◇ 相談8 ◇
【浄土宗や浄土真宗では“般若心経”というお経を
ほとんど読まないと聞いたのですが・・・
何か意味でもあるのでしょうか?】
【ご返信】
仏教には大きく分けると、
『自力』と『他力』、二つの“教え”があります。
自らに厳しい修行を課して、自分自身を高め、仏に近づこうとする。
たとえば、座禅などの“修行”を重ねることによって悟りを開こうと
する禅宗の諸派、あるいは、山岳密教や修検道など、
・・・を『自力』といい、
仏教は基本的に『自力』の教えだともいえます。
これに対して、自分の力ではなく、“仏様の慈悲の力”にすがって、
極楽へと導いていただく。
つまりは、“南無阿弥陀仏と称えるだけで、極楽往生できるのだ”
というのが浄土宗・浄土真宗の『他力』の教えです。
(この考えの根本には、自力の修行をしようと思っていても、
能力や環境に恵まれずに出来ないものたちだっているはずだ。
そのものたちをも救ってこそ、初めて仏教なのではないか。
・・・という、浄土宗の開祖・法然上人の考えがあります。)
簡単に言うと、(もうすでに簡単ではなくなっているかもしれませんが)
「般若心経」は、どちらかといえば『自分の力で“空=くう”を目指す』
という、自力的な意味合いが強いお経なのです。そのため、
浄土宗では法式によっては読み上げることもあるのですが、
どちらかといえば自分の宗派の教えを厳しく守る浄土真宗では
ほとんど読みあげることはないようですね。
いろんな相談室のページへ
トップページへ
|