ステイング・パワー
君に見せてあげるよ
ごらん、僕が持っているものを
とてつもなく、たくさんあるんだ
教えてくれよ、どんな気分だい
本物なのか――
本当にあるものなのか――
僕が何を手に入れたか、知ってるだろう
たくさんのものを、手に入れられるんだ
ラスト・オーダーを聞いたかい、ベイビー
君と僕には、続けて行くスタミナがある
君と僕と、二人で続けていける力があるんだ
続ける力さ、手に入れたんだ
いつ、上手くやろうか考えてる
いつ、急かしてやろうか考えてるんだ
ロックしてくれよ、ベイビー、僕を揺さぶってくれ
おいで、ベイビー、僕に不意打ちを食らわせてくれよ
グルーヴを捕まえようぜ
動きにのるんだ、動きにのって
あれのノセ方なら、良く知っているだろう
上手くいくさ、上手くいく、大丈夫
君と僕とで、ゲームを始められるさ
君と僕には、続けていくスタミナがあるんだ
君と僕と、二人で続けていける力があるんだ
いつ、上手くやろうか考えてる
いつ、急かしてやろうか考えてるんだ
ずっと下のほうで、炎が燃え盛っている
まったく、本格的な発電機のようにね
気持ち良く付き合いたいんだ
コントロールを無くすなよ
僕と一緒にがんばってくれ
お互いに、もっと良く知り合わないとね
でも、時間はたっぷりあるんだ
ラスト・オーダーを聞いたかい、ベイビー
君と僕には、続けていくスタミナがあるんだ
君と僕と、二人で続けていける力があるんだ
力、力、続けていく力さ
何処でふんばろうか、考えてる
いついっぱい食わせてやろうか、考えてるんだ
僕をブっ飛ばしてくれ、ベイビー
盛りあがって、突っ走ろうぜ
気分を盛りあがらせなよ
ちょっとは態度に出してくれよ
ぶち壊さないでくれよ
ただ、捨てちゃいな、そう、捨てれば良いんだ
ラスト・オーダーを聞いたかい、ベイビー
君と僕には、続けていくスタミナがあるんだ
君と僕と、二人で続けていける力があるんだ
スタミナがね ・・ さあ、捕まえた
staying power はスタミナ、という熟語にもなりますが、まあ文字どおり、続ける力という
含みでいいと思います。何を続けるのか・・二人の関係、という見方もありますが、
読み方によっては(というか、普通に見ても)ちょっと意味深な、そういう含みもあると思います。
(って、どういう→Body Languegeを見よ!)
本能のままにストレート、という系、「Don't Stop Me Now」などもそうですが、そういう
奔放な歌詞は、Freddieにはわりと多いかな?
曲的には、ホーンセクションが大々的に導入され、かなり変り種です。でも今聞くと、あまり違和感ありません。
Queenって、なにやってもQueenに聞こえるところが不思議です。
ダンサー
パーティーに呼ばれなくて
一晩中、ずっとここに座っていたんだ
パーティーの間中、僕はずっとここに一人っきりで
最低の気分だったよ
黒いコートも
ネクタイもないけれど
しっかりしなければ
どうしてだか、君もわかるだろう
ダンサー、踊り子よ
僕は、それなしでは生きていけない
それがなければ、死んでしまうんだ
ダンサー、踊り子よ
疑いもなく、その通りなんだ
ダンサー、踊り子よ
ダンシング・シューズを脱ぎ捨てて
僕と一緒に来てくれないか
君は生命で、魂、そしてご機嫌な作用そのもの
ちゃんと紹介してもらうチャンスを捕まえるのに
一晩中かかってしまった
まったく、ぶっ飛んでしまうほどの経験だったよ
僕は君の口紅を味わい
君の瞳をのぞきこんだ
素敵な気分だと君は言い
僕の身体は、泣き叫んでいる
(熱い空間さ)
ダンサー、踊り子よ
君が踊っているのが、信じられない
家に連れて帰ることはできない
君から踊りを取り上げることもできない
ダンサー、踊り子よ
夜通し踊って行くがいい
華やかな女性、本当に職業ダンサーではなくて、たぶんパーティとか浮かれ騒ぎ、
踊りが好きな女性に恋焦がれる地味な男、という印象を受けます。でも彼女を完全に捕まえることは
できなくて、落ちこんでいるような――そんな感じがします。
(もしかしたら、Brianのラヴソングはこの手多い?)
