仏教歳時記『地蔵盆』
本文へジャンプ 2009年 7月28日 

 


   
     【地蔵盆】

        
8月24日前後に行われる子供たちのお祭り。
          地域の地蔵尊の前や、お寺の境内などで、
          子供たちが楽しい時間を過ごす。
          (大きな数珠をみんなでまわす
【数珠繰り】という
           遊びや、お菓子が配られたりする。)



   
  【ほとけ(如来)】と【菩薩(ぼさつ)】とは、
       どう違うんだろう?


        
僧侶の勉強をしていて、不思議に思ったことがあります。
        『ほとけ』の代表は、もちろん『阿弥陀さま』。
        阿弥陀仏とも阿弥陀如来ともいわれますね。

        それに対して、観音さまやお地蔵さまは、
        それぞれが『観世音
菩薩』や『地蔵菩薩』と呼ばれます。

        ほとけ様』になるために、修行をしておられる人を
        『菩薩さま』と言うんだよ。
        『阿弥陀さま』も『ほとけ様』になる前には、
        『
法蔵菩薩』と呼ばれていたんだ。

        「ふ〜ん、そうか・・・」

        ・・・でも、ちょっと腑に落ちませんでした。
        なぜなら、『観音菩薩』も『地蔵菩薩』も、
        私から見れば、すでに立派な
『ほとけ様』だったからです。

        私の疑問に対する【答え】は、その後、見つかります。

        『観音さま』や『お地蔵さま』は、本当を言うとすでに
        『ほとけ様』に昇格してもいいんだよ。
        でもね、あえて『菩薩さま』の【位(くらい)】のままで
        留まっておられるんだ。
        ・・・なぜだか、わかるかい?

        【おわかりになりますでしょうか?】

        それは、ですね・・・

        ひとたび、【ほとけ様】になってしまえば、
        この世の中(娑婆)に降りてくることが難しくなってしまうからです。
        
        【降りるきて】何をするのか・・・? ですって・・・?

        もちろん、私たちを救ってくださるのです。

        私たち個人個人の『痛み』や『苦しみ』を、
        『ほとけ様』が取り除くことはできません。
        なぜならば、
        【特定の人たち】だけに『利益(りやく)』を与えることは、
        『ほとけ様』には不可能なのです。
        ・・・というよりも、
        『ほとけ様』が、そういう存在であったら困りますよね。

        だから、『ほとけ様』は、
        『観音さま』や『お地蔵さま』が、
        本当は【ほとけ】になる【力】が備わっているにもかかわらず、
        【菩薩】のままでおられることを、
        しっかりと認めておられるのです。

        自分(ほとけ)にできないことは、
        自分の代わり【菩薩】たちにやってもらおう。
        ・・・このように、かんがえておられるのです。

        おわかりでしょうか・・・?
        つまり、私たちは【遠慮】することなく、
        菩薩さまたちに大声で念じて良いのです。

        【ぼけませんように!】
        【病気が治りますように!】
        【悪業を許してください!】

        ・・・

        なんでも、けっこう。
        あなたの【苦しみ】を、
        『お地蔵さん』が代わりに引き受けてくださるのです。
        (これを【代受苦】といいます。)

        『それじゃあ、お地蔵さんが可哀想だよ!』

        優しい声が、聞こえましたね。

      『ありがとう。みんな優しくなれるといいね!』



           トップページへ