ONE VISION
一人の人間、一つのゴール、一つの使命
一つの心、一つの魂、たった一つの解決方法
一瞬の光の閃き、そうさ、一つの神、一つのヴィジョン
一かけらの肉、一片の骨
本物の、一つの宗教
一つの声、一つの希望
本物の、一つの決断
おお、一つの洞察を、僕に授けてくれ
間違いは何もなく、正しいものも何もない
はっきりとした白も黒も、何もないんだって言えるよ
一滴の血も、汚点もない
僕らに必要なものは、広い世界の、一つの展望
一かけらの肉、一片の骨
本物の、一つの宗教
一つの声、一つの希望
本物の、一つの決断
若い頃、僕には夢があった
甘い幻想のような夢が
かいま見えた、希望と調和
そして仲良く団結している光景が
でも冷たい風が吹き
陰気な雨が降って
そのために僕の夢がどうなってしまったか
僕の心は知ってしまった
だから、手を差し伸べておくれ
君の心を、僕に預けておくれ
僕は用意ができているから
行き先は、たった一つ
一つの世界、一つの国家
そうさ、一つのヴィジョン
憎しみもなく、争いもなく
ただ、感情の高まりだけがある
夜の間中ずっと続く
それは、祝いの宴
一片の肉、一片の骨
一つの、真の宗教
一つの声、一つの希望
一つの、真の決断
一時の夜をくれ
一つの希望をくれ
ただ、一人の人間を、一人の人間を
一つのバー、一つの夜を
一つの日を、
僕におくれよ――1つのヴィジョンを
映画『アイアン・イーグル』の主題歌として書かれたこの曲ですが、その主張は今の時代にも変わらず
当てはまるような気がします。もしかしたら、当時よりも、今(2003年時点)野方が、よけいに世界がばらばらになりかけているような印象を受けるため、
より、この曲の理念を感じることができるような気がします。Visionは、視点、展望、幻、様様な意味がありますが、
ヴィジョンで日本語化しているので、おおむねそのまま使いました。
最後はQueenらしく、『真面目な主張をジョークで締めた』感がありますが、(特にFried Chicken!。これは当時Freddieの恋人だった
ジム・ハットン氏の提案らしいですが、その卑猥な隠語の意味を考えると、おかしさ倍増)理想は理想としてあるけれど、
実際の人の生活はもう少し下世話なレベルで営まれ、欲求不満なども発散されているのだ、と言う幹事も示唆しているような気がします。
考えすぎかもしれませんが。
カインド・オブ・マジック
それは、魔法の一種
それは、ある種の魔法
魔法のようなもの
一つの夢、一つの魂、一つの褒賞
一つのゴール、かいま見えた、黄金の理想郷
それは、ある種の魔法
一筋の光が、行く手を導く
不死にはなれない人間には、今の時代を勝つことはできない
それは、一種の魔法
君の心の中で鳴り響くベル
それは時代の扉に、挑もうとするもの
それは、魔法のようなもの
健全な時代の夜明けがくることを
永遠に待ちつづけているような気がして
それも、魔法の一種なのだろうか
それは、ある種の魔法
唯一のものになり得るような
千年に渡って抱きつづけていた激しい憤り
ほどなく、それは消えてなくなるだろう
僕の内面で、炎が燃えている
僕には、神秘のハーモニーが聞こえる
それは、ある種の魔法
君の心の中で、鳴り響く鐘の音
それは時代の扉に、挑もうとしている
魔法のようなものだ
それは、魔法みたいなもの
千年の年月、ずっと続いてきた、この激しい憤りは
きっとすぐに、きっとすぐに
きっともうすぐ、消えてなくなっていくだろう
それは、ある種の魔法
たった一つのものかもしれない
千年に渡り、続いてきた生命は
もうすぐ終わりを迎えるだろう
魔法――魔法のようなもの
魔法みたいなもの
魔法、魔法、魔法、魔法
それは魔法さ
魔法のようなものさ
この曲も、コンセプト的には『One Vision』と被るものを感じるのですが、そう言う世相だったのかな?
