◇ 相談1 ◇
【仏壇や位牌壇など、仏さまへお供えするのは、
〈お水〉ですか〈お茶〉ですか?
それとも〈お湯〉なのでしょうか?】
【ご返信】
いわゆる【お供え物】に関しては、
宗派によって、異なる教義(作法)があるようです。
〈水〉以外は供えてはならない、という宗派もありますが、
光松寺の西山浄土宗では、
『何をお供えしても構いません。』と、教えられています。
確かに、・・・
昔から「仏に奉るは一飯一水のみ」という言葉もあるように、
この本義からすれば〈水〉をお供えする、となるのでしょうが、
〈お茶〉や〈お湯〉を供えてはならない、と
〈水〉以外のものを否定しているわけではないと解釈しています。
ただし、こういった作法に関して個人的に申しあげれば、
宗派の教義以外にも、《地方的・地域的》な考え方があり、
「うちの田舎では、基本はお茶なんですよ。」
「うちの母は、お茶とお水の両方をお供えしていましたけど。」
・・・などという話を、檀家さんから聞いたこともあります。
また、このような質問を受けたときに僕がいつも話すことは、・・・
「朝食に〈ご飯〉を食べるか〈パン〉を食べるか、
どちらの方が正しいのだろうかとこだわりますか?
パンを食べるか・ご飯を食べるか・は、
ご家庭の生活習慣によって異なってくるものでしょうし、
どちらが正しいのかと、考える問題でもありませんよね。
大切なことは、【どちらを食べるか】ということよりも
【朝、食べる】ということのはずです。
つまり、仏さまの〈お供え〉も同じことで、
一番大切にすべきは【供えること】あるいは、
【お供えしよう】という気持ちなんですよ。
〈水〉〈お茶〉〈お湯〉と区別して考えることは、
〈パン〉か〈ご飯〉か悩むことと同じようなものです。
それに、ひょっとしたら、仏さんだって、
たまには〈パン〉が食べたくなるかも知れませんよ・・・」
ま、てなわけで、結論的には、
初めに述べたように宗派の【教義】も関係してきますから、
まずは菩提寺のお坊さんに相談してみてください。
その際、「どちらでも良いですよ」というお話でしたら、
自分の心で判断して〈水〉にするか〈お茶〉にするか
ゆっくりと考えられてはいかがでしょうか。
もちろん、今日はお茶だったから明日は水・・・、
なんてことも光松寺では〈あり〉です。
(毎朝、コーヒーをお供えされてる檀家さんもありますよ。)
【優しい気持ち】でなされたことは、
たとえそれが間違っていたとしても、
仏さまなら笑って許してくださいますでしょうからね。
最後に蛇足ですが、
出来れば【お初】をお供えしようという心根が大切です。
と、うちの檀信徒さん向けの【心得】には載っております。
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