【ご詠歌】
「五・七・五・七・七」の和歌に“節”を付けたもので
その起源は花山法皇(968〜1008)の“西国巡礼”に
あると言われています。
観音霊場を巡るに際し、その巡礼者たちは、
仏教への“信仰心”と、日本人の持つ“美しい心”とを
ひとつに合わせて、独自の歌詞や旋律を生み出してきたのだと、
書物などでは紹介されていました。
また『ご詠歌』には、
真言宗や臨済宗、あるいは曹洞宗、浄土宗など、
様々な“宗派”の中に独自の“流派”がいくつも存在しており、
その節回しによっても“大和節系”や“妙音節系”などと
区別もされているようです。
ま、確かに『ご詠歌』の詞は、難しいお経とは違って、
誰にでもわかりやすく仏教の“おしえ”を理解できるように
なっていますから、葬儀や通夜に際して、
また中陰期間中(初七日〜七七日)など、
私たちの身近なところでも
地域によっては奉詠されていると聞きます。
その他「七・五」調、あるいは「五・七」調の詞に
節を付けたものを『和讃(ご和讃・御和讃)』と呼びますが、
この和讃と『ご詠歌』を合わせて広い意味で
『ご詠歌(御詠歌)』という表現が使われる場合もあるようです。
※ちなみに、『お経』に“節”を付けたものは
『声明(しょうみょう=正しくは『聲明』)』と呼ばれ、
こちらは平安時代初期に最澄・空海によって
伝えられたものです。
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