仏教質問箱 【一枚起請文】
本文へジャンプ 2012年  2月10日 

 



  【一枚起請文
         =いちまいきしょうもん=



     『もろこし、わがちょうに…』
     (唐土、我が朝に…)

     ……と始まる
「一枚起請文」は、
     法然上人がお亡くなりになる
2日前に、
     その弟子・勢観房源智に請われて
     
病の床で書いたものだと伝えられています。

     短く簡素な文章ながらも、その中には、
     法然上人が生涯を通して称え続けた
念仏の真髄
     込められており、
     月参りや法事など、多くの機会で読み上げられる
     お馴染みの
経文でもあります。

     また、現在、その直筆は、
     京都の
金戒光明寺に寺宝として所蔵されており、

     
『證(証)の為に両手を以て印す』
     (知恩院では『證の為に両手印を以てす』)

     ……と、経文の途中で出てくる通り、
     その実物には、法然上人の
両手の印
     しっかりと押されているのだとか。

      
念仏とは、
       勉強のためにするものではなく、
       その意味を考えるものでもなく、
       その効果を期待して称えるものでもない。
      極楽往生を信じて、
      ただひたすらに(専らに)念仏すれば、
      それでよいのだ。


     建暦二年(1212年)正月二十三日に
     
『一枚起請文』を遺された法然上人は、
     その二日後に
入滅されました。


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