The Miracle



Party
Khashoggi's Ship
The Miracle
I Want It All
Invisible Man
Breakthru
Rain Must Fall
Scandal
My Baby Does Me
Was It All Worth It

日本盤 ボーナストラック
Hang On There
Chinese Torture
The Invisible Man (12inch Version)

個人的レビュー


パーティー

一晩中、ご機嫌な時を過ごしたんだ
まん丸な月が出ていてさ
僕らはプレイを始めた
だけど一晩明けて、朝の冷たい光が照らしている
パーティは終わったのさ
恋愛もたっぷり、最高に洒落ていた
セックスもさ。何が必要なのか、自分で良くわかってる
戻ってきて、もう一度遊ぼうよ
戻っておいで、遊ぼう。戻ってきて、遊ぼう
一晩中だって、一日中だって良いさ
みんな何処かへ行ってしまった
戻ってきて、もう一度遊ぼうよ
戻っておいで、遊ぼう。戻ってきて、遊ぼうよ
戻っておいで、遊ぼう――パーティだ

誰かの顔めがけて、フードファイトだ
一晩中歌いまくって
追いかけっこをしよう
一晩明けて、冷たい日の光が照らす頃には
みんな二日酔いさ
戻ってきて、遊ばないか、戻っておいでよ、遊ぼう
一晩中だって、一日中だって良いさ
みんな何処かへ行ってしまった
戻ってきて、もう一度遊ぼうよ
一晩中――1日中
一晩中、遊び明かそう
戻っておいで、戻ってこいよ、戻って、戻ってきて、戻っておいでよ、遊ぼう
さよなら、さよなら、さよなら――パーティは終わりさ




カショーギの船

パーティーはすっかり終わって知ってしまったなんて、誰が言った?
僕はなかなか良い調子なんだよ
僕の人生の最良の部分は、超新星のようなものさ
そう、言ってみれば、絶え間ない狂気だ
みんなが僕のワインに酔っ払い、僕の様子伺いをして
それからカショーギの船の上で、休日と洒落こんだのさ

本当に、楽しい時を過ごしたよ、みんな、とってもセクシーでさ
みんなイカしてて、ひどく酔っ払っていて
こうしてみると、なかなか素敵なトリップだった
君の頭ほどもあるでっかいこぶしを持った、このとんでもなくひどい奴は
僕を捕まえたがった、僕はどこかへ行くよ、と言ったけれどね
ケツにキスでもしろ、と言ったんだ
奴は銃を取り出して、僕を逮捕したがったよ
僕は言ったさ、ああ、ベイビー
聞けよ、誰も僕のパーティーの邪魔をするな
僕のパーティを止められる奴なんか、いない
誰も、誰も、誰一人として、僕のパーティを止められないんだよ
だから言ったろう

徐々にやっていくんだ、そして酔っ払うのさ
完全に重なり合う、そのためにね
僕のおごりだ、だからちゃんとやらせてくれよ
このパーティは真夜中にならないと、始まらないのさ
左でもパーティ――
右でもパーティ――
左――右――いたるところで

誰も僕を止められない――


 これは2曲で一つながりのようです。Freddieは本当にパーティ好きだったようで、元気な頃は しょっちゅうパーティを開いていたそうです。リック・スカイという人の書いた、「フレディ・ マーキュリー、華やかな孤独」という本によると、そのパーティはいつも大変派手で、奇抜で、 贅沢だったとか。華やかな喧騒、乱痴気騒ぎ、非日常――ただ、この曲が書かれた頃には、健康上の理由で、そんな かつての生活から離れていたので、回顧的な意味であの時代を懐かしんだ、と言う感じかもしれま せん。
 パーティを止められない、非日常世界に浸っていたい、という思いは、逆説的に考えると、寂しい心理を感じさせるようで、ある種切なさも 感じます。が、しかし、Freddieは人生に後悔はしていなかった。この時代を、きっと心から楽しんだのでしょう。

 ちなみにカショーギの船の「カショーギ」と言うのは、アラブの武器商人にして大富豪の、アドナン・カショーギさんという人のことらしいです。




ミラクル

サハラ砂漠に降る雨、その一滴一滴が
言ってみるならば、奇蹟
神が創りたまいし、あらゆる命は
大きくとも小さくとも、
タージマハールの黄金の扉も
すべては奇蹟
すでにこの世にいない親から
試験管ベビーが生まれる
それは奇蹟

