【袈裟】
僧侶が衣の上にかけるお馴染みの【袈裟】ですが、
梵語の「カサーヤ」という言葉を漢字で音写したもので、
言葉としては「汚れている」や「壊色(えしき)」といった意味で、
本来は暑い地方(インド)での
“使い古しの布きれを寄せ合わせて作った衣”
・・・だったようです。
それが、日本や中国と言った寒い地域に入ってきて、
袈裟の下に「もう一つの衣」を着るようになってから、
神聖化され『装飾品』としても用いられるようになったとか。
また、袈裟は【福田依(ふくでんえ)】とも称されて、
“農家の人々が田んぼに種をまいて収穫するように、
仏教者も『善徳の種』をまくことによって
福徳を受けることが出来るのですよ”
・・・と、法話などで語られたりもします。
とんちで有名な“一休さん”が、
ボロ切れをまとって追い返された家に、
キンキラキンのお袈裟をつけてお参りに行くと、
今度はお家の人から「どうぞ・どうぞ」と通されて、
「ワシよりも袈裟の方が偉いようだ」と、
仏壇の前に袈裟だけを置いて帰った、
・・・などという話も載っていたりして・・・
ま、お袈裟は仏弟子となった【証(あかし)】でもあります。
《貪(むさぼ)らない・瞋(いか)らない・愚痴を言わない》
・・・という弟子の証でもある“三つの苗”を福田に植え、
毎日お念仏の水を忘れることなく注ぎ、
大きく育て上げてくださいますように!
※《貪・瞋・痴=とん・じん・ち》とは、煩悩の根元とも
いわれる《三毒》を意味する言葉です。
トップページへ
|