仏教質問箱 【葬儀編そのO・散骨】
本文へジャンプ 2014年  2月 6日 

 



  【散骨
          =葬儀編・そのO=

      故人を火葬した後、
      その遺骨を
粉末状にして、
      海や山、あるいは空からそのまま撒くこと。

      昨今、時折り耳にする葬儀形態ですが、
      法的な意味以外でも、
      様々な問題があるようですね。

      ちなみに、僕が考える大きな課題は二つ。

      まず、散骨を希望される遺族の方々が、
      
自分たちの都合を中心に据えるのではなく、
      
撒かれる地域の人々の立場に立って、
      真剣に散骨を考えているかどうかということ。

      これは、たとえ、
      散骨の場所が国有地の海や山間部だとしても、
      知らない人の遺骨が撒かれた場所で、
      我が子や孫を
遊ばせたいと思われる方は
      おそらく少ないでしょうし、
      その地域でとれた魚や山菜を
      食べることに
抵抗を覚える人だって
      いるはずですよね。

      また、散骨する以上、
      手を合わす場所が墓地とは違って、
      本当に
曖昧になります。
      散骨を希望された故人は満足かもしれませんが、
      残されたご家族は、その後、
      
曖昧な空間に手を合わすだけになる。
      はたして、それで
“供養”と感じられるかどうか、
      僕には、それが一番心配なところでもあります。

      ただ、
      故人の思いを叶えてあげたいという
気持ちは、
      ご遺族に共通するものです。
      できれば、
      その気持ちを
ないがしろにすることなく
      より良い
《散骨》の方法を考えていく。
      それが、私たちに与えられた
      
一番の課題かもしれません。

      皆さまは、いかが思われますでしょうか?



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