それとも、その当時Queenの内部にあったと言われる不和を、世界の不調和に被らせて、『なんとか統一したい、正しくしたい』と言う意識の表れだったかも、と言う気もします。
案外、『なにも深くは考えてなかった」という線もありかもしれない、とは思いますが。
人知には測れない力、目に見えない力、心を動かす力、それが『魔法』のように感じられる、時にそう思う瞬間は、
私たちの生活の中にも、あるかもしれません。
(ただ、ラストの『千年の命がもうすぐ終わる」と言うフレーズが、『文明の終わり』を連想させると、
ちょっとこの歌詞の中では浮くな、と気になります。それは、別の種類の魔法がはたらいてしまった結果かも、と思うのは、深読みしすぎでしょうが)
愛ある日々
たった1年の愛でも
全生涯を合わせたすべてより、ずっと素晴らしい
君の腕の中で感じるセンチメンタルな一時は
心にまっすぐ飛び込んでくる、流れ星のようだ
君がいないと、僕の心はいつも土砂降りの雨
僕は君の中に捕らわれた、愛の囚人さ
僕はばらばらの欠片となって、君の周りに降りそそいでいるよ
僕の心は、君の心を求めて叫ぶ
寂しいよ、でも君なら、僕を助けてくれる
君の手を求めて、僕は手を差し伸べる
寒いんだ、でも君なら僕の中に、火を灯すことができる
僕の唇は、君の唇を捜し求めている
君に触って欲しくて、たまらないんだ
言葉にできないことがたくさんあって
僕はただ、君の前にひれ伏すだけ
君にすべてをゆだねる、その瞬間に屈するだけ
愛がこんなに傷つきやすいものだと、誰も教えてくれなかった
ああ、そうさ、僕は傷ついている
でも、痛みはこんなにも、喜びに近いもの
僕にできることは、君の愛にすべてをゆだねることだけ
君の愛の前にひれ伏すだけ
たった1年の愛だけれど
全生涯を合わせたすべてより、ずっと素晴らしい
君の腕の中で感じるセンチメンタルな一時は
心にまっすぐ飛び込んでくる、流れ星のようだ
君がいないと、僕の心はいつも土砂降りの雨
僕は君の中に捕らわれた、愛の囚人さ
僕はバラバラになって、きみにまとわりつくだけ
僕にできることは、すべてを委ねることだけ
ライナーによると、これは映画『ハイランダー』で、主人公がタイム・ラップする前の現在のシーンに
使われている、ということでした。私は映画、見ていないのでなんとも言えませんが、恋人がらみのシーンなのでしょうか。
ラブソングですね。
喜びへの道
痛みは、喜びに、こんなにも近い
太陽の光と降りしきる雨が、手に手を取って、
君の生活のあらゆる場面にやってくる
痛みは、喜びに、こんなにも近い、みんな知っていることさ
愛し合っていたと思うと、争ってばかりになってしまったり
若くて、やっと人生を始めたばかりの頃
まわりのみんなの言うことは、心痛む話に聞こえた
それから僕は大人になり、想像力を得て
新しい関係を築いたいと、そればかりを思うようになった
そして愛に落ちたけれど、手ひどいしっぺ返しを受けて
昔からの、良くある満足を求め始めた
僕が愛と情けを求めている時、得たものは痛みだけだった
ああ、痛みは、喜びにこんなにも近い
太陽の光と降りしきる雨が、手に手を取って、
君の生活のあらゆる場面にやってくる
痛みは、喜びに、こんなにも近い、みんな知っていることさ
計画が上手く行かなくて、チャンスを不意にしてしまった時
それでも君の心の中では、戦わなければと感じている
僕たちみんなが捜し求めている答えは、何処にあるのだろう
この世に、もはや確実なことなんて、何もありはしない
気分の良い時もあるだろうし、ひどい気分の時もあるだろう
でも君が幸せな気分でいる時、
いつも悲しい思いをしている他の誰かがいる
君の顔にこぼれる涙を、愛の喜びで拭ってごらん
良くなるか、悪くなるかはわからないけれど
残りの年月を精一杯、素敵に生きよう
痛みは、喜びに、こんなにも近い
太陽の光と降りしきる雨が、手に手を取って、
君の生活のあらゆる場面にやってくる
痛みと喜び、痛みと、喜びは、こんなにも似ている、そうさ
太陽の光と降りしきる雨が、手に手を取って、
君の人生のすべての局面に訪れる
痛みと――喜び
痛みと喜びは紙一重――マゾですか、と思ってしまった私は、逝ってヨシですか?(しまった、2ちゃん風!)
