Innuendo



Innuendo
I'm Going Slightly Mad
Headlong
I Can't Live With You
Don't Try So Hard
Ride The Wild Wind
All God's People
These Are The Days Of Our Lives
Delilah
The Hitman
Bijou
The Show Must Go On





イニュエンドゥ

太陽が空に留まり、砂漠には砂が満ち
海に砕ける波が、陸地と巡り合い
そこには風があり、星があり、虹があり
そうして山々が崩れ落ち、平原に姿を変えるまで
そうさ、僕らは努力を続けるだろう
その細く、明瞭な境界線の上をたどって行こうと
そう、僕らは試みつづけるだろう
日々を暮らす、ただそれだけのために

それぞれの人種や肌の色や教義に従って、僕らは生き
盲目的な狂気と混じりけない欲望の虜となっている、その間にも
僕らの人生は、伝統と迷信と、偽りの宗教に捕らわれている
未来永劫、果てしなく

そうさ、僕らは努力を続けるだろう
その細く、明瞭な境界線の上をたどって行こう
そう、僕らは試みつづけるだろう
終わりの時が来るまで
時が、終わりを迎えるまで

栄華の時にも、いつも悲しみがつきまとう
僕の皮肉に、気分を損ねないでくれ

君はなんであれ、そうなりたいと望んだものになれる
そうなれると思うすべてのものに、なればいいだけのことさ
君自身のテンポで、自由になるんだ、気楽に、自由に
君のエゴに屈してごらん、自由に、自分自身を解き放つんだ

この空の下に、どんな種類のものであれ、正義の神がいるなら
そこに目的があり、生きることや死ぬことの理由があるなら
僕らがどうしても問いかけたい質問に、答えがあるのなら
姿を見せてくれ――僕らの恐れを打ち砕いて――その仮面を取り去ってくれ

ああ、僕らは試みつづけるだろう
そう、その細く明瞭な境界線を辿ろうと、
そうさ、僕らは微笑みつづけるだろう
どう言うものになろうと――どうなろうと
僕らはそうしようとし続けるだろう
そう試みつづけるだろう
その時が、終わりを迎えるまで
終わりの時が来るまで


Innuendoは、風刺、当てこすり、と言う意味ですが、なんに対しての風刺かというところが、かなり抽象的な感じがします。
そして、この先の運命を知っている今だからそう思えてしまうのかもしれませんが、なにか大きな運命というか 世界に対して、最後まで努力を捨てない、と宣言しているようで、切なさも感じてしまいます。
めまぐるしい曲展開の中、一貫して、あくまで前向きに行こうとする力強さも。
余談ですが、曲途中のフラメンコギターパートは、Steve Howeなんですね。意外(?)な交流、と言う気がします。

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狂気への序曲

外の気温が上がっていく時
その意味は、この上なくはっきりしている
千と一本の黄色い水仙が
君の目の前で踊り始める――なんてことだ
その花たちは、君に何かを語ろうとしているのだろうか
君はその最後の一個のネジを、なくしつつあるんだ
君は、ちっとも元気そうじゃないね
正直な所、自分が何をやっているのか、わからないんだろう

僕はちょっとばかり、狂っていくようだ
僕は少しばかり、おかしくなっていくようだよ
とうとう、そうなってしまった
とうとう、そうなってしまったよ
ああ、とうとうこんなことになってしまった――僕はちょっとおかしいんだ
なんてこった

僕は1枚足りないカードセット
一文の価値もありゃしない
難破するには、もうひと波足りない
いつもの主役には、今はなれない
僕は熱病にかかっているんだ
本当に、おかしい気分なんだ
まるでふきこぼれたヤカンみたいさ
自分がバナナの木になったような気がするよ

ああ、僕は少しずつ、狂っていくようだ
ちょっとばかり、おかしくなっていくようだよ
ついに、そうなってしまった
とうとう、そうなってしまったよ
ついに、そうなった――僕は、ちょっとおかしいんだ

一本の針で編物をしているような感じさ
どんどん混乱していくんだ、本当さ
この頃、3つのタイヤしかない車で走っているような気がするんだ
でも、愛しい人、君はどんな具合だい?

