光の化石不思議5 | |||
銀河の光はどんな理由で赤方偏移(波長が伸びる)するのか | |||
1 | よく言われる三つの理由と、見向きもされないひとつの理由そしてTa型超新星の光 | ||
@ 後退速度によるドップラー効果 A 温度低下(宇宙空間が膨張したために空間の温度が下がった) B 宇宙空間が膨張したため光も膨張して波長が伸びた C 星間赤化(見向きもされないひとつの理由) D Ta型超新星の光 |
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A | 考察 | ||
@が一般的な意見の中でも一番賛同されてる意見。ビックバンの証拠だから。でもAもBもビックバンによる宇宙膨張があったから起こったことです。(@もAもBも同じことのように書いてある本さえあります。) CDはビッグバンとは関係ない理由。だから誰にも見向きもされていません。 いったいどれが本当なのか。それともみんな仮説の域を出ないのか。 |
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一番人気は後退速度によるドップラー効果 | |||
銀河が地球から遠ざかっていることからくるドップラー効果による光の赤方偏移であるという考え方です。 光源が、観測者に対して、遠ざかったり、近づいたりする運動をしていると、光の波長が伸び縮みする現象です。離れていくときは波長が伸び、赤いほうに変化し、近づいてくるときは、波長が縮み、光は青いほうに変化します。このことは実験でも確かめられています。これは、よく救急車のサイレンの音の変化で説明されています。 ただ、銀河の赤方偏移と距離との関係はハッブルという人が発見したのだけれど、彼自身は、赤方偏移と銀河の距離は関係があるけれど、その原因が後退速度であるとすることについては慎重であるようにといっています。このことからだけでは犯人は後退速度であるとするには証拠が足りないからです。げんに、ビッグバン論者でさえも、以下に述べる、bやcのような原因を唱えている人もいるのですから。 |
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二番人気は温度低下のために、光のエネルギーが減少 | |||
A空間が膨張したために空間の温度が下がった。 空間も普通の物質のように、膨張すると温度が下がるというのです。その結果光の温度も下がるということらしいです。光の温度が下がるというのは、光の振動が遅くなることです。振動が遅くなるということは、光が周波数の少ないほう、すなわち赤のほうに変移するということです。 これが、空間の温度低下による光の赤方偏移の説明です。 なぜ、そんなことが起こるのでしょう。その原理はどうなってるのでしょう。 (疑問1)空間自体に温度はあるのでしょうか。物質には温度があるけれど、空間の温度というのはどういうものなのでしょう。熱の仕組みそのものを問い直さなければならない問題だと思います。 (疑問2)空間の温度が下がると、どうして、光の温度も下がるのだろう。高温の太陽から出た光が、南極にくると温度が下がる(波長が伸びる)という話は聞いたことがないが、そういう現象はあるのかしら。 この考え方はどうもいただけないような気がします。 |
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三番人気は空間膨張のために光の波も膨張した | |||
B空間が広がるから、光も大きくなる。だから、光の波長も大きくなって間延びするので赤方偏移するという説です。 ビッグバン宇宙論では、ビッグバンによって、物質が飛び散ったのではなく、空間がそのときできて急速に膨張したそうです。物質は、その空間に貼り付けられて、引っ張られるようにしてここまで広がったというのです。 そういうわけで、光もその空間の膨張とともに大きくなったという考え方です。最初、細かだった光の波も、膨張して、巨大になったということです。波線を書いた風船を膨らせると、波線も大きくなっていくのと同じようなことだそうです。大きな波は小さな波と比べると、波長が長くなっています。波長が長くなると、光は赤いほうにずれます。だから、赤方偏移をするというのです。 この現象は、宇宙背景放射に適応されています。ビッグバンの時には光だった電磁波も空間膨張とともに膨張してマイクロ波になったというのです。 なるほどもっともらしいけど、空間が膨張すると光も膨張するという証明はなされているのかしら。風船は空間とは本当は似ても似つかないものだし、風船に書いた波線は光ではありません。 特に、膨張すると、波長だけではなく、波高も大きくなっています。これはどのように現象として現れてくるのでしょう。普通の赤方偏移では、波長だけ伸びます。 |