真面目な話、悪いことと良いことは隣り合わせ、と言うことでしょうね。喜びも悲しみも、良いことも悪いことも、
それだけということはなく、入り混じって訪れるのが、人生だ、ということで。
この曲は、『ハイランダー』とは関係ない、アルバム用オリジナル曲だそうです。
心の絆
また祝日がやってきた
ポンドは下落し、子供たちは騒ぎ立てる
配偶者は家出して
金はすべて持ち逃げ、残されたのはガラクタばかり
胸に痛みを感じても
医者はストライキ中、
君には、休息が必要だね
愛ってのは、楽じゃないさ、でも君には、
信頼できる友達がいるじゃないか
友達は、いつまでもずっと友達だよ
君を慈しみ、眼を注いでくれる愛情が必要な時にも
友達は、これからもずっと友達さ
人生に疲れ果て、希望がすべて失われても
手を伸ばしてごらん、
だって友達は、ずっと友達だよ、最後の最後までね
ごらんよ、素晴らしい日だ
郵便配達人が、恋しい人からの手紙を届けてきた
1度、電話をかけて、呼び出しただけで
君は彼を見つけ出そうとしてみたけれど、
誰かが彼の番号を盗んでいってしまった
実際のところは
君は彼のいない人生に慣れてなれてしまったんじゃないかい
簡単なことじゃないか、君には信頼できる友達がいるんだから
友達は、いつまでもずっと友達だよ
君を慈しみ、眼を注いでくれる愛情が必要な時にも
友達は、これからもずっと友達さ
人生に疲れ果て、希望がすべて失われても
手を伸ばしてごらん、だって友達は、ずっと友達だよ、
最後の最後まで
簡単なことさ、君には信頼できる友達がいるんだから
友達は、いつまでもずっと友達だよ
君を慈しみ、眼を注いでくれる愛情が必要な時にも
友達は、これからもずっと友達さ
人生に疲れ果て、希望がすべて失われても
手を伸ばしてごらん、だって友達は、ずっと友達だよ、
最後の最後まで
友達は、ずっと友達
君を慈しみ、眼を注いでくれる愛情が必要な時にも
友達は、これからもずっと友達さ
人生に疲れ果て、希望がすべて失われても
手を伸ばしてごらん、だって最後の最後まで
友達は、ずっと友達だから
辛い時でも、友達がいる。力になってあげる。絶対見捨てない。そういう素晴らしい友人がいたら、どんなに幸せだろう、
と思える詞です。と同時に、自分のほうでも、そう言う素晴らしい友人になれたら、そうでありたい、
とも、思わせてくれます。愛と友情、どちらがもろい、と言うのは微妙な問題ですが、真の愛情と同じく、
真の友情も、非常に強いものなのですね。
ちなみにこの曲も、映画のサントラではなく、アルバムのためのオリジナル曲です。
リヴ・フォーエヴァー
僕たちに、残された時はない
僕たちに、残された場所はない
ともに築いてきた夢を支えてきたものは、
僕らの手をすり抜け、何処かへ行ってしまった
永遠に生きたいと、誰が思うだろう
永遠に生きたいと、誰が望むというのだろう
僕らに、残されたチャンスはない
すべては、定められた運命
この世界に、僕らに残された素晴らしい瞬間は、
ただ一つだけ
永遠に生きることを、望む人がいるのだろうか
永遠に愛しつづけようと、あえて挑む人がいるのだろうか
愛が死ななければならない時に
でも、君の唇で、僕の涙に触れておくれ
君のその指先で、僕の世界に触れておくれ
そうすれば、僕らは永遠を手に入れられる
そうすれば、僕らは永遠に愛し合っていられる
永遠の命を、誰が望むのだろう
永遠の命を臨むものなど、誰もいはしない
永遠、それは僕らの今
とにかく、永遠に待ちつづけていられる人など、
誰もいはしない
これも映画の挿入歌ですが、ライナーによると、映画の中で、愛する人を亡くした時に流れた曲だそうです。
愛する人と別れなければならないのなら、永遠の命なんて要らない――そういう嘆きなのだと思います。
ただ、その後のQueen、Freddieがたどった運命を考えると、別の、現実的な切なさをも感じてしまいます。
ギミ・ザ・プライス
俺様はここにあり、おまえらの運命をこの手に握る
俺様は唯一のもの、来るべき王国の神だ
褒美をよこせ、俺様を褒め称えろ
おまえらの王を、俺に差し出せ
そうしたら、この手で捻りつぶしてくれる
おまえらの、弱っちい王子や
おまえらの国の指導者どもとやら
そんな奴らは、ちょいちょいとやっつけてやるぜ
朝飯前だ
派手な戦いだったな、ゲームは俺の勝ちだ
俺は唯一のもの、ただ一人、俺だけだ
俺は、来るべき王国の神だ
褒美よこせ、俺様をひたすら褒め称えろ
そこをどけ、どけと言っているだろう
ほら、道をあけろ
俺様の権威からは、誰も逃れられないぜ、わかったか
俺は唯一の絶対者
来るべき王国の神だ
褒美をよこせ、ひたすら俺様を褒め称えろ
俺は、唯一の絶対者だ
俺は、来るべき王国の神だ
俺を褒め称えろ
――唯一絶対のものに、なりえるもの――