ディスコ・ビートを取り入れていますが、曲的にはハードロックっぽいのでは、と個人的に
思っています。その辺もBrianらしいかな、と。
バック・チャット
口答え、口答え
僕のエネルギーは、すっかりそれで使い果たされる
返答返し、返答返し
見たものすべてを批判して
言い返す、言い返す
僕の言ったことを細かく分析して
バック・チャット、バック・チャット
そうやって君は、いつも自分を押しとおすんだ
僕はおかげでどんなありさまになったか、見てくれよ
口答え、口答え
君のせいで、気が変になりそうだ
戦いが終わって、君を打ち負かすことができても
君は懲りずにまたやってくる
言い返して、言い返して、僕を責めさいなむんだ
僕が言ったことを、一言一言捻じ曲げて
僕はかっとのぼせてしまい、君の言い分が通ってしまう
素敵なロマンスの見こみなんて、ほとんどありはしない
もし一度でも勝とうと思ったら
僕も言葉のありったけを注ぎこまなければならないだろう
僕が言ったことを、一言一言捻じ曲げて
僕はかっとのぼせてしまい、君の言い分が通ってしまう
口答え、口答え
おかげで僕は、すっかりへとへとだ
返答返し、返答返し
見たものすべてを批判して
言い返す、言い返す
僕の言ったことを細かく分析して
バック・チャット、バック・チャット
そうやって君は、いつも自分を押しとおすんだ
起きなよ、立ち上がって、だらだらしてるが良いさ
気を引き締めて、準備は良いかい
金切り声を上げて、叫ぶと良いさ
落ち着けよ、冷静になるんだ
そして君のやり方を変えようと、努めてみなよ
だって君ときたら、眠りながらもしゃべっているし
ぼうっとしながら歩いているじゃないか
それじゃ、運も逃げてしまうよ
攻撃準備はできているよ
だって僕が君に話をすると
いつも君は言い返すことしかしないからね
君は居丈高になって言うけれど
僕を怖がらせることはできないさ
言い返さないでくれ、口答えはやめろ、言い返すな
ただ、僕を放っておいてくれ
口答え、口答え
おかげで僕は、すっかりへとへとだ
返答返し、返答返し
見たものすべてを批判して
言い返す、言い返す
僕の言ったことを細かく分析して
バック・チャット、バック・チャット
そうやって君は、いつも自分を押しとおすんだ
そうさ、君はいつもそうだよ・・
個人的には、口うるさくて理屈っぽい奥さんにてこずっているダンナ様、という構図が
浮かんできます。恋人かもしれませんが。それにうんざりしながらも、愛情を捨てられず、
忠告しようとする主人公――なんかJohnらしいなぁ。(すみません、
そればっかりになってしまった!)
曲的には「Another One Bites The Dust」のように黒っぽいフィーリングですが、軽快さも
感じます。
ボディ・ランゲージ
俺にくれよ、その身体を――くれよ――身体を――肉体を
おまえの身体をくれ
しゃべるなよ、ベイビー、なにも言うな
ボディ・ランゲージでいこうじゃないか
おまえの身体を、くれれば良いんだ
ただおまえの身体が、欲しいだけさ
おまえの身体をくれ
しゃべるんじゃない
ボディ・ランゲージで十分さ
おまえの赤い唇
その瞳には蛇が潜み
長い足、素晴らしい太もも
今まで見たこともないほど、素晴らしくキュートなお尻
いつでも俺は、メロメロさ
俺を見てくれよ――ボディ・ランゲージの見本市だぜ
ボディ・ランゲージさ、身体で語り合うんだ、そうさ
セクシーな、セクシーな、セクシーな、セクシーな身体
おまえの身体が欲しいんだ
ベイビー、最高にイカすぜ
ボディーランゲージといこうじゃないか
――これは、特に解説要らないでしょう。(大汗)曲もクネクネしているし――(汗)
この曲、昔小林克也さんの「ベストヒットUSA」でプロモビデオが流れたのを
見たことがありますが、日本語字幕つきで、一部「XXX」になっていて、いっそう怪しげだった
のを覚えています。今思うと、「XXX」は「おXX」じゃない、わざわざ伏せるほどのものでも、