地上に存在する奇蹟は
母なる自然が与えたまいしもの
世界に奇跡は奇跡は起こりつづける
バビロンの空中庭園のように
クック船長、カインとアベル、ジミ・ヘンドリックス、バベルの塔
すべては奇蹟

僕らみなが待ち望むものは、
地上の平和、戦争の終結
僕らには、奇蹟が必要だ
奇蹟、それは今日僕らが待ち望んでいるもの

あらゆる木々の葉、一枚一枚が
それは奇蹟になり得たのだと、物語る
もしストリートに生きる子供たちがみな
着るもの食べるものを与えられるなら
それは奇蹟
もし神が人々を自由にし、
完璧な調和の中で生きられるならば
それは奇蹟

地上におきる奇蹟は
母なる自然が与えたまいしこと
心臓手術、日曜の朝の、一杯のお茶
超大国は戦い続けるが
モナリザは微笑み続ける
それは奇蹟、そう、奇蹟

世界に、奇跡は続く
それは奇蹟、そう、奇蹟
僕らがみな待ち望んでいるものは、
地上の平和、戦争の終結
僕らには、奇蹟が必要
そう、奇蹟、奇蹟が
地上に平和あれ、そして今、戦争に終結を

僕らみんな、あらゆる人たちと友達になれる
そんな日が来るだろう・・


 この世の真理、もしくは理想を正面から取り上げたという意味で、QUEENには珍しい歌詞かな、 とも一瞬感じました。でも、もともと彼らにはユーモアと同様に、こう言うシリアスな面も併せ持つバンド だと思います。平和も博愛も、奇跡でしかなし得ないというのは、少々切なくもありますが、でも奇跡はいつも起きている、 と力強く言いきってくれるのが、ポジティヴで救われた気分になります。重くならないところも、彼ららしいと思います。




アイ・ウォント・イット・オール

がらんとした通りで、冒険を求める奴
ただ裏通りにたむろし、機敏に動き回る
疑っている間はない
若き闘士が叫びを上げる
その苦痛と怒りに
はけ口が見出せず

ききたいことは、そう多くない
あいつが言っている
見失ってしまった未来を
見つけるんだ
すべてが欲しい、すべてを欲しい、今、すぐに
すべてが欲しい、すべてを欲しい、今、すぐに

みんな、聞いてくれ、
まわりに集まってくれ
おまえたちみんなの足元を揺るがすような
ゲームのプランがあるんだ
俺のだと判っているものだけでいい
そいつをよこせ
聞こえているのか、みんな
だったら、合図だけしてくれ

聞きたいことは多くない
真実が欲しいなら
若者たちの夢に
未来に乾杯だ
すべてが欲しい、すべてを欲しい、今、すぐに
すべてが欲しい、すべてを欲しい、今、すぐに

僕は一つのやりかたしか、考えられない人間だ
人生には、やらなければならないことが、あまりにも多い
(みんな、聞いているかい?)
妥協はしない
あれこれ考えたりもしない
偽りの人生もたくさん
そんな人間だ
だから、僕は全力で生きる
丸ごとすべてで生きる

聞きたいことは多くない
真実が欲しいなら
未来に乾杯しよう
若者たちの叫びを聞くがいい
すべてが欲しい、すべてを欲しい、今、すぐに
すべてが欲しい、すべてを欲しい、今、すぐに


 若者たちのフラストレーションや野望がテーマなのだと思います。「全部ほしい」というのは、 貪欲ではなく、夢の大きさなのだと。We Will Rock Youにも通じるテーマかもしれません。
 ちなみにこの曲、クレジットはQUEENですが、Brian主導の曲だとバレバレですね。彼らしいこの手の ハードロック、個人的に好きです。




インビジブル・マン

僕は透明人間
僕は透明人間
信じられないだろうけれど
僕は透けて見えるのさ

物音が聞こえるけれど
それがなんなのかわからない時
なにかが動く気配がするけれど
なにもその痕跡が見えない時
君のベッドの端っこに
なにかが座っている
僕を踏んづけた音が聞こえたら、
寝返りは打たないでくれよ

僕は透明人間
僕は透明人間
まったく信じられないことだけれど
僕を透かして見てごらん
僕は透明人間
僕は透明人間
僕の存在そのものが、犯罪者さ
僕は透けて見える

今、僕は君の部屋にいる
君のベッドの中にいる
そして、僕は君の生活の只中にいて
君の頭の中にまで入りこむのさ
まるでCIAか、FBIのように
君は近づくことさえ出来ない
生きたままのこの僕を捕まえるなんて、決して出来ないのさ