ああ、僕は少しずつ、狂っていくようだ
ちょっとばかり、おかしくなっていくようだよ
ついに、そうなってしまった
とうとう、そうなってしまったよ
ついに、そうなったしまった
僕は、ちょっと狂ってしまったようだ
本当に、ちょっとばかりおかしいんだよ
だからさ、君の勝ちだ


 ちょっと狂いかけている、少々頭が混乱しているようだ――読んだごとく、そんな感じなのですが、 それが、なんに屈して狂気に陥っていくのか、と言うことを深読みしてしまうと、Freddieの病状かな、 などと感じて、はたまた切なくなったりします。(このアルバム、背景と切り離して考えないと、みんなそこへ 戻ってきてしまいそうですが)

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ヘッドロング

まっさかさまに飛びこんで行く、新しいゴールを目指して
まっしぐらに突き進んで行く、制御を失って
あんだは自分がとても強いと思っているんだね
だけど、なにも止められない
これは、あんたに出来ることなんて、何もないんだよ
あんたに出来ることなんて、ない
これ関しては、あんたに出来ることなんて、何もないさ
そう、ことこれについては、あんたに出来ることなんて、何もないんだ

まっさかさまに飛びこんで行く、新しいゴールに
まっしぐらに突き進んで行く、制御を失って
あんたは自分がとても強いと思っているんだね
だけど、なにも止められない
これは、あんたに出来ることなんて、何もないんだよ
あんたに出来ることなんて、ないんだ

奴はかつて、警棒を携えた男だった
彼女はホットドックスタンドの売り子だった
今や、あんたは洗濯袋の中に、スープをぶち撒いてしまった
あんたは糸を引っ張って、敷物を台無しにしてしまったのさ
あんたはケンカに巻き込まれて
夜中に悲鳴を上げることになる
そいつは、あまりパッとしないな
僕はその安っぽいB級映画を、見物に行きたいよ

ハイウェイをまっしぐらに突き進む
まっしぐらに突き進んで行く、制御を失って
あんたは自分がとても強いと思っているが
あんたには、止められないさ、ロックするのを止められない
出来ることは何もないんだよ
このことに関しちゃ、あんたにできることなんて何もないのさ

灼熱の男が白熱のレディに会ったら
すぐに火がついて、クレイジーな勢いで燃え盛るさ
奴らはあんたの行く所、何処へでも現れて、メチャクチャにするんだ
足元に火がついているから、あんたは歩き出すことすら出来ない
何が良くて、何が悪いかなんて、考えてる暇はない
なぜなら、理性は窓の外に放り投げられてるんだからね
しっかりした方がいい

あんたは突っ走ってる、まっしぐらに…


 なんに向かって突っ走っているのか――見ようによれば、「Dead On Time」に近い、見境なしに突き進んでいる感じの 曲のように思えますが、「DOT」にあったような焦燥感は不思議とあまり感じない気がします。
「なにもできることはないんだよ」という突っ放したような言い方が、ある種の諦めに取れなくもなく、 また、「このアルバム全体がFreddieの遺書である」と言うような、重い見方をしてしまえば、 多少自暴自棄に捕らわれているような感覚にも陥ってしまいます。(呼びかけは「You」であって、「I」ではないので、 その見方は当たっていないのかも、とは思いますが)

 余談ですが、この曲のプロモーションビデオのFreddie、かなり悲壮感漂っているように見えました。

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アイ・キャント・リヴ・ウィズ・ユー

君と一緒には生きていけない
でも、君なしでは生きられない
君を引き止めることは出来ない
でも、君が行ってしまったら、僕は生きていられない
わかっていることはただ一つ、
僕は君と一緒には、生きていけないんだ

辛い時を過ごしているよ
希望と絶望の境界線を、必死に歩いているんだ
僕は気にしてないって思うかもしれないけれど
この悲しみとちゃんと折り合って行くために、
長い道を旅しなければならなかった
夢をつかもうとしたけれど
それらしいものは、何もなかった
大丈夫だ、愛する人はそう言ってくれるけれど
心の奥深くでは、君の心は驚きに固まっているんだね
このエスカレーターの上では
愛するものは、憎むものに変わってしまう

君と共には、生きていかれない
だが、君がいなくては、僕は生きていかれない
君がそこにいたら――僕は息をすることも出来ない
でも、君が行ってしまうなんて、とても耐えられない
今何時かなんて、わからない
わかっていることは、ただ一つ
君と一緒には、生きていかれないということさ