とも思いましたが。(assの含みは、もうちょっと下品ですが)
アクション・ジス・デイ
行動を起こせ
この通りは、まったくケチな界隈さ
ここで生きていこうと思ったら、抜け目なく立ち回らなきゃな
犯罪者連中も、この通りをうろついてる
だけどいつも同じ流行遅れのレコードを鳴らしているジュークボックスのように
それとも、隅っこでやかましくがなりたてているラジオのように
どくどく高鳴る心臓のような鼓動が、ここにはあるんだ
僕はこの世界に利用されてる、そんな気がするんだ
この町は、本当に死んだような町さ
この町に住んでると、本当に気がめいるよ
この町にやって来たら、もう先はないってことさ
でもシャッターの裂け目から差し込んでくる日光のように
それとも、トンネルの終わりに見える光のように
どくどく高鳴る心臓のような鼓動が、ここにはあるんだ
今だ感じる、僕はこの世界のために、何かしているんだって
今日、行動を起こそう
今夜、行動を起こそう
愛のために生きる、そのことを学ばなくては
それが間違っているなんて、言えないだろう
今日、行動を起こそう
今夜、行動を起こすんだ
君には力がある、力を持っている
愛する力と生きる力を、君は持っているんだ
間違っているなんて、言わせないよ
君の心は何もない空間のようだ
君の心の中で生きることは
まったく何もない空っぽの空間で生きるのと同じさ
熾烈なみにくい競争のせいで、そうなってしまったんだね
だけど、いつも同じ流行遅れのレコードを鳴らしているジュークボックスのように
それとも、隅っこでやかましくがなりたてているラジオのように
どくどく高鳴る心臓のような鼓動が、そこにはあるんだ
どうしても止められない、感じるんだ、僕はこの世界に必要とされているって
今日、行動を起こそう
今夜、行動を起こそう
愛のために生きる、そのことを学ばなくては
それが間違っているなんて、言えないだろう
今日、行動を起こそう
今夜、行動を起こすんだ
君には力がある、力を持っている
愛する力と生きる力を、君は持っているんだ
間違っているなんて、言わせないよ
行動するんだ
今この日に、行動を起こそう
これも、Rogerらしいストリート感覚溢れる、ポジティヴな詞ですね。
(って、こればかりですみません。)
改めて見て見ると、このアルバムのA面は、Freddie、Brian、Roger、Johnそれぞれが、
独自の解釈で新サウンドを取り入れ、その上で自分の個性全開の詞を乗せた、という風な
印象を受けます。
Rogerの曲はビート重視が多いように思えるのは、ドラマーだからでしょうか。
プット・アウト・ザ・ファイアー
あいつはこの自由の国で、英雄と呼ばれた
でも、僕と握手をしてくれなかった
あいつには、がっかりしたよ
だから僕はピストルを取り出して
あいつをぶっ飛ばしたんだ
あの生き物は、悪い奴だった
だから、お仕置きをしただけさ
そんな理由で、と震え上がるかもしれないね
でも、なんと言われようが、気にはしない
気を付けなよ
今は狂った虚構が闊歩する時なんだから
炎を消せ
そのイカれた頭には、弾が入用なんだろう
ぶっ放すのはやめろ
あんたの祖父さんが言うことなんて、信じちゃいけないぜ
あの娘は僕の恋人だった
彼女が死んだのは、残念だと思う
だけど、法律は僕の味方だった
だって僕は、彼女が隣の奴のベッドにいるのをみつけたからさ
だから仕返しに、奴らに鉛弾をどっさりぶちこんでやったんだ
僕が解き放たれたのは
今の流行だという
それは情熱の犯罪だから
僕に責めはないのだと
その火を消してしまえ
そのイカれた頭には、武器が必要なんだろう
その火を消してしまえ
あんたの息子や娘たちが、ベッドでぐっすり眠れるように
わかっているだろう、銃が人を殺すんじゃない
誰に聞いたって、いいさ
人は、人に撃たれるんだ
銃を携えた人にね
頭を冷やすんだ
そのイカれた頭には、銃が必要なんだろう
その火を消してしまえ
言わせてくれよ、古臭い銃刀法は、死んじまったってね!!!
