、とんでもない借金を作ってしまった
僕はお気に入りのレーベルとの契約と、ツアーを主張した

結局、僕は路頭に迷い
また昔のゲームを繰り返す

歩道の上で眠り
転落してしまった僕
おなかもすいた
家に帰りたい


 ブライアン作のブルースです。絵に描いたような地獄から天国へ、また地獄へ、というパターン ですね。ホームレス生活も若い頃はまだ希望もあって良かったけれど、栄光を知った後では こたえる、と言うところでしょうか。ここまで派手に転落する人も、そういないと思いますが。




恋の行方

6時半に約束したのに、君は7時にやってくる
いつもそうだ、僕は君に引きずられてばかり
少しばかり、つけあがっていないかい、君
いつも僕を待たせてばかりで
僕の言うことを、ただの一度も、まじめに考えてくれないなんて
こうなったとしても、驚きはしないよ
僕はバカだ、君の嘘を信じてたなんてね
でも今、その見せかけの下にあるものが、やっと見えた
誰が、必要とするだろう、少なくとも、僕は要らない
誰が君を必要としてくれると思う?

ああ、君を信じていたのに
君の前にひざまずいたものなのに
どんなに君を信頼していただろう
それなのに、君は僕を拒絶した
でもこの世は、食うか食われるか、世知辛い世の中だ
そのうちに君は、傷ついて血を流し、床に倒れ伏したまま、取り残されるだろう
手を差し伸べながら、救いの手を求めて、手を差し伸べながら
でも、その救いの手が、いったいどこから来てくれると思うんだい?
(そんなもの、来はしないよ)

今まで、どんなにいいように扱われてきたことか
「あなたをがっかりさせるつもりなんか、ないわ」
君は僕を踏みつけにして歩いた
「でも、あなたは今まで、折れてくれたことはないの?」
一歩前に踏み出すごとに、二歩後ろに滑り落ちていく
このうつろな気分を、君は決して忘れることは出来ないだろう
手を差し伸べながら、救いを求めて、手を差し伸べながら

会う時はいつも、君は魅力的だった
君を僕のものにしてしまうまで、夜も眠れなかったものだよ
君は本当に素晴らしく洗練され、世慣れていて、
僕の言うことに、決して興味を持ってはくれなかった
僕は自分のプライドを、飲み込まなければならなかったんだ
とてもナイーヴだったから、君にすっかり乗せられてしまった
でも今、僕は心を決めたよ
誰が必要としてくれるのかい? 僕は、要らないよ
誰も君を必要となんて、してくれやしないさ


美しく魅力的だけれど、わがままで不誠実な女性に、ついに愛想を尽かして決別する、という感じです。 「そんなふうだと、今に誰も相手にしてくれなくなるぞ」と言う捨て台詞、それとも忠告を残して。
 でもなんとなく、まだ多少未練を残していたりして、もし本当に誰にも相手にされなくなったら、 後悔して自分のところに戻ってきてもいいよ、というふうな含みを感じてしまうのは、 軽快な曲調のせいでしょうか。

ところで、「Taking one step forward, slipping two step back」と言うフレーズを聞いて、 「♪3〜歩進んで2歩下がる」と、「365歩のマーチ」を思い出してしまう私は、年ですねぇ、 と、自分で思ってしまいます。(大汗) そっちはとりあえず、それでも1歩進むけど、この曲のように1歩進んで 2歩下がったら、結果的に1歩下がっちゃいますね。あたりまえですが・・




イッツ・レイト

シーン1

君は僕を愛していると言う
でも僕は、君の名前すら知らない
ろうそくの明かりの元、君を愛していると言っても
僕一人がその責めを負えばいいことだ
でも僕の中の何かが
僕の気持ちを背けさせた
ああ、もし君を引き止めることが出来たら
どんなに君を愛せたことだろう

遅いんだ――そして僕は心の奥深くに血を流し、傷ついている
遅いんだ――僕の情けないプライドのせいなのか
遅すぎる――今でも、思いがすり抜けて行ってしまうような気がするよ
もう遅い――どんなに叫んでも、君の言葉が聞こえてくるのを止められない
遅いの、遅いの、遅いのよ――
でも、遅すぎはしない

シーン2

君の僕に対する愛は、
あたうる限りもっとも素晴らしくて甘い愛
でも、僕らが過ごした時間はいつも
僕が懸命に努めるほど
余計に君を落ち込ませてしまうようだ
今、君は僕の元を去って行くと言う
本当なのかい――僕は信じられない
ああ、君のおかげで、僕は君を愛することが出来たのに
もう終わってしまった、なんて言わないでくれ