僕らは間違った信念にしがみついているんだ
熾烈な生存競争の中で、罠にはまってしまったんだ
そして、そこから逃れることは出来ない
何か、間違いがあったのかもしれない
僕らは、高い得点を上げようとしている
閉ざされた扉を、通りぬけようとしているんだ
そこには、誰も勝者はいない
僕らは自らの身に対して、罪を犯しただけ
続けてくれ、ベイビー、大丈夫だと言ってくれ
内側からうずく傷が、怒りとなってほとばしる
情熱が、ますます熱く叫びたてる
やるべきことを、やればいい

君と一緒には、生きていかれない
君と共に、過ごすことは出来ない
できない、できないよ
君と一緒には、生きていかれない
でもベイビー、僕は決して君を置き去りにはしないよ

僕は、君と一緒に生きていくことは出来ない
でも君がいなくては、僕は生きてかれないんだ
だって、僕は君に恋してしているから
君にまつわる、あらゆることが(好きだから)
僕は君と一緒には生きていかれない
いや、出来ないんだ、ただ無理なんだ
君と共には、生きることが出来ない
でも君なしでは、僕は生きていかれない

狂気を乗り越え、涙を乗り越えて
僕らはそれでも、お互いともにいる
何百万年も、ずっと――


愛しながら、それが耐えられない。一緒にいたくないけれど、いなくても寂しい、と言う、矛盾した愛情は、実は深い愛の裏返しである、ということは わりと見かけられるテーマでもあります。 ただ、例によって深読みしてしまうと、えらく切なく悲しいものになってしまいますが、曲調は明るいですね。

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ドント・トライ・ソー・ハード

もし君が、なにかを捜し求めているのなら
そんなに一生懸命にならなくていいよ
もし君が、なにか空っぽな気持ちを抱えているのなら
そんなに真剣にならなくていいよ
悩みがまるで山のように圧倒的だと感じている時
なにか答えを見つけることが必要だと感じている時
それをとりあえず後回しにすることだって、出来るんだよ
そんなにシャカリキにがんばらなくていいよ

もしつまずいて転んだら
そんなに遠くへは行かないことだ
もし失敗しても、文句を言うんじゃないよ
幸運の星に感謝するんだね
一口ごとに、ただ味わってみるんだ
あらゆる瞬間を、大事にすることだ
周りに嵐が吹き荒れているのなら
その場にじっとしているといい

そんなに一生懸命、やらなくていいさ
あらゆることを全部、気にするなんて、やめなよ
ルールを作りたがるのは、ばか者だけさ
そんなにシャカリキになるなよ

いつかは君も、上級総長になるかもしれないな
そうしたら、君も得意になるだろう
ひどい命令を、叫んで回るのだろうが
ねえ、そんなに大声でやらないほうがいい
ぴかぴか光るボタンを磨き上げて
ただの羊じゃなく、おとなしい子羊のように装って
だけど、みんなより抜きん出ようとする必要なんて
どこにもないんだよ

ああ、なんて美しい世界だろう
これが、僕のための人生なんだろうか
ああ、なんて美しい世界なんだろう
自分のための、ささやかな人生

ああ、そんなに一生懸命やろうとするなよ
ああ、全部自分で抱えこんだりするなよ
ルールを作りたがるなんて、ばか者のやることさ
そんなに真剣にやるなよ
そんなにシャカリキになるなよ


あるがままの自分、世界を受け止めよう。努力を全否定するわけではないけれど、 がんばりすぎる必要もない、今ある自分、人生を楽しもう、そんなメッセージだと思います。 悟り、といってしまうと、また重くなってしまいますが、まあ、これはその言葉だけを受け止めて、 時には肩の力を抜いてみるのもいいと思います。

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ライド・ザ・ワイルド・ウィンド

気ままな風に乗ろう
(封筒を押しやれ、フェンスには座るなよ)
気ままな風に乗ろう
(のるかそるか、ギリギリの人生を生きろ)
つむじ風に乗ってみな
危なくはないさ――僕にとっては

