仏教質問箱 【葬儀編そのH・引導を渡す】
本文へジャンプ 2013年  2月21日 

 



  【引導を渡す
          =葬儀編・そのH=

      前回(葬儀編そのG)の『葬儀・告別式』に関する
      文章の中で
“引導を渡す”という表現を
      何度か使わせていただきましたが、

      
◇引導とは、…

       
受戒によって仏弟子となった故人を、
       迷うことなく
お浄土に導く『作法』で、

       葬儀の中心として最も大切な儀式であるため、
       浄土宗では、役僧(同士の脇にいる僧)がいる場合、
       (役僧が)鉢を鳴らして
『広く浄土の門を開き』
       導師が立ち上がって祭壇の前に進み、
       
『引導を渡す(法語を読み上げる)』のが一般的です。

       ※ただ、僧侶が
導師だけ(ひとり=独奏)の場合、
        この鉢(はち=シンバルみたいな打楽器)は、
        
省略されることがほとんどです。

       ※また、この
『導師』という言葉も、
        お浄土へと
『導く』ことから名付けられています。

      
◇引導を渡す

       そのため、このこと(意味合い)から転じて、
       「ふらふらと定まらないものに、
        はっきりと最終通告を突きつける」
       「(あきらめるように)とどめを刺す」

       ……といったことを、
       
「○○に引導を渡す」と、
       現代では使われるようになったのですね。

      
※ですから…

       本来、『引導を渡す』とは、
       
良い意味で使われる言葉なのですよ。
       ご理解、いただけましたでしょうか?


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