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本文へジャンプ 2006年 5月21日 

 



  【袈裟】


       
     僧侶が衣の上にかけるお馴染みの
【袈裟】ですが、
     梵語の「カサーヤ」という言葉を漢字で音写したもので、

     言葉としては
「汚れている」「壊色(えしき)」といった意味で、
     本来は暑い地方(インド)での
     
“使い古しの布きれを寄せ合わせて作った衣”
     ・・・だったようです。

     それが、日本や中国と言った寒い地域に入ってきて、
     袈裟の下に「もう一つの衣」を着るようになってから、
     神聖化され『装飾品』としても用いられるようになったとか。

     また、袈裟は【福田依(ふくでんえ)】とも称されて、
     
“農家の人々が田んぼに種をまいて収穫するように、
      仏教者も『善徳の種』をまくことによって
      福徳を受けることが出来るのですよ”

     ・・・と、法話などで語られたりもします。

     とんちで有名な“一休さん”が、
     ボロ切れをまとって追い返された家に、
     キンキラキンのお袈裟をつけてお参りに行くと、
     今度はお家の人から「どうぞ・どうぞ」と通されて、
     
「ワシよりも袈裟の方が偉いようだ」と、
     仏壇の前に袈裟だけを置いて帰った

     ・・・などという話も載っていたりして・・・

     ま、お袈裟は仏弟子となった
【証(あかし)】でもあります。

     
《貪(むさぼ)らない・瞋(いか)らない・愚痴を言わない》
     ・・・という弟子の証でもある“三つの苗”を福田に植え、
     毎日お念仏の水を忘れることなく注ぎ、
     大きく育て上げてくださいますように!

     ※
《貪・瞋・痴=とん・じん・ち》とは、煩悩の根元とも
      いわれる《三毒》を意味する言葉です。


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