難しいことは考えるなよ――今夜はドライブにいこう
君の天使のような瞳は、明るく輝いている
君の手を取って――この場所から連れ出したいよ
みんな後ろに置いてきてしまいなよ
煩わしいごたごたから、抜け出そうぜ

気ままな風に乗ろう
気紛れな風に乗っていこう
つむじ風に、乗ってみな
危なくはないさ――少なくとも、僕にとってはね

ベイビー、髪の毛を後ろに束ねて
今夜、ドライブとしゃれこもう
しゃにむに左へ行ったり、わけもなく右に行ったり
時々ゆっくりになるけれど――僕はただ、乗っていきたいんだ
君の手を取らせてくれよ
君を導いて行きたいんだ

気紛れな風に乗ろう
(フェンスの上には座るなよ)
気ままな風に、乗っていこう
(のるかそるか、ギリギリの人生を生きろ)
つむじ風に乗っていこう
危なくはないさ――僕にとってはね

気紛れな風に、乗っていこう


このrideはバイクに載って行く、と言う意味だと思います。個人的にはバイクに乗れないのですが、 バイクに乗ると「風を感じる」「風を捕らえる」と良く言いますので、そんな感覚かも。
風の向くまま、気の向くまま、煩わしいことは忘れて、自由に走って行こう。これはRogerの詞と言われていますが、 なるほど、と納得できる感じです。

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神々の民

それゆえあなた方はみな、自由に
その内なる家に迎え入れられるだろう
人々が自由にいられることを、神に感謝しよう
主の教えに、背を向けてはならない
世界中の総理や元帥たちよ
目を開いて見、触れ、感じるがいい

心に規律を、そして良心に生命を
愛しなさい、愛しなさい
愛しなさい、愛して、そして自由になりなさい
私たちは皆、神の民

顔を上げなさい
大人になりなさい
堂々と立って、強くなりなさい
しっかり向きあって
成長しなさい
堂々と立って、強くなりなさい
顔を上げなさい
私たちは皆、神の民

ああ、そう、そこには魔法の光があり
私は自身に言う
まだ夜早いうちに、床につくべきだったと
そうして私は夢を見ただろうに

貴方の心に規律を、その良心に命を与えなさい

私たちは皆、神々の民
自由にその内なる家に迎えられる
感謝をささげよう、神は信じられないほどの御方

私たちは皆、神の民
私たちは皆、神のもとに作られた民>
私たちは皆、神の人民
私たちは皆、神の民


邦題に一つ疑問が。God'sですから、「神々」ではないですね。キリスト教の概念では、神は唯一のものですから。
もっともFreddieはキリスト教徒でなく、ゾロアスター教で、そこの神様は一人ではないですが、(アフラマスダとアングラマイユ。でも アングラマイユはキリスト教ではサタンと同意ですから、正確には神と呼べないかも)包括的に言って 「大いなる神」としたほうが感じが出ると思います。ともかく、ずいぶん宗教的な詞です。

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輝ける日々

時々、昔に戻ったような感じになるんだ――遠い日々に
子供の頃、若かった頃、すべてが完璧に思えた――わかるかい?
日々はいつまでも終わらないようにみえ、僕らははしゃいでいた――
僕らは若かった
太陽はいつも輝いていて――僕らは楽しみだけを求めて生きていた
時々、昨日のことのようにさえ思えるよ――なぜだかわからないけれど
それからの僕の人生は――ただのショウだった

あれが、僕らの人生の輝ける時だった
ひどいことなんて、めったに起こらなかった
そんな日々は遠くに過ぎ去ってしまったけれど
一つだけ、真実なのは――
ふと目を向けると、わかる
僕は君を、まだ愛していると

時に背を向けることは出来ない、流れに背を向けることも
それはそれほど恥ずかしいことだろうか
まるでジェットコースターに乗っていたようなあの時を
振り返るのも、悪くはないさ
人生がただのゲームに過ぎなかったあの時を
自分がしてきたことをじっと考えても、仕方がないさ
のんびりとくつろいで、君の子供たちに歓びを感じられるなら
まるで昨日のことのように思えるよ、良くわからないけれど
じっと座って――流れに身をまかせたほうがいい

あれが僕らの人生の輝ける日々だったのだから
それは時の潮流に乗って、流れていった
もう遠くに過ぎ去ってしまったけれど、まだ残されたものもある
ふと目を向けると、わかるんだ
なにも変わってはいないのだと