僕は透明人間
僕は透明人間
どれほど信じられなくたってさ
僕を透かして見てごらん
僕は透明人間
僕は透明人間
犯罪者にだってなれる
僕は透けて見えるのさ

ハ、ハ、ハ、ハロー
ハ、ハ、ハ、ハロー
ハ、ハ、ハ、ハロー、ハロー、ハロー

本当の良き友なんて、決して作れない
男の子とも、女の子とも
僕がどんな思いをしてきたかなんて、誰も知りはしないのさ
僕の旗を広げさせてくれよ
だから僕は世界の淵から、名を挙げたいさ
世界の端っこから
世界の端っこから

今、僕は君の後をつけている
僕は君の心の中にいる
そして君の背後にいる
でも、振り向かないでくれよ
僕は君の、もっとも卑しい思い
僕は君の、いちばん暗い恐怖
でも、僕を捕まえることは決して出来ないさ
僕を揺さぶることも出来ない、揺さぶってみなよ、ねえ

僕は透明人間
僕は透明人間
信じられないことだけれど
僕を透かして見てごらんよ
僕は透明人間
僕は透明人間
僕のやり方は犯罪的さ
僕は透けて見えるんだ

僕を見てくれよ、僕を見てくれ


♪透明人間〜あらわる、あらわる〜(古!) 思わず頭の中に、そんなフレーズが。(汗)
 マイケル・ジャクソンっぽいビートにのって、非常にノリの良い曲ですが、決して人から認識される ことのない透明人間の悲哀というものも感じさせます。
「♪ 現れないのが、透明人間です〜」 




ブレイクスルー

愛が破れた時
夜明けの光がさし染める時
新しい生命が生まれる
なんとか、最後の一押しができたら・・今

気分良く、目覚めた
君の面影が、心を満たした
僕はあっという間に、君の信者になった
だって君はまるで、神のようだったから
ねえ、君が何かに触れると
自分に触れられたような気になるよ
僕は君の手の中、君に魅了されているんだ、わからないかい

ただ、君に手が届きさえすれば
ただ、君を微笑ませることさえできれば
ただ、君に手が届きさえすれば
まさにそれが突破口となるだろう、そうさ

突き破ろう、この痛みの障壁を
突き破ろう、雨の中から太陽の下へと
僕の気持ちが、君に伝わるように
この心の中をさらけ出して、君に見せられたら
なんとかして
飛び出さなくては、今すぐに

君の微笑みは
僕を支配する
君が僕を見るそのたびに
僕は粉々になりそうな気分だ
ねえ、君は僕の心の奥深くに、何かをもたらした
ねえ、君が何か言うたびに、
僕の心は燃えあがるんだ
もう、自分を押さえられない
まっさかさまに、この快楽の中に飛び込んでいくだけ

ただ、君に手が届きさえすれば
ただ、君を微笑ませることができれば
ただ、君に手が届きさえすれば
まさに、それが決定的な大飛躍になるのに、そうさ

ただ、君に手が届きさえすれば
ただ、君を微笑ませることができれば
ただ、君のところに行けさえすれば
本当に、ついにブレイクするだろう
突き破るんだ──


 あまり説明の必要はなさそうなラヴソングですが、疾走感が耳を引きます。Breakthrough――ブレイクする、 なんて洒落のようですが、ニュアンス的にはそんな感じがします。ほかにも、ちょっと深い含み、あるかもしれませんが (Get Down, Make Loveのような‥‥いえ、勘ぐりすぎかもしれませんが(大汗))




レイン・マスト・フォール

君の運勢が見えるようだよ
人生はときめきに満ちて
突拍子もない行動をして
君の世界は、魅力が一杯
まったくクールな振る舞い
そして、神秘的な面持ち
君の毎日は、あふれんばかりの日光に満ちている
でも、どんな人生でも、少しばかりの雨は降らなきゃならないのさ

想像力のある人なら
知識でなら、君をまいらせることができるだろう
富や財産で
君を圧倒することもできるだろう
でも、支配するのも、褒美を与えるのも
それができるのは君だけ
成功し、認められた君
それでも、どんな人生にだって、少しくらいの雨は降らなければね

お伽話のような経験をしている君
でも、どんな人生にも、少しばかり雨は降らなきゃならないのさ
君は大げさすぎると
他の人たちは思うかもしれない
今悩ませている問題は、
それほど驚くべきことじゃない
他人の意見を変えさせるために
君ができることなんて、ほとんど何もない
君は曇りなき評判が欲しいのだろうけれど
今、ちょっと面倒なことに直面しているんだね
なぜなら、どんな人生にだって、少しくらい雨は降るものだから


