議会活動

■2007年(平成19年)3月議会 一般質問

<子どもを犯罪から守るための取り組みについて>

私は通告にしたがい、「子どもを犯罪から守るための取り組みについて」質問をさせていただきます。冒頭、質問に入る前に、昨年の第四回定例会において、自身の突然の体調不良により、質問通告をしながらも本会議を欠席し、皆様に多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。(一礼)

それでは、質問に移らせていただきます。

 近年、社会的弱者である子どもをターゲットにした犯罪の発生件数、または認知件数の増加は単なる第三者的な驚きを超え、極めて日常的かつ現実的な地域の脅威になっていると言っても過言ではありません。私も利用登録している区内三警察署および区環境推進課から配信される防犯メールニュースによって確認できる発生事件や未遂事件の内容を見ると、恐らく半数以上のケースで、そのターゲットが子どもとなっているのではないかと思われます。犯罪者やその予備軍に対し問いただしたいメッセージはたくさんありますが、常識の通用しない彼らに議会や行政として働きかけられることには自ずと限界があるでしょう。それよりもまず、私たちがすべきことあるいは私たちにできることは、やはり、平成十五年に策定された「安全・安心まちづくり運動大綱」など防犯施策を整備したり、あるいは工夫をこらしながらそれらを地域や学校で普及させ、着実に運用していくことではないかと思われます。間接的な措置ではあっても、そうした防犯への地道な取り組みが一人でも多くの子どもたちを守ることにつながるのだと確信しています。

そうした、子どもを犯罪から守るための取り組みとして八年間の歴史を刻んできたものが、篠崎小学校PTAから発祥し、現在、区立小学校PTA連合協議会が実施している、ピヨピヨマークで知られる「子ども110番ステッカー」の取り組みです。現在、区内貼付枚数も6950枚を数え、各地域の個人や商店に多くの理解と協力を得ている同取り組みですが、後述する最近スタートした「子ども安全対策会議」や「子ども見守り隊」などの間で、昨今、やや埋没している印象を受けます。単なる印象と話題性の問題だと思いますが、取り組みとして歴史があり、非常に有効かつ必要なものと考えておりますので、今後も地道に進めていただきたいと思います。

次に、一昨年、PTA連合協議会、地区委員会、小中学校、警察署などの各長によって結成された「江戸川区子ども安全緊急対策会議」とその周辺の取り組みについてお伺いしたいと思います。同会議は、全校一斉防犯パトロール、常時パトロール、見守り隊、安全・安心マップ作成などのアクションプログラムを積極的に実施しており、子どもたちを守るための取り組みとして重要であると考えます。しかし、同取り組みの効果をさらに高めるためには、いくつかの課題もあるように思われます。

例えば、下校時に比べ比較的実施しやすいと思われる登校時の常時パトロールについては、その実施率はまだ百パーセントには達しておらず、十八の小学校では未実施のようです。学校教職員、保護者、町自治会の方々らによるあくまでも自主的な取り組みゆえ、区が強要するものではないと思われますが、教育委員会として実施を促すような働きかけを続けていただきたいと思います。また、子ども見守り隊についても徐々に結成と実施が進んでおり、現在、およそ半数の小学校で組織化されたと伺っておりますが、逆に言えば、それは半数の学校ではまだ対策が遅れているということでもあります。もっとも、類似の取り組みとして、すくすくスクール見守り隊や、あるいは小岩地域ではシルバーポリスやイエローベレー、清新町・臨海町では青い腕章を付けた地域の教育協議会、宇喜田・小島地区の「わんわん・ウォーキングパトロール隊」など、それぞれ独自のパトロール隊が積極的に活動しており、それら防犯パトロール隊の数はおよそ四百団体にも及んでいます。「安全安心まちづくり運動」の下での防犯活動や子どもを地域で守る自主的な取り組みは大変頼もしい限りであり、これらの防犯活動開始前に比べ、犯罪件数が約三割減少したという成果とあわせ、関係者それぞれのご努力に深く敬意を表したいと思います。今後のさらに積極的な、地域における防犯パトロール活動の推進を願うものです。

また、アクションプログラムの中で作成された安全・安心マップについては、コンクール形式をとったり、「通学路親子安全さがし隊」と銘打った通学路の点検など、興味深い工夫が見られるのはよいことです。しかし、せっかく作成した安全・安心マップの利活用となると、学校やPTAにより差異が出ているように聞いております。マップを作成しただけで終わってしまっているとしたら、これほど残念なことはありません。区としては、せっかく各校やPTAが作成した安全・安心マップを効果的に活用してもらうため、どのような対策をとっているのでしょうか。お聞かせ下さい。

 また、不審者に対し地域や保護者が子どもたちと共通認識を持つためのセーフティ教室、あるいは子どもたちが自ら不審者に対応できるように工夫されたCAPプログラムについて、各学校、PTAあるいは地域の最近の取り組みはどのような状況にあるのでしょうか。お聞かせ下さい。

 さらに、東京都からの補助を受けるかたちで各小学校に防犯カメラが昨夏、設置されました。まだ、設置されて間もないため、効果を検証するための十分な分析データを抽出することはできないと思われますが、防犯カメラの設置状況や防犯効果に関する中間的な報告などがあれば、ぜひお聞かせ下さい。

 以上のように、区では子どもを犯罪から守るための数々の取り組みが多角的に実施されています。子どもは古今東西、次代を担う大切な宝であり、財産です。そんな彼らのために私たちが、彼らが安心して成長できる環境を整備していくことは変わらぬ責務であると言えます。区長も、先の召集挨拶の中で、「安全安心のまちづくり」に言及した際、「なかんずく、子どもの安全は、いささかも揺るがせにできない問題であります」と述べておられました。

現実には、悲しい社会状況になったと嘆く暇もないほど、繰り返しまた次々と子どもをターゲットにした事件が各地で起きています。今後も行政の地道な取り組みを切に願いつつ、私の第一回目の質問を終わります。

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