【一枚起請文】
=いちまいきしょうもん=
『もろこし、わがちょうに…』
(唐土、我が朝に…)
……と始まる「一枚起請文」は、
法然上人がお亡くなりになる2日前に、
その弟子・勢観房源智に請われて
病の床で書いたものだと伝えられています。
短く簡素な文章ながらも、その中には、
法然上人が生涯を通して称え続けた念仏の真髄が
込められており、
月参りや法事など、多くの機会で読み上げられる
お馴染みの経文でもあります。
また、現在、その直筆は、
京都の金戒光明寺に寺宝として所蔵されており、
『證(証)の為に両手を以て印す』
(知恩院では『證の為に両手印を以てす』)
……と、経文の途中で出てくる通り、
その実物には、法然上人の両手の印が
しっかりと押されているのだとか。
念仏とは、
勉強のためにするものではなく、
その意味を考えるものでもなく、
その効果を期待して称えるものでもない。
極楽往生を信じて、
ただひたすらに(専らに)念仏すれば、
それでよいのだ。
建暦二年(1212年)正月二十三日に
『一枚起請文』を遺された法然上人は、
その二日後に入滅されました。
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