これは、映画の悪役のテーマ、と言うことです。悪役なので、歌詞も当然悪者側から書かれていますが、
いや、ここまで凄いのは、ある意味尊敬です。自分は絶対者だ、神だ、とまで言いきってしまう、究極の
傲慢、自己肥大ですねぇ。でも、暴君にはありがちな心理状態でもある、と言えますが。
最後に大文字で入ってくる一節は、「A Kind Of Magic』からで、たぶん反語的にはいっているのでは、と思えます。
本当に絶対のものは、決して人間に属するものではない、と。
ドント・ルーズ・ユア・ヘッド
気をしっかり持ちなよ
気をたしかに持てよ
だめだ、頭をしゃっきりさせてろよ
気をしっかり持ちなよ
僕の言っていることを聞くんだ
気をたしかに持てよ、なあ
覚えておくんだ、愛は強くなっている
覚えておくんだ、愛に誇りを持つんだ
気をしっかり持てよ
だめだ、頭をしゃっきりさせていろ
僕の言うことを聞いてくれ
気をしっかり持てよ
覚えておけよ、愛はずっと強くなっているんだ
覚えておけよ、愛は壁もすり抜けていけるんだ
酔っ払って運転なんて、するんじゃない
アルコール検知機に、引っかかるぜ
頭をしゃっきりさせろよ
頂点に上りたいのなら、生きていたいと思うのなら
気をたしかに持てよ
気をしっかりもつんだ
だめだ、頭をしゃっきりさせろよ
覚えておけよ、愛はずっと強くなっているんだ
覚えておけよ、愛はすべてを征服するんだ
気をたしかに持てよ
気をしっかりもつんだ
これも映画に使われていた音楽で、カーチェイス・シーンに流れていたそうです。なるほど――熱くなるな、コントロールを失うな、自暴自棄になるな
そんな感じなのでしょうね。ライナーによると、ブライアンが『ロジャーらしい曲だ』と言っていたそうですが、
たしかにそういう気がします。
プリンシス・オブ・ユニヴァース
我らはここにいる、王になるために生まれてきた
我らは宇宙の王子
ここに、我らは帰属する、生き残るために戦う
暗黒なる力が支配する世界で
そして、我らはここにあり、我らは宇宙の王子
我らはここに帰属する、生き延びるために戦う
我らは、君たちの世界を統治するため、やってきた
我は不死身、この身体に流れるのは、王家に伝わる血
競争者はいない、誰も、我と対等にはなれない
君らの世界の未来を、我に託すのだ
王になるために生まれた、宇宙の王子たち
戦い、解放する。君らの世界は、我が手の中に
君らの愛を求めて、ここにやってきた
ここに自らの場所を確保しよう
我らは宇宙の王子になるべく、生まれてきた
誰も理解はできないだろう
力は我が手の中にある
ああ、皆は君たちのことを語る
君らにもかつて栄光の日々があったと言う
我は、超越しようとしている人間だ
月に飛んでいき、星々に到達する
剣を携え、頭を高く掲げて。
初めて、テストに合格したのだ
私の噂をしているのは知っている、毎日聞かされている
だが、君らは間違っていると証明してみせよう
なぜなら、最初から私は正しいからだ
良いだろう、この男が飛ぶのを、見ているといい
女の子達を連れてくるのだ
私はここにあり、王になるため、生まれてきた
我らは宇宙の王子
我らはここに帰属する。王になるため、生まれてきた
宇宙の王子たち。戦い、そして解放する
世界をその手につかんで。君らに求められ、やってきた
我の活躍を見せてやろう
我らは生まれついての、宇宙の王子なり
ライナーによると、これが映画『ハイランダー』の主題歌だそうです。
映画を見ていないので、詳しいことはなんとも言えませんが、なんというか、先ほどのコーガン(悪役)の
テーマほど極端ではないものの、多少偉そうな空気を感じてしまいますが、まあ、こちらは正義の見方ですから、
OKなのでしょう。(それに、元もと映画の主題歌ですし)
個人的にですが、なんとなくFreddieにもぴったりな歌のような気がしてしまいます。特別な存在、と言う意味で。
個人的レビュー
もとは映画『ハイランダー』のサウンドトラックなのですが、『フラッシュ・ゴードン』のような
純然たるサントラでなく、アルバム用に曲を作りなおしたり、新規に曲を入れたりして、普通のアルバムとしても
十分捕らえられるように造られたアルバムだと思います。
もともとサントラでもあるので、アルバムとしてみた場合、ちょっと印象が弱いかな、という感も、個人的には受けたのですが、『ONE VISION』『心の絆(FRIENDS WILL〜)』『リヴ・フォーエヴァー』など
良い曲がそろっています。のちGreatest Hits2を聴き返して、改めてその曲の良さを認識した次第でした。
個人的ベスト3
- WHO WANTS TO LIVE FOREVER
- ONE VISION
- FRIENDS WILL BE FRIENDS
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