これは1980年、John Lennonがファンに射殺された事件に触発されて、Brianが書いたもの
だそうです。「銃の国アメリカ」「コンビニでピストルが買える国」に対する皮肉というか、
批判がこめられた、かなり社会的な詞だと思います。
fireは「銃を発射する」と言う意味がありますので、put out the fireは、撃つのはやめろ、
という含みもあるのでしょう。(もっとも、最初に聴いた時には、「ぶっ放せ!」かと思ったの
ですが、put outは、「消す」でした。そうすると、かっかするな、という含みもあるのかも
しれません)
かつて、日本人留学生が、ハロウィンパーティに招かれ、間違った家を訪問してしまったために、
強盗に間違われて射殺されるという事件がありましたが、これなども「銃の国アメリカ」ならでは
の事件なのでは、と思います。
銃は人を殺さない、人が人を殺す――それはまた、銃に限らず、人の命を奪えるすべての
武器についても、言えることなのでしょう。
ライフ・イズ・リアル(レノンに捧ぐ)
罪の意識が枕を染める
テラスには血が広がり
クロゼットの中には、トルソー(胴体)が
過去からよみがえる影
人生は、本当のもの
生命は、実体あるもの
人生は、本当にあるもの
こんなにも本物
眠りは僕の安らぎ
そして地雷地帯の只中に目覚める
夢はまさに、歓楽宮
愛は回るルーレットの輪
人生は、本当のもの
生命は、実体あるもの
人生は、本当にあるもの
そうさ――
成功は僕の休息
僕がこの手で勝ち取ったもの
その犠牲も払おう
清算もしよう
受け入れることも、捨て去ることもできる
孤独は、僕の隠れ家
自分で自分を育てるんだ
これ以上、何が言えるだろう
僕は苦い丸薬を飲み下そう
それを味わうこともできる
その苦味をかみしめて
人生は、本当のもの
生命は、実体あるもの
人生は、本当にあるもの
音楽は僕の女主人
まるで尻軽女のように、愛しているんだ
レノンは天才だ
まさに天才そのものとして生きていた
人生は、本当のもの
生命は、実体あるもの
人生は、そこにあるもの
人生は、残酷
人生は、厄介なもの
人生は、本当にあるもの
――こんなにも、本物
これも、サブタイトルが示すとおり、'80年に起きたJohn Lennon暗殺事件にインスパイアされた
曲だそうです。曲中にも「レノンは天才」と言うフレーズが出てきます。
莫大な才能を持ち、大きな成功を収め、同時にそのために多くの苦悩をしょいこみ、すべてを
飲みこんで生きてきた、その生への賛歌のように聞こえます。
これと、前の「Put Out The Fire」とを合わせると、その生命が理不尽な暴力の前に、
あっさりと消されてしまったことへのやるせなさが感じられるようです。命は本物、人生は本物
(lifeは両方の含みがあるので)――虚構ではなく、本当に存在するもの、その人が生きて、
築き上げてきたもの、その重みをわかってほしい――
そんなメッセージを感じる気がします。
ところでこの曲、Lennonに捧げたものだそうですが、同時にFreddie自身をも現しているように
も思えます。一人称ですし。「We are the Champions」同様、大きな才能ゆえに影の部分も
しょいこみ、成功は決してバラのベッドではなかった――その自分の人生もまた、本物。
この曲は今では、Lennonだけでなく、Freddie自身へも捧げたように聞こえます。
コーリング・オール・ガールズ
男の子達みんなに、呼びかけよう
女の子達みんなに、呼びかけよう
世界中のストリートに暮らす人たちよ
みんな、聞こえるかい
このメッセージを受け取ってくれ
君のためのメッセージを
このメッセージは古くからあるもの
このメッセージは真実のもの
このメッセージは
愛――
愛のメッセージを受け取ってくれ
近くにいる人も、遠くにいる人も皆
愛のメッセージを受け取ってくれ
聞いてくれる、すべての人のために
誰でも、それを聞いてくれる人のために
君を待ちながら、いくつもの眠れない夜を過ごした
なにか異質の存在が、忍び寄ってくるように感じるだろう
それはこの世界中を貫く
希望の流れ
それは静かに忍び寄る病のように、広がっていく
君もきっと自分のを捕まえるだろう
このメッセージは
愛――