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四番人気は大穴 わたしだけ | |||
C星間赤化 見向きもされないひとつの理由・赤方偏移は銀河だけの特権ではない 天の川銀河内の星星も赤方偏移していることが観測されています。(個々の星の動きによる赤方偏移とは別に) 星間赤化と名づけられているそうです。この原因は、上の3つの原因ではなくて、星間塵だそうです。 銀河系円盤部に多量に集まっている星間塵が観測光を少し赤い色側にずらせるそうです。 ということは、銀河の光も星間塵によっても赤方偏移することも可能だということです。宇宙空間に、銀河円盤の1000分の1とか10000分の1とかの密度で銀河間塵があったらそれで十分銀河の光も赤方偏移するはずです。天の川銀河内の星に比べて、銀河の光は数万倍とか数十万倍とかの距離を飛んでくるのだからその影響を受けてる可能性は十分です。 そのほかにも、ほしの光が赤方偏移する現象があります。 その他の赤化現象は(追記 )および(追記2)を参照。 光が赤化する現象はそんなに珍しいことではないみたいですし、原因もさまざまです。 |
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五番人気はもうひとつの大穴 Ta型超新星の光 | |||
Ta型超新星とは 白色矮星が爆発してできる超新星の分類名です。白色矮星はそのままでは爆発しません。最初には隣に赤色超巨星があるときに、そのガスを吸い込んで質量が増えて行きます。そして、白色矮星の質量が、太陽質量の1.4倍になったときに、大爆発を起こして超新星になります。したがって、どのTa型超新星も同じ明るさの爆発になります。 利用法 絶対光度が同じである。超新星だから非常に明るい。光度の減少パターンが同じということから、遠くの銀河までの距離を出すのに使っています。今のところ、遠い銀河までの距離を出すのには一番の方法だといわれています。 赤方偏移との関係 この超新星の減光パターンは、遠くなるほどゆっくりになるというのが観測されています。一月で見えなくなるのが、距離によって1.5ヶ月とか、2ヶ月とか間延びしてしまうそうです。 そこで、この原因を考えて見ます。 光の速度が遅くなったのが原因ではないでしょうか。 たとえ話で考えて見ます。もちろん、たとえ話だから証明ではありません。 踏切を通り過ぎる列車を考えます。100キロで過ぎていく列車と、50キロで過ぎていく列車を考えます。先頭車両が目の前に来てから一番後ろが通り過ぎるまで、50キロのほうは、100キロのほうより倍の時間がかかります。車両の長さが同じでも、速度によって、先頭が過ぎてから、最後尾が過ぎるまでの時間が変わります。超新星の爆発も同じように考えられないでしょうか、爆発の始まりのとき出た光、途中の光、最後の光と、宇宙空間を連綿とつながって地球に向かってきます。爆発の最初の光が地球にやって来てから最後の光が到達するまで、列車と同じように、光の速度が遅くなると時間がかかります。これが、超新星の減光パターンが間延びする原因ではないでしょうか。 では、光が速度を落とす原因を考えて見ます。 光は、屈折率のある物の中を通り抜けるときは速度を落とします。空気や水やガラスやダイヤモンドや、その他なんでもです。 光は、地球までやってくる間に宇宙にある透明なガスを通り抜けてくるので、減速されたと考えられます。銀河と銀河の間にあるガスはとても希薄です。でも、その代わり通り抜ける距離は千万光年とか、1億光年とか、地球上の空気や、水に比べてはるかに長くなります。したがって、トウタルでは、通り抜けた物質の量は、地球上の空気や水の量よりはるかに多くなることでしょう。光が減速するには十分な量です。 そこで、赤方偏移との関係です。光の速度が落ちたから、赤方偏移をしたと考えます。 また列車です。10両編成です。1車両を光の波ひとつに考えます。波は全部で10あります。 目の前を特急が1秒で通りすぎます。通り過ぎた車両は10両。波は10です。すなわち周波数は10です。 今度は普通列車です。2秒間で通り過ぎました。1秒間では、5両です。周波数は5です。 同じ長さでも、速度によって通り過ぎる車両の数が違ってきます。同じように光の波も、光の速度によって到達する数が違ってきます。光も光の速度によって周波数が変化するのです。 銀河が赤方偏移するのは、光の速度が落ちたことが原因です。 |
