バターリャの修道院
Monastery of Batalha


 バターリャの地名は、ポルトガル語で「戦い」という意味ですが、1385年、ポルトガルに侵攻したスペイン・カステーリャ軍に対して数分の一の兵力のポルトガル軍が撃破し、この戦いを記念してポルトガルの独立を死守した勝利のシンボルとなる修道院が建設されました。
 この壮麗な「バターリャの勝利のサンタ・マリア修道院」は、アルコバサの修道院をモデルとして、1388年に建設が着工され、当初は簡素なゴシック様式であったものが、代々の王に引き継がれ、建設されたためマヌエル様式が混在する建物となっています。
 


「バターリャの勝利のサンタ・マリア修道院」  勝利のシンボルに相応しい堂々たるファサードの修道院です。
 この修道院の礼拝堂には、創設者のジョアン1世と王妃の仲睦まじく手を繋いで永眠している彫刻のある棺やエンリケ航海王子らの棺があります。
修道院のファサード  同上。 見事な装飾に眼を奪われます。
 奥行約80m、高さ32mの教会内部は、質素で厳粛な美を感じさせる巨大な空間となっています。
王の回廊  王の回廊は、15世紀に建てられ、約100年後に、マヌエル様式の装飾が加えられたものだそうです。
王の回廊の隙間飾り  王の回廊のアーチ部分は、見事な装飾が施されています。
 レース編みにたとえられる白い大理石で造られた繊細な隙間飾りは見事なものです。
修道院のステンドグラス  修道院のステンドグラスです。
 そこに差し込む光が幻想的な雰囲気を醸し出しています。
未完の礼拝堂  天井がなく青空の下に建つ「未完の礼拝堂」です。
 独創かつ幻想的なマヌエル様式の装飾が施された戸口部分、浮き彫りの幾重にも重ねられたアーチが折り重なっている姿は、何とも言えない美しさです。

 未完の本当の理由は不明のようですが、未完だからこそ美しいという見方もあるようです。
 

2002年10月11日

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