愛のメッセージを受け取ってくれ
遠くの人も、近くの人も
愛のメッセージを受け取ってくれ
聞いてくれる、すべての人のために
聞いてくれる、すべての人のために
すべての男の子達に呼びかけよう
すべての女の子達に呼びかけよう
「愛のメッセージを受け取れ」――Rogerらしいストレートさだな、と思えます。
同時に、「愛」を選んだところが、Beatlesの「愛がすべて」という曲や、John Lennonの
Love&Peaceの精神などに通じるものを感じさせ、これがもしかしたらRoger流の、Lennonへの
追悼かな、などと深読みしてしまったりもします。
(まあ、愛というのはロックの不変的テーマですから、本当に深読みに過ぎないのかもしれませんが)
ところでこれ、歌詞では「boys」が先なのに、タイトルは「girls」ですね。Rogerの好みでしょうか。
ラス・パラボラス・デ・アモール(愛の言葉)
今は触れないで
今は抱きしめないで
愛しい人よ、魔法の呪文を破らないで
今あなたがこんなに近くにいるのだから
僕の目を見て
話しかけてほしい
特別な約束を、僕は聞きたい
愛の言葉を
愛の言葉を聞かせておくれ
ゆっくりと、愛しい人よ
ゆっくりと、優しく僕を愛しておくれ
このたった一つのおろかな世界、とても多くの魂が
終わりのない寒さの中、わけもわからず翻弄されている
恐れを知る人すべてのために
欲望を抱く人すべてのために
どんな国の言葉でも、ひたすら僕たちが求めるものは
愛の言葉
愛の言葉を聞かせて欲しい
焦らないで、愛しい人よ
教えて欲しい、この夜と、そして永遠に続くものを
この部屋はがらんとして
夜は寒い
僕たちは遠く離れ、僕も年老いた
でも生きている限り、また会えるだろう
そのときは愛しい人よ、もう一度囁きあえるかもしれない
愛し敬うのは、あなただと
愛の言葉を
愛の言葉を聞かせて欲しい
ゆっくりと、愛しい人よ
僕に触れて
愛の言葉を
愛の言葉を分かち合いたい
永遠に――
永遠に――
「愛のメッセージ」のあとは、「愛の言葉」ですね。タイトルはスペイン語ですが、
意味は英語と同じようです。
スペイン語にしたのは、南米でQueen人気が盛りあがった頃だったのが反映しているのだそうです。
南米版、「手をとりあって」というところですね。(Hot Space リマスターライナー参照)
――ただ、南米の大票田、ブラジルはポルトガル語なんですがね――その他の国向け、かな。
曲は感動的で、好きです。南米の人たちも、「手をとりあって」を聴いた私たち日本人のように
ジーンと感激したと思います。
クール・キャット
君にかかると、太陽の光もかすんで見える
君が主役、そんなふうに振舞っている、わかっているよ
だって、君はイカした子猫ちゃんだから
新しい帽子をかぶり、つま先で軽やかに歩き
ただあてもなく――スウィングの王様のようにすいすいとドライヴ
僕の胸の鼓動を感じておくれ
僕の胸の鼓動を感じておくれよ
君はイカした子猫ちゃん
たわいないお喋りでも、君が来ると活気づく
君は申し分ない人だよ
そこにいるだけで、君は注目の的さ
僕の胸の鼓動を、かき乱す
僕の胸の鼓動は、かき乱されるよ
君は昔は、ありふれた子供だったね
いろいろな世間の俗事と折り合いをつけながら
君はいつも願っていた、望んでいた、待ち続けていた
いつかトップクラスになることを
でもそれが本当になった時、そう、それは本当になったけれど
君はあまりに猛スピードで、ここまで来てしまった
だから、スピードを落としなよ、もっとゆっくり行くんだ
もっとゆっくりと行った方がいい
のんびり行きなよ
君はどうやって流行を作り出せるか、本当に良く知っているね
それに君はまさに、最高にご機嫌でいるだろう
イカした子猫ちゃん
新しい帽子をかぶり、つま先で軽やかに歩き
ただあてもなく――スウィングの王様のようにすいすいとドライヴ
僕の胸の鼓動を感じておくれ
僕の胸の鼓動を感じておくれ、ああ
僕の胸の鼓動を感じておくれよ
本当にこの曲はスモーキー・ロビンソンみたいだなぁ、と思いました。Queenとしては、
やはり異色の曲、というか、Freddieの新境地と言えるかもしれません。
詞の方は、とても魅力的な、人々の注目になっている女性(女優かモデルさん、それとも一般人?)
