カッチンコッチンお時計さん
光のスピードになると、時間は止まるか? |
1 | 本当に時間は止まっているのか見てみます。 | |
A点、B点、C点は離れています。ここを光が通過します。 まず、光がA点を8:00ジャストに通過します。光は光速だから、光の時間は止まります。だからこの光はいつも8:00です。光がB点を通過しました。光の時刻は8:00ジャストです。C点に達しました。ここでも光の時刻は8:00ジャストです。 光は光速で進んでいるからいつも8:00だけど、A点、B点、C点は光速じゃないから、時間は経過しています。だから、B点、C点上の時計と、光上の時計は時刻が違うということになります。同じ場所で同時に異なる時刻が存在しているというのです。こんな不思議なことが起こっているというのです。 |
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A | このことを、「不思議の国のトムキンス」で考えます。 | |
走っているトムキンスから見ると、スピードを出せば出すほど進行方向の景色が縮んでいきます。最高速(光速)になると周りの景色は進行方向にぺったんこになります。 これでいくと、A点、B点、C点は1点で重なります。すなわち、光は同時刻に3つの点を通過できることになります。すると、光も、3つの地点も時計は同じ8:00をさしていることになります。すべての時計が同一時刻です。上のこととちょっと違います。これは、光から見る場合のことで、普通の場所から見ると、A点B点C点は離れていて、光の通過時刻も違うそうです。 |
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B | 漫画で考えます。 | |
正義の超能力者がいます。悪漢が10メートル離れたところから、ピストルで撃ちます。これに気づいた超能力者は時間を止めます。するとどうなるでしょう。周りのすべてが止まります。人も車も、飛んでいる鳥も、手に持ったたばこの煙も空中で止まっています。もちろんピストルの弾も止まっています。その間を縫って、超能力者は悪漢に近づき、銃を取り上げて縛り上げます。そこで時間を動かします。悪漢は何のことか分かりません。相手に銃を発射した次の瞬間自分はぐるぐる巻きにされて転がっているのですから。これだと、相対論とは反対に周りの時計はみんな止まっています。動いているのは超能力者の時計だけです。もちろん漫画だから架空の話です。 | ||
C | 現実で考えます | |
太陽(A点)を8:00に出た光は、地球(B点)に8:08に到達します。火星(C点)に8:20に到達します。それぞれの惑星上の時間は経過しています。しかし、相対論だと通過していった光上の時計は同じ時刻8:00をさしていることになっています。太陽、地球、火星の光の通過時刻はそれぞれ違います。光だけ同じ時刻です。 映像で考えます。太陽上に時計があったとします。すると、その時計の映像、8:00がそのまま飛んでいきます。地球に来たときも8:00のままです。火星に行ったときも、8:00のままです。映像の時計は止まっています。光の時計は止まるみたいです。ほんとかな?あとで考えます。 「トムキンス」から考えます。太陽、地球、火星は進行方向に縮み、太陽上にぺったんこに重なります。したがって、光は同時刻に3地点を通過します。すると、光上の時刻ばかりではなく、太陽上の時刻も、地球上の時刻も、火星上の時刻も同じ8:00ということになります。でもこれじゃ、太陽にぺったんこに重なるわけで、ちょっとやけどしそう。 漫画でいくと、太陽も地球も火星も動きを止め、その中を光だけが自由に動き回っていくことになります。光だけ時間が経過します。 先ほどの映像のことを考えます。確かに時計の針は出たときのまま止まっています。しかしそれが光の本当の時間を表しているといえるのでしょうか。 雷が光りました。3秒後、音が聞こえました。よくあることです。その音は3秒過去の音です。過去がそのまま現在によみがえっています。ということは、音の上の時計は停止していることになります。 音も時間が止まる。新(珍)説です。8分前の光を今見ている、だから光は時間が止まるというなら、音も可能です。音がだめなら光もだめです。とはいかないかしら。 太陽から出た時計の光は映像で、もはや本当の時計ではありません。映像は、その光が出たときの形や色をそのまま送っているから動きようがないだけです。光に本当の時計が積めたら、その時計は動いているのじゃないかしら。 このあたりは分からないことが多いようです。本によって解釈がいろいろです。光速のロケットに乗ると、ロケットの中は、普通に時間が経過していて、外から見ると、時計が止まっているように見えるという本もあれば、いや、実際に遅れるというのを、ジェット機に時計を積んで実験した人もいます。これは、以前書きました。これだと、光の速度になると、時計の針が動かなくなるのと同じように、全てが動かなくなります。光速で飛ぶと歳をとらないという考えです。そうするととても矛盾が起こるというのは「チータは亀より歳をとるのが遅い」で書きました。 |
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D | 相対論で考えます(トムキンスも相対論なんだけど) | |
地球から見れば光が光速で進んで光の時間が止まっています。しかし、光から見れば、地球が光速で進んでいることになるので、地球の時間が止まることになります。いわゆる双子のパラドックスです。これだと、光上の時計も、地球上の時計も普通に進んでいるのだけれど、互いに相手の時計を見ると止まっているように見えるだけということになります。太陽が東から上がってくるのと同じで,見てくれだけです。かっちんこっちん 04年1月15日 並刻記 |