【編集後記】
平成18年2月発行「ひかり」第55号より
戌年の2月も残りわずか。
“犬、塊(つちくれ)を逐(お)う”
・・・という言葉が「涅槃経」にあります。
“犬は土くれを投げるとそれを追っていく。
しかし、投げた人間を追うことはしない。”
・・・という意味合いで、
“これと同じように、
普通の人間は、物事の現象や結果ばかりを見て
その原因を見ようとはしないものである。”
・・・と、説かれます。
で・・・
例えば、ビジネスホテルの不法改修問題。
障害者施設を取っ払って改修したことに、
マスコミ挙って非難を集めているようですが、
駅前の視覚障害者用の歩道に置かれた放置自転車だって
どう考えても【同罪】ですよねぇ・・・
みんなの暮らしや住みよい社会のためには
「ひとりひとりが少しずつでも我慢する」という気持ちを
大切にしていきたいものです。
小さい子供さんをはじめとする“弱者”が、
悲しい“犠牲者”となる事件が続きます。
結果という、投げられた“土くれ”だけを追いかけるのではなく、
人間として“自ら”の内側にも原因を探すべきのような気がします。
なにしろ、私たちに“出来ること”って、
それぐらいしか思いつかないのですから・・・
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