あれが、僕らの人生の輝ける時だった
ひどいことなんて、めったに起こらなかった
そんな日々は遠くに過ぎ去ってしまったけれど
一つだけ、真実なのは――
ふと目を向けると、わかる
僕は君を、まだ愛していると
君をまだ、愛しているよ


 最初にこの曲を聴いたとき、「ずいぶん懐古的だなぁ。The Miracleの「素晴らしきロックンロールライフ」もそう感じたけれど」 と思い、人生を回顧するなんて、Queenももう晩年の域に入ったのか、もしかしたらもうバンドの終わりも 視野に入っているのだろうか――と、事情は良く知らないながら、思えたものでした。
 今改めてみると、非常に切なさを感じます。でも晩年になってこの心境になれたなら、幸せなのかな、とも思えました。

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愛しきデライラ

デライラ、デライラ、
ああ、何てことだ、君には本当にかなわないよ
僕が今にも泣きそうな時さえ、君は僕を微笑ませてくれる
君は僕に希望をくれる、僕を笑わせてくれる――君は好きだよね
ひどいことをこっそりやって、しらんふり――まったく無邪気なものさ
でも機嫌が悪くなると、君は爪を立てたり、噛み付いたり
ああ、かまわないさ!

デライラ、デライラ、
ああ、まったく、君はいつも予想外なことをやってくれるよ
君が僕の側でのどを鳴らし、眠っている時
僕はとても素敵に幸せな気分だよ
それから君は僕のクリッペンデールのスーツにおしっこを引っ掛けて
僕をちょっとばかり狂わせてくれるんだ

デライラ、デライラ
ねえ、ねえ

君は家中をその支配下において
電話にさえ出ようとするね
デライラ、君を目に入れても痛くはないよ
ミャー、ミャー、ミャー
デライラ、大好きだよ

君は僕を幸せな気分にしてくれる
僕にキスをしてくれるとき、
僕は嬉しくて変になってしまうよ、ああ
ミャー、ミャー、ミャー、ミャー
君にはかなわない――デライラ、大好きだよ
デライラ――大好きだよ
ああ――君のキスが大好きさ
ああ――君のキスが大好きさ


デライラは、Freddieの飼っていた猫ちゃんの名前ですね。他にも猫は何匹かいたようで、Freddieは同じようにかわいがっていたらしいですが、 まあ、デライラがその猫ちゃん代表に選ばれた、という感じなのでしょう。飼い猫たちに対する愛情を そのまま正直に曲にしたのだと思います。
まあ、「子猫ちゃん」は人間の女性にも使う言葉ですが、人間女性はブランドものスーツに粗相はしないですから、 これはどう読んでも、猫以外にありえないですね。

デライラの語源は、聖書の「サムソンとデリラ」だと思います。デリラ(英語読みのデライラ)は、サムソンを裏切った女性ですが、 ある意味「魔性の女」の代名詞とも言えるでしょう。気紛れな猫ちゃんには、あいそうな名前かも、と思います。

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ザ・ヒットマン

俺はヒットマン
引っ込んでな
俺はヒットマン おまえの命が欲しい
逃れることは出来ないぜ
逃げも隠れも出来ないさ
周りには、誰もいなくなる
おまえの愛のために、殺してやる

さあ、泣くんじゃない
それが、ありのままの俺なんだ
おまえは酔っ払っているかもしれないな
俺のポケットには銃がある
悪く思わないでくれよ
俺はおまえのヒットマンなんだ
おまえの愛にぞっこんなんだ

俺は(人の)頭を粉砕する奴さ
その方がいい

ベイビー、ベイビー
俺はヒットマンなんだ、ヒットマン、ヒットマンさ
東に行っても面倒に巻き込まれ
西に行ってもトラブル真っ只中
獣と格闘しているのさ
なんて盗人だ、災厄な奴だ
戻ってこいよ、母さん
そのカモをズタボロにしてやれ
イエィ、イェイ、