を賛美しつつも、気遣う男性、という感じです。
ちなみにこの場合の猫ちゃんというのは、女の子ですね。しなやかでセクシーな感じ、という
イメージでしょうか。
雄猫もいるでしょうけれど、なぜか「猫」と言うのはあちらでは、女性的イメージのようです。
夢分析の大家、カール・グスタフ・ユングの心理学によると、男性の中に存在する内なる女性、
理想の女性像をアニマというそうですが、そのアニマのイメージが、人によっては猫になって
現れるとか。「猫」はやはり、女性性のシンボルのようです。
アンダー・プレッシャー
プレッシャーが僕にのしかかり
君たちを押しつぶそうとする
誰も望んではいないことなのに
圧力の下で
ビルディングは燃えて崩れ落ち
家族は真っ二つに引き裂かれ
人々は路頭に迷う
この世界が今どうなっているのか
それを知ることが、恐ろしい
親しい友たちが「ここから出してくれ!」と叫ぶのを見ることも
明日のために、祈ろう――僕をもう少し高みに引き上げてくれるように
圧力は、人々の上に――路上をさまよう人々の上に
あちこちにうろついて、頭が痛くなるほどさんざん考えてみた
降れば、いつも土砂降り、そんな日ばかりだ
路上の人々――路上をさまよう人々
この世界が今どうなっているのか
それを知ることが、恐ろしい
親しい友たちが「ここから出してくれ!」と叫ぶのを見ることも
明日のために、祈ろう――僕をもう少し高みに引き上げてくれるように
圧力は、人々の上に――路上をさまよう人々の上に
目の見えない人のように、すべてのことに背を向けてみた
塀の上に座って、傍観者になってみたけれど、上手く行かなかった
愛を保ちつづけたいけれど
それはずたずたに切られ、ぼろぼろになっている
なぜだ――なぜだ――なぜなんだ
愛よ――
狂気の笑い声を上げながら、プレッシャーのもとで
僕らは壊されていく
自分に、もう一度チャンスを与えることができないのだろうか
なぜ愛に、もう一度チャンスを与えることができないのだろう
なぜ、愛を与えることができないのだろう――
なぜなら愛とは、あまりに使い古された言葉
そして愛は君に、夜の淵に生きる人々を助けろと強いるから
そして愛は自分自身を大切に思うその考えを
変えてみろと、けしかけるから
これが僕らの、最後のダンス
これが僕らの、最後のダンス
これが、僕ら自身の姿
プレッシャーのもとでの
プレッシャー
David Bowieとの共作であるこの曲は、Greatest Hitsに新曲として収録され、
それからHot Spaceにおさめられたものです。ですから、他の曲より早くにできていて、
なおかつDavid Bowieのインプットがかなり入っていますから、Queenとしてはちょっと
異色のナンバーかもしれません。
歌詞的には、珍しく(というと、失礼ですね。すみません)ずいぶん社会的というか深いな、
と思わせます。今の時代でも、ぴったり来るのでは、と思います。
そしてここでもキーワードは「愛」。ですが、愛もまたプレッシャーになり得る、という皮肉な
含みも感じてしまうのですが、それは深読みしすぎかもしれません。
訳中「降ればいつも土砂降り」と言うのは、日照りが続いて、やっと雨が降ると土砂降りで
今度は洪水、という、「ほどほどで快適な時が、まったくない状態」と言う含みだと思います。
個人的レビュー
クイーン最大の問題作といわれている、『ホット・スペース」です。前回、『地獄へ道連れ』が受けたせいか、全面的にファンク色を前に押し出しています。それが、クイーンファンの拒絶反応を生んだらしいです。
アルバムとしての出来は良く、各曲のクオリティも高いので、クイーンでなければもっと受け評価されたのでは、とも言われています。
私も確かに最初に聞いた時には、面食らいました。でも基本的にクイーンはなんでもありなバンドだから、
これはこれで良いのかなあ、と思ったものです。それにA面こそ新機軸な曲が多いですが、B面(Put out the Fire以降)は、
ある意味従来のQueenっぽいのではないかと思えます。
個人的ベスト3
- LAS PALABRAS DE AMOR
- CALLING ALL GIRLS
- PUT OUT THE FIRE
|