トランシルヴァニア地方の要塞教会
Villages with Fortified Churches in Transylvania


 オスマン・トルコ軍などの侵略を防ぐため、教会の防衛を強化するための要塞化がすすみ、このような要塞教会は17世紀初頭には600箇所もあり、現在でもその半分程度が残っているとのことです。
 この中で、代表的なものは、ルーマニアのほぼ中央に位置する「ビエルタンの要塞教会」で、1993年に最初に世界遺産として登録されましたが、その規模、保存状況ともに最良のものとして知られています。
 ビエルタンでは、防壁が、街全体ではなく、生活の中心であった教会の周りだけにめぐらされています。
 最初の防壁は、15世紀の建造に始まり、完成すると次に第二の防壁を、17世紀にはとうとう三重防壁となっています。
 現在、トランシルヴァニア地方の7箇所の要塞教会が世界遺産に登録されていますが、私が訪れた「ビエルタンの要塞教会」と「サスキズの要塞教会」についてご紹介します。


   ビエルタン要塞教会

 ビエルタン要塞教会は、シギショアラから南西27kmのところにあります。
 要塞化されたゴシック様式の教会の近くには、いくつかの食料倉庫が建てられ、食料の備蓄をして篭城戦にも耐えられるようにしていたそうですが、幸運にもビエルタンはオスマン・トルコ軍の攻撃を受けず、施設が破壊されることなく、その姿を今にとどめています。


世界遺産「ビエルタン要塞教会」  教会というより、まるで城のような「ビエルタン要塞教会」です。
要塞教会を取り巻く三重の防壁  「ビエルタンの要塞教会」は、三重の防壁に囲まれた堅固な教会です。
要塞教会の数々の建造物  要塞教会の数々の建造物です。
要塞教会敷地内写真  要塞教会内部の写真で、右側は防壁です。
ゴシック様式の教会建物  ゴシック様式の教会建物です。
聖壇タペストリー  ゴシック式の聖壇タペストリーです
説教台  説教台です。
パイプオルガン  パイプオルガンです。
精緻な門の鍵  中世の腕利きの職人による精緻な門の鍵です。

    サスキズ要塞教会

 今回の旅行日程には、「サスキズ要塞教会」は、組み込まれたいませんでしたが、世界遺産の街シギショアラからルーマニア第2の都市ブラショフへ向かう途中、「サスキズの要塞教会」前を通り、折角の機会ということで、バスを止めカメラタイムとなりました。
 「サスキズ要塞教会」は、サスキズ村近郊に、14世紀に建てられたもので、内部の城壁、塔、天守閣、教会などの要塞の大部分が当時のままの姿をとどめています。


世界遺産「サスキズ要塞教会」  「サスキズの要塞教会」です。
世界遺産「サスキズ要塞教会」  同上。
世界遺産「サスキズ要塞教会」  壁に空いた無数の穴は、外敵の攻撃によるものではなく、屋根の修復の足場を組むためのものだとの説明を受けました。
世界遺産「サスキズ要塞教会」  屋根に「1832」の文字が見えます。
 1832年に、修復されたという意味でしょうか?。

2006年7月11日

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