俺はヒットマンさ――他に方法がない

俺はヒットマン
俺は、おまえの褒賞
だが、このヒットマンは――
おまえを適当な大きさに切り刻むことも出来る
愛してくれよ(ベイビー)
よそよそしくしないでくれ

俺を愛して、愛してくれよ、ベイビー 俺はヒットマンの学校に行ったことがあるんだぜ
イェイ、イェイ

おまえは俺を助けてくれるだろう
おまえをぶちのめしてやる
お楽しみの始まりだ
ヒットマン
刺すぜ、覚悟はいいか
そんなものはやっつけてやる
ヒットマンは王者だ


多少暴力的な愛情の歌かな、と言う感じがします。ヒットマンは、ある程度日本語化していますが、いわゆる鉄砲玉のことで、殺し屋にも近い感じですね。
この曲における「Hitman」とはエイズのことだ、と言う説も以前聞いたことがあります。だとしたら、少々自暴自棄にもとれなくないですね。
また、自らを破滅に導いた、どうしようもない破壊的な欲望、と言う説もあります。

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バイユー

君と僕とは、運命に結ばれている
お互い、残りの人生を共に過ごすことに
君は同意してくれるだろう
残された日々を恋人たちのように、共に
永遠に――永遠に
僕の小さな宝石よ


Bijouはフランス語の宝石、転じて小さくて優美なもの、と言う意味ですが、この場合は恋人をそう呼んでいるのですね。メアリーさんかな…?

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ショウ・マスト・ゴー・オン

虚しい空間――僕らはなんのために生きてきたのか
打ち捨てられた場所――僕らはその真相を知っている
いつまでも――
僕らが捜し求めていたのはなんなのか、知っている人はいないのか
新しい英雄が、また別の心無い罪が
カーテンの後ろで繰り広げられる、無言劇の中
しっかり踏みとどまれ、
これ以上を望む者が、誰かいるのだろうか

ショウを続けなければ
ショウを続けなければならない
奥深くでは、心破れ
メーキャップは剥がれてくるかもしれないが
僕はそれでも、微笑を浮かべているだろう

何が起ころうとも、すべて運を天にまかせるだろう
新たな心の痛みも、もう一つの失われたロマンスも
続いていく、
僕らがなんのために生きてきたのか、知っている人はいないのか
たぶんなにかを学べたのだろう、前よりも暖かい気持ちになれる
もうすぐ僕は曲がり角に差し掛かり、方向を変えるのだろう
外では、夜が明けようとしている
でも心は今だ暗闇の中、自由になることを思い焦がれている

ショウを続けなければ
ショウを続けなければならない
奥深くでは、心破れ
メーキャップは剥がれてくるかもしれないが
僕はそれでも、微笑を浮かべているだろう

僕の魂は、蝶の羽のように彩られ
昨日のおとぎ話は、発展こそすれ、決して死に絶えることはない
僕は飛べるよ――友よ

ショウを続けなければ
ショウを続けなければならない
不敵な笑みを浮かべ、向き合える
決して屈しはしない
ショウは捨てない、やってみせる

僕が真打を務めよう
やりすぎるほど、やってみせよう
やりつづける、その気力さえ見出せれば

舞台に出る――
ショウをやろう――
ショウは続いていかなければならないんだ――


Show must go on――この最後の宣言は、当時彼らが置かれていた状況を考えると、ものすごく悲壮感を感じてしまいます。 同時に、強い意志の力、自らの成し遂げてきたことへの誇りも感じられ、感慨深いものがあります。
噂では、この曲はBrian主導らしいですが、Freddieへの、と同時に、Queenというバンドへのエールのようにも感じられます。
彼らのショウは、決して終わることはないのでしょう――

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個人的レビュー

 フレディ存命中最後の作品となったのが、このアルバムです。聞いた当時はそんなことをまるで予想もしなかったのですが、一種異様な気合いと集中力の高まりを感じ、圧倒されたものでした。
 メンバー全員がレコーディング中、ずっとこの後の運命を予期していたといいます。もちろん、フレディ自身も。まさに命をかけた歌、演奏です。本当に圧倒的な力です。私の貧弱な語彙では、他に言う言葉を見つけられません。
 フレディ没後、改めて聴き返して泣けました。人間は最後にこれだけの思いを、力をこめられるのだということを、知らされました。

個人的ベスト3

  1. THE SHOW MUST GO ON  
  2. THESE ARE THE DAYS OF MY LIFE
  3. ALL GOD'S PEOPLE

 

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