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本文へジャンプ 2006年 12月 6日 

 


 
    除夜の鐘


     
第1話 
(平成11年12月発行「ひかり」第7号より)

       大晦日に、
【108】の煩悩を打ち払う。

       【108】という数には諸説あり、
       たくさんの仏教用語が出てくるものもありますが、
       そのなかから、一応(?)、簡明らしきものを二つ。

       ◇ インドでは、
『数の多い様子』
          【108】という数字で表していた。

       ◇ 人間の苦しみ『四苦八苦』。
          語呂合わせで
『4989(しくはっく)』
          【4×9=36】・【8×9=72】、
          【36】と【72】を合わせるとl【108】になる。
          ★見事な計算ですね★

       ま、「うんちく」はこのくらいにして、
       な〜んにも考えずに、思い切って
       
【ご〜〜〜ん!】と、いきましょうよ。
       その結果、煩悩が飛んでいったら
       【ラッキ〜〜〜!】ぐらいの感じで良いでしょう。

       また、
【来年】がやって来ます。

       【宿題】が残ったら、残ったまでのこと。
       新しい年へ向けての
【課題】を残しておくのも
       悪くないですよ!


     第2話 (平成12年12月発行「ひかり」第14号より)

       【108】の由来は昨年書きましたので
       たまには(!)『お坊さん』らしく、【煩悩】の話。

       私たちの身心を乱し、悩ませ、正しい判断を
       妨げるのが【煩悩】。

       
【貧欲】 〈とんよく〉  ★むさぼり
       
【瞋恚】 〈しんい〉   ★いかり
       
【愚痴】 〈ぐち〉    ★おろかさ、仏教のおしえを
                      知らないこと

       ・・・以上の三つ
【貧・瞋・痴】 〈とん・じん・ち〉が、
       根本的な煩悩
『三毒』と言われます。

       ただ、・・・
       普通の人間にとって、【煩悩】というやつは
       そう簡単に払えるものではありません。

       
仏教の出発点は、ここにあるのです。
       また、【煩悩の克服】が、仏教の目的でもありません。
      
       そこのところを、お間違いのないように・・・


     
第3話 
(平成13年12月発行「ひかり」第22号より)

      
【現在・過去・未来】

       除夜の鐘、108つ。
       人間の持つ煩悩の数でもあり、
       四苦八苦を4989(しくはっく)と読み、
       その計算方法を一昨年書きましたが、

       人間の煩悩の数を【36】あると考え、
        (※ややこしい区分は省略しますが・・・)
       その煩悩には
【過去・現在・未来】の3種類があるのだから、
       【36×3=108】という説もあるようです。

       つまり、・・・

       
『今年の煩悩だけを払うのではなく、
        過去や未来の煩悩までも払い尽くすのだ』

       ・・・と、いうことでしょうね。
       ま、・・・

       
『払っても払っても、あとからドンドンとわき出してくる』
       ・・・のが【煩悩】でしょうけど、

       
【除夜の鐘とは、新しい年に向け気持ちを引き締めてくれる
        ず〜っと昔から伝わる、とてもイイもの】

       ・・・だと、書物が締めくくっていました。

       良い締めくくりと、新しい年への思いを込めて
       ゴ〜ン!と一発、いかがですか?


     第4話 
(平成14年12月発行「ひかり」第29号より)

      【除夜の鐘の突き方】

       『除夜の鐘って、突き方に作法があるのですか?』
       ・・・などとお尋ねの方に。

       
「あなたの煩悩」と、「私の煩悩」に違いがあるように、
       
「あなたの突き方」「私の突き方」は、違っていて
       
当たり前なのです。

       大切なのは【突く】こと。
       それも【気持ち良く】、ね。

       恒例の年末行事です。
       皆様で【気持ち良く】なりに来てくださると、
       私も
『鐘』も、気持ちよさを分けていただけます

       お気楽にお越しください。


     第5話 (平成15年12月発行「ひかり」第37号より)


       除夜の鐘にのせて凡夫の持つ108煩悩を打ち払う。

       「一回突いただけじゃ、払い切れませんよ。」
       ・・・などとは思わないでくださいね。

       
他の人が撞いた鐘の音でも、
       あなたの煩悩は払われるのです。
       ・・・ということは、

       
あなたが鳴らした鐘の音だって、他の人の煩悩をも
       払いのける効果があるのです。

       自分のためばかりでなく、
       誰かのお役にも立つことが出来るなんて
       
嬉しくないですか?

       一年の締めくくり。
       気持ち良く、ゴ〜ンと一発!

       皆様お揃いで、いかかですか?


     第6話 (平成16年12月発行「ひかり」第45号より)


       「なぜ、除夜の鐘を突くのか?」

       ・・・『人の108煩悩を払うためです。』

       「では、なぜこの時期に、
        煩悩を払わなければならないのか?」
     
       ・・・『・・・?』
       さて、お答えになれますか?

       【一年間、積もりに積もった煩悩を
        大掃除のように、年末に払いきる】
       ・・・というのも、一理ありますが、

       
【本来は《年神様》をお迎えするために《身を清める》】
       ・・・ことが、大切な意味合いだったようです。

       ま、ゴ〜ンと一発!
       気持ち良く
《新しい年》を迎えていただければ、
       それで何より、なのですけどね。


     第7話 (平成17年12月発行「ひかり」第53号より)


       除夜の鐘の話も、今回で都合7回目。
       さすがにネタも尽きてきた(突きてきた・・・?)ので、
       今回は【鐘】本体のお話など・・・

      
【乳(ちち)】
       以前、「雑学手帳」でも出題したのですが、
       鐘の上部にいくつもある
『ぶつぶつ』の突起物
       【乳】と呼びます。(ちなみに、その間は
【乳の間】で〜す!)

      
【竜頭(りゅうず)】
       ナンか腕時計にもあるような名称ですが、
       鐘の上部に付いている、鐘をつり下げる縄を通す部分の
       名称で、
2頭の竜が頭を下向きに背中合わせに
       なっています。
       正確に言うと、竜の子である
蒲牢(ほろう)で、
       鯨に襲われると大声で鳴くことから、
       鐘が良く鳴るように、という意味だとか。

       その他、
【撞座(つきざ)】と呼ばれる撞き木の当たる
       部分は、鐘の左右対称にあり、周囲には
蓮の文様
       あるのが一般的だそうです。

       確かめがてら、ゴ〜ン!と【煩悩払い】に
       皆様でお出でください。お待ちしております!


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