 まあ、人生良いことばかりではない。ずっと晴れ続きというわけにはいかない、という感じでしょうか。 雨というと、多少のつまづきとか障害のイメージだったりするわけですが、雨が降らなければ砂漠になっちゃうように、 ある程度は必要、ということだと思います。夢占いでは、雨はまた、情感のイメージでもあるのですし。




スキャンダル

スキャンダル──今、君は僕を、衆知の目にさらそうとしているんだね
スキャンダル──僕らの人生は、そうしてフリークショウと化すんだ
心の痛みも、僕らの恋の終局も、そして僕の嘆きも
すべては見世物になる
何度も何度も、僕は言うのだろう、
「後生だから! お願いだ!」と

スキャンダル──僕の傷は決して癒されることのないまま、放り出される
スキャンダルよ、世界中で僕らは馬鹿にされ、笑いものにされる
ほら、悪い知らせだ。水門を空けろ
僕らは血を流したまま、放っておかれるんだ
何度だって繰り返して言うよ。
あんたたちは、けちな奴だと

だから、見つめていさえすれば、わかってしまうんだ
本当に個人的なことなのに
人は僕らを空中に放置し、そして、気にしているのだと僕に言う
それはゆがめられ、壊された人生だと言うのに
心の痛みも、僕らの恋の終わりも、そして僕の嘆きも
すべて見世物になる
何度も何度も、僕は言うのだろう
「後生だから、お願いだから」と。

スキャンダル、そうさ、おまえはまた僕の心を引き裂こうとしている

今日、大見出しが出ると、明日には苦難が待っている
そして嘘から出た真実のことは
誰も知らない
そして話題が尽きる時、その核心は深みに隠されてしまう
もっともっと奥深くへと
スキャンダル…


 スキャンダル――彼らも苦労したのでしょうね。とくにFreddieはAIDS疑惑をネタにもされたらしいですし。 いわゆる「Human Interests」――人間的興味ゆえにワイドショーやスポーツ新聞に惹きつけられるのですが、 マスコミにさらされる当人たちにとっては、たまったものではないのでしょう。思わず、パ○ラッチに追跡された挙句事故死されてしまった 某国の悲劇の王妃を、連想してしまったりもしました。マスコミが暴力となりませんように。




マイ・ベイビー・ダズ・ミー

僕のベイビー
僕のベイビーは
僕に良くしてくれる
僕のベイビーは
たぶん僕のベイビーは
僕に良くしてくれる

僕のレディーは
わかってくれる
僕のことを、良くわかってくれる

彼女はわかってくれる
彼女は僕を理解してくれる
僕のことを、良く理解してくれる

僕のベイビーは気遣ってくれる
彼女は気遣ってくれる
何が僕にとってちゃんとしたことなのか、彼女は知っている
僕に良くしてくれて、それから彼女は僕をひどく傷つける
僕をきりきり舞いさせて、それから僕を放り出す
その気にさせておいて、ノーと言う
彼女は気紛れな、子猫ちゃんさ

僕のベイビーは僕を愛してくれる
愛しいあの子は僕を愛してくれる
僕のベイビーは僕に手錠でつなぎ
気にかけていると僕に言っておいて
別の日には、僕を愛していないと言う

彼女は本当に、本当にやってくれるよ


 これは、気紛れな恋人に振りまわされるという、良くあるパターンでしょう。 (これはもしかしたら、Johnの詞?―― いえ、この人こう言う曲が多いような気がするので。あくまで個人的な主観ですが)




素晴らしきロックンロールライフ

僕の人生に、何が残されているのだろうか
かつて目指したものを、達成できただろうか
僕は幸せな人間なのか、それとも砂の中に埋もれていくだけだろうか
すべては、価値あることだったのだろうか
それだけの意義はあっただろうか

ねえ、僕の話を聞いておくれ
そのことについて、話したいんだ

僕らはドラムセットを買い、自前のトランペットを吹き鳴らした
ロードに出て演奏した、僕らは完璧だと思った
その価値があったのだろうか
全身全霊を傾けて、夜通し働いたことが
その価値はあったのだろうか
ロックンロール(の精神)を呼吸しながら生き
神に見放されたような生活を送ったことは
それだけの価値は、あったのだろうか
今までの年月、ずっとしてきたことは
それだけの意義があったのだろうか