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B | まとめ | ||
Aでも、Bでも、Cでも銀河の赤方偏移は@のドップラー効果ではないということになります。ただ、AとBは空間が膨張しているというのが条件だから、ビッグバン論のひとつです。ドップラー効果との兼ね合いはどうするのか知らないけれど。 たとえば、宇宙背景放射は、Bの宇宙膨張が原因で、光がマイクロ波にまでなったと説明されます。しかし、その数億年後の銀河の光は、@の後退速度によるドップラー効果で赤方偏移したと説明されています。その結果、かたやマイクロ波に、かたや可視光にと、赤方偏移の度合いがまるで違っています。この矛盾は、どちらかが間違っているか、双方が間違っているかのどちらかです。 私は、銀河の赤方偏移は、Dの光の速度低下が原因だと思います。そうすると、距離が増えれば倍倍に赤方偏移するのも可能だし、空間の膨張などとSFみたいなこと言わなくてもすみます。 宇宙背景放射だって、宇宙塵の出す熱とすれば、簡単に説明がつきます。そうすれば、130億年前の銀河の光が、可視光線のままで観測され、137億年前のビッグバンの光がマイクロ波で観測されるという、矛盾もなくなります。 どこが矛盾かを、もう少し詳しく説明します。 ビッグバンの光は、宇宙全体の爆発なのでおそらく超高エネルギーの光(電磁波)だったと予想できます。背景放射のマイクロ波は低エネルギーの光(電磁波)です。電磁波としては、最高のエネルギー状態から、可視光より低いエネルギー状態に落ち込んでいます。エネルギーの減少がとても大きくなっています。これが、137億年の間に起こりました。 一方、130億光年先の銀河の光は、そこらにある銀河と同じように、出たときは普通のエネルギーの光だったはずです。もちろん高エネルギーのγ線も含まれているとは思いますが。それが、今、ハッブル宇宙望遠鏡では、普通のエネルギーの可視光線(電磁波)で見えています。中の上くらいのエネルギー状態から、中の下くらいのエネルギー状態に変化しています。エネルギー減少はあまり起こっていません。これが、130億年の間に起こりました。 たった7億年の差でどうして、二つの電磁波にこのような大きなエネルギーの現象の違いがでてくるのでしょう。また、赤方偏移の原因が違うのでしょう。 自然は、相手(ビッグバンの光か、銀河の光か)によって当てはめる法則を変えたりしません。相手によって態度を変えるのは人間だけです。どこかが間違っているはずです。どこかとは、ビッグバンがあったというところです。 じゃあ、宇宙ガスが原因とすればどうなるでしょう。先ほども述べたように、銀河の光は速度を落とすことで赤方偏移します。宇宙空間は平坦であるという論からいくと、宇宙ガスは均等に分布しています。すると、銀河の距離が大きくなると、光の速度も落ち、赤方偏移の度合いはと例します。 また、宇宙背景放射は、ビッグバンの光ではなく宇宙塵の出す光ということになりますから、銀河の光と違ってエネルギーの低いマイクロ波であっても少しの矛盾もありません。 |
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C | 結論 | ||
赤方偏移は、宇宙ガスが原因であるとすると、いろんな現象が、地球上や、この近辺の宇宙で起こっている普通の現象で説明がつきます。かたや、ビッグバン起因説だと、空間の膨張という、地球上では起こっていないし、物理法則も解明されていない現象で説明しなくてはならなくなったり、上に書いたような矛盾が生じたりします。 2003年10月16日 2004年3月11日改定 20004年12月29日改訂 妹空並刻記 |
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