遅いんだ――そう思うと、僕は気が狂いそうになる
遅いんだ――でも、僕にそう言おうとしないでくれ
遅すぎる――まだ僕らの愛を救うことは出来るはず、
      その光を消してしまうなんて、君には出来ないはず
もう遅い――僕が悪かった、でもこれから良くなるように努力するから
遅いの、遅い、遅いのよ――
でも、遅すぎはしない

――こんなに長い間、僕はずっと
――こんなに長い間、君はずっと
――こんなに長い間、僕らはずっと上手くやろうと勤めてきた
――僕は、そんなに長くはいられない
――君も、そんなに長くはいられない
――僕らは知るべきだ、人生とはなんなのかを

シーン3

君はその瞳に疑いをいっぱいにして、
僕をじっと見つめる
君は言う、あなたは何のゲームをしている気なの?
あなたが言いたいことは、いったい何なの?
わかっている、僕には何も答えられない
今夜、君を強引に屈服させるなら
僕の人生はすべて偽りになってしまうのだろうか
ああ、君は僕を悩ませる
僕はまっとうな生活をしてきたんだろうか、と

遅いんだ――でも、自分を解放していい時かもしれない
遅いんだ――でも、他にやりようはなかったのかもしれない
もう遅い――だから今夜は、せめてこの身体に火をつけ、燃えよう
遅すぎる――そして僕らの罪を水に流し、潮の流れと共に行かせよう
もう遅い、遅い、遅いんだ、
遅い、遅いんだ、もう遅い
すべてはもう、遅すぎるんだ


愛していながら、お互いの気持ちがかみ合わず、修復に努めようとがんばっても、 結局終焉を迎えてしまう。良くある話といえばそうですが、やるせない話でもあります。
内容は現実的で、でも曲調はドラマティック、ある意味このミスマッチ的な感覚が 面白いと言えるかも。




マイ・メランコリー・ブルース

また一つパーティーが終わり――
僕は冷たい現実の中に取り残される――
愛しい人は僕を捨て、別の誰かの元に行ってしまった
もう、その話はしたくない
忘れたいんだ
その特製ドリンクに、酔いしれていたいよ
だから来て、僕をそっとしておいてくれ――
この沈みこんだ気分に浸らせておくれ――
僕の心は、いつもふさぎ込んでいる
だから――
完璧な振る舞いなんて、僕に期待しないでおくれ――
お日様のような微笑もだよ
僕はどんよりと雲の垂れ込めた空のような、そんな気分なんだから
もうすぐ嵐がやってくる、でもその中に突き進んで行く僕を
止めようとしないでおくれ――
この新しい仕事のために
僕は軽い騒ぎを引き起こすだろう
この特別な気分の中に、僕は永遠にとどまりつづけるのだろう
だから今は、何処かへ行くべき時だ
その時には、いっしょに連れて行かせておくれ――
僕の、憂鬱なブルースを――

この新しい事態は
軽い騒ぎを引き起こすことだろう
僕は渦中の人となる
人目にさらされているという新しい環境に、慣れなくては
だから、僕のこの閉ざされた世界の中に入っておいで
そして、そこで出会うといいよ、僕の――
憂鬱なブルースに――


Freddieは結構失恋の歌が多い気がしますが、たぶんに私生活の体験も混じっているのでは、 という感じもします。有名人としての自分の立場というものも、詞の中に示唆されているような 気がしますし、憂鬱でも悲しくても、それにどっぷり浸っていられない立場のやるせなさ、 というもの漂っているように感じてしまうのですが、深読みしすぎでしょうか。

ただ、失恋系の歌でも、なぜかあまり悲壮感はなく、一種の優雅さというか独特の高貴な感じが してしまうところが、Freddieの個性かもしれません。




個人的レビュー

 基本線は前作と変わらないと思うのですが、少々サウンドの贅肉を落として、よりシンプルに力強さを前面に出した作品だと思います。
 前作は、ややオーバープロデュース気味との批判もあったので、そのせいもあるのでしょうか。装飾よりも、よりスポンティヌアスな(自発的な、自然な)ものを目指したという感があります。
 『ウィ・ウィル・ロック・ユー』と『ウィ・アー・ザ・チャンピオンズ』は、今でもプロスポーツの試合に欠かせない、定番曲ですね。 『ウィ・ウィル〜』は、故アンディ・フグも入場テーマ曲にしていました。

個人的ベスト3

  1. FIGHT FROM THE INSIDE  
  2. SPREAD YOUR WINGS
  3. ALL DEAD,ALL DEAD




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