先のことなんて考えずに、自らの金を投資した
勝っても負けても、気にはならなかった
そうさ、僕らは不道徳なこともした
そう、圧倒することだって、できただろうさ
そうさ、僕らは空腹だった
そう、輝いていたさ

目的に向かって懸命にやった
ひどいサーカスのようにね
僕らは伊達男
死ぬほど君たちを愛しているよ

その価値はあっただろうか
それは価値あるものだっただろうか
身を持ってロックンロール・ライフに生き
神に見放されたようなこんな生活を送ったことが
その価値はあっただろうか
攻撃的でぶっきらぼうな振る舞いをした時もあったけれど──

バリに行って、神とダリを見たこともある
本当に神秘的で、超現実的(シュールリアリスティック)だった

その価値はあっただろうか
全身全霊を傾けて
夜通し働きつづけたことは
はたして価値あることだっただろうか
ロックンロールライフにひたって生き
終わりなき戦いを続けたことが
その価値はあっただろうか
はたして意義のあることだっただろうか

そうさ、みんなたしかに、価値ある経験だった
その価値はあったよ


 これまでQUEENとして歩んできた反省を振り返っているような、非常にパーソナルな要素の強い歌だという気がします。 当初は、「ああ、もうQUEENも過去を振り返るような年になったのかなぁ」という妙な感慨を感じたものですが、 今思い返すと、別の感慨を感じます。Freddieはもうこのころ、自分の運命を知っていたわけですから、それでも 「悔いはなかった」と言い切れることに、切なさと救いを感じました。
 ところで邦題の、「素晴らしきロックンロールライフ」――一つ間違うと、ちょっとダサいかもしれませんが、 結構良いと、私個人的には思えます。





ハング・オン・ゼアー

行かないで、君の奥義を見失わないでくれ
もうちょっと待ってくれないか
明日は、新しい宴をもたらしてくれるから
行かないで、君の評判を落としてしまうよ
君がまだ元気で、神に感謝したいよ
君はまだ、しゃんとしているね

踏みとどまっておくれよ、欲望を失わないでくれ
そこに踏みとどまってくれよ、危険なサインなんて、忘れて
魔法の瞬間が来るように祈れば、それはやってくるさ
(失った感情のために戦うのは、やめなよ)
夜明けを待ってごらん
そうすれば、すべてがはっきりするから
(まっすぐ前を見るんだ、まっすぐ前を見てごらん)
踏みとどまってくれ、そこに踏みとどまるんだ

君の望みは叶えられるだろう
君が抱えている問題はすべて、消えてなくなるさ
バカなまねはやめなよ、君はまだ頂上に達していない
君の中を、車が猛スピードで駆け上る
君の人生は、まだ不完全さ
踏みとどまるんだ、そこに踏みとどまるんだよ

魔法の瞬間が来るように祈れば、やってくるさ
(その瞬間を待っていなよ)
太陽が昇るのを、待っていてごらん
じっと見守っていてごらん、はっきり見えてくるから
さあ、行こう、さあ、行こう――オーケィ、今が変化の時だ
さあ、そこに踏みとどまりなよ
そこに踏みとどまるんだ


 ――抽象的で、色々な意味に取れそうな歌詞ですが、個人的な連想では、冒頭2曲の「パーティ騒ぎ」に通じるものを感じてしまいます。





個人的レビュー

 『ザ・ゲーム』以降、メンバー間の対立がかなり深刻になり、崩壊寸前だったバンドを救ったのは、『ライヴエイド』でした。久しぶりのライヴのエネルギーに触れた彼らは最高のパフォーマンスをし、観客たちも熱狂的に応えました。
 そして再びバンドとしての求心力を取り戻したクイーンは、長年騒動の元となっていた印税配分問題を解決するべく、すべての曲を『QUEEN』の統一名義でクレジットすることになりました。そして出来あがったのが、このアルバムです。
 ソリッドでシンプルですが、それでも彼らならではの華やかさを失わないサウンドと、バラエティに富んでいるけれど、ピッと一本筋の通ったクオリティの高い楽曲を聞くことが出来ます。
 まさにこの時、クイーンとしての新しいフェーズがスタートしたのでした。もしこの後何もなければ、他のバンドと同じように、ベテランらしい安定を見せながらも様々なバリエーションを経て熟成していったことでしょう。
 でもフレディは、この時すでにわかっていたといいます。彼にとっての未来は、時限付きだということを。

個人的ベスト3

  1. I Want It All  
  2. The Miracle
  3. Scandal




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